認知症介護研究・研修センターの取組について

認知症施策に関する厚生局管内都道府県ブロック会議
認知症介護研究・研修センターの取組について
社会福祉法人浴風会
認知症介護研究・研修東京センター
主な内容
1.認知症介護研究・研修センターの概要
2.研究事業について
3.研修事業について
4.普及・推進事業について
5.地域包括ケア・認知症施策の着実な進展に
向けて
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1.認知症介護研究・研修センターの概要
3
認知症介護研究・研修センター
[設置目的]
21世紀の重大課題である認知症高齢者対策の
基盤づくりのため、介護サービスの量的整備と
同時に「質の向上」をはかることをめざし、
その拠点となる中核的機関として、全国で
3か所に設置する。(2000年)
仙台センター
社会福祉法人 東北福祉会
〒989-3201
宮城県仙台市青葉区国見ヶ丘
6-149-1
TEL 022-303-7550
FAX 022-303-7570
[email protected]
東京センター
社会福祉法人 浴風会
〒168-0071
東京都杉並区高井戸西
1-12-1
TEL 03-3334-2173
FAX 03-3334-2718
[email protected]
大府センター
社会福祉法人 仁至会
〒474-0037
愛知県大府市半月町
3-294
TEL 0562-44-5551
FAX 0562-44-5831
[email protected]
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[センターの設立理念]
認知症になっても『心』は生きています。
認知症の人の『その人らしさ』を
大切にするケアをめざします。
認知症の人が『尊厳』をもって
ともに暮らしてゆける社会の創造を
目指します。
認知症介護研究・研修センターホームページより
(認知症介護情報ネットワーク:通称 DCネット)
https://www.dcnet.gr.jp/center/
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[事業内容]
1.認知症介護に関する学際的研究
2.研究開発の成果を踏まえた専門的介護を
推進・指導する人材の研修
3.認知症介護に関する情報の収集・提供
4.認知症介護の関係者の交流・ネットワーキング
研修
研究
認知症の人が『尊厳』をもって
ともに暮らしてゆける社会の創造
情報収集
提供
普及・推進
交流・ネット
ワーキング
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2.センターの研究事業について(主なもの)
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1)3センター共同研究
(1)認知症介護基礎研修、実践研修等のあり方および
その育成に関する調査研究
(2)時間軸を念頭に適切な医療・ケアを目指した、
認知症の人等の全国的な情報登録・連携システム
に関する研究
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(1)認知症介護基礎研修、実践研修等のあり方および
その育成に関する調査研究(主担当:仙台センター)
認知症介護指導者研修→
認知症介護実践研修
①リーダー研修→
②実践者研修→
*平成28年度創設
指導者
リーダー
平成27年度に
カリキュラム改訂
*より実践的に
→平成28年度から移行
実践者研修を修了
した実践者
認知症介護基礎研修
平成27年度に
プログラムと
教材を開発
→平成28年度から実施
認知症介護の人材育成の体系
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仙台センターより
認知症介護基礎研修eラーニングの活用について
〇平成28年度より、「認知症介護基礎研修」が創設されました。
〇基礎研修の構成 2科目(各3時間)
「認知症の人の理解と対応の基本」⇒講義中心
「認知症ケアの実践上の留意点」
通信形式で
受講可能
(eラーニング)
認知症介護実践者研修・実践リーダー研修のシラバスを策定
〇認知症介護実践者等養成事業実施要綱の標準カリキュラムに
準拠して策定。
〇DCネットの研修情報に掲載をしましたので、研修・企画への活用、
周知をお願いいたします。
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(2)時間軸を念頭に適切な医療・ケアを目指した、認知症の人等
の全国的な情報登録・連携システムに関する研究
(主担当:東京センター)
〇要介護状態にある認知症の人の登録システム
・介護事業所と提携し、同意が得られた
ケースを登録し、職員が情報を継続的に
入力しデータを蓄積していくシステムの開発
→蓄積されたデータをもとに、
認知症の人の状態の変化によりよく寄与する
ケアのあり方を追究していく(中長期前向き縦断研究)。
・平成27年度は、登録・入力の実行可能性を検証。
→平成28年度は、登録や入力方法をより簡便化し
登録システムの完成をめざす。
