第1回脳卒中に係るワーキンググループ 日 場 時:平成 28 年 8 月 18 日(木) 所:田中田村町ビル・貸会議室 議 事 次 13 時~16 時 8F 会議室 8E 第 1 開 会 2 座長選任 3 ワーキンググループの進め方(案) 4 脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会における 脳卒中関連の意見(報告) 5 脳卒中急性期の診療提供体制構築に向けた考え方(案) ・急性期専門的医療を行う施設の役割分担等の考え方 ・搬送体制及び施設間ネットワーク構築の考え方 ・急性期診療提供体制に係る評価指標 6 その他 【資 料】 議事次第 座席表 脳卒中に係るワーキンググループ 構成員名簿 資料 1 脳卒中に係るワーキンググループ開催要綱 資料 2 脳卒中に係るワーキンググループの進め方(案) 資料 3 第 1 回脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する 検討会における脳卒中関連の意見(報告) 資料 4 近年の脳卒中急性期診療の主な進歩(案) 資料 5 急性期専門的医療を行う施設の役割分担等の考え方(案) 資料 6 長谷川構成員発表資料 資料 7 搬送体制及び施設間ネットワーク構築の考え方(案) 資料 8 急性期診療提供体制に係る評価指標イメージ 参考資料 1 医療計画及び地域医療構想 参考資料 2 rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第二版、経皮経管的脳血栓回収用 機器適正使用指針第 2 版より抜粋 参考資料 3 現状の急性期再開通療法の施設基準と医療資源 参考資料 4 消防法 35 条 参考資料 5 救急自動車による平均搬送時間および搬送人員の病院収容所要時間別割合 参考資料 6 「循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」開催要項 参考資料 7 循環器病の急性期診療提供体制構築に向けた考え方(案) 第1回脳卒中に係るワーキンググループ 座席表 平成28年8月18日(木) 13:00~16:00 田中田村町ビル8F 羽鳥構成員 長 谷 川 構 成 員 田 村 構 成 員 ○ ○ 座 長 鈴 木 構 成 員 川 本 構 成 員 ○ ○ ○ 川勝構成員 ○ ○ ○ 小川(久)構成員 宮﨑構成員 ○ 横田参考人 ○ ○ 小川(彰)構成員 ○ 今村構成員 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 室消 防 庁 消 防 ・ 救 急 課 魚 谷 が ん ・ 疾 病 対 策 課 長 補 佐 丹 藤 が ん ・ 疾 病 対 策 課 長 補 佐 渡 辺 が ん ・ 疾 病 対 策 課 長 岡 田 が ん ・ 疾 病 対 策 課 長 補 佐 石 上 が ん ・ 疾 病 対 策 課 長 補 佐 救 急 企 画 事務局 脳卒中に係るワーキンググループ 構成員名簿 荒木裕人 岡山県保健福祉部 部長 今村知明 公立大学法人 小川 彰 学校法人 岩手医科大学 理事長 小川久雄 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 理事長 川勝弘之 脳卒中経験者 川本利恵子 公益社団法人 日本看護協会 常任理事 鈴木倫保 国立大学法人 山口大学医学部脳神経外科 教授 田村綾子 国立大学法人 徳島大学大学院医歯薬研究部療養回復ケア看護学 分野 教授 長谷川泰弘 学校法人 聖マリアンナ医科大学神経内科 教授 羽鳥 裕 公益社団法人 日本医師会 常任理事 宮﨑瑞穗 一般社団法人 日本病院会 副会長 奈良県立医科大学健康政策医学講座 教授 資料 1 脳卒中に係るワーキンググループ 開催要綱 1. 趣旨 脳卒中、心臓病その他の循環器病は、我が国の主要な死亡原因であるとともに、介 護が必要となる主な原因のひとつである。 循環器病に係る医療又は介護に要する負担の軽減を図ることが喫緊の課題となっ ていることに鑑み、国民の健康寿命の延伸等を図るため、循環器病に係る診療提供体 制の在り方について検討することを目的に、平成 28 年 6 月「脳卒中、心臓病その他の 循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」が設置された。また、検討会 において、脳卒中と心血管疾患にそれぞれ専門性の異なる視点における検討が必要な 項目があることから、脳卒中と心血管疾患の二つのワーキンググループを立ち上げて 議論することが決定された。 これを受け、本ワーキンググループでは、脳卒中に係る診療提供体制の在り方につ いて検討することとする。 2. 検討事項 (1)脳卒中に係る急性期診療提供体制の在り方について (2)脳卒中に係る回復期~慢性期診療提供体制の在り方について (3)その他脳卒中診療提供体制に関する事項について 3.その他 (1)本ワーキンググループは健康局長が、検討会座長の指名した別紙の構成員の参 集を求めて開催する。 (2)本ワーキンググループには、構成員の互選により座長を置き、ワーキンググル ープを統括する。 (3)本ワーキンググループには、必要に応じ、別紙構成員以外の有識者等の参集を 依頼することができるものとする。 (4)本ワーキンググループは、原則として公開とする。 (5)本ワーキンググループの庶務は、厚生労働省健康局がん・疾病対策課が行う。 (6)この要綱に定めるもののほか、本ワーキンググループの開催に必要な事項は、 健康局長が別に定める。 (7)ワーキンググループで得られた成果は、「脳卒中、心臓病その他の循環器病に 係る診療提供体制の在り方に関する検討会」に報告する。 資料 2 脳卒中に係るワーキンググループの進め方(案) 第 1 回 8 月 18 日(木) ○第 1 回脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に 関する検討会における意見(報告) ○ワーキンググループの進め方(案) ○搬送~急性期の診療提供体制の在り方の骨子に関する検討 第 2 回 9 月中旬 ○回復期~慢性期の診療提供体制の在り方の骨子に関する検討 ○急性期診療と回復期~慢性期診療間の連携体制の在り方の骨子に関する 検討 10 月初旬を目処に 2 回のワーキンググループにおける議論を整理し、「脳卒 中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会」へ 報告 第 3 回 12 月頃 ○搬送~急性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討 第 4 回 平成 29 年 1 月頃 ○回復期~慢性期の診療提供体制の在り方の詳細に関する検討 第 5 回 3 月頃 ○急性期診療と回復期~慢性期診療間の連携体制の在り方の詳細に関する 検討 平成 29 年春を目処に 5 回のワーキンググループにおける議論を整理し、 「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討 会」へ報告 資料 3 第 1 回脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の 在り方に関する検討会における脳卒中関連の意見 (報告) Ⅰ.脳卒中急性期診療における搬送についての課題、意見等 ・総務省が都道府県毎に救急搬送に要する時間を発表している。都会と地方で搬送に係る 課題は異なるのではないか。 ・「高度な専門的医療を行う施設」は、地方では数が限定されると考えられ、アクセス方法 の確保が必要になるのではないか。現状の把握のために、アクセスの見える化が有効で はないか。 ・アクセスマップの解釈は、データの収集法に左右されるため、注意が必要である。 Ⅱ.脳卒中急性期診療における診断についての課題、意見等 ・地方では、都会と同様の急性期の診療提供体制を確保することは困難であるため、テレ ストロークによる遠隔画像診断も必要ではないか。 ・画像検査の読影法等の診断法が十分標準化されておらず、確立が必要ではないか。 Ⅲ.脳卒中急性期診療における治療についての課題、意見等 ・現状では、tPA 療法の均てん化は不十分と考えられる。 ・tPA 療法普及のために、tPA 療法の施行に係る制約の緩和について検討する必要がある のではないか。 ・tPA 療法普及のために、非脳卒中専門医 (他科の医師も含む)が tPA 療法を代替で施行す る体制も視野にいれてはどうか。 ・まずは、Comprehensive stroke center、Primary stroke center の定義付けが必要では ないか。 ・tPA 療法実施可能施設においても、必ずしも 24 時間 365 日脳卒中患者を受入可能な体 制は構築されていない。tPA 療法実施可能な施設の条件として、常時対応可能であるこ とを明示すべきではないか。 ・脳卒中診療体制の確立、特に常時対応可能なシステムの確立のためには、医療資源の集 約化が必要ではないか。地方では医療資源の不足のため、自ずと集約化されている。 ・急性期リハビリテーションも治療の範疇に含めて検討すべきではないか。 Ⅳ.脳卒中診療におけるその他の課題、意見等 ・脳卒中の症状と早期受診についての啓発が重要ではないか。 ・慢性期(発症 3 ヶ月、1 年後) の転帰の把握が重要ではないか。 Ⅴ.循環器病における課題、意見等 ・地域医療計画では、「高度急性期」、「急性期」、「回復期」、「慢性期」に位相分けした整理が なされている。本検討会で示す「急性期」、「回復期」、「慢性期」と整合性をとることが必要 ではないか。 ・第 6 次医療計画には、データを収集することが困難な指標が含まれていた。第 7 次医療 計画の見直しでは、データの収集法にも注意し、具体的に評価可能な指標の策定が望まし いだろう。 ・啓発や早期診断、長期フォローアップなども幅広く視野にいれた、データ収集、診療提供 体制構築が必要ではないか。 ・「主に初期対応を行う施設」、「専門的医療を行う施設」、「高度な専門的医療を行う施設」 の配置は、ある程度行政が決定した方がよいのではないか。 ・常時受入可能で、的確に診断できる病院を確保するためには、「高度な専門的医療を行う 施設」で診断の上、集中管理が必要ではない患者を「専門的医療を行う施設」に転院させる 方が、有効ではないか。 ・循環器病は、急性期病院退院後も経過を観察しなければ、治療が成功したか否かを評価で きない。評価方法も検討が必要ではないか。 ・循環器病を発症あるいは再発するリスクが高い患者、例えば不安定狭心症や一過性脳虚血 発作の患者も視野にいれた診療提供体制の検討が必要ではないか。 ・今後、高齢化が進み、循環器病の再発寛解を繰り返す患者が増加すると考えられる。慢性 期の診療提供体制に関する検討も必要ではないか。急性期病院からの転院先なども含めた クリティカルパスの導入など、一貫した診療提供体制の検討が必要ではないか。 ・二次予防対象者の慢性期の在宅管理の検討も必要ではないか。 ・再発例については、時系列経過を考慮したデータ収集が必要となるのではないか。 