日米の金融政策の方向性 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 8 月 29 日
日米の金融政策の方向性
▣ 9 月の米利上げ観測が浮上
注目された 8 月 26 日のジャクソンホールでのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演では、
利上げについてやや前向きな姿勢が示されたものの、金融市場の反応は限定的でした。ただ、イエレン議長の
講演を受けたフィッシャーFRB副議長の発言を受け、早期の米利上げが意識されることになりました。
イエレン議長は、米国景気の先行きについて、「連邦公開市場委員会(FOMC)は実質国内総生産(GD
P)の緩やかな成長、労働市場のさらなる改善、また今後数年での 2%に向けたインフレ率の上昇を予測して
いる」と楽観的な見解を示しました。また、金融政策については、「労働市場の堅調な状況や米経済活動とイ
ンフレの状況から見て、フェデラル・ファンド(FF)金利を引き上げる論拠がこの数か月間で強まったと確
信する」、
「引き続き緩やかな利上げが適切になるだろう」と、追加利上げの具体的な時期については言及しな
かったものの、金融政策の引き締めを支持する姿勢を示しました。
米国株式市場は、イエレン議長の発言を受け、米経済への楽観的な見方が広がり一旦上昇で反応しました。
その後、イエレンFRB議長に近く、影響力が大きいとみられるフィッシャーFRB副議長が、9 月に利上げ
が実施され、年内に複数回の利上げがあると予期するべきかとのCNBCの質問に対し、「イエレン議長がこ
の日の講演で述べたことは、この 2 つの質問に対し『イエス』と答えることと整合性が取れている」と述べま
した。この発言を受け、早ければ 9 月の会合での利上げの可能性が高まったことに加え、9 月と 12 月の 2 回
の利上げの観測も僅かながら浮上しました。
市場では年内に利上げが 1 回あるかどうか、あるとしたら 12 月との見方が大勢だっただけに、米株は値を
下げる動きに、米長期金利、ドルは上昇する動きに転じました。米株については、米経済が堅調との見方から、
下げは限定的でしたが、1.5%台でもみ合っていた米長期金利は 1.6%台に、100 円台での動きが続いていた
ドル円は週明けの 29 日には 102 円台を回復しました。
図表1. 2016年9月の米政策金利の予想確率
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
9月利上げなし
7月29日
8月26日
9月利上げあり
0-0.25
0.25-0.5 0.5-0.75
0.75-1
1-1.25
図表2. 2016年12月の米政策金利の予想確率
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
7月29日
8月26日
年内利上げなし
年内利上げ1回
年内利上げ2回
年内利上げ3回
0-0.25
1.25-1.5
0.25-0.5 0.5-0.75
0.75-1
(%、政策金利水準)
1-1.25
1.25-1.5
(%、政策金利水準)
(注)FF(フェデラル・ファン ド)金 利先物レ ートが織り 込む予想確 率
(注)FF(フェデラル・ファン ド)金 利先物レ ートが織り 込む予想確 率
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
▣ 日銀は現行の枠組みを強化する方向、日米の金融政策の方向性の違いが明確に
他方、日銀の黒田総裁は 27 日、ジャクソンホールで開かれた中央銀行のシンポジウムで講演し、
「マイナ
ス金利付き量的・質的金融緩和は非常に強力な枠組みで、量・質・金利のいずれについても、追加緩和の余地
は十分にある。この枠組みをどう使って、2%の物価安定の目標を早期に実現するか、しっかりと検討し、実
践していく」としています。今回の米カンザスシティー地区連銀が主催したジャクソンホールでの経済シンポ
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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投資環境
2016 年 8 月 29 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
ジウムでは、日米の金融政策の方向性の違いが改めて確認された格好です。
米経済が利上げに耐えられるとの見方が広がれば、リスクオフ(回避)とはならずに、緩やかながらもドル
高・円安が進行することも想定されます。国内株にとっては、日銀による上場投資信託(ETF)買入れに円
安が加わることで、買い安心感が広がりそうです。米金利が上昇すると国内の金利についても、上昇圧力が加
わることになります。ただ、次回 9 月の日銀金融政策決定会合(20、21 日)での“金融政策の総括的な検証”
を控え、日銀の金融政策については不透明感が強い状況ですが、日銀が金融緩和姿勢を弱めるとは考えにくく、
国内金利の上昇も限定的とみられます。
とはいえ、フィッシャーFRB副議長は、
「労働省が発表する 8 月の雇用統計は利上げをめぐる決定を左右
する可能性がある」との見方を示しました。ひとまず、9 月 2 日に発表される米雇用統計を確認する必要があ
ります。堅調な労働市場の改善が確認されると、内外の金融市場は 9 月のFOMC(20、21 日)での利上げ
を織り込む動きが強まりそうです。
(参考) 米金融当局者の最近の主な発言
ロックハート・アトランタ連銀総裁
経済に対する私の自信が正当化されるのであれば、年内に
少なくとも1回の政策金利引き上げが適切になるかもし
れない(8 月 16 日)
ダドリー・ニューヨーク連銀総裁
追加利上げが適切となる時期にじわじわと近づいている。
9 月の会合で利上げを決定する可能性はある(8 月 16)
ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁
国内経済が堅調であることを踏まえると、遠い先よりもむ
しろ近い将来に、緩やかなペースで利上げを行なっていく
スタンスに戻ることが理にかなう(8 月 18 日)
フィッシャー副議長
労働市場は力強く、われわれの目標に近づいている。物価
上昇率は目標の 2%に届く距離にある(8 月 21 日)
FRB内で景気過熱の問題を話し合っている(8 月 25 日)
イエレン議長の(26 日の講演での)発言は 9 月の利上げ
の可能性と整合する(8 月 26 日)
カプラン・ダラス連銀総裁
利上げの条件は整いつつある(8 月 25 日)
ジョージ・カンザスシティー連銀総裁
米経済は完全雇用に近づいておりインフレは当局の目標
に向かって上昇している。利上げは正当化される(8 月 25
日)
メスター・クリーブランド連銀総裁
経済は良好な軌道上にある。緩やかな道筋で利上げを始め
ることが理にかなっている(8 月 26 日)
ブラード・セントルイス連銀総裁
経済が力強さを増している時が利上げの良いタイミング
だ(8 月 26 日)
パウエル理事
FRBは忍耐強く、慎重な利上げを進めることが適切。イ
ンフレ率が2%へと上昇し、雇用の引き締まりに向けて十
分な成長が続くなら、その機を捉えて利上げするべき(8
月 26 日)
イエレン議長
労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフ
レに対する当局の見通しを考慮すると、利上げの論拠がこ
の数か月間で強まった(8 月 26 日)
(出所)各種報道等より、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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2016 年 8 月 29 日
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