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2)各センターの主な研究(地域包括ケア関連)
■平成27年度
センター
研究事業名
高齢者虐待の要因分析及び対応実務課題の解決・共有に関する調
査研究
仙台
センター 在宅介護者及び認知症者の早期支援と支援者育成に関する研究
東京
センター
都道府県及び市区町村における認知症地域支援推進員の効果的
な活動と地域資源ネットワーク構築の促進に関する調査研究
認知症の人の行方不明を防ぎ安心して外出できるまちづくり推進
事業
若年性認知症の人に対する支援コーディネートのあり方に関する調
査研究
大府
センター 施設における認知症高齢者のQOLを高める新しいリハビリテーショ
ンの普及に関する研究
*各研究の報告書、成果物(小冊子、事例集等)は、DCネットに掲載
[3センターの役割分担] 仙台センター:虐待、東京センター:地域ケア、大府センター:若年性認知症 12
■平成28年度の主な研究事業(地域包括ケア関連)
センター
研究事業名
高齢者虐待の要因分析及び調査結果の継続的な活用・還元方法の
確立に関する調査研究事業
仙台
センター 認知症カフェの実態に関する調査研究事業
東京
センター
認知症地域支援・ケア向上事業を活用した認知症の人やその家族
への支援体制の推進に関する調査研究事業(推進員の活動推進)
認知症地域資源連携・支援体制促進事業:当事者の視点を重視
した市区町村の地域支援体制構築の促進
若年性認知症の人の生きがいづくりや就労支援のあり方に関する
調査研究
大府
センター 施設における認知症高齢者のQOLを高める新しいリハビリテーション
の普及に関する研究
*各研究の報告書、成果物(小冊子、事例集等)は、DCネットに掲載。
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新オレンジプラン・地域包括ケアの推進に関連した3センターの研究
新オレンジプランの7本柱
◆共同研究 ●平成27年度研究 〇平成28年度研究
1.普及・啓発の推進
2.適時・適切な医療・ ◆認知症介護基礎研修、実践研修等のあり方およびその育成に関する調査研究
●高齢者虐待の要因分析及び対応実務課題の解決・共有に関する調査研究
介護等の提供
〇高齢者虐待の要因分析及び調査結果の継続的な活用・還元方法の確立に
関する調査研究事業
●都道府県及び市区町村における認知症地域支援推進員の効果的な活動と
地域資源ネットワーク構築の促進に関する調査研究
〇認知症地域支援・ケア向上事業を活用した認知症の人やその家族への支援
体制の推進に関する調査研究事業(推進員の活動推進)
3.若年性認知症施
●若年性認知症の人に対する支援コーディネーターのあり方に関する調査研究
策の強化
〇若年性認知症の人の生きがいづくりや就労支援のあり方に関する調査研究
4.認知症の人の
介護者への支援
●在宅介護者及び認知症者の早期支援と支援者育成に関する研究
〇認知症カフェの実態に関する調査研究事業
5.やさしい地域づくり ●認知症の人の行方不明を防ぎ安心して外出できるまちづくり推進事業
の推進
●〇施設における認知症高齢者のQOLを高める新しいリハビリテーションの
6.研究開発及びその
普及に関する研究
成果の普及の推進 ◆時間軸を念頭に適切な医療・ケアを目指した、認知症の人等の全国的な
情報登録・連携システムに関する研究
7.認知症の人やその 〇認知症地域資源連携・支援体制促進事業:当事者の視点を重視した
家族の視点の重視
市区町村の地域支援体制構築の促進
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3.センターの研修事業について
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センターが実施している主な研修(平成28年度)
Ⅰ.新オレンジプランに位置付けられた人材に関する研修
1.認知症介護指導者研修/フォローアップ研修
標準カリキュラムに基づき3センターそれぞれが実施
2.認知症地域支援推進員研修(東京センター)
3.若年性認知症支援コーディネーター養成研修(大府センター)
Ⅱ.認知症ケアの質の向上をはかるためのセンターの独自研修
〇 ひもとき研修(3センターで共同開発、東京センターが実施)
*介護現場で直面する問題について、認知症の人の視点にたって
総合的にひもといて考える力やチーム力を高めるための研修
〇認知症ケアマッピング(DCM)研修)(大府センター)
*国際的に認知症ケアの主流となっているパーソン・センタード・ケアを
実践するために、英国ブラッドフォード大で開発されたDCMを学ぶ研修
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1) 認知症介護指導者養成研修(3センター事業) H.13年度~
目的 ・認知症介護実践研修を企画・立案し、研修を実施
・介護保険施設・事業所等における認知症介護の質の向上、
・地域資源の連携体制構築の推進等
以上に必要な能力を身につけ、認知症の人に対する地域全体の介護サービスの充実を図る
回数・地域 年2~3回×3センター、各センターで実施。
時間数
講義・演習 175時間(7h×25日) + 職場実習 4週間
