企業の対応と自治体の連携 製油所 工場 ガス 発電 16.8.27 防災推進国民大会 名古屋大学減災連携研究センター 福和伸夫 名古屋大学福和研究室 熊本地震翌日 新聞報道見出し 「熊本地震、トヨタが生産停止を拡大 電機も復旧に遅れ」 ロイター 4月17日(日)18時57分配信 「電気、ガス、交通網の混乱続く 脱線の新幹線車両、18日から撤去作業へ」 西日本新聞 4月17日(日)21時8分配信 「九州新幹線「再開見通せず」…損傷100か所」 読売新聞 4月17日(日)23時12分配信 「政令市・熊本市の機能止まる 全小中高校臨時休校、役所のコンピューター故障」 西日本新聞 4月17日(日)21時36分配信 「熊本地震 ガソリン不足でオイルターミナル会社、 運搬車増強も…「高速道使えず、供給に追いつかない」 産経新聞 4月17日(日)16時40分配信 名古屋大学福和研究室 自動車産業の立地 名古屋大学福和研究室 本音の会 東海圏の特徴 ・ 日本第三の人口集中域、産業の集積地 ・ 自動車産業・航空産業等「ものづくり」の中心 ・ 東西をつなぐ交通・物流の要衝 ⇒広域地震災害により日本経済を大きく揺るがす 問題の所在と危機感の共有⇒本音の会 ・ 本音で現状の社会の実力を議論 ・ インフラ、ライフライン、交通・物流、燃料、建設、保 険、主要企業、医療等について、ボトルネックや課 題を洗い出す(病巣の同定) 初めからこんなに多くの参加者がいたわけではありません 徐々に危機感を共有できる仲間が増え、信頼関係を構築 名古屋大学福和研究室 本音の会でわかったこと 複数の異なる組織が関与している場合に、どこにボト ルネックがあるのか把握できていない 水道:水資源機構、国交省、愛知県企業庁、市町・企業団 道路:国(中部地整、国道)、NEXCO中日本、都道府県、市町村 港湾:国(中部地整)、愛知県、市町村(名港管理組合)、企業 電気、ガス、水道、道路等は、それぞれの基準で前提 条件を設定して被害程度を予測し災害対応を計画 現実社会は社会機能が相互に依存し、複雑に関係し て成立しており、全体の構図を把握することが難しい 電力:道路啓開、航路啓開、工業用水、燃料 水道・ガス:電力、道路啓開、燃料、工事業者 燃料:原油、電力、工業用水、海水、水素、タンクローリー 名古屋大学福和研究室 災害時の道路・水道の課題 複数の管理者が存在。地域の施設状況把握/人・モノのやり 取りは、それら管理者の全ての情報があってはじめて可能に。 【道路】 【水道】 市道 国道 水資源公団 県道 県・企業庁 町道 管理者は、レベル、エリアにより分かれて いる。広域震災の場合、いくつもの管理 者が管理している道路がつながって初め て人・モノのやり取りが可能に。 市 町 取水、浄化したところから一般家庭、 企業へ排水するところまで、複数の管 理者が介在し、それらすべての情報が あってはじめて状況把握が可能に。 階層を超え、エリアをまたいだ情報共有の実現 6 名古屋大学福和研究室 西三河の副市長・副町長WS 碧南市 市町間で不整合な計画 7 名古屋大学福和研究室 西三河の副市長・副町長WS (平成28年1月8日に開催) 広域の視点の重要性への気づき 連携の必要性の再認識 連携、協働のきっかけ作り 具体的な課題: 優先的に啓開すべき道路の検討 水に関する検討 広域の応受援計画策定 13 名古屋大学福和研究室 ワークショップの成果 地域全体での重要施設の配置状況の把握 具体的に地域を限定して見ることにより、 ・各地域に分散している災害対策本部・医療施設・変電所 ・臨海部に集中している発電所・各種処理施設 ・東部丘陵地に集中する水関連施設・災害対応基地等 社会機能を司る重要施設の配置状況が把握・共有できる 優先順位を考える上での有益な情報整理 具体的に地域を限定して見ることにより、弱点地域が把握し