道路関係機関との連携のあり方

平成16年’1月22.’日の大雪を例どした
道路関係機関との連携のあり方・
金沢河川国道事務所
○ 道路管理係長
尾崎 誠
道路管理第一課、長
酒井 好明
前)調査第三課長’
中富 茂之
1,はじめに
平成16年1月乞1日(水)深夜から断続
的に降った雪は、平成13年1月以来3年ぶ
りの大雪となった。これにより石川の交通の
大動脈.・国道8号を昼夜にわたりマヒさせ交
通網を寸断し、県民の暮らしを混乱させた∴
国土交通省金沢河川国道事務所では、一二十四
時間体制で四日間にわたり除雪を行い、26
日(月)の朝の通勤、通学時には、国道の道
’路空間を確保レた。
(写真一1)
本報告は、’この大雪時に平成13年1月の
教訓であった道路関係機関との連携等のあり方を検証し、.来冬に向けた課題や取組み
について報告するものである。.
2 大雪の概要ついて. ・
ど り み ヨ ’今回の大雪は、21日の深夜から降り始 犠購
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1、月と比較しでも金沢では3.唱6倍、松任
(図一1)
9倍.の強度があり、『短期集中型』の降雪であった。また、・22日早朝からは
では3.
北陸道の通行止めに伴う国道8号への交通の負荷が増加したため、渋滞が発生した。庚
に渋滞が除雪の障害となり、路面状況が∴層悪化したことで渋滞の解消が遅れた。石川
県内の渋滞は{最大で津幡町九折∼野々市町三日市の間一で約30㎞の渋滞となった。
一409一
r・平成・.3年1月の大雪の教訓について ,
平成1・3年1!月の教訓として、,消雪施設の新聲や更:新≧いった施設整備の必要性、.幽
除雪作業の出遅れや関係機関との連携潮足、情報収集・情報提供不足等の仕組みに問
題があった。今回はこの教訓を活かし∼以下の対応を行った。
3−1 施設整備
、平成13年1月以降・消雪施設計画の見直しを行い・支障のあった箇所について順
次整備を進めた結果、今回の大雪では良好に機能した。.
3二2 仕組み
3−2−1 除雪体制につい’て
平成13年1月は、降雪の初期段階に除雪作
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規制について協議を行った。その結果、所轄警
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張所から受け、出張所渉希望する除雪予定箇所
を一括取りまとめ、’直接右川県警察本部と交通
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するためにはかなりの労力と時間が必要であり
、作業ははかどらず、渋滞にきらなる追い打ちを
かけた。事務所では1このよう.な状況報告を出
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渋滞等により除雪作業が停滞した結果、、圧雪
が発達し交通の障害となった。この圧雪を除去
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3−2−2 関係機関との協力
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ッシ’ユ前には除雪作業を完了し、一旦は:道路空
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日深夜、雪が降り始める段階から除雪作業の準
備をはじめていた.それにより,22.目の朝のラ
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・.察署と串張暫が連携し1全百通行止めの交通規 . ” .・(図一2,)
制を実施し、事故等もなく効率よく除雪作業ができ、正常な路面を早期に確保する
こと’が出来た、(図一2).
2)道路管理者
渋滞の発生した原因の1つには、走行不能,
車両の兆生である,そ’のよ.うな車両をCCT
VにJiり馬鐸発見し、除雪車ぷ救出すう.ため
に出動する。しかし、その除雪車が渋滞に巻
.き込まれる→除雪の遅延→圧雪の発達ラ渋滞
どいった騨環に陥?た・その悪毎撃を断ち
切るために、事象が発生した周辺の道路管理者
(写真一2):
に走行不能車両の救出の協力要請を行った。また、除雪作業でも連携を実施レた。
富山県境部においては富山河川国道事務所(写真一2)、その他の区間については
一410一
石川県土木事務所∼金沢市、津幡町、野々市町とい6た道路管理者の協力を得るこ
とができた。
3.一2−3 情報収集・提供
情報の収集については、・今冬までにCCTVの増強を行い、リアルタイムな現地
状況や除雪作業の把握、走行不能車両の早期発見に努めた。また、CCTV映1像は、
・列県庁にも配信レてお’り・国道ρ状況を把握すること絢能であった・そのたや
1道路利用者からの国道に関する苦情等の問い合わせ塗県庁の方々にも対応レて頂
き、金沢河川国道事務所として木幡ありがたいことであ、つた。
情報の提供についそは、金沢河川国道事務所ホームベージにてCCTV映像やバ・
スのリアルタイム情報(バスく∼る)を配
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22∼24日にかけアクセス数が殺到し、
あった。1(図心3)
、マスコミとの醗については・.除雪作業の
状況を中心に記者発表を行い、日.4回を目
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撰し、道路利用者への情報提供を行った。,
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宥に実施した。新聞に比べ対応の早いテレ
ビやラジオについては、臨機応変に国道8号 、 ’(図一3)『
の情報に加え、国道’359号や国道157号といった迂回路のウデルタイムな情報
を放送してもらい、ドライ.バーペの情報提供に努めた。
情報等を流してほしいとの要望があった。
今日、色々な情報入手方法があるが、今回可
痛感したζとはこ・のような災害時には、ラ懇一
ジオが一番の情報源であることが再.確認で.