対象者
実務者(都道府県・指定都市による推薦または事業所推薦)
受講定員
各センター25名/回前後
○前期研修(15日):課題解決技法、講義・演習方法論
○職場研修(4週間):前期研修を活かした自職場の課題解決
内容
○後期研修(10日):職場研修報告、スーパーバイズ実習、カリ
キュラム構築論
○実践研修の講師
修了後の
○自職場の人材育成、地域の専門職向け研修、地域啓発、
活動
その他都道府県行政と連携した活動 等
平成27年度末までに、累計2,150名
修了者数
参考:新オレンジプランの目標値 平成29年度までに2,200名
※実践者研修の受講希望者が激増中。講師役の指導者不足が大きな課題。
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認知症介護指導者研修
3センターの担当エリアと修了者の自主ネットワーク
認知症介護研究・研修仙台センター
・北海道
・東北
ちネット
・中国
・四国
認知症介護研究・研修東京センター
・関東、新潟
・九州
Being
・沖縄
認知症介護研究・研修大府センター
・北陸
・甲信
大府ネット
・東海
・関西
★全国で、2,150名の指導者研修修了者がいる
一
般
社
団
法
人
全
国
認
知
症
介
護
指
導
者
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
18
認知症介護指導者の地域活動の実態
〇指導者の88.3%が、何らかの地域活動を行っていた。
〇活動の範囲は大別して5つ
①研修会等の活動
②行政の委員会や会議等への参加
③関係職種・各種機関との連携
④当事者や地域住民向けの相談・啓発活動
⑤学会・研究会での講演・発表等
〇活動に関与できなかった理由
・本務が多忙
・活動の依頼がないため
・養成研修直後のため
大府センター「認知症介護指導者の地域活動に関する実態調査」結果(平成27年度)より
対象:3センターの平成26年度までに指導者養成研修を修了した者 回収率(41.1%)
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2) 認知症地域支援推進員研修(東京センター事業)平成23年度~
目的 各市町村に配置予定およびすでに配置された認知症地域支援推進員(以下、
推進員とする。)が、地域における諸資源の連携の要役、認知症施策の推進役
を果たしていくための知識・技術を習得する。
回数・場所
日数
対象者
内容
平成28年度 18回
全国14地域で開催(仙台、福島、茨城、大宮、東京、金沢、
名古屋、大阪、神戸、広島、高松、福岡、宮崎、那覇)
2日間
市町村が配置予定/すでに配置した推進員
○認知症施策の動向と推進員の位置づけ、役割
○地域の支援体制の構築及び認知症ケアの向上を図るための
活動(実践報告・討議)
〇推進員活動の実効性をあげるためのPDCAと活動計画作成
〇推進員同士のネットワーキング(情報交換)
修了後の活動 各市区町村の行政担当者と協議しながら活動計画にそって
平成27年度までに、累計3,359名
修了者数
参考:新オレンジプランの目標 平成30年度までに全市区町村配置
(実績)平成27年度末 839市町村
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認知症地域支援推進員の配置と活動の実態
〇平成27年度の市区町村全体における配置率は、53.7%。
・人口規模の小さな自治体では配置率が低い傾向がある。
→人口1.5万人未満:27.8%、1.5万~3万未満:43.4%
・平成30年度までに配置予定なしの自治体が6.1%
〇人口規模にかかわらず、80%以上の市区町村において、
推進員の人員の確保や業務の継続性が課題となっている。
〇活動期間が長い推進員のいる市区町村ほど、配置の効果を感じている。
〇推進員の勤務形態は、兼務が85.4%。推進員の75.2%の者が
「業務量が多く、推進員としての活動に十分な時間が取れない」と回答。
〇行政担当者と推進員が協働体制を組み、業務を焦点化して計画的に
取組を進めている自治体では、推進員が着実に成果をあげている。
〇推進員の90%以上がスーパーバイズを必要としていたが、
市区町村の80%以上はスーパーバイズできる人材難と回答。
東京センター「都道府県及び市区町村における認知症地域支援推進員の効果的な活動と地域
資源ネットワーク構築の促進に関する調査研究」(平成27年度)より
調査対象 ①全市区町村の認知症施策担当者(回答率58,7%)、②配置された全推進員(58.6%) 21
地域で指導者と推進員がつながり、協働してやさしい地域づくりを進める仕組みを
認知症介護指導者:主に人材養成、
ケアの質の向上の推進
認知症地域支援推進員:主に地域資源
連携、施策推進
共に、認知症の人にやさしい
地域づくり(新オレンジプラン)
の推進者。
自治体が両者をつなぎ、活かし
機能を補完しあうしくみをつくる
と、大きな成果が期待できる。
各都道府県
C市
B町
A市
★スーパーバイズ
可能な人材
★スーパーバイズ
可能な人材
E町
若年性認知症
支援コーディネーター
推進員はいる
D市
指導者はいる
どちらもいない