資料4 近年の脳卒中急性期診療の主な進歩(案) 近年の脳卒中急性期診療の主な進歩(案) ○脳梗塞に対するtPA療法施行可能時間の延長 (3時間から4.5時間へ) (2012年) ○脳梗塞に対する急性期血管内治療の科学的根拠の確立 (2014~2015年) ・発症後8時間以内の患者に対しては、血管内治療による血栓除去術を 考慮する ○日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 『脳卒中治療ガイドライン 2015』の出版 (2015) ・「地域連携」の項の追加 (市民啓発、病院前救護、遠隔医療システム、 病院間搬送、地域連携パス等) 等 ○脳卒中の急性期治療において適応が拡大していることをふまえながら、 急性期診療提供体制について議論する必要があるのではないか。 資料5 急性期の専門的医療を行う施設の 役割分担等の考え方(案) 1 搬送~急性期の診療提供体制のイメージ 啓発 脳卒中急性期の専門的医療を行う施設 脳卒中を 疑った 場合 高度な専門的医療を行う施設 治療適応に応じた、適切な連携 救急搬送の 場合 発 症 専門的医療を行う施設 患者が直接 受診する場合 治療適応に応じた、適切な連携 脳卒中を 疑わなかった 場合等 主に初期対応を行う施設 搬送 診断 治療 2 脳卒中急性期の診療を行う施設の役割分担のイメージ 脳卒中急性期の専門的医療を行う施設 高度な専門的 医療を行う施設 24時間体制で血管内治療、外科治療が可能 ・治療適応の判断 ・tPA療法 ・血管内治療 ・脳外科手術 ・早期リハビリテーションの実施 ・地域連携クリティカルパス の導入・診療計画作成の実施 ・地域教育・医療従事者教育 ・専門的医療を行う施設を支援できること 治療適応に応じた、適切な連携 専門的医療を 行う施設 24時間体制でtPA療法が可能 ・治療適応の判断 ・tPA療法 ・早期リハビリテーションの実施 ・地域連携クリティカルパス の導入・診療計画作成の実施 ・高度な専門的医療を行う施設と連携体制をとること 治療適応に応じた、適切な連携 主に初期対応を 行う施設 脳卒中と的確に診断し、専門的医療を行う施設への転送が可能 3 高度な専門的医療を行う施設に必要な医療資源イメージ 施設 ・脳卒中ケアユニット(SCU)もしくはそれに準ずる設備 ・特定集中治療室(ICU) ・24時間体制の手術室 機器 ・24時間体制の脳血管撮影装置 ・24時間体制のCT(CTA)/MRI ・経頭蓋ドップラー超音波 人員 ・脳血管内治療専門医 ・脳神経外科専門医 ・その他脳卒中診療に従事する医師 (脳卒中医、神経内科医、脳神経外科医等) ・リハビリテーションに従事する医師 ・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 ・脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 ・診療放射線技師、臨床工学技士、臨床検査技師 ・退院調整部門 ○高度な専門的医療を行う施設に必要な医療資源の項目を明確にする必要があるのでは ないか。 第6次医療計画、病床機能報告、経皮経管的脳血栓回収用機器適正使用指針第2版(日本脳卒中学会、 4 日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会)、研究班のデータベース等を参考に作成 専門的医療を行う施設に必要な医療資源イメージ 施設 機器 ・24時間体制のCT(CTA)/MRI 人員 ・脳卒中診療に従事する医師(脳卒中医、神経内科医、脳神経外科医等) ・リハビリテーションに従事する医師 ・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 ・診療放射線技師、臨床検査技師 ・退院調整部門 ○専門的医療を行う施設に必要な医療資源の項目を明確にする必要があるのでは ないか。 第6次医療計画、病床機能報告、rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第二版(日本脳卒中学会)、 5 研究班のデータベース等を参考に作成 資料6 長谷川構成員発表資料 脳卒中救急診療提供体制(tPA静注開始以降) 平成17年 アルテプラーゼ認可(iv-tPA療法開始) 平成18年 脳卒中ケアユニット加算 我が国のtPA静注療法は、施行医には適正使用講習会参加を義 務付け、施行施設には「脳卒中ケアユニット(SCU)またはそれに準ず る設備を有すること」等の要件を付して開始。 平成18年 第5次医療法改正 4疾病5事業 医療機能の分化、連携、わかりやすく明示 平成21年 消防法の一部を改正する法律の施行 都道府県に協議会設置、医療機関のリスト、救急隊による観察基準、 事後検証作業、PDCAサイクルの完結。 平成23年 5疾病5事業、疾病、事業ごとのPDCAサイクル 平成27年 脳卒中治療ガイドライン2015 遠隔医療システムの推奨(グレードC1) 経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第2版 2015 年 4 月 脳卒中救急医療提供体制(現状) 1. tPA静注施行病院の開示(都道府県のHPなど) 2. 適正な病院前スケールに基づいた トリアージとバイパス搬送 脳卒中患者 発症4.5時間以内 適応可能性あり 3.事後検証作業による質の向上 定期的に繰り返し行われる事後検証作業 PDSAサイクル(Close the quality assurance loop!) PDSA Close the quality assurance loop.(品質保障の輪を閉じる) 病院前評価スケールの例 脳卒中患者トリアージや搬送方法は、地域(都道府県、政令指定都市) ごとに工夫され、若干異なる。平成21年の消防法改正以降、一部地域で はPDSAサイクルの完結に成功している。 例)MPSS:川崎市、横浜市 シンシナティスケール(CPSS)をmodify、重症度加味 MPSS MPSS NIH Stroke Scale NIH Stroke Scale PSLS 2015 r=0.89 p r=0.67 p pp89 0.001 0.00 救急隊:MPSSトリアージ例全出動状況ファイル作成 •搬送年月日 •依頼元救急隊 •発症時刻(救急隊聴取) •出場番号 •救急要請時刻(119番通報) •依頼時MPSS •病院への受け入れ要請時刻 •応受不能例 •病院到着時刻 •非tPA施設への搬送 救急病院:MPSS搬送例に診療データ追加 •発症時刻(医師聴取による) •CT/MRI施行(時刻データ) •NIHSS スコア 投与前 投与24時間後 1ヵ月後(または退院時) •tPA静注開始時刻 •発症前mRS •1ヶ月後(または退院時)mRS •傷病名 •tPA非施行の理由 MPSSスコア別tPA静注施行率 tPA静注率 0 0% 1 4.1% 2 8.8% 3 13.0% 4 20.3% 5 31.5% 予測精度 脳卒中 0.737 (95%CI, 0.688 -0.786) tPA静注 0.689 (95%CI, 0.645 -0.732) tPA静注施行率(%) スコア 覚知-病着時間(分) 分 分 分 MPSS スコア MPSSは救急隊員が搬送中の患者のtPA施行予測を可能とする唯一のスコア。 初期重症度が高いほどtPAを受ける確率が高くなるが、MPSS>0のどのスコアでも、QQ要請から病 院到着までの時間が早ければ早いほどtPAが行われやすい。 (Hasegawa Y, et al. for KSN. J Stroke Cerebrovasc Dis 2013, 22(4):514-9) 覚知ー病着時間は、 過去4年間で平均3.6分短縮 38.5±13.7分 2009年度 p=0.000 (中央値 36.0分) 2010年度 36.9±12.6分 p=0.021 (中央値 35.0分) 2011年度 36.8±12.1分 p=0.028 (中央値 35.0分) 2012年度 34.9±12.6分 (中央値 32.3分) 25 50 75 100 125 ANOVA with post hoc Dunnett F(3, 2.331)=7.232, p=0.000 (分) 覚知ー病着時間 Atsumi C, et al, J Stroke Cerebrovasc Dis 2015:24:183-8 KSN) MPSS搬送事 案のみ 平成21年度下半期 (参加10施設) 平成22年度上半期 (参加10施設) 平成22年度下半期 (参加10施設) 平成23年度上半期 (参加11施設) 平成23年度下半期 (参加11施設) 平成24年度上半期 (参加11施設) 平成24年度下半期 (参加12施設) 276例 269例 304例 257例 273例 336例 352例 tPA施行例数 (施行率) 31例 (11.2%) 28例 (10.4%) 43例 (14.1%) 36例 (14.0%) 29例 (10.6%) 34例 (10.1%) 32例 (9.1%) NIHSS tPA開始前 静注24時間後 9.2±7.5 7.7±7.4 15.74±7.7 11.0±8.6 11.5±6.6 7.7±7.0 15.6±6.5 11.8±7.9 12.8±9.3 9.6±8.9 11.4±8.3 8.5±9.2 10.2±7.9 7.5±7.2 p値 退院時転帰良好例 mRS0-1(tPA施行例) 0.000 24.1% 0.001 22.2% 0.000 22.9% 0.000 31.3% 0.000 39.0% 0.000 32.4% 0.000 38.7% *脳梗塞のみに対するtPA施行率:27.6%(平成27年度) 継続的事後検証作業で持続的に改善(PDSAサイクル) 質の評価(Donabedian) Structure, Process、Outcome 脳卒中医療の質→施設間比較は困難 理由:背景因子の調整が不可能 *仮に個々の病院の質をランク付けできたとしても、tPA静注療法は、1分 を争う治療であり、患者が病院を選択して受診することは不可能 個々の施設は、 品質保証(Quality Assurance)の輪を完結する Structure, Process → Outcome 改善 評価 評価は地域全体で経時的に 脳卒中医療の質を示す 共通の指標を同じ方法で測 定し、経年的に、地域別に比較する 課題) 1. 脳卒中搬送の事後検証作業、PDSAサイクルの完結 が実行されている地域は限られている。 2. 隣接する医療圏とのデータ交換の仕組みが確立して おらず、圏域外搬送のデータが欠落する。 3. 急性期から慢性期に至る脳卒中ケアシステムの臨床 指標の取得とPDSAサイクル完結のシステムが貧弱 4. 消防法の枠内のため行政区画内に限った評価のみで、 全国評価、地域間比較が行われていない。 (全国規模のIndicator取得の例:Denmark、英国、 豪州、カナダなど) 5. 