2 - 経済産業省

平成27年度国際エネルギー使用合理化等対策事業
サウジアラビアにおける省エネ制度確立・普及支援事業
報告書(2016年2月)
株式会社 三菱総合研究所
環境・エネルギー研究本部
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
目次
エグゼクティブ・サマリー
1. サウジアラビアの基礎情報
3
6
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
1.2 サウジアラビア情勢
7
13
2. サウジアラビアにおける省エネルギー
20
2.1 サウジアラビアの省エネルギー推進体制
2.2 サウジアラビアの省エネルギー規制
21
26
3. 戦略検討会
4. サウジアラビアにおける省エネルギーセミナー
4.1 セミナー概要
4.2 運輸部門セミナー
4.3 民生部門セミナー
53
55
60
5. まとめ
付録1. 運輸部門セミナーの様子
付録2. 民生部門セミナーの様子
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49
52
65
67
73
2
エグゼクティブ・サマリー
本調査の背景とねらい
背景

サウジアラビアでは国内産油量
の4分の1以上が自国消費。 将
来は原油輸入国になるとの予
想もあり、省エネルギーは喫緊
の課題。

2012年に省庁横断で、省エネ
ルギープログラム(SEEP)がス
タート。

油価が低下する中、財政再建
の重要な打ち手として、省エネ
ルギー制度の一層の確立が求
められている。

この現状を踏まえ、我が国の省
エネルギー制度・技術にかかる
知見・経験を活用しサウジアラ
ビアの省エネルギー制度の確
立・普及支援を行うことは、我が
国のエネルギーセキュリティー
の強化に資する。
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本調査のポイント
ねらい

サウジアラビアの省エネルギー
導入状況と、米国等諸外国の
支援状況を把握し、我が国の支
援の戦略を検討する。

サウジアラビアにおいて我が国
を参考にした省エネルギー制度
を確立することで、本邦企業の
海外展開の環境を整備する。

我が国の特色が活きて、サウジ
アラビアにもニーズのある①エ
ネルギー管理制度②民生の省
エネルギー制度、③自動車の
省エネルギー制度の3分野につ
いて包括的な支援を行う。

サウジアラビアの省エネルギー
を促進し、エネルギー需要増加
を抑えることで我が国の将来の
安定したエネルギー資源の確
保を目指す。
3
エグゼクティブ・サマリー
調査フローと主なアプローチ
 以下のフローで調査を実施し、サウジアラビアにおける省エネルギー制度の策定を支援した。
サウジの基礎情報
アウトプットのポイント
調査項目
1-1
1-2
戦略検討会
サウジの省エネ
2-1
2-2
3
サウジアラビア サウジアラビア サウジアラビア サウジアラビア
の
の
の
情勢
省エネ規制
エネルギー事情
省エネ推進体制
最新のサウジア  サウジアラビア 
での省エネ推進
ラビア情勢・中
の流れの説明
東情勢の整理

現時点での省エ
サウジアラビア
ネ推進体制の整
の油価下落へ
理
の対応策の整
理
 油価が下がる
状況で、省エネ
ルギー政策の
優先度が高いこ
とを改めて確認
 サウジアラビア 
におけるエネル
ギー統計の整
理

基礎情報収集
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セミナー開催
4-1
戦略検討会
開催
4-2
運輸部門
セミナー
まとめ
5
民生部門
セミナー 0
今後の
検討事項
民生、産業、  サウジアラビ  SJAHIにて運  SEHAIにて民  ①~④を踏ま
アの専門家を
えた今後の検
輸部門の省エ
生部門の省エ
運輸、啓蒙の
集めた戦略検
討事項の整
ネルギーセミ
ネルギーセミ
それぞれの部
理
討会を組成・
ナーを開催
ナーを開催
門で、どのよう
開催
な規制が導入
され、導入検  サウジアラビ
ア情勢などに
討されている
ついて意見交
か整理
換を実施
省エネルギー制度の把握
戦略検討・セミナーでの打ち込み
4
本調査のまとめ
エグゼクティブ・サマリー
日本・サウジアラビア両国でのエキスパート・ヒアリング
 本調査では、サウジアラビアの省エネルギーに関して11企業・団体を訪問し、多面的な意見聴取を実施。
所在地
対応者
SEEP
Riyadh
運輸部門および
民生部門担当者
SEHAI
Riyadh
校長など
民生部門のセミナー開催について意見交換
SJAHI
Jeddah
校長など
運輸部門のセミナー開催について意見交換
在サウジアラビア日本国大使館
Riyadh
書記官
サウジアラビア情勢に関する意見交換
在ジッダ日本国総領事館
Jeddah
総領事
サウジアラビア情勢に関する意見交換
中東協力センター
JETROリヤド事務所
Riyadh
所長など
サウジアラビア情勢に関する意見交換
NHK ドバイ支局
Dubai*
支局長
トヨタ自動車
中近東部・北アフリカ駐在員室
Dubai*
ゼネラルマネージャー
早稲田大学
東京
教授
日本自動車工業会
東京
国際統括部長
中東協力センター
東京オフィス
東京
審議役
団体名
現
地
機
関
現
地
日
系
機
関
大
学
国
内
機
関
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5
主な論点
サウジアラビアの省エネルギー政策の方向性について議論
最近の中東情勢について意見交換
中東における自動車市場について意見交換
最近の中東情勢についての指導
サウジアラビアの運輸部門政策について意見交換
サウジアラビア情勢に関する意見交換
* ヒアリングはJeddahで実施
1. サウジアラビアの基礎情報
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6
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
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7
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
マクロ・フレーム
人口
 最新のセンサスは2010年のものであり、人口は2,756万人であった。Central Department of Statistics & Information
によると、2025年には3,761万人に増えると予想されている。
Saudi population
Non-Saudi population
Est. Saudi population
Est. Non-Saudi population
UN projected low fertility rate
UN projected high fertility rate
40
34.90
Projections
35
36.06
37.12
33.63
32.25
Population [Millions]
30.77
12.61
29.20
30
12.12
27.56
11.24
25.94
25
20
37.61
24.31
10.07
22.68
8.59
25.00
23.95
22.38
6.15
20.70
18.97
15
16.53
10
5
0
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016
2018
2020
2022
2024
2025
出所)Central Department of Statistics & Informationより三菱総合研究所作成
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8
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
マクロ・フレーム
GDP
 2014年のサウジアラビアのGDPはSAR 2.8 Millionであり、International Monetary Fundは今後数年は油価低迷など
によりGDPは低下すると見込んでいる。
Oil Sector
Non- Oil Sector
Import Duties
Nominal GDP projected by IMF
Nominal GDP per capita in USD
4
30,000
Projections
24,816
23,594
25,000
21,269
3
Nominal GDP [Million SAR]
24,252
2.75
20,157
2.5
19,113
2.77
2.80
2.49
2.37
16,667
1.98
1.95
14,068
1.41
1.43
0.86
0.97
0.69
0.5
0.62
0.71
1.38
1.28
0.94
0.64
2.60
20,000
1.48
15,000
1.60
10,000
1.29
1.20
1.07
0.55
0.54
2.41
1.08
1.17
1
1.35
1.22
1.61
11,467
1.5
2.81
20,093
16,095
15,604
2
20,139
22,494
GDP per capita [USD]
25,139
3.5
0.88
0.79
5,000
0.67
0.42
0
0
2004
2005
2006
2007
2008
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
2009
2010
2011
9
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
出所)IMFより三菱総合研究所作成
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
電力
サウジアラビアの電力管区と発電所の立地
 サウジアラビアの電力系統は中央・東・西・南の4地域に分かれている。
 ガス・ディーゼル発電所が大部分。南部には太陽光発電所が設置されている。
Iraq
Gaza
Alexandria
Esfahan
Baghdad
Jordan
Israel
Iran
Basrah
Cairo
Shiraz
Kuwait
Persian Gulf
Egypt
(Arabian Gulf)
Western Area
Bahrain
Dubai
Riyadh
Medina
Qatar
United Arab
Emirates
Saudi Arabia
Jeddah Mecca
Muscat
Central Area
Eastern Area
Oman
Red Sea
Port Sudan
Southern Area
Sudan
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Eritrea
Yemen
10
Gas
Steam
Combined
Diesel
Solar
出所) 三菱総合研究所作成
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
電力
電力需給の概要
