高経年化技術評価に係る実用発電用原子炉の設置、 運転等に関する規則等の一部を改正する規則(案)について 平 成 28年 8月 31日 原 子 力 規 制 庁 1.経緯 平成28年6月20日の原子力規制委員会において、運転期間延長認可を受けない原子炉の取扱い を含め、運転することができる期間の満了する原子炉の高経年化技術評価の実施等の取扱いについ て整理、検討することとされたため、以下のとおり整理、検討を行った。 2.現行制度の課題 高経年化技術評価制度は、運転開始後30年を経過する原子炉について、運転開始後30年目から 10年毎に高経年化技術評価の実施及び長期保守管理方針の策定を義務付けている。なお、原子炉 の運転を行わないとして、廃止措置計画の認可を受けた原子炉は、これらの実施を適用しないとして いる。 現在の高経年化技術評価等の実施に係る規定によれば、例えば、以下のような場合であっても、廃 止措置計画が認可されるまでの間、高経年化技術評価等が必要な状況となっている。 例1:運転開始後40年目に際し、運転期間延長認可申請をせず、運転期間が満了する場合 例2:運転開始後60年目に、延長した運転期間が満了する場合 3.運転期間が満了する原子炉に係る高経年化技術評価等の考え方 運転期間が満了した原子炉は、制度上、運転することはできず、また、廃止措置計画が認可される までの間は、保安規定に基づき原子炉施設の保守管理を継続して実施する義務がかかっている。 このため、運転開始後40年を経過する原子炉に係る高経年化技術評価等は、運転期間の延長を 行う原子炉が、認可を受けた期間が満了するまでの間、実施することを義務付けることとし、運転期間 の満了する原子炉については、高経年化技術評価等の実施を要しないこととすることが妥当と考え る。 1 4.今後の対応 (1)実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の一部改正(案) 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(以下「実用炉規則」という。)について、記載の適 正化を含め、【別紙1】のとおり一部改正を行う。また、研究開発段階発電用原子炉の設置、運転等に 関する規則(以下「研開炉規則」という。)の高経年化技術評価等に係る規定についても同様に、【別紙 2】のとおり一部改正を行う。 なお、実用炉規則の一部改正を踏まえ、「実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイド (平成25年6月19日原子力規制委員会決定)」(以下「実施ガイド」という。)についても、必要な規定 の整理を行う。 (2)規則改正までの取扱い 3.の考え方を踏まえ、規則改正までの間に運転開始後40年目の高経年化技術評価に基づく長期 保守管理方針に係る保安規定の変更認可申請の期間(運転開始後38年9月から3月以内)を迎える 原子炉のうち、実用炉規則第113条に基づく申請期間(運転期間満了前1年以上1年3月以内)に核 原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第43条の3の32第4項の規定に基づく運転 期間の延長認可申請を行わない原子炉については、実施ガイド 3.3 ① ロ に定める期間に保安 規定変更認可の申請を要しない。 5.意見募集の実施 今回一部改正する実用炉規則及び研開炉規則は、行政手続法に基づく意見募集を実施する。 6.今後の予定 ○意見募集の実施 ○原子力規制委員会決定 ○公布、施行 平成28年9月1日(木)から9月30日(金)までの 30日間(予定) 平成28年10月中旬以降(予定) 委員会決定後直ちに 2
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