やすくなり、復旧の優先順位・事前対策実施の優先順位を考 える上での有益な情報整理ができる 本音の会で共有された課題が基礎自治体にも共有された 防災対策は各市町村それぞれで考えているため 地域全体としては問題がある・・・連携の課題 名古屋大学福和研究室 ボトルネック 電力供給 ガス供給 上水道 下水道 通信 道路港湾 都市高速 燃料供給 建設業 製造業 食料 役所役人 被害想定 発電、送電、変電、配電、受電、燃料、要員、自由化、湛水 LNG船、長期停電とLNG気化、湛水、液状化、敷地内 地域差、融通、浄水、停電、水資源・企業庁・市町村、工水 処理施設、ガスとの連携、液状化とマンホール、ポンプ場 局より先、全体像の把握度、省庁の競争原理、多重化 湛水、高速・国道・県道・市道、業者、航路啓開、取付道路 自家発、キーレス、取付道路、周辺火災、堀上の老朽橋脚 製油所、ローリー、出口&取付道路、ドラム缶、シーバース 労働者数、重機のリース化、多重の応援協定、地元業者 道路・航路、倉庫・集荷、部品、出荷 SCの把握困難、物流 運輸 車両、運転手、燃料 役所・役人の被災、首都機能の被災 過酷事象、産業連関、金融、火災、複合災害 名古屋大学福和研究室 本音の会の参加者 • 事務局:名古屋大学、三菱総合研究所、コンポン研究所 • 自動車:トヨタ自動車、豊田自動織機、デンソー、アイシン • 行政:中部地整局(企画、河川、道路、港湾、名国)、経産 局、愛知県、名古屋市他愛知県下市町、静岡県、四日市 • エネルギー・上下水:中部電力、東邦ガス、愛知県企業庁、 名古屋市上下水道局、愛知中部水道企業団 • 通信:NTTドコモ、NTT西日本 • 道路・港湾・鉄道・物流:NEXCO中日本、名古屋高速道路 公社、名古屋港管理組合、JR東海、名港海運、日本通運 • 建設:清水建設、竹中工務店 名古屋建設業協会、愛知県建設業協会 • 素材・燃料:新日鐵住金、出光興産 会そのものが重大な前進 • 保険:損害保険ジャパン日本興亜 信頼関係が無ければ本音は語れない • 医療:名古屋第二赤十字病院 どんどん増えています 関係者が対話し実効的な対策が各社で始まっている 名古屋大学福和研究室 本音の会の開催状況 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21-23回 第24回 14年7月1日 電力供給 電力会社 14年8月6日 産業物流&都市高速道路 自動車会社&高速道路公社 14年9月2日 ガス供給・上下水道 ガス会社&自治体 14年9月29日 被害想定の課題& SIP 総合コンサル&大学 14年10月28日 建設 ゼネコン 14年11月25日 道路・港湾 地方整備局 14年12月22日 ゼネコン&自治体アクションプラン ゼネコン&県 15年1月13日 通信(携帯) 通信事業者 15年3月20日 1年間のまとめ 15年5月19日 鉄鋼・事故&通信(固定) 鉄鋼&通信 15年6月15日 通信(固定)&道路 通信&名国 15年7月27日 河川&愛知県防災情報S 中部地方整備局&愛知県 15年8月25日 上水道&中部産業連絡会概要 市上下水道局&中部地整 15年9月28日 これまでのまとめ&越智国土地理院長の講演 15年10月21日 中小建設&ティア1 名建協・愛建協&デンソー 15年11月17日 上水・工業用水&下水 上下水道局&企業庁 15年12月16日 港湾&災害医療 名港管理組合&八事日赤病院 16年1月20日 愛知用水&まとめ 愛知中部水道事業団 16年2月23日 燃料&建設業 出光&愛建協 16年3月23日 石炭火力&1年間のまとめ 電力&事務局 16年5月18日&6月15日&7月20日 熊本地震の対応 各社 16年8月10日 鉄道と道路 NEXCO中日本&JR東海 名古屋大学福和研究室 被害軽減を目指す取り組み ①地域の産官学民が協働するためのハブ機能の構築 地域を構成する産官学民の各主体が協働するための信頼関係を醸成 市町の枠を超え、また、防災会議メンバーにとどまらず、関連する情報を 産業界にも共有・活用する体制を構築 「場」を活用し災害対応計画の検討や事前調整、強靭化などの議論を実施 ②地域情報の基盤システムの整備 行政間や地域企業等の情報連携を実現する情報基盤システムを整備 • GISをベースとするデータベースを構築 基礎情報を活用し、事前協議や発災時情報共有を支援するアプリを開発 その仕組みを継続的に維持・更新していくための枠組を検討 ③地域実装の実現とその水平展開 西三河地域をモデル地域として実装 それをさらに愛知県内の他地域へ、県域を越えて(東三河・北勢地区) 13 名古屋大学福和研究室 上水道の供給 水源ダム ▼ 河川 ▼ 取水口 用水路 ▼ 浄水場 送水管 ▼ 配水場 配水管 ▼ 給水管 メーター 水資源機構 国土交通省他 水資源機構 県企業庁 市町 家庭 燃料+電気+漏水 14 名古屋大学福和研究室 停電被害の波及 被害想定(影響評価)が不十分 【停電の影響連鎖】 広範囲での 停電発生 (道路寸断による 被害連鎖) 交通信号や 街路灯の滅灯 交通渋滞の発生 電車の運行停止 企業の業務上の移動困難 PCや通信機器の 停止 企業の事業活動の停止 行政の災害対応 の遅れ 地震や津波、避難指示等の 情報収集・伝達の困難 病院の機能低下 上水道・下水道の 機能停止 現象または直接被害 人的被害 死傷者の増加 入院・療養中の患者の生命維 持が困難 企業活動への影響 対応またはその他の影響 名古屋大学福和研究室 道路被害の波及 被害想定(影響評価)が不十分 【道路被害の影響連鎖】 道路被害 の発生 沿道建築 物の倒壊 橋梁の 落下・破損 緊 急 車 両 対応力の不足 各所で道 路寸断、 大量の車 両の放置 火災の 発生 道路啓開作 業の遅れ 車両の 通行困難 通行可能道 路の大渋滞 消火活動の遅延 捜索・救助活動 の困難化 死傷者の増加 医薬品等の搬送 の遅れ 一般車両 交通量増加に よるトラブル、 事故の発生 トラック等輸送困難 ライフライン復旧遅れ バス輸送の停止 現象または直接被害 人的被害 企業活動への影響 帰宅困難者の帰宅 手段の確保困難 対応またはその他の影響 名古屋大学福和研究室 燃料不足の波及 被害想定(影響評価)が不十分 【燃料不足の影響連鎖】 製油所等の被災、 機能停止 被災地への 優先供給 全国的な 燃料不足 企業の事業活動停滞 ライフライン復旧遅れ 生活支障 燃料精製力が低下 災害対応の遅れ 道路被害、渋滞によ る輸送の遅れ 被災地での 燃料不足 港湾の被災 家庭における 熱源・動力喪失 タンクローリー等の 車両の絶対量が不足 病院等における 動力喪失 避難所への避難 停電に対応する 非常用電源の枯渇 現象または直接被害 人的被害 企業活動への影響 対応またはその他の影響 名古屋大学福和研究室 地域力向上の方程式(増田寛也) 地域力=人材力+資源力+情報 人材力 = (能力×やる気)+連携力 連携力 =ネットワーク 能力は0~100、やる気は-100~100 資源力 = 天然・自然の資源+歴史・文化・伝統 情報 = 物語力 物語力=人の感情に訴えかけ心を動かす力 名古屋大学福和研究室 三男坊のJAPANへの愛 減災→克災→ルネサンス (地方創生) シンクタンク+アゴラ (戦略) (総力結集) 3×J 自由・地道・地元(愛) 3×A 頭・汗・愛(嬌・情・着) 減災館 3×P Player・Plan・Product 応・備・究 3×An Antenna・Analysis・Answer 名古屋大学福和研究室
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