個人情報保護等により、3か月後、1年後の評価なし *診断治療の医療経済効果の評価難 脳卒中医療の均霑化 ICTの利活用による均霑化の流れ 2009 AHA/ASA Scientific statements Around-the-clockでtPA施行できないなら Telestroke 導入は必須である 2010 2010 2012 2013 Telestrokeを推奨 AHA/ASA 欧州、米国で導入が加速化、ベンダーも多数参入 専用機器の商品化等 2015 2015 Telestrokeを介するtPA静注の初期評価 (NIHSS評価)は可能であり、かつ信頼性がある Kappa=0.85-0.99、 Stroke 2003,34;2842 r=0.95 Georgia REACH研究 Stroke 2003,34;e188 r=0.93 Stroke DOC研究 Neurology 2005,64;1058 誤差は平均0.73 点、平均2 分41 秒長くかかる。 櫻井謙三ら、脳卒中2012;34; 414 Real time 双方向性高精細テレビ会議システム (high-density video conferencing system) 1対1接続、VPN暗号化、20 flame/s以上、monitor>13inch 画像破壊や音声/画像のずれを生じない通信速度 カメラ(Hub側の医師が自由に操作可能)……. 等 本邦のTV会議用機器、通信環境で問題は なく、直ちに行える環境にある。 国内5府県のアンケート調査 対象:HPに脳卒中受け入れ施設と表示された5府県155施設 常時tPA静注不可の施設は、30.8~85.7%存在した 年間脳卒中救急患者受入れ数が 少ない(low volume施設)ほど、 病院の周辺人口(>65歳)が少な い地域の施設ほど Telestroke活用が必要 (Imai T, et al. J Stroke Cerebrovasc Dis、2013) 既存の脳卒中受け入れ施設のすべてが 24時間tPA静注に対応可能というわけではない 中核病院 (hub) 専門医が遠隔医療で 診断tPA静注指示 インターネット 地域の 病院 (spoke) 脳卒中患者受け入れるが tPA可能な専門医不在 Telestroke実証研究、均霑化の障壁 大学から100km離れた、人口5万4千人の都市 病床数:110床 診療科目:内科 外科 整形外科 (脳外科なし) Hubとの距離:約100km、地域では輪番制で脳卒中受け入れ 同院では脳卒中は時に受け入れる体制、tPA静注なし tPAに精通した医師2名常勤+Telestroke導入 tPA静注自体は可能だが日常的運用には大きな障壁 1. rt-PA静注療法の施設基準 2. 大規模病院以外診療報酬加算困難な仕組み 例)超急性期脳卒中加算(入院初日) 脳卒中ケアユニット入院医療管理料 *常時、迅速、適正(ICT利活用含む)にtPA静注ができる施設の位置づけ *高度専門病院はこのような施設を支援する連携が必要ではないか 米国 Primary Stroke Centerの条件 JAMA. 21; 283(23): 3102-9, 2000. 1. Stroke team 2. 3. 4. 5. Careの手順書 神経放射線 検査室 脳外科医 6. Stroke Unit 初期の救命治療以降の脳卒中に特化した病床、 病棟、超急性期のみのPSCではなくてもよい 7. QQと連携 ホットライン 8. 教育プログラム 住民に脳卒中の予防、診断、受診方法を教育 9. 医療の質 患者データベースを持ち、常に治療と 患者の転帰をモニターできる。 脳卒中に精通した最低、医師一人と看護師一人 24時間365日、15分以内に診療開始できる 特にt-PA治療には必須 指示から撮像まで<25分、読影<20分 24時間、一般血液検査と凝血学的検査、ECG 外科的処置の必要時2時間以内にアクセス可 (転送またはOn callでも可) supplement slides 血管内治療に関する米国のガイドライン AHA/ASAガイドライン *以下の全基準を満たすものはstent retrieverを用いた血管内 治療を受けるべきである。 (Class I; Level of Evidence A). (a) 発症前 mRS score 0 - 1 (b) ガイドラインに準拠した発症4.5時間以内のiv r-tPA を 受けた急性期脳梗塞である (c) ICまたは近位MCA(M1)閉塞が原因である, (d) 年齢≥ 18歳 (e) NIHSS score ≥6, (f) ASPECTS ≥6, (g) 発症6時間以内に治療開始できること(鼠蹊部穿刺) *上記の適応例に対して血管内治療を可能とするためには、血管内治療施 行(24h常時)可能な高度専門的医療を行う施設とtPA静注は可能である が血管内治療までは常時可能ではない専門的医療を行う施設を区別して 明示し、搬送体制を整備する必要がある。 (Hasegawa Y, et al. for KSN. J Stroke Cerebrovasc Dis 2013, 22(4):514-9) Acute ischemic stroke therapy in Kawasaki City, Japan, April 2012 to March 2015 Total number of transferred patients, n Male sex, n (%) Age, mean ± SD (years) MPSS score (median, min-max) Detection-to-door time, min. Onset-to-door time, min. Door-to-needle time, min. Diagnosis Cerebrovascular diseases, n (%) Brain infarction, n (%) Treatment for brain infarction iv-tPA only, n (%) iv-tPA + endovascular therapy, n (%) Endovascular therapy only, n (%) NIH Stroke Scale score Before treatment 24 hours after therapy One month after treatment Premorbid Rankin Scale score mRS score one month after onset Primary Stroke Center Comprehensive Stroke Center 565 373 (66.0%) 71.6 ± 13.6 2.5 ± 1.5 (3, 0-5) 34.4±11.6 1466 957 (63.5%) 71.0 ± 13.5 2.6 ± 1.4 (3, 0-5) 34.3±10.6 0.398 0.377 0.407 0.835 340.7±805.2 280.1±797.8 0.154 89.1±35.0 81.0±27.9 0.874 433 (76.6) 295 (55.0) 1189 (81.1) 778 (53.1) 0.253 0.344 0.000 41 (13.9) 5 (1.7) 4 (1.4) 96 (12.2) 48 (6.1) 56 (7.1) 10.05±8.63 8.11±8.80 6.05±7.81 0.57±1.2 2.45±1.96 11.01±8.15 8.87±7.33 5.62±7.68 0.56±1.2 2.54±1.81 p value 0.215 0.479 0.651 0.880 0.590 Suzuki Y, et al. Acute Med Surg, 2016 in press MPSSが高いほど血管内治療を受けるORが高い 仮にNIHSSをQQ隊員がつけても MPSS以上のトリアージ能はない。 発症-病着時間、CSC(24時間体制で血管内可能)か否か、 をadjust MPSS=5でCSCに運ばれれば35%が血管内 治療を受けられる(常時血管内治療を施行して いない病院の施行率は5%)。 Suzuki Y, et al. Acute Med Surg, 2016 in press CSC6病院、PSC6病院の血管内治療施行状況 MPSS>3をCSCに運んでも、7割は血管内治療の適応なし。 :血管内治療施行例 Suzuki Y, et al. Acute Med Surg, 2016 in press MPSS>3はtPA静注も血管内治療も高い確率で行われる集団であるが、すべてをCSCに 集中させると7割は血管内治療の適応外。血管内治療を要する症例は、開示された電話 などで転送を決定。 脳卒中治療ガイドライン2015 24時間体制での専門的脳卒中診療不可 輪番制などの工夫もあり、 ICT利活用での対応も可 Flexible solution Spoke病院 (常時tPA不可) HUB 専門医が常時対応 A病院の 宅直専門医 当直医等 *telestrokeマニュアル化 *看護師、医師(Hub)のe-lerning等による研修 *診療報酬の裏付け *臨床指標の取得 2016年4月 診療報酬改定 脳卒中ケアユニット入院医療管理料の医師配置要件の経験年数を緩和 医療機関内に、神経内科又は脳神経外科の経験を5年以 上有する専任の医師が常時1名以上いること。 ただし、夜間又は休日であって、上記担当医が院外にいる 場合、常時連絡が可能で、頭部の精細な画像や検査結果を 含め診療上必要な情報を直ちに送受信できる体制を用いて、 当該医師が迅速に判断を行い、必要な場合には当該保険医 療機関に赴くことが可能な体制が確保されている時間に限り 、神経内科又は脳神経外科の経験を3年以上の専任医師が 常時1名以上いればよい。 表. ドイツ連邦の脳卒中ユニット First order Stroke Unit(中核的施設)の条件 • 脳卒中に精通した神経内科医が24時間勤務すること • すべての神経放射線学的方法、超音波法が可能であること • 血管内治療の経験があること • 脳外科血管外科と同一病院内で連携できること • 脳卒中に精通した看護師が1:2-3で勤務すること • PT,OT,ST,MSWが配置されていること • 持続モニターができること • 神経学的または科横断的集中治療ユニットであること • 計画的な急性期後ケアを行うこと • 教育が行われること • 医療の質のコントロールを行うこと Second order Stroke Unit (地域の神経内科や内科病棟内や地方病院)の条件 • 病院内の横断的集中治療ユニットであること • 全ての診断治療法(MRI,血栓溶解、血管内治療、脳外科、血管外科)が可能である必要はない • 日勤中8時間は、脳卒中診療の経験を積んだ神経内科医が勤務 • 24時間体制で診療すること • 看護体制1:1-2で運用すること • PT,OT,ST,MSWが配置されている • 地域の脳卒中ユニット、他の脳卒中ユニットのない病院と連携すること • 計画的急性期後ケアをもつこと 2015年8月現在認証SU 285か所あり、2011年から Tele-Stroke Unitを認証開始 表.オーストラリアのNational Stroke Unit Program (2015) 診療の要素 Primary stroke Comprehensive service stroke service 病院前搬送(実証済みのスケールなどによる救急隊のスクリーニングと病院選定、搬送開始前報 p p 告). 