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3)若年性認知症支援コーディネーター養成研修(大府センター)
目的
• 若年性認知症の人は現役世代であることが多く、認知症高齢者と比較して就
労や生活費、子供の養育費などの経済的な問題が大きいが、それを支援する
制度やサービスは十分に整備されているとは言えず、また、地域の社会資源
を把握し、支援に活用できる専門職も少ない状況にある。
• このような背景から、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)におい
ては、47都道府県に若年性認知症の人の自立支援に関わる関係者のネット
ワークの調整役(若年性認知症支援コーディネーター)を配置し、支援の取
り組みを促進することとしている。
• 本研修は、認知症介護研究・研修大府センターが平成27年度に実施した老
人保健健康増進等事業(若年性認知症の人に対する支援コーディネートのあ
り方に関する調査研究事業)の成果として、若年性認知症支援コーディネー
ターと都道府県・政令市担当者(各1名)を対象に、若年性認知症に関する
基本的知識・視点の習得と実践力向上を目的として実施する。
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4.センターの普及・推進事業について
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3センター共同のホームページ
認知症介護情報ネットワーク(通称:DCnet)
https://www.dcnet.gr.jp/
主なコンテンツ
 認知症を知る
(一般向け基礎知識)
 新着・イベント情報
 研究報告書全文DL
H28年度実装予定コンテンツ
●認知症の人の支援のための地域実践事例
●全国の実践研修情報まとめページ
 認知症研究データベース
 知ってなるほど塾
(動画WEB学習)
 学習支援情報
研修教材
 研修情報
 行政通知リンク
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〇3センター合同の研究成果報告会(9月5日 東京:イイノホール)
〇各センター合同の報告会、セミナー等:順次、HPに掲載
*特に、地域包括ケアシステムの推進に関連するものについて
センターから推進室を通じて、厚生局に情報提供させて
いただく予定。
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5.地域包括ケア・認知症施策の着実な進展に向けて
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現在と将来に向けた重層的な認知症施策の取組・推進体制
年度2000
2016
2025
地域社会
少子高齢化の進展
認知症の人の増加
人材不足の深刻化 等
市区町村
地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築
認知症にやさしい町づくり
都道府県
管内市区町村の取組の推進
★地方厚生局
地域包括ケア推進課
国
地域包括ケアシステムの構築の推進
認知症施策総合推進戦略 (新オレンジプラン)
2035~
意
で思
きが
自る尊
分限重
らりさ
し住れ
くみ、
暮慣
られ
した
続地
け域
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こよ
とい
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きで
る
社
会
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実
現
28
重層的な取組・推進体制と認知症介護研究・研修センター
~センターの事業(成果)・人材・ネットワークを最大限に活用を~
年度2000
2016
少子高齢化の進展
認知症の人の増加
人材不足の深刻化 等
地域社会
人
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市区町村
国
地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築
認知症にやさしい町づくり
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←
←
都道府県
認知症介護
研究・研修
センター
2025
研研普
究修及
・
推
進
管内市区町村の取組の推進
★地方厚生局
地域包括ケア推進課
センター
地域包括ケアシステムの構築の推進
認知症施策総合推進戦略 (新オレンジプラン)
2035~
意
で思
きが
自る尊
分限重
らりさ
し住れ
くみ、
暮慣
られ
した
続地
け域
るの
こよ
とい
が環
で境
きで
る
社
会
の
実
現
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北海道から、沖縄まで
それぞれの市区町村が
着実に進んでいくためのナビゲーションと
バックアップをともに。
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