信仰者と信託 - Tokyo Camii

東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2016 年 9 月 02 日
「信仰者と信託」
兄弟、姉妹の皆様!
とその使徒を裏切ってはならない。また故意に、あ
タウヒード(唯一性)の信仰が、日々、波となって
なたがたへの信頼を裏切ってはならない(8 章 27
マッカに広まっていった頃のことです。偶像崇拝者
節)」。
たちには、これは受け入れがたいことでした。彼ら
兄弟、姉妹の皆様!
は、私たちの預言者(彼の上に平安と祝福あれ)を
今日(こんにち)、私たちがなすべきこととは、ク
苦しめたり、彼に対する憎しみをあらわにすること
ルアーンとスンナのいやしによって自らの心を生
にも躊躇しませんでした。ついに彼らは、(預言者
き生きとよみがえらせることであります。ムスリム
の)叔父であるアブー・ターリブのもとを訪れ、預
と呼ばれるにふさわしい人生とは、クルアーンとス
言者にその使命をあきらめさせようとしました。彼
ンナによって定められた道を歩むことによっての
らは預言者に、地位や名声、その他さまざまなもの
み可能となる、ということを決して忘れてはなりま
を約束し、また目的をあきらめないようなら殺害す
せん。千四百年の歳月に渡り、クルアーンとスンナ
る、と言って脅迫しました。しかし神のみ使いは、
によって織りなされてきた知恵と知識を、私たちは
彼らの脅迫を恐れることもなく、また持ちかけられ
誰がそれをもたらしますか
た取引を意に介そうともなさいませんでした。そし
正しく理解する必要があります。この二つの大いな
て、次のようにお答えになったのです。「おお、わ
て新たな文明を示せるよう、私たちは努力しなくて
が叔父よ!たとえ彼らが、私の右手には太陽、左手
はなりません。
には月を与えようとも、私がこの使命を投げ捨てる
愛すべき兄弟、姉妹の皆様!
ことはないでしょう。神がご自分の宗教に勝利をも
アーダムとハワー(イブ)の子孫として、私たちは
たらしたもうか、あるいは私がかれの宗教のために
互いに互いを支え合っています。そのためには愛と
命を落とすか、二つにひとつです」。
尊敬、理解が求められます。互いに相手を兄弟、姉
愛すべき兄弟、姉妹の皆様!
妹とみなし合い、喜びも悲しみも、わがことのよう
聖クルアーンにおいては、全能の主は御自らを「信
にみなし合うことが求められます。ありとあらゆる
仰者」と名乗っておられます。この美名と、それが
場面において誠実さと信頼が求められます。「ムス
る信託からインスピレーションを得て、人類に対し
もたらすあらゆる祝福を、主は私たちに託したもう
リムは兄弟である。裏切らず、嘘をつかず、困難な
全体規則)
ておられます。私たちに委ねられたもののうち最も
時にも決して見捨たりしない」と、ハディースにお
偉大なものとは、私たちの信仰、私たちのイスラー
OF ISLAM
ムであることは疑う余地がありません。私たちにで
ISいて伝えられている通りであります。分かち合うこ
EASY
と、助け合うこと、そして連帯することが求められ
きることと言えば、ただこの信仰の祝福を通じて現
るのであります。
世と来世の幸福を成就するのみであります。この点
兄弟、姉妹の皆様!
において私たちがなすべきことと言えば、この偉大
全能の主が私たちを、委ねられた信託を守ることに
なる信託を決して裏切らないこと、ただそれのみで
より、自らの名誉をも守った人々と一人として認め
あります。いかなる状況においてもこれを守り、カ
たまいますように。主が私たちを、信頼を裏切った
リマ・タウヒード(唯一性を示す言葉)、カリマ・
ために恥辱をこうむる人々の一人としてみなした
シャハーダ(信仰告白の言葉)を通じて主に捧げた
まいませんように。全能の主が私たちを、誠実で信
誓いに、誠実であり続けることであります。信仰の
頼に足る、誇らしいしもべの一人として数えたまい、
もとめに応じて、善行や美徳をもって私たちの人生
主の楽園に留めておくにふさわしい者とみなした
の飾りとすることであります。全能の主によっても
まいますように。
たらされた以下の章句を、常に心にとどめておかな
くてはなりません。「あなたがた信仰する者よ、神