救急部門の連携(実証済みツール、トリアージ方法、tPA静注のプロトコール、緊急検査との連 p p 携など) 地域の連携(バイパス搬送プロトコール、非脳卒中診療病院からPSS、CSSへ、PSSとCSS間の搬 p p 送手順). 脳卒中ユニット p p CT angiographyを含む24時間体制のCT施行 p* p 頸動脈画像診断 p p 高度画像診断(例: MRI/MRA, 血管造影検査). Optional p p24/7 施設内での脳卒中の血管内治療 x 施設内での脳外科的処置(例:悪性中大脳動脈閉塞への開頭術など). Optional ¥ p tPA静注療法 p24/7 p# 最低72時間の救急モニタリング(テレメトリーなど生理情報モニター) p p 脳卒中救急チーム (別表参照). p p 脳卒中コーディネータの選任 p p Medical leadの選任. p p^ HDU / ICU 入室が可能(複雑高度医療要の患者) p p 迅速な(48 h以内) TIA評価外来あるいは診療. p p 救急評価・治療のためのtelehealth services 提供 Optional p リハ提供者間の連携 (更なるリハの必要性評価を行う標準化された方法and/or 人の存在). p p 個々の患者のリハビリテーションの必要性とゴール設定を標準化された方法で早期に評価(24-48h以内 p p を理想)。すべての脳卒中患者がリハビリテーション評価を受けられる標準化された方法があること. リハにおける介護者の日常的関与 p p ガイドライン、ケアプラン、プロトコール準拠の医療 p p 定期的なデータ収集と脳卒中に特化した質向上活動 p p 他の専門医との連携 (循環器,緩和ケア、血管科). Optional p 地域の責務(地方健康行政との連携など). Optional Commonly 米国 保険コード ICD-10-CM Z92.82 現在の病院に入院する前24時間以内に他の施設でtPA静注が行われた状態 CPT code 0188T Remote real-time interactive videoconferenced critical care, evaluation and management of the critically ill or injured patient; first 30-74 minutes 0189T Each additional 30 minutes (list separately in addition to code for primary service) rt-PA静注療法の施設基準 1. CTまたはMRI検査が24時間実施可能であること 2. 集中治療のため,十分な人員(日本脳卒中学会専門医などの急 性期脳卒中に対する十分な知識と経験を持つ医師を中心とする ストローク・チーム)及び設備(SCUまたはそれに準ずる設備)を有 すること 3. 脳外科的処置が迅速に行える体制が整備されていること 4. 実施担当医が日本脳卒中学会の承認する本薬使用のための講 習会を受講し,その証明を取得すること(ただし,発症24時間以 内の急性期脳梗塞をたとえば年間50例程度の多数例を診療して いる施設の実施担当医については,本薬使用前の講習会の受講 を必須とはしないが,できるだけ早期に受講することが望ましい) (日本脳卒中学会医療向上・社会保険委員会、平成17年10月) 資料7 搬送体制及び 施設間ネットワーク構築の考え方(案) 脳卒中急性期における医療施設受診までの流れ(案) 啓発 脳卒中の 症状と 早期受診の教育 発 症 ○救急搬送の場合 ・脳卒中疑い例の判別 (都道府県による基準の使用(※)、 病院前脳卒中スケールの使用等) ・適切な医療施設の選定 ○患者が直接受診する場合 ※都道府県は消防機関による傷病者の搬送 及び医療機関による傷病者の受入の実施に 関する基準を策定しなければならない(消防法 第35条) 脳卒中急性期の 専門的医療を行う施設 脳卒中を 疑った場合 高度な 専門的医療 を行う施設 専門的医療 を行う施設 脳卒中を 疑わなかった 場合等 主に初期対応を 行う施設 ○脳卒中は緊急性かつ専門性が高い疾患群であるため、確実に脳卒中疑い例を判別し、 専門的医療を行う施設に直接搬送する体制が必要ではないか 2 脳卒中における施設間ネットワーク構築のイメージ 地方型 都市型 平均的な救急搬送圏内 高度な専門的 医療を行う施設 専門的医療を 行う施設 平均的な救急搬送圏内 高度な専門的 医療を行う施設 専門的医療を 行う施設 ○地域の現状に即した施設間ネットワーク体制の構築が必要ではないか 搬送~急性期の診療提供体制のイメージ 脳卒中急性期の専門的医療を行う施設 啓発 ○脳卒中の症状と 早期受診の教育 高度な専門的医療を行う施設 ○血管内治療、外科治療の施行 脳卒中を 疑った 場合 ○脳卒中の診断 ○治療適応の判断、治療 方針の決定 救急搬送/ 患者の直接受診 発 症 高度な専門的医療を行う施設 /専門的医療を行う施設 専門的医療を行う施設 ○tPA療法の施行 ○脳卒中疑い 例の判別 ○適切な医療 施設の選定 脳卒中を 疑わな かった 場合等 搬送 ・高度専門的医療適応患者の 高度専門施設への適切な転送 ・高度専門的医療非適応患者の 専門施設への転送 主に初期対応を行う施設 ○脳卒中の診断 ○脳卒中専門施設への 転院適応の判断 診断 ・脳卒中疑い患者の専門施設へ の適切な転送 ・脳卒中が否定された患者の 初期対応施設への転送 ○初期治療 治療 資料8 急性期診療提供体制に係る評価指標イメージ 急性期診療提供体制に係る指標イメージ 病院到着前の体制 病院到着後の体制 ストラクチャー指標 ・消防機関が傷病者の状況を確認するための観察 基準(病院前脳卒中スケールを含む) 導入の有無 ・受入医療機関確保のためのシステムの有無 ・高度な専門的医療を行う施設数 ・専門的医療を行う施設数 ・遠隔医療システムの導入の有無 プロセス指標 ・脳血管疾患により 救急搬送された患者数 ・覚知から医療機関への収容までに要した平均時 間 (覚知~ 現着、現着~現出、 現出~病着時間) ・受入照会回数 ・病院間連携施行数(病院間搬送、遠隔医療システ ムの利用) ・tPA療法実施件数 ・脳血管内治療実施件数 ・脳外科手術実施件数 アウトカム指標 ・年齢調整死亡率 ・リスク調整院内死亡率 ・退院時mRSスコア0~2の割合 専門的医療を行う施設に係る指標イメージ (ストラクチャー指標) ストラク チャー 指標 専門的医療を行う施設 高度な専門的医療を行う施設 施設 施設 ・脳卒中ケアユニットの有無 ・特定集中治療室の有無 ・手術室の有無 診断機器 ・CT(CTA)/MRI の有無 診断機器 ・脳血管撮影装置の有無 ・CT(CTA)/MRI有無 ・経頭蓋ドップラー超音波の可否 人員 ・脳卒中診療に従事する医師(脳卒中医、神経内科 医、脳神経外科医等) ・リハビリテーションに従事する医師 ・理学療法士数、作業療法士数、言語聴覚士数 ・診療放射線技師数、臨床検査技師数 ・退院調整部門の設置の有無 人員 ・脳血管内治療専門医 ・脳神経外科専門医 ・その他の脳卒中診療に従事する医師(脳卒中医、神経内科医等) ・リハビリテーションに従事する医師 ・理学療法士数、作業療法士数、言語聴覚士数 ・脳卒中リハビリテーション看護認定看護師数 ・診療放射線技師数、臨床検査技師数 ・退院調整部門の設置の有無 専門的医療を行う施設に係る指標イメージ (プロセス、アウトカム指標) 専門的医療を行う施設 高度な専門的医療を行う施設 プロセス 指標 ・tPA療法実施件数 ・tPA静注療法適正治療指針遵守率 ・来院からtPA療法開始までに要した時間 ・tPA療法による出血性合併症発症数 ・早期リハビリテーション実施件数 ・リハビリテーション実施件数 ・地域連携クリティカルパスの導入・ 診療計画作成数 ・地域教育・患者教育・医療従事者教育施行の有無 ・tPA療法実施件数 ・tPA静注療法適正治療指針遵守率 ・来院からtPA療法開始までに要した時間 ・tPA療法による出血性合併症発症数 ・脳血管内治療実施件数 ・来院から脳血管内治療開始までに要した時間 ・来院から血管再開通までに要した時間 ・脳外科手術実施件数 ・早期リハビリテーション実施件数 ・リハビリテーション実施件数 ・地域連携クリティカルパスの導入・ 診療計画作成数 ・地域教育・患者教育・医療従事者教育施行の有無 アウトカ ム指標 ・年齢調整死亡率 ・リスク調整院内死亡率 ・退院時mRSスコア0~2の割合 参考資料1 医療計画及び地域医療構想 第1回医療計画の見直し等に関する検討会(2016年5月20日) 資料より抜粋 医療法における医療計画の位置づけ 第一条 この法律は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事 項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し 必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連 携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質か つ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを 目的とする。 第一章 総則 第二章 医療に関する選択の支援等 第一節 医療に関する情報の提供等 第二節 医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告 第三章 医療の安全の確保 第四章 病院、診療所及び助産所 第一節 開設等 第二節 管理 第三節 監督 第四節 雑則 第五章 医療提供体制の確保 第一節 基本方針 第二節 医療計画 第三節 地域における病床の機能の分化及び連携の推進 第四節 医療従事者の確保等に関する施策等 第五節 公的医療機関 第六章 医療法人 第一節 通則 第二節 設立 第三節 管理 第四節 社会医療法人債 第五節 解散及び合併 第六節 監督 第七章 雑則 第八章 罰則 附則 医療計画に係る医療法の改正の主な経緯について 改正年 改正の趣旨等 主な改正内容等 昭和23年 医療法制定 終戦後、医療機関の量的整備が急務とされる中で、医療水準の確保 を図るため、病院の施設基準等を整備 ○病院の施設基準を創設 昭和60年 第一次改正 医療施設の量的整備が全国的にほぼ達成されたことに伴い、医療資 源の地域偏在の是正と医療施設の連携の推進を目指したもの。 ○医療計画制度の導入 ・二次医療圏ごとに必要病床数を設定 平成4年 第二次改正 人口の高齢化等に対応し、患者の症状に応じた適切な医療を効率的 に提供するための医療施設機能の体系化、患者サービスの向上を図 るための患者に対する必要な情報の提供等を行ったもの。 ○特定機能病院の制度化 ○療養型病床群の制度化 平成9年 第三次改正 要介護者の増大等に対し、介護体制の整備、日常生活圏における医 療需要に対する医療提供、患者の立場に立った情報提供体制、医療 機関の役割分担の明確化及び連携の促進等を行ったもの。 ○診療所への療養型病床群の設置 ○地域医療支援病院制度の創設 ○医療計画制度の充実 ・二次医療圏ごとに以下の内容を記載 地域医療支援病院、療養型病床群の整備目標 医療関係施設間の機能分担、業務連携 平成12年 第四次改正 高齢化の進展等に伴う疾病構造の変化等を踏まえ、良質な医療を効 率的に提供する体制を確立するため、入院医療を提供する体制の整 備等を行ったもの。 ○療養病床、一般病床の創設 ○医療計画制度の見直し ・基準病床数へ名称を変更 平成18年 第五次改正 質の高い医療サービスが適切に受けられる体制を構築するため、医療に 関する情報提供の推進、医療計画制度の見直し等を通じた医療機能の 分化・連携の推進、地域や診療科による医師不足問題への対応等を行っ たもの。 ○都道府県の医療対策協議会制度化 ○医療計画制度の見直し ・4疾病・5事業の具体的な医療連携体制を位 置付け 平成23年 「社会保障・税一体改革大綱」に基づき、急性期をはじめとする医療機能 の強化、病院・病床機能の役割分担・連携の推進、在宅医療の充実等を 内容とする医療サービス提供体制の制度改革に取り組むこととされた。 ○疾病・事業ごとのPDCAサイクル ○在宅医療の医療連携体制に求められる機能の明示 ○ 精神疾患を既存の4疾病に追加し、5疾病となった 平成26年 第六次改正 社会保障と税の一体改革として、効率的かつ質の高い医療提供体制を構 築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域におけ る医療及び介護の総合的な確保を推進するため、所要の整備等を行う。 ○病床機能報告制度の創設 ○地域医療構想の策定 ○地域医療介護総合確保基金の創設 ○地域医療構想調整会議の設置 ※平成27年の改正で「地域医療連携推進法人」の認定制度を創設 現行の医療計画制度について(平成25年~) 趣旨 ○ 都道府県が、地域の実情に応じて、医療提供体制の確保を図るために策定。 ○ 医療提供の量(病床数)を管理するとともに、質の高い医療を受けられる体制(医療連携・医療安全)を整備。 ○ 医療機能の分化・連携を推進することにより、急性期から回復期、在宅療養に至るまで、地域全体で切れ目なく必要な医療 が提供される「地域完結型医療」を推進。 医療計画における記載事項 ○ 5疾病・5事業(※)及び在宅医療に係る目標、医療連携体制及び住民への情報提供推進策 ※ 5疾病・5事業・・・5つの疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)と5つの事業(救急医療、災害時に おける医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む))をいう。 ○ 地域医療支援センターにおいて実施する事業等による医師、看護師等の医療従事者の確保 ○ 医療の安全の確保 ○ 二次医療圏(※)、三次医療圏の設定 ○ 基準病床数の算定 等 ※ 国の指針において、一定の人口規模及び一定の患者流入・流出割合に基づく、二次医療圏の設定の考え方を明示し、見直しを促進。 【 医療連携体制の構築、周知及び取組の推進 】 ◇ 5疾病・5事業ごとに、必要な医療機能(目標、医療機関に求められる事項等)と各医療機能を担う医療機関の名称を医療 計画に記載し、地域の医療連携体制の構築を推進。 ◇ 住民や患者の地域における医療機能の理解を促すため、地域の医療連携体制を分かりやすく提示。 ◇ 医療資源・医療連携等に関する現状を把握した上で課題の抽出、数値目標を設定し、医療連携体制の構築のための具体的 な施策等の策定を行い、その進捗状況等を評価し、見直しを行う(疾病・事業ごとのPDCAサイクルの推進)。 医療計画の策定に係る指針等の全体像について 【医療法第30条の3】 【法第30条の4第1項】 厚生労働大臣は基本方針を定める。 都道府県は基本方針に即して、かつ地域 の実情に応じて医療計画を定める。 基 本 方 針【大臣告示】 医療提供体制確保の基本的考え方 【法第30条の8】 厚生労働大臣は、技術的事項について必要な助言ができる。 医療計画作成指針【局長通知】 医療計画の作成 ○ 留意事項 ○ 内容、手順 等 疾病又は事業ごとの医療体制について 【課長通知】 疾病・事業別の医療体制 ○ 求められる医療機能 ○ 構築の手順 等 医 療 計 画 ○疾病・事業ごとの医療体制 ・ がん ・ 脳卒中 ・ 急性心筋梗塞 ・ 糖尿病 ・ 精神疾患 ・ 救急医療 ・ 災害時における医療 ・ へき地の医療 ・ 周産期医療 ・ 小児医療(小児救急含む) ○居宅等における医療 ○地域医療構想 ○地域医療構想を実現する施策 ○病床機能の情報提供の推進 ○医療従事者の確保 ○医療の安全の確保 ○施設の整備目標 ○基準病床数 等 医療計画の評価及び見直しについて 具体的な数値目標の設定と評価を行い、その評価結果に基づき、計画の内容を見直すと いったPDCAサイクルを効果的に機能させることで、医療計画の実効性の向上を図ることが 重要である。 ○ 医療計画において、あらかじめ以下の内容を明らかにする。 (1) 施策の目標等 5疾病・5事業及び在宅医療の医療連携体制に係る数値目標等 (2) 推進体制と役割 施策の目標を達成するための推進体制及び関係者の責務と役割 (3) 目標の達成に要する期間 (4) 目標を達成するための方策 (5) 評価及び見直し 方法(評価を行う組織(医療審議会等)を含む。) (6) 進捗状況及び評価結果の広報・周知方法 ○ その上で、少なくとも5年ごとに、施策全体又は医療計画全体の達成状況について調査、分析、 評価及び公表を行い、必要があるときは計画を変更する。 ○ 5疾病・5事業及び在宅医療については、上記と同様に評価・見直し体制及び公表方法を明ら かにした上で、目標項目の数値の年次推移や施策の進捗状況の把握、評価について定期的に 実施(1年ごとの実施が望ましい。)、評価する。目標に対する進捗状況が不十分な場合、その原 因を分析した上で、必要に応じて施策の見直しを図る。 地域医療構想について ○ 「医療介護総合確保推進法」により、平成27年4月より、都道府県が「地域医療構想」を策定。 (法律上は平成30年3月までであるが、平成28年半ば頃までの策定が望ましい。) ※ 「地域医療構想」は、2次医療圏単位での策定が原則。 ○ 「地域医療構想」は、2025年に向け、病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに2025年の医療需要と 病床の必要量を推計し、定めるもの。 ○ 都道府県が「地域医療構想」の策定を開始するに当たり、厚生労働省で推計方法を含む「ガイドライン」を作成。 平成27年3月に発出。 (A病棟) 高度急性期機能 医 療 機 関 (機能が 見えにくい) 医療機能 を自主的に 選択 (B病棟) 急性期機能 (C病棟) 回復期機能 (D病棟) 慢性期機能 (「地域医療構想」の内容) 1.2025年の医療需要と病床の必要量 ・高度急性期・急性期・回復期・慢性期の4機能ごとに医療需要と 必要病床数を推計 ・在宅医療等の医療需要を推計 ・都道府県内の構想区域(2次医療圏が基本)単位で推計 2.目指すべき医療提供体制を実現するための施策 例) 医療機能の分化・連携を進めるための施設設備、 在宅医療等の充実、 医療従事者の確保・養成等 医療機能の現状と今後 の方向を報告 都 道 府 県 医療機能の報告等を活用し、「地域医療構想」を策定し、 更なる機能分化を推進 ○ 機能分化・連携については、「地域医療構想調整会議」 で議論・調整。 病床機能報告制度 ○ 各医療機関(有床診療所を含む。)は、毎年、病棟単位で、医療機能の「現状」と「今後 の方向」を、自ら1つ選択して、都道府県に報告。(平成26年10月より開始) 医療機能の名称 医療機能の内容 高度急性期機能 ○ 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能 ※高度急性期機能に該当すると考えられる病棟の例 救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集 中治療室、総合周産期集中治療室であるなど、急性期の患者に対して診療密度が特に高い医療 を提供する病棟 急性期機能 ○ 急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能 回復期機能 ○ 急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。 ○ 特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者に対し、ADLの向上や在宅復 帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)。 慢性期機能 ○ 長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能 ○ 長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者又 は難病患者等を入院させる機能 ○ 回復期機能については、「リハビリテーションを提供する機能」や「回復期リハビリテーション機能」のみではなく、リハビリテーションを 提供していなくても「急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療」を提供している場合には、回復期機能を選択できることに留意。 ○ 地域包括ケア病棟については、当該病棟が主に回復期機能を提供している場合は、回復期機能を選択し、主に急性期機能を提供し ている場合は急性期機能を選択するなど、個々の病棟の役割や入院患者の状態に照らして、医療機能を適切に選択。 ○ 特定機能病院においても、病棟の機能の選択に当たっては、一律に高度急性期機能を選択するのではなく、個々の病棟の役割や入 院患者の状態に照らして、医療機能を適切に選択。 