早稲田出身 391 社、慶應出身 307 社

2016/8/30
大宮支店
住所:さいたま市大宮区桜木町 1-11-9
ニッセイ大宮桜木町ビル 7 階
TEL:048-643-2080（代表）
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画 : 埼玉県内「早慶出身社長企業」の実態調査
早稲田出身 391 社、慶應出身 307 社
～早稲田、慶應出身社長企業には建設業が少ない～
はじめに
ともに創設から 100 年以上の歴史を誇り、各界に多数の人材を輩出してきた早稲田大学ならび
に慶應義塾大学。
“私学の雄”ともいわれる両大学は、経済界においても全国各地に多数の社長を
輩出している。
帝国データバンク大宮支店は、2016 年 7 月時点の企業概要データベース「ＣＯＳＭＯＳ２」
（146
万社収録）の中から「株式会社」
「有限会社」115 万 3907 社のデータを抽出。このうち、社長の出
身大学が早稲田大学ならびに慶應義塾大学である埼玉県内の企業について、信用調査報告書ファ
イル「ＣＣＲ」
（170 万社収録）などをもとに、代表者の性別や年齢、当該企業の業歴、年売上高、
業種などについて集計し、県内企業全体の傾向との違いなどを分析した。
調査結果（要旨）
1. 埼玉県内の早稲田大学出身社長企業は 391 社、慶應義塾大学出身社長企業は 307 社を数え、都
道府県別の企業数では早稲田が 5 位、慶應が 6 位。双方ともに男性社長が圧倒的に多い。
2. 業歴別では、慶應義塾大学出身社長企業の方が、早稲田大学出身社長企業より業歴の長い会社
が多い。県内全体との比較では、早稲田、慶應出身社長企業は業歴の長い会社が多い。
3. 業種別では、早稲田大学出身社長企業、慶應義塾大学出身社長企業ともに「製造業」が最も多
い。県内全体では「建設業」が最多で、構成比からみても早稲田大学出身社長企業、慶應義塾
大学出身社長企業は「建設業」が非常に少ない。
4. 代表者の就任経緯を見ると、早稲田大学出身社長企業、慶應義塾大学出身社長企業ともに「同
族継承」が最も多いが、その構成比では慶應が早稲田を大きく上回る。県内全体では「創業者」
が最多で、早稲田、慶應出身社長企業における社長は創業者が比較的少ない。
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特別企画 :埼玉県内「早慶出身社長企業」の実態調査
1．概況
2016 年 7 月時点の企業概要データベース「ＣＯＳＭＯＳ２」
（146 万社収録）によると、全国で
は早稲田大学（以下：早稲田）出身社長企業が 1 万 789 社、慶應義塾大学（以下：慶應）出身社
長企業が 1 万 1392 社を数えた。
なお、
『2016 年全国社長分析』
（2016 年 1 月 26 日発表）
によれば、
出身大学別の企業数ランキングでは早稲田が 3 位、慶應が 2 位（1 位は日本大学）となっている。
都道府県別に早稲田、慶應出身社長企業数の多いトップ 10 を並べたものが下記の表（右端の「全
体」は全企業の都道府県別構成比）
。埼玉県では早稲田が 5 位（391 社、構成比 3.6％）
、慶應が 6
位（307 社、同 2.7％）となった。
都道府県別上位
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
早稲田
都道府県
東京都
神奈川県
愛知県
大阪府
埼玉県
千葉県
北海道
静岡県
福岡県
長野県
社数
4,647
578
446
395
391
323
290
287
266
213
順位
構成比
％
43.1
5.4
4.1
3.7
3.6
3.0
2.7
2.7
2.5
2.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
慶應義塾
都道府県
社数
東京都
神奈川県
愛知県
大阪府
静岡県
埼玉県
千葉県
福岡県
兵庫県
広島県
4,869
744
634
521
323
307
254
228
221
217
全体
順位
構成比
％
42.7
6.5
5.6
4.6
2.8
2.7
2.2
2.0
1.9
1.9
都道府県
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
東京都
大阪府
愛知県
神奈川県
北海道
埼玉県
千葉県
福岡県
兵庫県
静岡県
構成比
％
15.7
7.4
5.5
5.3
5.0
4.5
3.6
3.5
3.3
2.9
次に、埼玉県内の早稲田、慶應出身社長企業における社長の男女別構成比をみてみると（右端
の「県内全体」は埼玉県内全体（約 6 万社）でみた場合の構成比、以下同）
、下記のとおり男性が
圧倒的に多く、県内全体との比較でみても、早稲田、慶應ともに女性社長の構成比は 6 ポイント
弱低くなっている。
性別
早稲田
社数
慶應義塾
構成比％
社数
県内全体
構成比％
構成比％
男性
388
99.2
304
99.0
93.3
女性
3
0.8
3
1.0
6.7
合計
391
100.0
307
100.0
100.0
2．業歴
業歴別にみると、早稲田、
慶應出身社長企業ともに
「50 年～100 年未満」が最
も多くなったが、その構成
業歴
早稲田
社数
慶應義塾
構成比％
社数
県内全体
構成比％
構成比％
10年未満
21
5.4
23
7.5
10.6
10～30年未満
115
29.4
60
19.5
31.6
30～50年未満
113
28.9
59
19.2
35.0
比は早稲田が 33.5％に対
50～100年未満
131
33.5
134
43.6