 過去10年で年6.4%の供給増。近年は、IPPを中心にSEC以外からの電力供給が増えている。
 家庭部門の需要が全体の電力需要の約半分を占める。
Electricity consumed by sectors
Electricity generated by sources
Steam
Gas
Combined Cycle
Diesel
rented Diesel
Solar(PV)
Desalination Plants
Water & Electricity companies
IPP
300,000
274,502
Agricultural
(2%)
Import
250,000
350,000
240,288
240,067
250,000
14,474
13,757
204,200
200,000
37,589
181,434
159,875
150,000
97,664
79,130
100,000
51,268
81,834
67,543
50,000
67,275
92,631
71,131
81,770
77,895
93,475
Generated by SEC
(69%)
Erectricity Generated [GWh]
64,438
200,000
181,098
Industrial
(19%)
30,011
Governmental
(11%)
42,855
Commercial
(16%)
135,908
Residential
(50%)
163,151
150,000 144,385
100,000
50,000
73,365
94,902
0
51,499
212,263
Sold Energy [GWh]
300,000
Energy purchased
(31%)
311,807
271,679
Others (4%)
86,028
96,687
108,627
120,246
0
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
注)需給の差は送電ロスと輸出分. 出所)Electrical Data 2000 - 2014 (SEC)より作成
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11
1.1 サウジアラビアのエネルギー事情
電力
再生可能エネルギーの普及計画
Extension of the program
until 2040
PV, CSP:
28.4GW
50
PV, CSP:
17.35GW
40
Waste, Wind,
Geothermal:
6.5GW
PV, CSP:
2.35GW
Waste, Wind,
Geothermal:
10.8GW
Wind
25GW
(46.2%)
Installed Capacity [GW]
60
3GW 9GW 1GW
(5.5%) (16.6%) (1.8%)
 2012年、K.A.CAREは2032年までの再生可能エネルギー普及計画を発表。2032年に太陽光・熱発電を41GW, その他
再生可能エネルギーを13GW、合計54GWの再エネ発電設備を設置するとした。
 しかし2015年1月、K.A.CAREは目標達成時期を2040年に延期すると発表。
30
20
Waste, Wind,
Geothermal:
1.05GW
Waste to Energy
CSP
10
PV
0
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 2038 2039 2040
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12
16GW
(29.6%)
Geothermal
1.2 サウジアラビア情勢
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13
1.2 サウジアラビア情勢
最近のサウジアラビア情勢
 2015年1月23日のアブドッラー前国王の逝去に伴い、サルマーン前皇太子が新国王に即位した。同時に、ムクリン副皇
太子が皇太子へ、ムハンマド内相が副皇太子に任命された。また、サルマーン新国王の息子の一人であるムハンマド前
皇太子府長官が国防大臣に任命された。
 新国王即位の6日後(1月29日)第1回人事異動では、アブドルアジーズ石油鉱物資源省副大臣が閣僚級に昇格するとと
もに、最高石油鉱物資源評議会など12の政府評議会が廃止され、新たに2つの評議会が新設された。
 4月29日にはサルマーン新国王の息子の一人であるムハンマド国防相が副皇太子に任命された。
新国王の即位に伴う人事・変化
2015年1月23日
前国王の逝去・新国王の即位
国王
王位継承順
内閣・省庁
2015年1月29日
第1回人事異動
2015年4月29日
第2回人事異動
アブドッラー国王の逝去
サルマーン新国王の誕生
ムハンマド副皇太子が皇太子に任命
ムハンマド国防大臣が副皇太子に任命
ムクリン皇太子は解任
ムクリン副皇太子が皇太子に任命
ムハンマド内相が副皇太子に任命
ムハンマド前皇太子府長官が国防大臣・王宮府
長官に任命
政府評議会
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アブドルアジーズ石油鉱物資源省副大臣が閣僚級
へ昇格
最高石油鉱物資源評議会、最高教育評議会など12
の政府評議会が廃止され、以下の2評議会を新設
- 政治・安全保障評議会
- 経済・開発評議会
14
サウジアラムコが石油鉱物資源省から分離
1.2 サウジアラビア情勢
最近の中東情勢を巡る主要国の関係
 2016年1月にサウジアラビアがイスラム教シーア派の高位聖職者ニムル師を処刑したことに端を発して、サウジアラビア
とイランは国交を断絶した。イスラム教徒スンニ派が多数を占めるサウジアラビアとシーア派を中心としたイランでは、こ
れまでも対立・緊張関係に陥ることが多かった。
 米国とサウジアラビアは長年同盟関係を保ってきたが、2015年4月に米国など6か国がイランとの核合意に達したことを
受けて、サウジアラビアが米国に不信感を募らせているとの見方もある。
 シリアにおける覇権を争い、アサド政権を支援するイランと反政府勢力を支援するサウジアラビアの関係悪化は、シリア
和平を大きく妨げる要因として懸念されている。
サウジアラビアとイランを巡る関係
サウジアラビアとイランにおけるイスラム教徒の内訳
対立だが、中東問題では
協力の可能性も模索
スンニ派など
9%
米国
ロシア
イラン
同
盟
シーア派
91%
サウジ
アラビア
シリア
支援
反政府
勢力
×
シーア派など
15%
スンニ派
85%
×
アサド
政権
サウジアラビア
国交断絶
支援
密
接
良
好
関
係
維
持
イラン
急接近
出所)外務省統計などより三菱総合研究所作成
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
15
出所)各種資料より三菱総合研究所作成
1.2 サウジアラビア情勢
予算
予算の推移と今後の方向性
 サウジアラビアの国家予算の大部分は石油による歳入で賄われており、2016年には2014年比で51%減少した。
 原油価格の低下に伴い、サウジアラビアにおけるEconomist Intelligence Unit(EIU)リスク指標および格付けが悪化し
た。
Oil Revenues
Capital Expenditures
Other Revenues
Combined Revenue
Current Expenditures
Combined Expenditures
1,400
160
1,247.4
673.7
626.4
564.3
600
466.2
513.8
60
285.2
40
200
2004
2005
2006
2007
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
2008
2009
2010
16
2011
2012
2013
2014
2015
expected
Revenues
expected
Expenditures
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
Revenues
Expenditures
20
Revenues
0
100
80
608.0
393.3
392.3
400
120
840.0
741.6
653.9
596.4
520.1509.8
642.8
975.0
925.0
873.3
826.7
1,100.0
1,046.0
WTI Spot FOB [USD/Barrel]
1,000
800
140
1,131.0
1,117.8
1,101.0
Expenditures
Revenues and Expenditures [billion SAR]
1,200
0
2016
出所)サウジアラビア財務省より三菱総合研究所作成
1.2 サウジアラビア情勢
予算
予算の推移と内訳
 予算(Current Expenditure)の推移は以下のとおり。(なお予算執行額は総額は公開されているが、内訳は予算段階の
み分かる)
 原油価格下落に伴う歳入の減少により、2015年度に比べて予算額もSAR 20 Billion減少した。特に電気・水道・ガソリン
などの値上げに伴い、Municipality Servicesの予算は約50%削減されている。
2016
2015
2014
2013
2012
Total
SAR 840 Billions
SAR 860 Billions
SAR 855 Billions
SAR 820 Billions
SAR 690 Billions
USD
USD 224.0 Billions
USD 229.3 Billions
USD 228 Billions
USD 218.7 Billions
USD 184 Billions
Education
SAR 192 Billions
SAR 217 Billions
SAR 210 Billions
SAR 204 Billions
SAR 168.6 Billions
Health and Social
affairs
SAR 105 Billions
SAR 160 Billions
SAR 108 Billions
SAR 100 Billions
SAR 86.5 Billions
Municiplity Services
SAR 21 Billions
SAR 40 Billions
SAR 39 Billions
SAR 36 Billions
SAR 29.2 Billions
Infrastructure and
Transport
SAR 24 Billions
SAR 63 Billions
SAR 66.6 Billions
SAR 65 Billions
SAR 35.2 Billions
Water and other*1)
SAR 78 Billions
SAR 60 Billions
SAR 61 Billions
SAR 57 Billions
SAR 57.5 Billions
Public administration
SAR 24 Billions
-
-
-
-
Military and Security
Services
SAR 213 Billions
-