きた。VIC言よりはラジオ(路側放送)であ
る。.なお、道路情報板には、除雪作業によ,
る通行止めにより規制の解除を待つドライバ 己. ・ ’㌦, ,,ぐ写真一3)
一に対しおと何分後で開放する内容や感謝の言葉を表示するなど表示内容にも工夫
を行った。一(写真一3)
・大雪が収束した数目後年は・今回の大雪の擬としてr検証い22大雪災害僧
生きた教訓・新たな教訓∼』’と題して新聞記事を掲載’した。
4.来冬に向けた取り組みや課題について,
4−1 獲たな取り組みについて
今回の大雪収束後に、金沢大学の高山教授を座長とし国土交通省・石川県「金沢市
一411一
・.日本道踏公団・石川県警察本部の道路閣係者を集めた丁石川県緊急除雪対策連絡調
整会議』をマスコ』ミに公開しながら開催し、今冬の問題点等について論議された。
・そあ後、道路関係者の実務者レベルによる検討会『石川県冬期交通対策検討会』を設
浴し、より具体的な問題点や課題等について抽出するとともに、来冬に向けた.『冬期
道路交通確保連携計画』をまとめた。平成16年度も引き続き課題毎に5つの部会(①’
,渋滞緩和対策・②規制・事故対水・③情報鮒策・④排雪対策⑱雪害訓練)を開催し・
来冬に反映させるものである。秋には道路関係者合同による管内では初めての『道路’
雪害訓練』を予定している。
また、金沢河川国道事務所独自の取り組みとして、大雪直後より事務所支部体制移
行の基準や消雪施設ゼ除雪機械の配置計画についての見直しを行った。
4−2’七三へ向けた課題や教訓につ.いて
今冬の大雪を受『け、以下の新たな課題や教訓を得た。これをいかに来冬に向け対応
し実施するか、またこのような災害が再来レ牽廃合、いかにそめ影響を最小限にとど
めるかを今後検討していかなければならない。
(ハード面)
①消雪施設の設置・更新 1→・登坂困難箇所め減少や家屋連担部の幅員確保
②CC’TVの増強 →・死角箇所の解消
③災害時における情報源の確保 →.・VICSよりはラジオ(路側放送)
④除雪機械の現在地の把握 →・G,PS導入による除雪作業の効率化
(ソフト面)
①関係機関との一層の連携.. →・情報の共有化や日頃かちのコ,ミュニケーション
・『石川県冬期交通対策検討会』の継続
』②情報提供と広報の強化,・→・日頃より広報活動の訓練
③危機管理の対応 .・ →・職員ひとり一人の自覚を再認識
・ロールプレイング方式による訓練の実施
・車中に閉じ込められ準ドライバー・への支援
(食:糧・燃料等)・
5 おわりに’ 1
今冬の大雪の’除雪時には、富山河川国道事務所、石川県、関係市町、石川県警察本部
の三々に多大なご協力を豪き誠にありがどうございました。特に、津幡町の職員の方々
一に・はボランティアで渋滞中のドライバーにカンパン等を配布して頂き誠にあり渉とうご
ざいました。
金沢河川国道事務所では、今回の:夫雪を教訓として新たに気を引き締め、地域の皆様
方から『ありが≧うといわれる道路行政』や『すべては地域のために』を合言葉として、
今後も引き続き地域に密着した道路行政をめざしていきたいと考え一ております。
『参考文献: ゆき 雪センター(N“5『5・2QO生04)P46∼51 中前茂之・島崎諒
「豪雪災害と情報」㌣平成16年1月金沢集申豪雪に何を学ぶ∼
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