ベトナム:ラオスから電力購入検討 中国依存緩和へ

ベトナム:ラオスから電力購入検討 中国依存緩和へ
2016 年 9 月 1 日掲載
8 月 29 日付けの地元報道によると、ベトナムは、中国からの輸入依存のリスクを最小限とするため、ま
た環境汚染に伴う電力源の削減に伴う電力不足を充当するため、ラオスから電力を輸入する。
副首相は、商工省に対して、2025 年までの電力源開発計画の提出を促し、電力供給源の多様化とラオス
からの供給検討を強調した。
ハノイ職業技術大学の関係者は、ラオスの水力電源は大きく、ラオスは水力発電所の更なる建設を計画
しており、供給過剰が予想されるとした。一方、ベトナムの電力需要は非常に大きく、2015-2016 年度の
発電量は 1,500 億 kWh だが、2020 年度までには 2,000 億 kWh 以上が必要になるとした。更なる電力確
保のため、ベトナムは大規模石炭火力発電所(稼動には高価な輸入炭を予定)を建設したが、水力発電所開
発に関しては、全ての大規模河川にて水力発電所を建設した。ラオスの水力発電所からの電力は、90%は
販売向けである。もし、ベトナムが、ラオスから電力を購入すると、両国にとっても利益となるとした。
ベトナム電力協会(Vietnam Power Association)副会長は、ラオスからの電力購入にて、石炭燃焼と更な
る石炭火力発電所建設が回避され、環境保護に貢献するとしたが、また、石炭火力発電所の発電量は、ま
すます、ベトナム全体の発電量の大きな部分を占めてくるともした。更に、同副会長は、ラオスからの電
力購入検討には、別の重要な理由があり、供給源の多様化、中国への依存度(全体必要電力量の 5%を毎年
購入)の軽減を促進することになるとした。
しかし、ハノイ職業技術大学の関係者は、ベトナムはラオスから電力を購入しても、ベトナム国内の電
力小売価格は低下しないと警告した。ベトナムの電力小売価格は、世界で安価で 1,500~2,000 VND/kWh
だが、タイの電力価格はその 1.5 倍、ドイツの電力価格はその 3 倍である。
(石炭開発部 辻
誠)
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