-
-
-
Government Fund*2)
-
SAR 74 Billions
SAR 85 Billions
SAR 68 Billions
SAR 86 Billions
SAR 183 Billions
SAR 246 Billions
SAR 285 Billions
SAR 290 Billions
SAR 227 Billions
Other
*1): Water, Agriculture, Industry, and other Economic Resources
*2): Specialized Credit Development Institutions and Government Financing Programs
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17
1.2 サウジアラビア情勢
サウジアラビアの外貨準備高
 サウジアラビアの外貨準備高は2015年1月から12月の1年間で約20%減少した。これは1ヶ月平均で約USD 11 Billion
の減少ペースである。
 サウジアラビアの外貨準備高は原油価格に大きく左右されるものの、仮に2015年1月から12月までの月平均の減少が
今後も続く場合、2020年8月には底を突く計算になる。
 従って、財政の立て直しはサウジアラビアにとって喫緊の課題である。
実績
トレンド延長(2015年)
外貨準備高 [Billion USD]
800
4年8ヶ月
約20%
600
2015年1月
2015年12月
※ 2015年1月~12月の月平均減少額
400
2020年8月
200
0
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18
出所)SAMA月報より三菱総合研究所作成
1.2 サウジアラビア情勢
サウジアラビアが財政再建に向けて実施し得る政策オプション
 今後、サウジアラビア財政を立て直すためのオプションとして、以下のような対応策が考えられる。
財
政
再
建
に
向
け
た
オ
プ
シ
ョ
ン
大型プロジェクトの
中止・延期
2015年9月、アッサーフ財務相は不要不急の歳出を減らすため、一部の公共工事プロジェクトを延期する意向を示した。
プロジェクトを受注した企業に対して政府からの支払が半年以上遅延しているケースもあり、首都リヤドでの地下鉄建設やサッカースタジアム建設を
含めた大型プロジェクトの延期・中止の報道が相次いでいる。
付加価値税の導入
IMFは2015年8月に発表したプレスリリースで、サウジアラビアに対して付加価値税(VAT)や土地税の導入を促している。
IMFの勧告を受け、GCC諸国はVAT導入を検討しており、サウジアラビアでもアッサーフ財務相が2年以内にVATを導入したいと述べた。
原油の生産調整
原油減産による価格調整が考えられるが、現在は非OPECの原油生産比率が上がっているため、非OPECと協調した生産調整でなければ、サウジ
アラビア単独での減産は実施されないとの見方が強い。
2016年2月16日にはサウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラが、原油生産を同年1月の水準に凍結することに合意した。
補助金削減
2015年12月28日にガソリン、電気、水道料金などの値上げを発表した。今後5年間で更に段階的に値上げが実施される予定。
ガソリンは1リットル当たりSAR 0.45~0.6がSAR 0.75~0.9へと50%近い値上げとなった。
一方で低所得層への配慮から、電気や水道は使用量に応じて段階的に高くなる料金体系となっている。
リヤルの切り下げ
リヤルを切り下げることでリヤル建てでの原油歳入の増加、米ドル換算ベースでの歳出削減が見込める。
サウジアラムコ等の
国営企業の上場
2016年1月、世界最大の石油企業であるサウジアラムコの株式上場を検討していると、ムハンマド国防大臣が言及した。ただし情報公開の観点から
サウジアラムコ全体ではなく、下流部門を分離しての上場、または一部の油田を分離しての上場となるとの見方が強い。
サウジアラムコに限らず、他の国営企業についても一部株式の売却が検討されている。
国債の発行
2015年には8年振りに国債発行に踏み切った。
リヤル建てでの5年債、7年債、10年債の3種類が発行されたが、今後は海外での発行を見込んでドル建てでの発行の可能性もある。
今後の原油価格の回復を見込んでのオプションである。
サウジアラビアは財政再建に向けてあらゆる手立てを打っており、中でも省エネルギーは以下の観点から、重要な打ち手と認識されている。
① 公共料金の補助金削減のため、政府が省エネルギーを推進
② 公共料金の値上げにより、国民が自発的に省エネルギーに取り組む
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19
2. サウジアラビアにおける省エネルギー
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20
2.1 サウジアラビアの省エネルギー推進体制
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21
2.1 サウジアラビアの省エネルギー推進体制
省エネルギー推進の必要性
 サウジアラビアの人口および一人当たりGDPは、2050年に2010年比でそれぞれ1.67倍、1.63倍になると予想されてい
る※。サウジアラビアの一人当たりGDPは2010年にUSD 19,800であり、エネルギー消費は一般的にUSD 30,000まで
は増加する。従って人口・GDP増加の両側面から、エネルギー消費量の増加も見込まれる。
 一方でサウジアラビアにおける原油生産量の大幅な増加は見込まれず、需要量の増加に伴い原油輸出可能量が減少
すると考えられる。
 英国のシンクタンクであるチャタムハウスは、現状趨勢ケースではサウジアラビアが2038年に原油の正味輸入国になる
可能性を指摘しており、サウジアラビアでは省エネルギーの推進が喫緊の課題となっている。
現状趨勢ケースにおけるサウジアラビアの将来の原油輸出量見通し
サウジアラビアの2050年までの人口およびGDPの見通し
2010
2,756
.
19,799
.
2020
3,437
.
20,836
.
2030
2040
3,913
4,314
10
一人当たりGDP
[USD]
1.67倍
.
.
21,952
26,486
8
6
原油輸出量 [mb/d]
年
人口
[万人]
1.63倍
.
.
4
2
0
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
-2
-4
2050
4,606
.
32,203
.
-6
-8
出所)United Nations, IPCC (SSP Database)などより三菱総合研究所作成
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22
出所)Chatham House 2011より三菱総合研究所作成
※人口はUnited Nations, GDPはIPCC (SSP Database)より
2.1 サウジアラビアの省エネルギー推進体制
省エネルギー推進体制の経緯
 省エネルギーの推進体制については、2000年代初頭よりサウジアラムコ内に省エネルギー担当部署が設置されたのが
始まりで、その後、日本の産総研に相当する王立の研究機関であるKACST(King Abdulaziz City for Science and
Technology)、サウジアラムコなどとともにUNDPの協力の下で、NEEPと呼ばれる省エネルギープログラムを創設。
2009年にJICAが実施した省エネルギー調査の提言も踏まえ、NEEPを発展させ2010年KACSTの下に省エネルギー実
施機関として省エネルギーセンター(SEEC)を閣議決定により設立。
 現在はアブドルアジーズ石油鉱物資源省副大臣をトップとして、サウジ省エネルギープログラム(SEEP)が中心になり省
エネルギー政策を策定。SEEPの主要メンバーはサウジアラムコ出身。
2003
2010
2012
National Energy Efficiency Program
Saudi Energy Efficiency Center
Saudi Energy Efficiency Program
サウジアラビアのエネルギー需要の急
増に対処するため、省エネルギープロ
グラム(NEEP)がUNDP協力のもと公
的機関と国営企業の連携によって実
施。
サウジアラビア石油省が主体となっ
て、NEEPを推進するためにKACST
の下にサウジアラビア省エネルギーセ
ンター(SEEC)が2010年に設立。
関係機関
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
NEEPよりも多くの複数機関の中で省
エネルギーを推進する新たな枠組みと
して、サウジアラビア省エネルギープ
ログラム(SEEP)が開始。
関係機関
23
出所)三菱総合研究所作成
2.1 サウジアラビアの省エネルギー推進体制
SEEP・SEECの組織概要
 SEEPはアブドルアジーズ議長のもと、以下の組織体制となっている。30以上の関係省庁・機関より150人以上の専門家
からなるテクニカルチームが組織。
 SEEPが政策の大枠を立案し、SEEC、SASO、SECなどによって政策への落とし込み、実行がなされるという関係。
アブドルアジーズ石油鉱物資源省副大臣
執行委員会
SEEP
テクニカルチーム
• Ministry of Petroleum and Mineral Resources
• Ministry of Water & Electricity
• Ministry of Municipalities & Rural Affairs
• Ministry of Finance
• Ministry of Commerce & Industry
• Saudi Customs
• ERCA
• Saudi Standards, Metrology and Quality Organization
• Saudi Energy Efficiency Center
• Saudi Electric Company
• Saudi Aramco
• SABIC
工業部会
輸送部会
普及啓発部会
財務部会
都市計画部会
(SABIC, S. Aramco,
SEC, MoCI, ECRA,
SEEC, MODON, SWCC)
(SASO, SEEC, MoT,
Traffic Police,
Customs, S. Aramco)
(MoCI, MoWE, MoCI,
S. Aramco, SEC, SASO)
(S. Aramco, SEEC, ECRA,
DNA, MoPM, World Bank,
MoF, ECRA, MoSA, MoCI,
SASO, NEA, SEAS 他)
(MoMRA, MODON, ARDA,
SRO, MoWE, MoT,
S. Aramco, SEC, NWC,
SASO, KSU)
建設部会
品質管理部会
省エネ法部会
Super-ESCO
人材開発
(SASO, SEEC, SEC,
S. Aramco, ECRA,