21.4
し、
慶應が 43.6％となり、
100年以上
11
2.8
31
10.1
1.4
合計
391
100.0
307
100.0
100.0
慶應が 10.1 ポイント上回
った。両者を比較すると、おおまかな傾向として慶應出身社長企業の方が業歴の長い会社が多い。
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また県内全体との比較でみると、早稲田、慶應で最も多かった「50 年～100 年未満」の構成比
が、県内全体では 21.4％とかなり低く、一方で「10 年未満」や「10～30 年未満」
「30～50 年未満」
では県内全体の方が構成比が高い。総じて、早稲田、慶應出身社長企業は業歴の長い会社が相対
的に多くなっている状況にあるといえる。
3．年売上高
年売上高別にみると、早
稲田、慶應出身社長企業と
もに「1 億～10 億円未満」
年売上高
早稲田
社数
慶應義塾
構成比％
社数
県内全体
構成比％
構成比％
1億円未満
128
32.9
83
27.1
53.6
39.9
が最も多くなり、その構成
1億～10億円未満
172
44.2
124
40.5
10億～50億円未満
69
17.7
71
23.2
5.3
比はいずれも 4 割を超え
50億～100億円未満
10
2.6
14
4.6
0.6
た。100 億円以上の大企業
でみると、早稲田が構成比
2.6％に対し、
慶應は 4.6％
100億～500億円未満
5
1.3
13
4.2
0.5
500億～1000億円未満
3
0.8
0
0.0
0.1
1000億円以上
2
0.5
1
0.3
0.03
389
100.0
306
100.0
100.0
合計
で、他のカテゴリーからみ
※ 年売上高が判明した企業が対象
ても、やや慶應出身社長企業が早稲田出身社長企業より売上高の大きい会社が多い。
県内全体では「1 億円未満」が構成比 53.6％と最も多く、
「1 億～10 億円未満」が 39.9％で続き、
早稲田、慶應出身社長企業の方が売上高の大きい会社が多くなっている。
4．業種
業種別にみると、早稲田、
慶應出身社長企業ともに
「製造業」が最多となり、
いずれも 3 割を超えた。た
業種
早稲田
社数
慶應義塾
構成比％
社数
県内全体
構成比％
構成比％
建設業
24
6.1
11
3.6
34.6
製造業
130
33.2
93
30.3
17.5
12.1
卸売業
66
16.9
64
20.8
だ、早稲田は次いで「サー
小売業
30
7.7
35
11.4
9.3
ビス業」「卸売業」と続い
運輸・通信業
15
3.8
13
4.2
4.4
サービス業
89
22.8
47
15.3
12.9
不動産業
30
7.7
38
12.4
8.2
その他
7
1.8
6
2.0
1.1
391
100.0
307
100.0
100.0
たのに対し、慶應では「卸
売業」「サービス業」の順
となった。
合計
県内全体との比較では大きな違いがみられた。
「建設業」が早稲田は構成比 6.1％、慶應は 3.6％
に対し、県内全体では 34.6％とかなりの差があり、早稲田、慶應出身社長企業は建設業が非常に
少ないということが浮き彫りとなった。
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5．代表者年齢
代表者の年齢別にみる
代表者年齢
と、早稲田、慶應出身社長
企業ともに「60 代」が最
多となった。70 代以上の
早稲田
社数
慶應義塾
構成比％
社数
0.0
県内全体
構成比％
構成比％
0.0
0.2
30代未満
0
0
30代
3
0.8
10
3.4
3.8
40代
55
14.5
42
14.1
19.7
高齢でみると、早稲田が構
50代
74
19.5
53
17.8
23.3
成比 30.6％に対し、慶應
60代
131
34.6
121
40.6
30.0
19.1
は 24.2％となっており、
やや早稲田出身社長企業
70代
81
21.4
62
20.8
80代以上
35
9.2
10
3.4
3.9
合計
379
100.0
298
100.0
100.0
の方が社長の高齢化が進
※ 年齢が判明した企業が対象
んでいる。
県内全体との比較では、それほど大きな違いや差異はみられないものの、
「40 代」
「50 代」は早
稲田、慶應出身社長企業は構成比が低く、高齢社長の会社が少し多くなっている状況にある。
6．就任経緯
最後に代表者の就任経
就任経緯
緯をみると、早稲田、慶應
出身社長企業ともに「同族
継承」が最多となったが、
早稲田
社数
慶應義塾
構成比％
社数
県内全体
構成比％
構成比％
創業者
99
33.1
39
16.7
48.7
同族継承
129
43.1
146
62.7
34.8
買収
8
2.7
6
2.6
1.7
その構成比は早稲田が
内部昇格
31
10.4
17
7.3
9.2
43.1 ％に対し、慶應は
外部招聘
11
3.7
5
2.1
2.1
出向
12
4.0
11
4.7
1.9
分社化の一環
9
3.0
9
3.9
1.6
100.0
233
100.0
100.0
62.7％に達し、慶應出身社
長企業は早稲田に比べ同
合計
299
族継承が多いことが明ら
※ 代表就任経緯が判明した企業が対象
かとなった。
県内全体をみると、最も多かったのは「創業者」で構成比は 48.7％と約半数を占めている。早
稲田、慶應出身社長企業における社長は、創業者が比較的少ない状況となっている。
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