腰・臀部骨指標 KTP サテライトセミナー大阪 2016 第 1 回 2016 年 8 月 21 日(日) 【骨指標とは】 筋肉を触察する時に、目標とする筋肉を見つける目印とする骨の一部。 それには、棘、稜、結節、角、等々がある。(他にマーキングポイント、ランドマーク等の呼び方 がある)筋肉の触察にはこれらの骨指標を、1箇所1秒以内で見つけることが日々の臨床で不可 欠である。 以下、腰臀部における今回学習する主な骨指標である。 (1)腸骨稜 (2)上後腸骨棘 (3)下後腸骨棘 (4)大坐骨切痕 (5)仙骨外縁 (6)外側仙骨稜・仙結節靭帯・仙棘靭帯 (7)大転子 (8)腸骨結節 (10)後殿筋線 (11)坐骨結節 (12)腰椎棘突起・第 12 胸椎棘突起 (14)肋骨角 【骨指標トレース完成図】 【手順】 (1) 腸骨稜:外方から差し入れて尾方に下ろし確認 (2) 上後腸骨棘:腸骨稜の後縁で後方に最も突出した隆起。 尾方から頭方へ引っ掛けて下端を触知。幅も確認。 1 (9)前殿筋線 (13)第 12 肋骨 (3)下後腸骨棘:上後腸骨棘の下端から外・前方へ 1 横指、尾方へ 2 横指移動した部の隆起 外方から見ると下後腸骨棘は上後腸骨棘下端よ 約 1 横指 り前方に位置するため、右図(青矢印)のよう にたどるとわかりやすい。 約 2 横指 約 2 横指移動したら、尾方から頭方へ触察して確認する。 尾方から見ると腸骨は平面ではなく、約 45°の 傾きががあるため右図(青矢印)のように指を 差し入れてから頭方へ触察するとわかりやす い。 (4)大坐骨切痕:下後腸骨棘から前・外方へたどって触察。 右図(青矢印)の方向に差し入れると触りやす い。 (5)仙骨外縁:深くまで指を差し入れて触察。(トレースは実際の骨の大きさ) 下後腸骨棘から下外側角☆まで 2~3 横指(左 図) (6) 外側仙骨稜(上後腸骨棘から真っすぐ尾方へ) 仙棘靭帯 仙結節靭帯 2 (7)大転子(側面図~後面図):深く差し入れ頭端は頭方から尾方へ、尾端は尾方から頭方へ触察。 頭・前端より頭・後端の方がやや頭方よりにある場合が多い。 側面からの大転子をトレースし、後面からの大転子後縁をトレースしたものと繋ぐ。 頭・尾幅約 3 横指、前後幅約 2 横指 後面から大転子後縁を触察し、側面からの大転子と繋ぐ (8)腸骨結節:上前腸骨棘から腸骨稜の外唇をたどり 4 横指辺りにあるとがった高まり。 上前腸骨棘 外唇 (9)前殿筋線:腸骨結節前端から後方へと向かい上後腸骨棘から外側約 4 横指の場所で大坐骨切 痕へ向かいカーブ (10)後殿筋線:腸骨稜の外唇(点線)を後・内方へたどると上後腸骨棘頭端付近で急に下方へ と走行が変わる。後殿筋線(緑)となる。 後殿筋線より外側 は中殿筋となる。 3 (11)坐骨結節:大殿筋の尾・内縁(殿溝、内端部)を、尾・内方から頭・外方向へと触察。 (12)腰椎棘突起と第 12 胸椎棘突起:腸骨稜上縁(第 4 腰椎棘突起上)から頭方にたどる。 第 3 腰椎棘突起が最大 5 (13)第 12 肋骨 頭・外方へ向かって指を差し込み、 肋骨下縁を触知 4 3 2 1 上下縁を確認しながらトレース 4 12 尾方から見ると、肋骨は円弧状のため触察するときは指を差し込む方向に注意する。 (14)肋骨角:肋骨で最も後方へ突出した部分 【注】 この資料は、2013 年 8 月に開催された「KTP サテライトセミナー大阪 2013」において中澤克夫氏 が作成して使用したものを加筆、改変して作り直したものである。 筋肉のレジュメにおいても同様、若干の変更を行っているものを使用している。 【MEMO】 5
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