MoMRA, MoH,SABIC, KA
CARE,Customs, MoWE)
(SEEC, Customs,
MoCI, SASO)
(MinPet, S.Aramco,
Int’l law firm)
(PIF, S.Aramco, SEEC,
World Bank, GIZ)
(S. Aramco, SEEC, TUTC,
KFUPM, MoHE)
トルキー総裁 (KACST所長と兼任)
ナーイフ 事務局長
SEEC
建物チーム
都市計画チーム
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
地域冷房チーム
24
運輸チーム
エネルギー管理
チーム
キャパシティ・
ビルディング評価
チーム
出所)SEHAIセミナー資料, ヒアリング等により三菱総合研究所作成
2.1 サウジアラビアの省エネルギー推進体制
省庁再編動向
 前国王の死去に伴い即位したサルマーン国王は、息子であり30歳のムハンマド国防相を副皇太子に抜擢するなど、政
府トップの組み換えを矢継ぎ早に実行中。
 80歳のヌアイミ石油鉱物資源相の後継には、サルマーン国王子息のアブドルアジーズ副大臣の就任が噂される。
 サウジアラビアにおけるエネルギー関連の省庁間の権限関係が不明確で、各種エネルギー間の総合的な調整が不十
分であったが、ここにきて石油省を軸にエネルギー省が設立されるとの噂があり、その動向は要注視。
サルマーン国王(2015年即位)
息子
合併を検討中の模様
主
要
省
庁
石油省
水電力省
SEEP
K.A. CARE
国防省
内務省
ヌアイミ大臣
フセイン大臣
アブドルアジーズ
石油省副大臣
ヤマニ総裁
ムハンマド大臣
ムハンマド大臣
副皇太子・
第二副首相と兼任
皇太子・
副首相と兼任
合併を検討中(?)の模様
国
営
機 後任候補はアブド
関 ルアジーズ副大臣
SABIC
最高議会が解散
Saudi Aramco
上場を検討中
セナヤン会長
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
ファリハ会長
保健相も兼任
25
出所)各勅令・報道により三菱総合研究所作成
2.2 サウジアラビアの省エネルギー規制
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
26
2.2.1. サウジアラビアの省エネルギー規制
省エネルギー推進体制の経緯(1/2)
 2012年のSEEP設立以降、省エネルギー余地が大きい民生部門(空調・建築)を中心に各種施策が実行されつつある。
見通し
実績
2012
主なイベント
2013
2014
2015
✓SEEP設立
2016
2017
✓アブドラ国王死去
エアコン
2012/12 ラベリング制度
省エネルギー基準改定発表
2013/9 第一フェーズ施行
ラベリング改定
2015/1第二フェーズ適用
大型エアコン効率基準 策定予定
民生部門
機器
照明器具
2015/6 省エネルギー基準 2016/5第一フェーズ適用 2017/5第二フェーズ適用
ラベリング制度 TBT通報
洗濯機
2014/2 省エネルギー基準
ラベリング厳格化発表
2015/1 省エネルギー基準
ラベリング厳格化施行
冷凍庫・冷蔵庫
2014/2 省エネルギー基準
ラベリング厳格化発表
2015/1 省エネルギー基準
ラベリング厳格化施行
建築
建材の品質基準
2014/11 第一フェーズ適用
低層住居断熱基準
2014/11 第一フェーズ適用
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
2017/1 第二フェーズ適用
27
2017/1 第二フェーズ適用
出所)三菱総合研究所作成
2.2.1. サウジアラビアの省エネルギー規制
省エネルギー推進体制の経緯(2/2)
 近年は運輸部門の省エネルギー施策に着手。産業部門のエネルギー管理士制度は導入がやや遅れている。
 現在サウジアラビア政府としてHDVの燃費基準の策定や高燃費車の買替促進を検討中である。また、規制以外にもITS
の導入や公共交通機関の利用促進などの方策を検討中。
見通し
実績
2014
2015
エネルギー管理・
ベンチマーク
2013
2016
策定予定
CEM資格(米国)
2015/11
エネルギー効率基準
新設・既存のプラントにおいて策定予定
3年ごとに更新予定
燃費ラベリング制度
2014/2発表2014/8施行
2016/6新基準発表
タイヤ
キャンペーン
啓発
2017 旧基準廃止
2020年まで毎年段階的に引き上げ
燃費基準(LDV)
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
2017
エネルギー管理士制度
2014/11発表
2016/1施行
大型車燃費基準 策定予定
転がり抵抗基準
2014/5発表
2015/11施行
2019/11厳格化
ITSの導入
旧型車の買替促進
規制
以外
運輸部門
燃費
産業部門
2012
公共交通機関の利用促進
2014/10-12 断熱実感展示会(19都市)
2014/5-6 空調費削減キャンペーン
2015/2-3 燃費効率化キャンペーン
TVCMほか、広告が増大
28
出所)三菱総合研究所作成
2.2.2. 民生部門の省エネルギー規制
エアコン
エアコンの省エネルギー規制
 空調の最低効率基準を2013年より義務化し、2015年に基準値を強化。
エアコンの効率(EER:Energy Efficiency Rating)基準
スプリット型他
冷房能力=CC(Btu/Wh)
すべての機器
フェーズ2 [EER]
2015/1より義務化
T1(35℃)
T3(46℃)
T1(35℃)
T3(46℃)
9.5
6.84
11.5
8.28
(COP2.8)
(COP2.0)
(COP3.4)
(COP2.4)
EERの詳細
年間消費電力量
CC<18000
ウィンドウ型
フェーズ1 [EER]
2013/9より義務化
ラベリング
18000
≦CC<
24000
CC≧24000
8.5
6.12
9.7
6.98
(COP2.5)
(COP1.8)
(COP2.8)
(COP2.0)
8.5
6.12
8.5
6.12
(COP2.5)
(COP1.8)
(COP2.5)
(COP1.8)
販売前に基準を達成し
たことの法的認可
EER基準値
星の数
EER>10
6
9.5<EER≦10
5
9<EER≦9.5
4
8.5<EER≦9
3
高
8.5
6.12
8.5
6.12
(COP2.5)
(COP1.8)
(COP2.5)
(COP1.8)
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
29
効
率
低
出所)SASO:2663/2014より三菱総合研究所作成
2.2.2. 民生部門の省エネルギー規制
冷凍庫・冷蔵庫
冷蔵庫・冷凍庫の省エネルギー規制
 2007年に冷蔵庫・冷凍庫に対してエネルギー効率基準とラベリング制度が導入され、2015年1月に厳格化された。
 新基準に適合しない製品は2015年3月以降は販売不可となった。
ラベリング
冷蔵庫・冷凍庫のエネルギー消費量基準
サイズ
霜取り
機能
冷凍室
の場所
製氷
機能
エネルギー消費量
基準算出式
1
冷蔵庫、冷蔵冷凍庫
ノーマル
マニュアル
-
-
0.31 AV + 248.4
2
冷蔵冷凍庫
ノーマル
一部オート
-
-
0.31 AV + 248.4
3
冷蔵冷凍庫
ノーマル
オート
上
なし
0.35 AV + 276
4
冷蔵冷凍庫
ノーマル
オート
横
なし
0.17 AV + 507.5
5
冷蔵冷凍庫
ノーマル
オート
下
なし
0.16 AV + 459.0
6
冷蔵冷凍庫
ノーマル
オート
上
あり
0.36 AV + 356.0
7
冷蔵冷凍庫
ノーマル
オート
横
あり
0.36 AV + 406.0
8
アップライト(前扉式)冷凍庫
ノーマル
マニュアル
-
-
0.27 AV + 258.3
9
アップライト(前扉式)冷凍庫
ノーマル
オート
-
-
0.44 AV + 326.1
10 チェスト(上扉式)冷凍庫及びその他の冷凍庫
ノーマル
-
-
-
0.35 AV + 143.7
11 冷蔵庫、冷蔵冷凍庫
コンパクト
マニュアル
-
-
0.38 AV + 299.0
12 冷蔵冷凍庫
コンパクト
一部オート
-
-
0.25 AV + 398.0
年間エネルギー消費量基準値
星の数
13 冷蔵冷凍庫及びその他の自動霜取り式冷蔵庫
コンパクト
オート
上
-
0.45 AV + 355.0
基準値-30%未満
6
14 冷蔵冷凍庫
コンパクト
オート
横
-
0.27 AV + 501.0
基準値-25%未満
5
15 冷蔵冷凍庫
コンパクト
オート
下
-
0.46 AV + 367.0
16 アップライト冷凍庫(冷凍資材保管庫)
コンパクト
マニュアル
-
-
0.35 AV + 250.8
基準値-20%未満
4
17 アップライト冷凍庫(冷凍資材保管庫)
コンパクト
オート
-
-
0.40 AV + 391.0
基準値-15%未満
3
18 チェスト(上扉式)冷凍庫及びその他の冷凍庫
コンパクト
-
-
-
0.37 AV + 152.0
基準値-10%未満
2
基準値-5%未満
1
AV: Adjusted Volume(容量、単位:リットル)
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
30
年間消費電力量
販売前に基準を達成し
たことの法的認可
高
効
率
低
出所)SASO:2664/2013(Draft No.28284)より三菱総合研究所作成
2.2.2. 民生部門の省エネルギー規制
洗濯機
洗濯機の省エネルギー規制
 2007年に洗濯機に対してエネルギー効率基準とラベリング制度が導入され、2015年1月に厳格化された。
 新基準に適合しない製品は2015年3月以降は販売不可となった。
ラベリング
洗濯機の効率(EER:Energy Efficiency Rating)基準
指標
定義
エネルギー効率
EER
(Energy Efficiency Rating)
EER = 6.9- 6.9 ×
1.08 CEC
+Em
RLC 365
年間消費電力量
RLC
(Rated Load Capacity)
CEC
(Comparative Energy Consumption)
PACE
(Projected Annual Energy
Consumption)
Em
(Energy Equivalent of Residual
Moisture)
WEIav
(Water Extraction Index)
定格消費電力
販売前に基準を達成し
たことの法的認可
3サンプル(またはそれ以上のサンプル)の試験結果に基づく
PAECの平均値
既定の条件下において試験された年間エネルギー消費量
脱水後残留水分の乾燥に係るエネルギー消費量
0.21 × WEIav × RLC
Em =
1.08
脱水係数
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
31
EER基準値
星の数
6.0≦EER
6
5.0≦EER<6.0
5
4.0≦EER<5.0
4
3.0≦EER<4.0
3
2.0≦EER<3.0