病床機能報告制度における主な報告項目 構造設備・人員配置等に 関する項目 医療機能(現在/今後の方向) ※ 任意で2025年時点の医療機 能の予定 許可病床数、稼働病床数 一般病床、療養病床の別 医療法上の経過措置に該当する病床数 看護師数、准看護師数、看護補助者数、 助産師数 病 床 理学療法士数、作業療法士数、言語聴覚 数 士数、薬剤師数、臨床工学士数 ・ 人 主とする診療科 員 配 算定する入院基本料・特定入院料 置 DPC群 ・ 機 器 在宅療養支援病院/診療所、在宅療養 等 後方支援病院の届出の有無(有の場合、 医療機関以外/医療機関での看取り数) 二次救急医療施設/救急告示病院の有 無 高額医療機器の保有状況 (CT、MRI、血管連続撮影装置、SPEC T、PET、強度変調放射線治療器、遠隔 操作式密封小線源治療装置等) 具体的な医療の内容に関する項目 術幅 の広 実い 施手 (全身麻酔の)手術件数(臓器別) が ん ・ 脳 卒 の中 治・ 療心 筋 梗 塞 等 へ 悪性腫瘍手術件数 重 症 患 者 へ の 対 応 入 院 患 者 の 状 況 在棟患者延べ数 退棟患者数 入棟前の場所別患者数 予定入院・緊急入院の患者数 退棟先の場所別患者数 退院後に在宅医療を必要とする患者数 内視鏡手術用支援機器加算 病理組織標本作製、術中迅速病理組織標本作製 放射線治療件数、化学療法件数 がん患者指導管理料 抗悪性腫瘍剤局所持続注入、肝動脈塞栓を伴う抗悪性腫瘍剤肝動脈内注入 分娩件数 超急性期脳卒中加算、経皮的冠動脈形成術 入院精神療法、精神科リエゾンチーム加算 ハイリスク分娩管理加算/妊産婦共同管理料 救急搬送診療料、観血的肺動脈圧測定 持続緩徐式血液濾過、大動脈バルーンパンピング法 経皮的心肺補助法、補助人工心臓・植込型補助人工心臓 頭蓋内圧測定1日につき、人工心肺 血漿交換療法、吸着式血液浄化法、血球成分除去療法 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度を満たす患者割合 院内トリアージ実施料 夜間休日救急搬送医学管理料 精神科疾患患者等受入加算 退院調整部門の設置・勤務人数 新規入棟患者数 胸腔鏡下手術件数/腹腔鏡下手術件数 救 急 医 療 の 実 施 急 復性 帰期 へ の後 支・ 援在 宅 全 身 管 理 疾 の患 リに ハ応 ビじ リた テ/ ー シ早 ョ期 ンか ら 重長 度期 の療 障養 害患 者者 等・ の 受 入 救急搬送患者地域連携紹介加算、地域連携診療計画管理料 救命のための気管内挿管 体表面/食道ペーシング法 非開胸的心マッサージ、カウンターショック 心膜穿刺、食道圧迫止血チューブ挿入法 休日又は夜間に受診した患者の数(うち診察後、直ちに入院となった患者数) 救急車の受入件数 疾患別リハ料、早期リハ加算、初期加算、摂食機能療法 リハ充実加算、体制強化加算、休日リハ提供体制加算 入院時訪問指導加算、リハを要する患者の割合 平均リハ単位数/患者・日、1年間の総退院患者数 1年間の総退院患者数のうち、入棟時の日常生活機能評価が10 点以上であった患者数・退棟時の日常生活機能評価が、入院時 に比較して4点以上改善していた患者数 療養病棟入院基本料、褥瘡評価実施加算 重度褥瘡処置、重症皮膚潰瘍管理加算 難病等特別入院診療加算、特殊疾患入院施設管理加算 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算 強度行動障害入院医療管理加算 往診患者数、訪問診療数、在宅/院内看取り件数 救急医療管理加算 在宅患者緊急入院診療加算 退院調整加算、救急・在宅等支援(療養)病床初期加算 救急搬送患者地域連携受入加算 地域連携診療計画退院時指導料、退院時共同指導料 介護支援連携指導料、退院時リハビリテーション指導料 退院前訪問指導料 中心静脈注射、呼吸心拍監視、酸素吸入 観血的動脈圧測定 1日につき ドレーン法、胸腔若しくは腹腔洗浄 人工呼吸 1日につき、人工腎臓、腹膜灌流 経管栄養カテーテル交換法 有 床 診 療 所 の 多 様 な 機 能 有床診療所入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料 急変時の入院件数、有床診療所の病床の役割 過去1年間の新規入院患者のうち、他の急性期医療を担う病院の 一般病棟からの受入割合 有床診療所の多様な役割 (①病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡しとし ての機能、②専門医療を担う病院の役割を補完する機能、③緊急 時に対応する機能、④在宅医療の拠点としての機能、⑤終末期 医療を担う機能) 参考資料2 rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針 第二版より抜粋 日本脳卒中学会 脳卒中医療向上・社会保険委員会 rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法指針改訂部会 推 奨 ● 治療薬 1. 静注用の血栓溶解薬には、アルテプラーゼを用いる【エビデンスレベル Ia, 推奨グレード A】 。 2. アルテプラーゼ静注療法によって、3 ヵ月後の転帰良好例は有意に増加する。一方で症候性頭蓋内 出血は約 3~10 倍増え、5~20%にみられる【Ia】 。 3. わが国においては、アルテプラーゼ 0.6 mg/kg を静注する【IIa, A】。 ● 治療開始可能時間 4. アルテプラーゼ静注療法は、発症から 4.5 時間以内に治療可能な虚血性脳血管障害患者に対して行 う【エビデンスレベル Ia, 推奨グレード A】。 5. 発症後 4.5 時間以内であっても、治療開始が早いほど良好な転帰が期待できる。このため、患者が 来院した後、少しでも早く(遅くとも 1 時間以内に)アルテプラーゼ静注療法を始めることが望ま しい【Ia, A】 。 6. 発見時刻は発症時刻ではない。発症時刻が不明な時は、最終未発症時刻をもって発症時刻とする【IV, A】 。 ● 治療の適応 7. アルテプラーゼ静注療法の対象は、全ての臨床カテゴリーの虚血性脳血管障害患者である【エビデ ンスレベル Ia, 推奨グレード A】 。 8. 発症後 4.5 時間を超える場合【Ia】 、非外傷性頭蓋内出血の既往がある場合、胸部大動脈解離が強く 疑われる場合、CT や MRI での広汎な早期虚血性変化の存在など【以上、III】は、アルテプラー ゼ静注療法の適応外項目である。一項目でも適応外に該当すれば、本治療を行うことは推奨されな い【D】 。 9. 慎重投与項目とは、投与を考慮してもよいが、副作用その他が出現し易く、かつ良好な転帰も必ず しも期待できない条件を指す。このような項目を有する症例では、治療担当医が治療を行う利益が 不利益よりも勝っていると判断し、患者ないし代諾者への十分な説明により同意を得た場合に限り、 治療実施が可能である【IIa, C1】 。 10. 適応基準から逸脱したアルテプラーゼ投与は、症候性頭蓋内出血や死亡の危険を高める【IIb】 。 ● 治療を行う施設 11. CT または MRI 検査が 24 時間実施可能で、集中治療のために十分な人員(日本脳卒中学会専門医 などを中心とする診療チーム)及び設備(ストロークケアユニットまたはそれに準ずる設備)を有 し、脳神経外科的処置が迅速に行える体制が整備されている施設で、アルテプラーゼ静注療法を行 う【エビデンスレベル Ia, 推奨グレード A】。 ● 発症より来院までの対応 12. アルテプラーゼ静注療法を適切に行うために、市民啓発や救急隊員の病院前救護の改善に努め、患 者の迅速な受診を促す【エビデンスレベル IIa, 推奨グレード B】。 13. 病院内の医療従事者は患者情報の第一報を受けたときに、発症時刻などに関する出来るだけ正確な 情報を入手し、来院後迅速に対応できるよう、院内の準備を進める【III, B】。 ● 14. 15. 16. 病歴・診察・臨床検査 初診時に可能な範囲で脳卒中以外の疾患の鑑別に努める【エビデンスレベル IV, 推奨グレード A】。 NIHSS を用いた客観的な重症度評価を行う【IV, A】。 臨床検査では、出血性素因や症候性頭蓋内出血の危険因子を評価する【IV, A】 。 ● 頭部・頸部の画像診断 17. 単純 CT あるいは MRI を用いて、頭蓋内出血を除外し、早期虚血性変化の程度を評価する【エビ デンスレベル Ia, 推奨グレード A】。 18. 早期虚血性変化が広がるほど症候性頭蓋内出血の危険が増す可能性があるので、広汎な早期虚血性 変化を認める患者にアルテプラーゼ静注療法を行うことは推奨されない【Ia, C2】 。 19. 脳血管評価は必須ではない。しかしながら、アルテプラーゼ静注療法の治療効果は血管閉塞部位ご とに異なるので、慎重投与例などでの適応決定において重要な情報となることがある【IIa, C1】 。 20. 必要最低限の画像診断に留め、時間を浪費しない【IV, A】 。 ● 適応の判定と説明・同意 21. 適応例に対しては、アルテプラーゼ静注療法により予想される利益・不利益について、可能な限り 患者ないし代諾者に説明し、その同意を得ることが望ましい【エビデンスレベル IV, 推奨グレード B】 。 22. 慎重投与例に対しては、患者ないし代諾者への十分な説明に基づく同意取得が必要である【IV, B】。 ● 投与開始後の管理 23. アルテプラーゼ 0.6 mg/kg の 10%を急速投与し、残りを 1 時間で静注する【エビデンスレベル IIa, 推奨グレード A】 。 24. 治療開始後 24 時間以上は、SCU ないしそれに準じた病棟での管理が推奨される【Ia, B】。 25. 治療開始後の 24 時間は、血圧の管理や抗血栓療法の制限が重要である。症状増悪時には迅速な診 断を行い、必要があれば可及的速やかに脳神経外科的処置(開頭血腫除去術など)を実施する【III, B】 。 ● 血管内治療 26. アルテプラーゼ静注療法の適応症例に対して、血管内治療を優先的に行うことは推奨されない【エ ビデンスレベル IIa, 推奨グレード C2】 。 27. ウロキナーゼを用いる発症後 6 時間以内の局所線溶療法は、中大脳動脈閉塞症の転帰を改善させ得 る【Ia, B】 。 28. 発症後8時間以内の機械的再開通療法は、アルテプラーゼ静注療法の非適応および無効例に限って 承認されたが、その有効性・安全性は未だに検証中であることに留意する【IIa, C1】 。 29. その他の血管内治療の有効性・安全性は確認されておらず、臨床研究の範囲で行うべきものである 【IIa, C1】 。 ※ 推奨文のエビデンスレベル、治療推奨のグレードの分類は、「脳卒中治療ガイドライン 2009」[4] で用いられたものを踏襲した(表 1)。 表 1.エビデンスレベルおよび推奨グレード(文献 4 より) レベル Ia 無作為化比較試験(randomized controlled trial: RCT)のメタアナリシス レベル Ib 少なくとも一つ以上の RCT レベル IIa 良くデザインされた非ランダム化比較研究 レベル IIb 良くデザインされた準実験的研究 レベル III 良くデザインされた非実験的記述研究(比較・相関・症例研究) レベル IV 専門家の報告・意見・経験 グレード A 行うよう強く勧められる グレード B 行うよう勧められる グレード C1 行うことを考慮してもよいが、十分な科学的根拠がない グレード C2 科学的根拠がないので、勧められない グレード D 行わないように勧められる 表 3. アルテプラーゼ静注療法のチェックリスト 適応外 (禁忌) あり なし 発症~治療開始時刻 4.5 時間超 □ □ ※発症時刻 (最終未発症確認時刻) [ : ] ※治療開始(予定)時刻 [ : ] 既往歴 非外傷性頭蓋内出血 □ □ 1 ヵ月以内の脳梗塞(一過性脳虚血発作を含まない) □ □ 3 ヵ月以内の重篤な頭部脊髄の外傷あるいは手術 □ □ 21 日以内の消化管あるいは尿路出血 □ □ 14 日以内の大手術あるいは頭部以外の重篤な外傷 □ □ 治療薬の過敏症 □ □ 臨床所見 くも膜下出血(疑) □ □ 急性大動脈解離の合併 □ □ 出血の合併(頭蓋内,消化管,尿路,後腹膜,喀血) □ □ 収縮期血圧(降圧療法後も 185mmHg 以上) □ □ 拡張期血圧(降圧療法後も 110mmHg 以上) □ □ 重篤な肝障害 □ □ 急性膵炎 □ □ 血液所見 血糖異常(<50mg/dl,または>400mg/dl) □ □ 血小板 100,000/mm3 以下 □ □ 血液所見:抗凝固療法中ないし凝固異常症において PT-INR>1.7 □ □ aPTT の延長(前値の 1.5 倍[目安として約 40 秒]を超える) □ □ CT/MR 所見 広汎な早期虚血性変化 □ □ 圧排所見(正中構造偏位) □ □ 慎重投与(適応の可否を慎重に検討する) 年齢 81 歳以上 既往歴 10 日以内の生検・外傷 10 日以内の分娩・流早産 1 ヵ月以上経過した脳梗塞(とくに糖尿病合併例) 3 ヵ月以内の心筋梗塞 蛋白製剤アレルギー 神経症候 NIHSS 値 26 以上 軽症 症候の急速な軽症化 痙攣(既往歴などからてんかんの可能性が高ければ適応外) 臨床所見 脳動脈瘤・頭蓋内腫瘍・脳動静脈奇形・もやもや病 胸部大動脈瘤 消化管潰瘍・憩室炎,大腸炎 活動性結核 糖尿病性出血性網膜症・出血性眼症 血栓溶解薬,抗血栓薬投与中(とくに経口抗凝固薬投与中) ※ 抗 Xa 薬やダビガトランの服薬患者への本治療の有効性と安全性は 確立しておらず、治療の適否を慎重に判断せねばならない。 