2
EER<2.0
1
高
効
率
低
出所)SASO:2692/2013(Draft No.28287)より三菱総合研究所作成
2.2.2. 民生部門の省エネルギー規制
照明器具
照明の省エネルギー規制
 現在、照明に関する基準を作成中であり、SASOのウェブサイト上でそのドラフトが公開されている。
照明の効率(EEI:Energy Efficiency Index)基準
ステージ1 [EEI]
2016/5より義務化
ラベリング
フェーズ2 [EEI]
2017/5より義務化
白熱灯/
高電圧
ハロゲン
ランプ
低電圧
ハロゲン
ランプ
蛍光灯/
LED
白熱灯/
高電圧
ハロゲン
ランプ
低電圧
ハロゲン
ランプ
蛍光灯/
LED
消費電力
60W未満
-
-
-
95%
50%
24%
消費電力
60W以上
95%
50%
24%
95%
50%
24%
指標
当該製品のクラスを表示
定義
EEI
(Energy Efficiency Index)
エネルギー効率指数
𝑃𝑐𝑜𝑟
EEI =
𝑃𝑟𝑒𝑓
外部制御装置なしの場合
Pcor=定格消費電力
Pcor
外部制御装置ありの場合
ハロゲンランプ:Pcor=定格消費電力×1.06
LEDランプ
:Pcor=定格消費電力×1.10
光束Φuseが1300lm未満
Pref=0.88 Φuse+0.049Φuse
Pref
光束Φuseが1300lm以上
Pref=0.07341Φuse
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32
EEI基準値
クラス
EEI≦11%
A
11%<EEI≦13%
B
13%<EEI≦18%
C
18%<EEI≦24%
D
24%<EEI≦50%
E
50%<EEI≦95%
F
95%<EEI≦175%
G
高
効
率
低
出所) SASO ENERGY EFFICIENCY, FUNCTIONALITY AND LABELING REQUIREMENTS
FOR LIGHTING PRODUCTS PART 1より三菱総合研究所作成
2.2.2. 民生部門の省エネルギー規制
建築断熱
低層住宅建築の断熱規制
 2014年11月に地域別の断熱規制が施行され、2017年に厳格化される予定。
 基準の遵守徹底のため、SECの3回にわたる現場立ち合い検査が実施される。遵守できていない場合は、電力供給を
拒否する方法を示している。
低層住宅に関するU値による断熱規制
断熱規制の地域区分
民間低層建築に適用
(2017/1まで
それ以降は右表に合わせる)
Zone 1
Zone 2
Zone 3
Riyadh, Makkah (excluding Al Taif), Al Sharkiyya,
Al Madina, Najran, Gizan, Bisha
Gassim, Hail, Tabuk, Al Jouf, the Northern border area
(excluding Tarif and Guriat), Assir (excluding Abha,
Khamis, Moshet, and Bisha), Al Taif, Al Baha
Abha, Khamis Moshet, Guriat, and Tarif
※Zoneは外気温,雨量による区分
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
公共低層建築に適用
かつ
2017/1以降の
すべての低層建築に適用
U値
[W/(㎡K)]
Zone1
Zone2
Zone3
Zone1
Zone2
Zone3
(3000-5000
DD程度)
(3000-2000
DD程度)
(1000-2000
DD程度)
(3000-5000
DD程度)
(3000-2000
DD程度)
(1000-2000
DD程度)
Roofs
0.31
0.37
0.42
0.20
0.24
0.27
Walls
0.53
0.61
0.70
0.34
0.40
0.45
Opaque
Doors –All
Assemblies
2.84
2.84
Vertical
Glazing,
25% of wall
2.67
日射熱取得率-0.25
2.67
日射熱取得率-0.25
Skylight
with Curb ,
Glass , 0%
‐3% of
Roof
4.26
日射熱取得率-0.35
4.26
日射熱取得率-0.35
※DD=Degree Day(18℃を基準)
33
出所)SASO:28793/2014 より三菱総合研究所作成
2.2.2. 民生部門の省エネルギー規制
断熱材
断熱材
 住宅の部位別のU値による規制だけでなく、各断熱材についても種類別に性能に関する基準が2014年11月に施行され
た。
 8種類の断熱材に対して熱抵抗等の基準値が設定されている。
ラベリング
断熱材の種類と各指標の基準値
断熱材種類
規格
ポリスチレン
SASO ASTM C-578:2014
ポリウレタンフォーム
SASO-GSO-ISO-8873-1/2:2014
ポリウレタン製品/ポリイソシアヌレート製品
SASO-GSO-BS-4841-1/2/3/4/5/6:2014
ミネラルウール(グラスウール、ロックウール等)
SASO-GSO-EN-13162:2014
気泡ガラス
SASO- EN-13167:2014
パーライト
SASO-ASTM C-549 :2014
バーミキュライト
SASO-ASTM C-516 :2014
石膏ボード
SASO- EN-998-1:2014
指標
熱伝導率
熱抵抗値
基準値
(ビーズ法ポリスチレン タイプⅪの例)
圧縮強度(kPa)
熱抵抗値(m2・K/W)
曲げ強度(kPa)
35
0.55
70
透湿係数(ng/(m2・s・Pa))
287
吸水率(%)
4.0
寸法安定性(%)
2.0
酸素指数(%)
24
密度(kg/m3)
12
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
34
出所)SASO:28793/2014 より三菱総合研究所作成
2.2.3. 産業部門の省エネルギー規制
産業
産業部門の省エネルギー規制
 SEEPは、鉄鋼、セメント、石油化学の3セクターを対象として、既存プラントおよび新規プラントにエネルギー効率ベンチ
マークの設定を進めている。また、ベンチマークに基づいたエネルギー管理士制度の構築に向けた作業も進められてい
る。
 個別設備について、産業用モーターには既にエネルギー効率基準が導入されており、今後はボイラー等を対象に基準
が導入される見込みである。
ベンチマーク
既存プラント
 SEECが立ち入り検査を実施。
対象セクター
鉄鋼
 立ち入り検査の結果に基づきエネ
ルギー原単位のベースラインが設
定される。
セメント
石油化学
新規プラント
 エネルギー効率基準が設定される
予定。
SEEPがエネルギー管理士制度の構築に
向けた作業を実施中。
 基準を満たすことが各種許認可取
得の条件となる見込み。
国営ESCO事業者が設立された。
 個別企業ごとにSEECがエネルギ
ー原単位の改善指導を実施。
 一方、従来個別企業が取り組んで
きた省エネルギー対策の方法と個
別指導の内容が異なるため、
SEECと企業側の意識摺合せが難
航しているとの意見もある。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
エネルギー管理士制度
35
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
エネルギー消費量
運輸部門の一次エネルギー消費量
 サウジアラビアでは一次エネルギー消費の約23%を運輸部門が占める。運輸部門の中では自動車(乗用車とライトト
ラック(LDV)と大型車(HDV))が約9割の消費量を占めており、HDVの比率が高いことが特徴である。
 運輸部門では2030年に2011年比で120%のエネルギー消費量の増加が見込まれており、省エネルギー対策が喫緊の
課題である。
80%
Buildings
60%
rehtO
Industry
Aviation
Maritime
sgnidliuB
HDVs
40%
yrtsudnI
20%
Transportation
LDVs
noitatropsnarT
0%
2011年
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
2011年
36
100%
80%
100%
80%
100%
80%
60%
%
001
100%
80%
60%
%
08
80%
60%
40%
80%
%
06
60%
40%
60%
%
04
40%
20%
60%
40%
%
02
20%
40%
20%
%
0
0%
40%
20%
0%
20%
0%
Other
Other
Buildings
Buildings
Other
Other
Buildings
合 割 るめ 占に 費 消 ーギ ル ネ エ 次 一
一次エネルギー消費に占める割合
Other
一次エネルギー消費に占める割合
一次エネルギー消費に占める割合
一次エネルギー消費に占める割合
一次エネルギー消費に占める割合
次エネルギー消費に占める割合
ネルギー消費に占める割合
100% 増加
120%
Other
100%
(2011年⇒2030年)
100%
Other
Buildings
Industry
Buildings
Industry
Buildings
Industry
Industry
Industry
Transportation
Transportation
Industry
Transportation
2030年
Transportation
出所)SEEP資料より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
平均燃費
主要国における乗用車の平均燃費
 日本の乗用車(新車)平均燃費は2013年時点で20.0km/Lであり、世界最高水準である。
 一方でサウジアラビアの燃費は2012年に15.4km/Lであり、日本の燃費とは4.6km/Lの差がある。従ってサウジアラビア
の乗用車平均燃費は改善の余地がある。
km/L
22
US
Canada
EU
Japan
China
India
Mexico
Brazil
KSA
Australia
S. Korea
20
18
16
14
12
国
燃費
Japan
20.0 (2013)
EU
19.5 (2014)
India
17.9 (2012)
S. Korea
16.6 (2013)
Brazil
15.7 (2013)
Canada
15.5 (2014)
US
15.5 (2014)
Mexico
15.4 (2014)
KSA
15.4 (2012)
China
14.6 (2013)
Australia
13.1 (2012)
4.6
km/L
10
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
Source) Mitsubishi Research Institute, compiled from Center for Climate and Energy Solutions
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
37
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
ラベリング
燃費ラベリング制度
 2015年から2017年の新車乗用車およびライトトラックを対象とした燃費ラベリング制度が策定・施行された。
 ラベリング等級はそれぞれExcellentからVery Poorまでの6段階であり、各等級間の上限・下限の間隔は0.5~0.6km/l
である。
 輸入の際には車両左側面の後部窓ガラスにラベルを貼付すること、およびディーラーでの展示に際して各車両の近くに
ラベルを掲示することが義務付けれている。
乗用車およびライトトラックのラベリング等級
燃費ラベル
製造事業者名
型式年
乗用車
燃費[㎞/l]
ライトトラック
下限基準
上限基準
下限基準
上限基準
1 Excellent
14.7
+
12.1
+
2 Very Good
14.2
14.69
11.6
12.09
3 Good
13.6
14.19
11.1
11.59
4 Average
13.0
13.59
10.5
11.09
5 Poor
12.5
12.99
10.0
10.49
-
12.49
-
9.99
エンジンサイズ
当該車の
燃費等級
ラベリング等級
燃料タイプ
燃費
6 Very Poor
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
38
出所)SASO:29242/2014より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
燃費基準
新車の燃費基準(CAFE基準)
 2016年1月から乗用車およびライトトラックを対象とした燃費基準が施行された。
 燃費基準は企業別に自動車販売ミックスに応じて規制値を設定する、Corporate Average Fuel Economy(CAFE)方式
が採用されており、SASOは本基準を「Saudi CAFE」と呼んでいる。
 日本の重量別規制とは異なり、車両のフットプリントによって基準が定められ、米国のCAFE基準を参考に策定された。
3.75㎡
HONDA-Fit(3.72㎡)
乗用車の燃費基準
ライトトラックの燃費基準
代表的な車種例
代表的な車種例
4.00㎡
Ford-Fusion(4.09㎡)
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
5.25㎡
Chrysler-300(4.92㎡)
3.75㎡
Ford-Escape(4.09㎡)
39
5.00㎡
6.25㎡
Toyota-Sienna(5.11㎡) GM-Chevrolet・Silverado(6.23㎡)
出所)SASO:29242/2014,U.S. Federal Register No.199 より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
燃費基準
中古輸入車の燃費基準(最低燃費基準)
 新車における燃費基準のCAFE方式とは異なり、中古輸入車の基準は最低エネルギー性能基準(MEPS)方式が採用さ
れている。
 2015年7月から2020年までは乗用車で10.3km/l、小型トラックで9.0km/lの基準値が適用され、基準を満たさない中古自
動車はサウジアラビアへの輸入が禁止となった。
 中古輸入車の燃費については、GCC Standards Organization(GSO)のモデル型式承認およびSASO燃費データベー
スへの掲載の有無に応じて3通りの決定方法が存在する。
中古車の燃費決定方法
モデル型式がGSOの
認証を受けている
GSOの認証値から決定
中古輸入車
SASOデータベースから
燃費データが取得可能
SASOデータベースから決定
SASOデータベースから
燃費データが取得不可能
SAC*の認定するテスト方法で、
輸入業者が自ら実燃費を計測
モデル型式がGSOの
認証を受けていない
* Saudi Accreditation Committee
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
40
出所) SASO:29242/2014より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
参考
(参考)フットプリントベースの自動車燃費規制 ~ 規制概要
 燃費基準値はフットプリントだけではなく、その他のパラメータに応じて計算される。
 乗用車とライトトラックでは異なる計算式が設定されており、各パラメータは1年毎に厳格化される。
燃費基準算出時のパラメータ
乗用車の燃費基準算出式
パラメータ
 乗用車燃費基準
=
1
MIN[MAX c × FP + d,
1 1
, ]
a b
 ライトトラック燃費基準
=
1
1
MAX(
,
)
1 1
1 1
M𝐼𝑁 MAX c × FP + d, ,
M𝐼𝑁 MAX 𝑔 × FP + ℎ, ,
a b
e f
2015年7月 – 2016年7月 – 2017年7月 – 2018年7月 – 2019年7月 –
2016年6月 2017年6月 2018年6月 2019年6月 2020年6月
a [km/l]
12.68
13.04
13.34
14.63
15.42
b [km/l]
9.47
9.67
9.83
10.52
10.67
c
[l/km/m2]
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
d [l/km]
0.04
0.03
0.03
0.02
0.01
e [km/l]
1.00
1.00
1.00
1.00
14.92
f [km/l]
1.00
1.00
1.00
1.00
10.67
g
[l/km/m2]
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
h [l/km]
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
* FP: Foot Print
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
41
出所)SASO:2847/2013,29242/2014 より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
参考
(参考)フットプリントベースの自動車燃費規制 ~ 重量ベースを選択しなかった理由
 燃費規制にあたり、車両重量ではなく、車両のフットプリントをベースとした車格ごとに燃費基準を設けることを選択。
 これは、重量ベースの規制では、同一車を軽量化して燃費が改善しても、適用される燃費基準値も厳しくなる現象が起こ
るため。フットプリントベースの規制の方が、自動車会社に軽量化のインセンティブが生じるため。
フットプリントベースの規制
C
-100 kg
km/liter
km/liter
車両重量ベースの規制
B
2 km/liter
2 km/liter
A
A
Vehicle weight [kg]
Footprint [m2]
車両重量ベースの規制の場合、設計の工夫等により軽量化し、
それにより燃費が改善しても、軽量化によって適用される燃費基準も厳しく
なる。従って、自動車会社が軽量化するインセンティブを感じにくくなる。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
B
フットプリントベースの規制の場合、同じ車格で軽量化すれば、
燃費基準に対して必ず燃費が改善される。従って、自動車会社に
軽量化を推進させるインセンティブになりやすい。
42
出所) SJAHIセミナー資料より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
参考
(参考)フットプリントベースの自動車燃費規制 ~ 米国の基準値を採用した理由
 サウジアラビアでは自動車販売数に占めるライトトラックの割合が高い。このため、欧州のように車格を考慮しない燃費
基準を適用するのではなく、サウジアラビアは車格を一定程度考慮した燃費基準を採用することとした。
 米国の自動車販売数に占めるライトトラックと乗用車の割合はサウジアラビアと似ており、さらにエンジンサイズやフット
プリントなどその他の特徴にも類似点が多い。
 従って、サウジアラビアはCAFE規制値として米国基準を採用した。
各国のLDVにおける車種内訳
サウジアラビアと米国におけるLDVの平均車格の比較
ライトトラック
自動車販売数に占める割合
100%
80%
60%
ラ
イ
ト
ト
ラ
ッ
ク
ラ
イ
ト
ト
ラ
ッ
ク
40%
20%
乗
用
車
乗
用
車
乗
用
車
乗
用
車
乗
用
車
サウジ
米国
EU
中国
日本
サウジアラビア
米国
エンジンサイズ [L]
3.0
3.1
フットプリント [m2]
4.4
4.5
重量 [t]
1.7
1.7
馬力
195.8
213.9
0%
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
43
出所) SJAHIセミナー資料より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
参考
(参考)自動車燃費規制の国際比較
 各国の自動車燃費規制の比較を以下に示した。国によって燃費計測方式が異なるため、画一的な比較はできないが、
大型車比率が高いことから、サウジアラビアの規制値は米国の後追いになっている。
各国の燃費規制値
203g/㎞
163g/㎞
サウジ(ライトトラック)
160g/㎞
176g/㎞
日本
137g/㎞
サウジ(乗用車)
中国
113g/㎞
米国(ライトトラック)
99g/㎞
130g/㎞
韓国
米国(乗用車)
97g/㎞
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
44
95g/㎞
EU(点線は策定中)
70g/㎞
出所)ICCT,各国規制当局など より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
タイヤ
タイヤ転がり抵抗基準
 2014年4月に発表されたタイヤの転がり抵抗基準はタイヤクラス毎に、2段階のフェーズで基準値が厳格化される。
 各フェーズにおいて「国内生産・輸入」が最初に規制され、その翌年に「新車への装着」が規制される。その後、リプレー
ス用の「国内のタイヤ小売販売」が規制される。
 2016年2月にはタイヤへの表示が義務付けられるラベリングが発表された。ラベリング制度は2016年1月にWTO/TBT
通報され、同年4月に開始の予定である。
転がり抵抗基準値
[N/KN]
<タイヤクラス>
C1:乗用車用タイヤ
C2:小型貨物車用タイヤ
C3:中型・大型車用タイヤ
C1 (Phase1)
12.0 N/KN
12.0
国内生産・輸入
新車装着
国内販売
C1 (Phase2)
10.5 N/KN
C2 (Phase1)
10.5 N/KN
10.5
国内生産・輸入
新車装着
国内生産・輸入
国内販売
新車装着
国内販売
C2 (Phase1)
9.0 N/KN
9.0