月経期間中 重篤な腎障害 コントロール不良の糖尿病 感染性心内膜炎 あり なし □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ <注意事項> 1. 一項目でも「適応外」に該当すれば実施しない. 2. 一項目でも「慎重投与」に該当すれば、適応の可否を慎重に検討し、治療を実施する場合は 患者本人・家族に正確に説明し同意を得る必要がある。 3. 「慎重投与」のうち、下線をつけた 4 項目に該当する患者に対して発症 3 時間以降に投与す る場合は、個々の症例ごとに適応の可否を慎重に検討する必要がある。 経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第2版より抜粋 (日本脳卒中学会、日本脳神経外科学会、日本脳神経血管内治療学会) 推 奨 機器 1. 治療に際しては、薬事承認を得た機器を用いること。 本指針策定時に薬事承認されている機器は、Merci リトリーバー、Penumbra システム、Solitaire FR および Trevo ProVue で、他に REVIVE SE の治験が実施され承認申請中である。 適応と実施条件 2. 治療適応は、個別の医療機器の薬事承認条件に基づくこと。 Merci リトリーバー、Penumbra システム、Solitaire FR、Trevo ProVue は、原則として発症 8 時間 以内の急性期脳梗塞において、組織型プラスミノーゲン・アクティベータ(rt-PA)の経静脈投与が 適応外、又は rt-PA の経静脈投与により血流再開が得られなかった患者を対象として承認され、機器 は内頚動脈・中大脳動脈・椎骨動脈・脳底動脈の再開通を図る目的で使用されている。 新しく承認される機器に関しては、個別の医療機器の承認条件および仕様に基づくこと。 3. 実施医療機関は、本療法を常時実施可能な脳血管撮影装置を備え、rt-PA 静注療法 が実施可能な環境を有すること。 脳血栓回収療法を行うことが出来る環境、すなわち血管造影室または手術室に血管撮影装置を備えて いることが必須である。また、rt-PA 静注療法が実施可能な環境とは、1) CT あるいは MRI が 24 時 間可能である、2) 急性期脳卒中に対する十分な知識と経験を持つ医師(日本脳卒中学会専門医など) を中心とするストロークチーム及び設備(Stroke Care Unit: SCU、あるいはそれに準ずる病棟)を 有する、3) 脳外科的処置が迅速に行える、4) rt-PA 静注療法実施担当者が日本脳卒中学会の承認 する本薬使用のための講習会を受講しその証明を取得する、の 4 条件を満たしていることである。 4. 実施医は、脳血管内治療専門医、またはそれに準じる経験を有する医師が行うこと。 本療法を安全に行うため、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医、または同専門医試験 受験資格に相当する経験、すなわち 100 例の脳血管内治療(うち術者 20 例、血行再建術 15 例)の経 験を有する医師が行う必要がある。 留意点 5. rt-PA 静注療法の適応例に対してはそれを優先すること。 科学的根拠の蓄積に基づき、発症 4.5 時間以内に治療可能な虚血性脳血管障害患者のうち、禁忌項目 を有しない適応患者に対して rt-PA 静注療法を行うことが強く推奨されている。日本脳卒中学会の策 定した rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第 2 版に基づき、適応患者を慎重に選択して rt-PA 静注療法を実施すべきであり、その適応患者に対し rt-PA 静注療法を行なわずに本療法を実施 することは厳に慎まねばならない。 6. 本療法が有効であるとの科学的根拠が示されたが、有効性を示した条件や環境を確 認した上で本療法を実施すること。 最新の知見では、rt-PA 静注療法や内科治療に本療法を追加することにより患者の転帰を改善すると いう科学的根拠が示された。それぞれの知見は、画像検査によって前方循環の近位主幹動脈閉塞によ る急性期脳梗塞と診断された症例を対象とし、主にステントリトリーバーを用いた血管内治療を早期 に行うことによって達成されたものである。これら有効性を示した科学的根拠が得られた条件や環境 を参考にした上で、本療法を選択し実施することが必要である。 7. 本療法に伴い閉塞血管の再開通が早く認められるほど、良好な転帰が期待できる。 このため本療法の施行を決めた場合は、少しでも早く治療を始めることが望ましい。 8. 我が国における経皮経管的脳血栓回収療法の現状を踏まえて、本療法を実施するこ と。 Merci リトリーバー、Penumbra システムの我が国における市販後調査の結果の一部が公表されている。 本療法を実施する際、これらの結果を踏まえて実施する必要がある。 9. 実施医療機関および実施者は、本療法の調査や研究に積極的に協力し、その効果や 問題点を明らかにすることに協力すること。 Merci リトリーバー、Penumbra システム同様、新しい機器の承認後に行われる市販後調査やその他の 臨床研究により、脳動脈再開通療法の実態を調査し、その安全性や有効性を明らかにする必要がある。 急性脳動脈閉塞の治療の中での本療法の位置づけを含め、これらの調査、研究に協力することが求め られる。 参考資料3 現状の急性期再開通療法の 施設基準と医療資源 tPA療法 1 急性期血管内治療 2 現状 人員 ・日本脳卒中学会専門医などの 急性期脳卒中に対する十分な知 識と経験を持つ医師を中心とする 診療チーム ・実施担当医が日本脳卒中学会 の承認するtPA使用のための講習 会を受講し、その証明を取得 ・日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医またはそれ に準じる経験を有する医師 ・日本脳卒中学会専門医などの急 性期脳卒中に対する十分な知識と 経験を持つ医師を中心とする診療 チーム(tPA静注療法が実施可能な 環境) ・tPA静注療法実施担当医が日本 脳卒中学会の承認するtPA使用の ための講習会を受講し、その証明 を取得(tPA静注療法が実施可能な 環境) ・日本脳卒中学会認定脳卒 中専門医:3657人3 ・日本脳神経血管内治療学 会認定脳血管内治療専門 医:699人4 ・日本神経学会認定神経内 科専門医:4497人4 ・日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医:6529人4 診断 機器 ・24時間実施可能なCTまたはMRI ・24時間実施可能なCTまたはMRI (tPA静注療法が実施可能な環境) ・常時実施可能な脳血管撮影装置 常時対応のMRIを有する施 設:86.4%(※)5 施設 ・SCUまたはそれに準じる設備 ・SCUまたはそれに準じる設備 (tPA 静注療法が実施可能な環境) その他 ・脳神経外科的処置が迅速に行 える体制 ・脳神経外科的処置が迅速に行え る体制(tPA静注療法が実施可能な 環境) 1.rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第二版 3.日本専門医制評価・認定機構HP 5.脳外誌.2013;22(9)678-687 ※日本脳神経外科学会、日本神 経学会、日本脳卒中学会教育訓 練施設749病院のうち ・SCU:131施設6 SCUがない都道府県:15県 ・ICU:781施設6 2.経皮経管的脳血栓回収用機器適正使用指針第2版 4.厚生労働省 平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査 6.厚生労働省 平成26年医療施設調査 人口当たりの神経内科専門医数(都道府県毎) 平成26年度 神経内科専門医数(人) / 人口10万人 5.0〜 4.8〜5.0 北海道 3.5〜4.7 2.2〜3.4 〜2.1 全国平均 3.5人/人口10万人 青森 秋田 岩手 山形 沖 縄 宮城 石 川 島根 長 崎 山 口 福 岡 佐 賀 大分 熊本 鹿児島 広島 愛媛 高知 福井 鳥取 岡山 兵 庫 京 都 香川 大 阪 奈 三 良 重 徳島 滋 賀 新 潟 富 山 福島 群 栃 馬 木 茨 岐阜 埼玉 城 山梨 東京 愛知 神奈川 千 静岡 葉 長野 和歌山 宮崎 医師・歯科医師・薬剤師調査(厚生労働省、統計情報部)データを基に集計。 人口当たりの脳神経外科専門医数(都道府県毎) 平成26年度 脳神経外科専門医数(人) / 人口10万人 7.1〜 6.1〜7.0 北海道 5.1〜6.0 4.1〜5.0 〜4.0 全国平均 5.1人/人口10万人 青森 秋田 岩手 山形 沖 縄 宮城 石 川 島根 長 崎 山 口 福 岡 佐 賀 大分 熊本 鹿児島 広島 愛媛 高知 福井 鳥取 岡山 兵 庫 京 都 香川 大 阪 奈 三 良 重 徳島 滋 賀 新 潟 富 山 福島 群 栃 馬 木 茨 岐阜 埼玉 城 山梨 東京 愛知 神奈川 千 静岡 葉 長野 和歌山 宮崎 医師・歯科医師・薬剤師調査(厚生労働省、統計情報部)データを基に集計。 人口当たりの脳血管内治療専門医数(都道府県毎) 平成26年度 脳血管内治療専門医数(人) / 人口10万人 0.9〜 0.7〜0.8 北海道 0.5〜0.6 0.3〜0.4 〜0.2 全国平均 0.6人/人口10万人 青森 秋田 岩手 山形 沖 縄 宮城 石 川 島根 長 崎 山 口 福 岡 佐 賀 大分 熊本 鹿児島 広島 愛媛 高知 福井 鳥取 岡山 兵 庫 京 都 香川 大 阪 奈 三 良 重 徳島 滋 賀 新 潟 富 山 福島 群 栃 馬 木 茨 岐阜 埼玉 城 山梨 東京 愛知 神奈川 千 静岡 葉 長野 和歌山 宮崎 医師・歯科医師・薬剤師調査(厚生労働省、統計情報部)データを基に集計。 人口当たりの脳卒中集中治療室(SCU)病床数(都道府県毎) 平成26年度 SCU病床数 / 人口10万人 0.81〜 0.61〜0.8 北海道 0.41〜0.6 0.21〜0.4 〜0.2 全国平均 0.6/人口10万人 青森 秋田 岩手 山形 沖 縄 宮城 石 川 島根 長 崎 山 口 福 岡 佐 賀 大分 熊本 鹿児島 広島 愛媛 高知 福井 鳥取 岡山 兵 庫 京 都 香川 大 阪 奈 三 良 重 徳島 滋 賀 新 潟 富 山 福島 群 栃 馬 木 茨 岐阜 埼玉 城 山梨 東京 愛知 神奈川 千 静岡 葉 長野 和歌山 宮崎 CCU病床数は医療施設調査(厚生労働省)データを基に集計。 