国内生産・輸入
新車装着
国内販売
C3 (Phase1)
8.0 N/KN
8.0
国内生産・輸入
国内販売
新車装着
C3 (Phase1)
6.5 N/KN
6.5
国内生産・輸入
2015
2016
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
2017
2018
2019
45
2020
国内販売
新車装着
2021
2022
2023
出所)SASO 2857/2014より三菱総合研究所作成
2.2.4. 運輸部門の省エネルギー規制
政策
運輸部門における今後の規制の導入見通し
 サウジアラビアでは乗用車の燃費規制を主眼に省エネルギー規制導入が図られた。今後は、大型車規制、ストックの更
新促進策、公共交通機関の利用促進などが検討されている。
イニシアティブ
自動車燃費ラベル
目標
• 自動車燃費に対する一般市民の意識向上
自動車燃費基準
• サウジアラビア国内の全てのLDVの
(乗用車、ライトトラック(LDV))
燃費改善
省エネルギータイヤ
(転がり抵抗)
大型車(HDV)の
燃費改善
ITSの導入
進捗状況
• 2013年12月制定
• 2014年8月施行
• 2014年11月制定
• 2016年1月施行予定
• LDV、HDVの燃費改善
• 2014年4月制定
• 2015年11月施行
• アイドリングストップ推進
• 空気抵抗規制によるHDVの燃費改善
• 施策検討中
• 最適経路選択による省エネルギー
• 施策検討中
実
施
済
今後導入
予定
旧型車の買替促進
公共交通機関の利用促進
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
• 燃費の悪い旧型車の排除
• 施策検討中
• 交通流量の削減
• 施策検討中
46
出所) SJAHIセミナー資料等より三菱総合研究所作成
2.2.5. 省エネルギー啓発活動
SEECの普及啓発活動
 近年TVCMなどの広告やキャンペーンなどによる普及啓発活動に力を入れている。
自動車燃費ポスターの例
タイヤラベリング制度の広報
2015/2-3の4週間、以下を目的として
自動車の省エネルギーキャンペーンが実施された。
2016年2月に、SEECはウェブサイト上でタイヤの
省エネルギーラベリングの広報や啓発キャンペーンの
開始を発表した。
①自動車燃費に対する意識向上 ②省エネルギー運転の意識啓発
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
47
出所)SEEC資料より三菱総合研究所作成
2.2.5. 省エネルギー啓発活動
SEECの普及啓発活動
 近年TVCMなどの広告やキャンペーンなどによる普及啓発活動に力を入れている。
高効率空調の普及促進ポスターの例
断熱キャンペーンの例
高効率なエアコンの使用および建築断熱性の向上が
光熱費の削減に繋がることを伝えるポスター。
断熱性能の啓蒙キャンペーンの一環として作成されたポスター。
断熱性能の向上は30-40%の省エネルギーになることが
併せて紹介されていた。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
48
出所)SEEC資料より三菱総合研究所作成
3. 戦略検討会
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
49
3. 戦略検討会
サウジアラビアにおける省エネルギー制度確立・普及支援検討委員会
 委員会の主なメンバーおよび議論のテーマは以下のとおり。
委員会の主なメンバー
主なテーマ
委員会では主に以下の3点について専門家の視点を交えながら議論した。
委員長
早稲田大学 イスラーム地域研究機構 研究院教授
 サウジアラビア情勢について
行政
資源エネルギー庁 省エネ・新エネ部政策課 国際室
関係団体
一般財団法人 国際石油交流センター 総務部 次長
関係団体
一般財団法人 省エネルギーセンター国際協力本部
国際計画部 部長
関係団体
一般財団法人 中東協力センター 中東産油国産業
協力事業事務局 副事務局長
関係団体
一般社団法人 日本自動車工業会 環境委員会 温
暖化対策検討会 運輸政策対応WG主査
関係団体
一般財団法人 日本エネルギー経済研究所
事務局
 運輸部門の省エネルギーについて
 民生部門の省エネルギーについて
三菱総合研究所
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50
3. 戦略検討会
議論のサマリー
 委員会における議論のサマリーは以下のとおり。
サ
ウ
ジ
ア
ラ
ビ
ア
情
勢
全
般
運
輸
部
門
省
エ
ネ
民
生
部
門
省
エ
ネ
ムハンマド副皇太子
サルマーン国王体制ではムハンマド副皇太子・国防相が重用されており、特に経済・安全保障について影響力を有している模様。
ムハンマド副皇太子は特にイエメンに対して強硬姿勢を明確にしており、サウジアラビアの若年層を中心に支持が集まっている。
周辺諸国との関係
サウジアラビアがイスラム教シーア派の高位聖職者ニムル師を処刑したことなどを契機に、サウジアラビアとイランは国交を断絶した。
サウジアラビアとイランでこれまでも対立関係に陥ることが多かったが、過去には両国の関係が良好だった時期もある。
1988年の国交断絶も1991年には回復したように、今後のイランの政権次第では早期の関係修復もあり得る。
原油価格の見通し
サウジアラビアは非OPECと協調しない減産は行わないと聞く。従って、今後も暫くは現在の価格水準が続く見通し。
今後、他国と協調して減産しなければ、原油価格が回復しないまま、サウジアラビアの歳入が減る事態となるため、判断が極めて難しい。
財政立て直しの
オプション
財政改革に向けて、大型プロジェクトの延期・中止、公共料金の値上げ、付加価値税(VAT)の導入、原油生産調整、リヤルの切り下げ、サウジアラ
ムコ等国営企業の上場などの選択肢が挙げられる。
サウジアラムコ全体のIPOよりも、石油精製・販売などの下流部門を分社化してIPOを実施するなどのオプションの方が現実的である。
燃費規制
乗用車およびライトトラックへの燃費基準は既に導入されている。大型車の基準は今後策定される予定。
複合的政策の必要性
燃費規制だけではなくITSの活用を含む交通流量の最適化、ロジスティクスの効率化、公共交通機関の利用促進など、複合的な施策の導入が有効
である。
建築断熱と日本の
ビジネスチャンス
2014年に低層/住宅建築の断熱規制が導入された。新たな規制の導入はビジネスチャンスと捉えることが可能であり、サウジアラビア企業はもとより
断熱材ビジネスに関心を持っている日本企業は少なくない。今後どのような断熱素材が普及していくか注視が必要である。
サウジアラビア国内の
雇用創出
サウジアラビア政府は国内の雇用創出に大きな関心がる。従って国内工場で製造する断熱材に関心を示しており、それを踏まえた上でビジネスモデ
ルを検討する必要がある。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
51
4. セミナー開催報告
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
52
4.1. セミナー概要
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
53
4.1. セミナー概要
セミナー概要
 2013年の安倍総理大臣のサウジアラビア訪問、および2014年のサルマーン皇太子(現国王)の訪日における共同声明
では、専門家派遣やセミナー開催等を通じて、サウジアラビアの省エネルギー政策の策定を日本が技術的に支援すると
表明した。
 SEEPと日本政府は、省エネルギーに関する人材育成および一般市民への啓発活動での二国間協力に合意しており、
本事業ではサウジアラビア日本自動車技術高等研修所(SJAHI)およびサウジアラビア電子機器・家電製品研修所
(SEHAI)の2つの会場で省エネルギーセミナーを開催した。
 これらセミナーは日・サウジアラビア外交関係樹立60周年記念事業の一環として開催された。
サウジアラビア電子機器・家電製品研修所(SEHAI)
サウジアラビア日本自動車技術高等研修所(SJAHI)
設立年月
2002年9月
設立年月
2009年9月
立地
Jeddah
立地
Riyadh
 サウジアラビアにおける電子・家電技術専門家の育成を目的とし
て、2008年の日本・サウジアラビア合同委員会で、サウジ側から
SEHAIの設立が提案される。
 1998年にアブドッラー皇太子(当時)が来日した際、サウジアラビ
アにおける自動車整備士の育成を目的として、日本・サウジアラ
ビア間でSJAHIの設立が合意される。
設立経緯
と概要
 両政府の協力の下、日本自動車工業会やサウジ日本車輸入協
会等が共同で設立。
設立経緯
と概要
 2年制の技術短大であり、学生はサウジ人高卒者を対象とした1
学年200人、2学年合計で400名。日本からは数名の専門家が派
遣され、現地での教育支援活動に携わっている。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
 日本・サウジアラビア産業タスクフォース事業の一環として設立さ
れる。日本が支援・協力する職業訓練事業としては、SJAHI、プラ
スチック加工高等研修所(HIPF)に次ぐ3 番目の研修所。
 SJAHIと同様、2年制の技術短大であり、学生はサウジ人高卒者
を対象とした1学年200人、2学年合計で400名。数名の日本人専
門家が派遣され、現地での指導に当たっている。
54
4.2. 運輸部門セミナー
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55
4.2. 運輸部門セミナー
セミナーアジェンダ
 2015年11月26日にJeddahのサウジアラビア日本自動車技術高等研修所(SJAHI)で開催。
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56
4.2. 運輸部門セミナー
セミナー参加者
 政府・業界関係者等および学生を合せて計136名が出席し、会場は満席となった。
 NHK DubaiやSaudi Channel 1を含む計7社のメディアが参加した。
セミナー参加者
 参加者合計:136人(満席)
・政府・業界関係者等:86名
・学生:50名(収容可能人数により50名制限)
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 メディア参加:7社
NHK Dubai
Saudi Channel 1
Saudi Channel 2
Al Eqtesadia Al Riyadh Al Yaum Al Hayat
57
4.2. 運輸部門セミナー
運輸部門セミナーへの打ち込み
 戦略検討会やJAMAの意見を踏まえ、運輸部門セミナーでは以下の2点を打ち込むこととした。
1. 包括的な施策導入の意義
内燃機関の効率には改善の余地が残されているが、内燃機関の効率改善単独では効果は限定的である。従って燃
費基準の強化以外にも目を向けるべきであり、例えば次世代自動車の普及や公共交通機関の利用促進など、複数の
施策の組み合わせが有効である。
2.