都道府県毎の人口は人口推計(総務省統計局)データを基に集計。 人口当たりの特定集中治療室(ICU)病床数(都道府県毎) 平成26年度 ICU病床数 / 人口10万人 7.6〜 6.1〜7.5 北海道 4.6〜6.0 3.1〜4.5 〜3.0 全国平均 5.0/人口10万人 青森 秋田 岩手 山形 沖 縄 宮城 石 川 島根 長 崎 山 口 福 岡 佐 賀 大分 熊本 鹿児島 広島 愛媛 高知 福井 鳥取 岡山 兵 庫 京 都 香川 大 阪 奈 三 良 重 徳島 滋 賀 新 潟 富 山 福島 群 栃 馬 木 茨 岐阜 埼玉 城 山梨 東京 愛知 神奈川 千 静岡 葉 長野 和歌山 宮崎 CCU病床数は医療施設調査(厚生労働省)データを基に集計。 都道府県毎の人口は人口推計(総務省統計局)データを基に集計。 参考資料 4 消防法 (昭和二十三年七月二十四日法律第百八十六号)より抜粋 第七章の二 救急業務 第三十五条の五 都道府県は、消防機関による救急業務としての傷病者(第二条第 九項に規定する傷病者をいう。以下この章において同じ。)の搬送(以下この章にお いて「傷病者の搬送」という。)及び医療機関による当該傷病者の受入れ(以下この章 において「傷病者の受入れ」という。)の迅速かつ適切な実施を図るため、傷病者の 搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準(以下この章において「実施基準」と いう。)を定めなければならない。 ○2 実施基準においては、都道府県の区域又は医療を提供する体制の状況を考慮 して都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、次に掲げる事項を定めるものとす る。 一 傷病者の心身等の状況(以下この項において「傷病者の状況」という。)に応じた適 切な医療の提供が行われることを確保するために医療機関を分類する基準 二 前号に掲げる基準に基づき分類された医療機関の区分及び当該区分に該当する 医療機関の名称 三 消防機関が傷病者の状況を確認するための基準 四 消防機関が傷病者の搬送を行おうとする医療機関を選定するための基準 五 消防機関が傷病者の搬送を行おうとする医療機関に対し傷病者の状況を伝達す るための基準 六 前二号に掲げるもののほか、傷病者の受入れに関する消防機関と医療機関との 間の合意を形成するための基準その他傷病者の受入れを行う医療機関の確保に資 する事項 七 前各号に掲げるもののほか、傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関し都 道府県が必要と認める事項 ○3 実施基準は、医学的知見に基づき、かつ、医療法(昭和二十三年法律第二百五 号)第三十条の四第一項に規定する医療計画との調和が保たれるように定められな ければならない。 ○4 都道府県は、実施基準を定めるときは、あらかじめ、第三十五条の八第一項に 規定する協議会の意見を聴かなければならない。 ○5 都道府県は、実施基準を定めたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければな らない。 ○6 前三項の規定は、実施基準の変更について準用する。 第三十五条の六 総務大臣及び厚生労働大臣は、都道府県に対し、実施基準の策定 又は変更に関し、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うものとする。 第三十五条の七 消防機関は、傷病者の搬送に当たつては、実施基準を遵守しなけ ればならない。 ○2 医療機関は、傷病者の受入れに当たつては、実施基準を尊重するよう努めるも のとする。 第三十五条の八 都道府県は、実施基準に関する協議並びに実施基準に基づく傷病 者の搬送及び傷病者の受入れの実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下こ の条において「協議会」という。)を組織するものとする。 ○2 協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。 一 消防機関の職員 二 医療機関の管理者又はその指定する医師 三 診療に関する学識経験者の団体の推薦する者 四 都道府県の職員 五 学識経験者その他の都道府県が必要と認める者 ○3 協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、資料の提供、意見 の表明、説明その他の協力を求めることができる。 ○4 協議会は、都道府県知事に対し、実施基準並びに傷病者の搬送及び傷病者の 受入れの実施に関し必要な事項について意見を述べることができる。 第三十五条の九 都道府県知事は、救急業務を行つていない市町村の区域に係る道 路の区間で交通事故の発生が頻繁であると認められるものについて当該交通事故 により必要とされる救急業務を、関係市町村の意見を聴いて、救急業務を行つている 他の市町村に実施するよう要請することができる。この場合において、その要請を受 けた市町村は、当該要請に係る救急業務を行うことができる。 ○2 都道府県は、救急業務を行つていない市町村の区域に係る高速自動車国道又 は一般国道のうち交通事故により必要とされる救急業務が特に必要な区間として政 令で定める区間(前項の要請により救急業務が行われている道路の区間を除く。)に ついて、当該救急業務を行つていない市町村の意見を聴いて、当該救急業務を行う ものとする。この場合において、当該救急業務に従事する職員は、地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)の適用については、消防職員とする。 第三十五条の十 救急隊員は、緊急の必要があるときは、傷病者の発生した現場付 近に在る者に対し、救急業務に協力することを求めることができる。 ○2 救急隊員は、救急業務の実施に際しては、常に警察官と密接な連絡をとるもの とする。 第三十五条の十一 第二十七条の規定は、救急隊について準用する。この場合にお いて、同条中「火災の現場に到着する」とあるのは、「救急業務を実施する」と読み替 えるものとする。 ○2 消防組織法第三十九条 の規定は、第三十五条の九第二項の規定により都道 府県が救急業務を行う場合について準用する。この場合において、同法第三十九条 中「市町村」とあるのは「市町村及び都道府県」と、「消防」とあるのは「救急業務」と、 「市町村長」とあるのは「市町村長及び都道府県知事」と読み替えるものとする。 第三十五条の十二 この章に規定するもののほか、救急隊の編成及び装備の基準そ の他救急業務の処理に関し必要な事項は、政令で定める。 参考資料5 救急自動車による平均搬送時間および 搬送人員の病院収容所要時間別割合 1 救急自動車による平均搬送時間および搬送人員の病院収容所要時間別割合 所要時間別 搬送人員の割合(%) 平均搬送時間(分) 75 80% 60 60% 45 40% 30 20% 15 0% 0 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 全国 100% 10分未満 20分以上30分未満 60分以上120分未満 10分以上20分未満 30分以上60分未満 120分以上 平均搬送時間 平成27年版 救急救助の現況別表9の1を元に作成 2 参考資料 6 平成 28 年 6 月 30 日 第 1 回脳卒中、 心臓病その他の循環器病に係る診療提供 体制の在り方に関する検討会 資料 脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の 在り方に関する検討会 開催要綱(案) 1. 趣旨 脳卒中、心臓病その他の循環器病は、我が国の主要な死亡原因であるとともに、介 護が必要となる主な原因のひとつである。 本検討会は、循環器病に係る医療又は介護に要する負担の軽減を図ることが喫緊の 課題となっていることに鑑み、国民の健康寿命の延伸等を図るため、脳卒中、心臓病 その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方について検討することを目的に開催 するものである。 2. 検討事項 (1)循環器病に係る急性期診療提供体制の在り方について (2)循環器病に係る慢性期診療提供体制の在り方について (3)その他循環器病診療提供体制に関する事項について 3.その他 (1)本検討会は健康局長が別紙の構成員の参集を求めて開催する。 (2)本検討会には、健康局長の指名により座長を置き、検討会を統括する。 (3)本検討会には、必要に応じ、別紙構成員以外の有識者等の参集を依頼すること ができるものとする。 (4)本検討会は、原則として公開とする。 (5)本検討会の庶務は、厚生労働省健康局がん・疾病対策課が行う。 (6)本検討会には、必要に応じ、ワーキンググループを設置できるものとする。 (7)この要綱に定めるもののほか、本検討会の開催に必要な事項は、健康局長が別 に定める。 参考資料7 平成28年6月30日 第1回脳卒中、心臓病その 他の循環器病に係る診療提供体制の 在り方に関する検討会資料 循環器病の急性期診療提供体制構築に 向けた考え方(案) 1 循環器病の急性期診療提供体制構築に向けた考え方(案) 【目標】 循環器病による ・年齢調整死亡率の減少 ・要介護に至る患者の減少 搬送 施設 診断 診断機器 治療 人員 その他 ○現在の医療資源(施設、診断機器、人員等)をふまえて、搬送・診断・治療 における課題を把握した上で、地理的要件や発症頻度等を考慮しつつ、 診療提供体制を構築することが必要ではないか。 2 循環器病を診療する施設の役割分担のイメージ(案) 脳卒中 高度な 専門的医療を 行う施設 急性心筋梗塞 血管内治療、外科 外科的治療が可能 的治療が可能 24時間体制で外科 的治療、血管内治 療が可能 t-PA療法が可能 再灌流療法が可能 外科的治療、血管 内治療が可能 脳卒中の診断が 可能 急性心筋梗塞の 診断が可能 急性大動脈解離の 診断が可能 専門的医療を 行う施設 主に 初期対応を 行う施設 急性大動脈解離 ○提供する医療に応じて医療施設に求められる役割を明確化した上で、 診療提供体制を構築することが必要ではないか。 3 循環器病の急性期診療提供体制構築に向けた 評価指標の設定(案) 医療施設に求められる 役割のイメージ 高度な 専門的 医療を行う 施設 専門的 医療を 行う施設 主に初期 対応を行う 施設 搬送 診断 治療 評価に用いることが可能な指標(案) ○医療計画で例示されている指標 ○病床機能報告制度によって把握される項目 ○研究班の情報 ○学会等における診療実態調査の情報 ○その他 ○搬送、診断、治療における課題と、医療施設に求められる役割を元に、 診療提供体制および個別の医療施設の評価指標を設定することが 必要ではないか。 4
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