ロードマップの必要性
運輸部門の省エネルギー対策のオプションは多岐に渡る。従って最終目標を明確にした上で、そこに至るまでの方法
やスケジュールを整理したロードマップの策定が重要である。
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58
4.2. 運輸部門セミナー
パネルディスカッション・質疑応答の概要
 パネルディスカッションおよび質疑応答における議論の内容は以下のとおり。
① 複合的な施策組み合わせの重要性
燃費規制だけではなく、次世代自動車の導入普及支援など複合的な施策の組み合わせが必要である。
② ロードマップ策定の重要性
様々な政策オプションの中で、何をどの順序で導入するべきかを包括的に示すロードマップを策定することが重要である。
③
一般市民の省エネルギー意識
燃費規制で自動車会社に規制をかけても、一般市民が省エネルギー自動車を購入するとは限らないため、市民への啓蒙が重要である。
④ 若年層の意識啓発
特に若年層への意識啓発は重要であり、SEEPは教育省と連携しながら取り組みを進めている。
⑤ 省エネルギーセミナーの意義
ハイブリッド車の普及のためには、一般に広くその利点を伝えることが重要であり、今回のようなセミナーは周知の絶好の機会である。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
59
4.3. 民生部門セミナー
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
60
4.3. 民生部門セミナー
セミナーアジェンダ
 2016年2月10日にRiyadhのサウジアラビア電子機器・家電製品研修所(SEHAI)で開催。
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
61
4.3. 民生部門セミナー
セミナー参加者
 政府・業界関係者等および学生を合せて計265名が出席し、会場は満席となった。
 本セミナーはNHK Dubaiに取材頂くなど、多数のメディアにより報道された。
セミナー参加者
 参加者合計:265人(満席)
・政府・業界関係者等:115名
・学生:150名
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 メディア取材・報道:13社
NHK Dubai Arab News Saudi Channel 2 Alriyadh
Saudi Gazette Al Riyadh Alsharq SABQ Aleqt
Al Jazirah Almnatiq Faifaonline Sadaalma
Eye of Riyadh
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4.3. 民生部門セミナー
民生部門セミナー
 戦略検討会での意見を踏まえ、民生部門セミナーでは以下の2点を打ち込むこととした。
1. 厳格な基準の導入による機器効率の向上
当初の効率目標が達成された場合には、より厳格な基準を導入することによって更なる機器の効率向上が見込める。
そのため、常に規制を更新していくメカニズムが必要である。
2.
トータルマネジメントの必要性
建物全体としてのエネルギー消費量を削減するためには、設計段階から運用段階までのトータルマネジメントが必要
である。
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4.3. 民生部門セミナー
パネルディスカッション・質疑応答の概要
 パネルディスカッションおよび質疑応答における議論の内容は以下のとおり。
① 中東の気候を踏まえた省エネルギー規制の導入
世界で導入されている各種省エネ規制を参考にしつつも、砂漠気候区分に属し、かつ国内においても多様な気候を有するサウジアラビア
の特性を踏まえた適切な省エネルギー規制の導入が必要である。
② 設計から運用を含めた建物のトータルマネジメント
サウジアラビアの民生部門の省エネルギー政策は機器効率規制が中心であった。省エネルギーを更に推進するためには、建築設計から
機器導入、運用に至る各段階に適切な規制を導入することが効果的である。
③ ディーラーを通じた啓蒙の重要性
サウジアラビアでは家電および建築設備の大部分が輸入品である現状を踏まえ、ディーラーの一般市民に対する啓蒙活動が非常に重要
である。従って、まずはディーラーおよびディーラーに就職する若者に対して啓蒙活動を実施することが有益である。
④ 省エネルギーセミナーの意義
サウジアラビアでは省エネ意識が一般市民のみならず、政策決定者や教育者に対しても浸透しきっていない。従って省エネルギーセミ
ナーを通じて社会のリーダーシップを執っていく階層へのアプローチが効果的である。このような背景から、本セミナーはサウジアラビア政
府関係者からも高く評価された。
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5. まとめ
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5. まとめ
本事業のまとめ
1 サウジアラビアにおける省エネルギー推進の意義
油価が低下する中、省エネルギーの推進は公共料金の補助金削減に資する政策オプションであり、財政再建に
向けて重要な打ち手と認識されている。
2 省エネルギーセミナーの意義
サウジアラビアでは省エネルギー意識が一般市民のみならず、政策決定者や教育者に対しても浸透しきってい
ない。従って省エネルギーセミナーを通じ、若年層を含む今後社会のリーダーシップを執っていく階層へのアプ
ローチが効果的であり、本事業で実施した2回のセミナーはいずれもサウジアラビア側から好評価を得た。
3 運輸部門における複合的施策の重要性
内燃機関の効率改善余地はあるものの、燃費基準の強化だけではなく、次世代自動車の普及や公共交通機関
の利用促進など、複数の施策の組み合わせが有効である。
4 民生部門におけるトータルマネジメントの重要性
サウジアラビアの民生部門の省エネルギー政策は機器効率規制が中心であった。省エネルギーを更に推進す
るためには、設計から機器導入、運用に至る各段階に適切な規制を導入することが効果的である。
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付録1. 運輸部門セミナーの様子
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付録1. 運輸部門セミナーの様子
セミナー写真
Salim H. Al-Asmarei校長 (SJAHI)
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山口 又宏 総領事 (在ジッダ日本国総領事)
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付録1. 運輸部門セミナーの様子
セミナー写真
発表者およびVIP
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付録1. 運輸部門セミナーの様子
セミナー写真
Mohammed Al-Ibrahim 様 (SEEP)
榎本 哲也 (三菱総合研究所)
Mohammed Assal 様 (トヨタ自動車)
猪口 相 課長補佐 (METI)
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付録1. 運輸部門セミナーの様子
セミナー写真
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付録1. 運輸部門セミナーの様子
セミナー写真
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付録2. 民生部門セミナーの様子
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付録2. 民生部門セミナーの様子
セミナー写真
Ismael Mohammed Ali Mufarreh 校長 (SEHAI)
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奥田 紀宏 大使 (在サウジアラビア日本国大使館)
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付録2. 民生部門セミナーの様子
セミナー写真
発表者およびVIP
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付録2. 民生部門セミナーの様子
セミナー写真
Hakam Adel Zummo 様 (SEEP)
榎本 哲也 (三菱総合研究所)
須賀井 直哉 様 (ECCJ)
猪口 相 課長補佐 (METI)
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付録2. 民生部門セミナーの様子
セミナー写真
Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.,
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付録2. 民生部門セミナーの様子
セミナー写真
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報告書の題名
サウジアラビアにおける省エネ制度確立・普及支援事業
委託事業名
平成27年度国際エネルギー使用合理化等対策事業
受注事業者名
株式会社三菱総合研究所
タイトル
サウジアラビアにおける人口推移
サウジアラビアにおけるGDP推移
サウジアラビアにおける電力供給
サウジアラビアにおける電力需要構成
サウジアラビアにおける再生可能エネルギー普及計画
サウジアラビアとイランにおけるイスラム教徒の割合
サウジアラビアとイランを巡る関係
サウジアラビアの予算の推移
サウジアラビアの予算の推移と内訳
サウジアラビアの外貨準備高
サウジアラビアの2050年までの人口およびGDPの見通し
現状趨勢ケースにおけるサウジアラビアの将来の原油輸出見通し
SEEP・SEECの組織概要
エアコンの効率基準
エアコンの省エネルギーラベリング
冷蔵庫・冷凍庫の効率基準
冷蔵庫・冷凍庫の省エネルギーラベリング
洗濯機の効率基準
洗濯機の省エネルギーラベリング
照明の効率基準
照明の省エネルギーラベリング
低層住宅建築の断熱規制の地域区分
低層住宅に関するU値による断熱規制
断熱材の種類と各指標の基準値
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報告書の題名
サウジアラビアにおける省エネ制度確立・普及支援事業
委託事業名
平成27年度国際エネルギー使用合理化等対策事業
受注事業者名
株式会社三菱総合研究所
タイトル
断熱材のラベリング
運輸部門の一次エネルギー消費量
主要国における乗用車の平均燃費
燃費ラベル
乗用車およびライトトラックのラベリング等級
乗用車の燃費基準
ライトトラックの燃費基準
中古車の燃費決定方法
乗用車の燃費基準算出式
燃費基準算出時のパラメータ
車両重量ベースの規制
フットプリントベースの規制
各国のLDVにおける車種内訳
サウジアラビアと米国におけるLDVの平均車格の比較
各国の燃費規制値
タイヤ転がり抵抗基準
運輸部門における今後の規制の導入見通し
自動車燃費ポスターの例
タイヤラベリング制度の広報
高効率空調の普及促進ポスターの例
断熱キャンペーンの例
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