平成28年度 桑名市男女共同参画審議会による提言

平成28年度
桑名市男女共同参画審議会による提言
桑名市男女共同参画審議会
桑名市男女共同参画審議会による提言
はじめに
桑名市男女共同参画審議会では、毎年度、桑名市における男女共同参画の推
進状況を桑名市男女共同参画基本計画実施報告書により確認し、その施策や事
業に対し意見交換を行っています。本年度も実施報告書を読み、疑問点などを
話し合い、男女共同参画の推進について議論を深めてまいりました。この意見
交換の結果を提言として、各推進目標毎にまとめました。
2 年後に策定を予定している新しい男女共同参画基本計画をよりよいものと
するため、現行の基本計画が終期を迎える中、市の現状や課題・社会情勢や国
の動向を踏まえた上で、本審議会の意見を参考にして、今後の新計画策定に取
り組んでいただくことを願います。
男女共同参画の推進は、一人ひとりが個性や能力を発揮して生きられる社会
の実現のために必要不可欠です。この提言が桑名市の男女共同参画の推進に役
立つことを期待しています。
平成 28 年 8 月 17 日
桑名市男女共同参画審議会
1
~みんなが主役
推進目標Ⅰ
みんなでつくろう未来のくわな~
男女共同参画のための意識づくり
映画上映会等の開催やパンフレットの配布等、様々な場面において啓発や情
報提供を行いました。また、学校教育や生涯学習を通じて教職員や市民の男女
共同参画意識を高めるよう、学習機会の充実に努めました。男女共同参画の推
進には、一人ひとりがお互いに認め合い、尊重しあう意識が必要となることか
ら、今後も、講座や講演会の内容を工夫し、さらに男女共同参画意識の普及を
図るため、啓発や情報提供の場を広げる必要があります。
評価・提言
・図書館での男女共同参画特集の企画について、非常に良い取り組みであ
る。市内一カ所に加え、他の図書館も連携し進めていただきたい。また、図
書の貸出し件数から、市民のニーズを分析し、今後の事業の参考にしていた
だきたい。
・男女共同参画情報紙をもっと広く周知されるよう取り組んでいただきた
い。
関連:主要課題 1 男女共同参画意識の普及・定着
主要課題 2 教育・学習の充実
推進目標Ⅱ
政策・方針決定過程への男女共同参画の拡大
桑名市の審議会等における女性登用率は平成27年度調査で27.1%であ
り、26年度に比べ1.0ポイント上昇しました。男女共同参画社会の実現の
ためには男女がともに政策・方針決定過程に参画し、それぞれの視点を反映さ
せることが重要です。今後も女性の社会参画が進むよう、定期的に調査を実施
し、「附属機関等の設置及び運営に関する指針(平成26年4月1日施行)」
「附属機関等の取扱いに関する手引」に基づき女性の登用を働きかける等、女
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性の社会参画が進むような取り組みが必要です。
評価・提言
・審議会への女性登用率が 1 ポイント上昇したことは評価できるが、さらに
努力していただきたい。また、女性委員がいない審議会が 1 件増えたことに
ついては、改善を望むところである。
・審議会の登用について、女性を何割登用しなければならないからと一人の
人に重複登用がみられることがある。あらゆる場面で女性を登用しなければ
ならないという登用数での捉え方は、数字が先走っている感が否めない。そ
の点も踏まえた上で、計画目標である平成 30 年度審議会女性登用率 32%
の実現は必達していただきたい。今後ある程度に到達したら、状況の見直し
にも努めていただきたい。
・女性の管理職が増えないことは、日本全体の意識の問題であると考える。
長く勤めることが管理職の要件だという日本特有の考え方を変えていく必要
があると感じている。女性の登用について、指導的地位に占める女性割合を
目標の30%に近づけても、見かけの数値ではなく能力で登用することが重
要である。また、女性の社会進出をより進めるために育児休業制度も重要で
取得前と同じ収入を維持できるのであれば、男性も女性も関係なく育休とい
う制度を使うことができる。男性の育休目標数値達成には、育児休業の収入
補填制度の充実が不可欠と考えるので、国等へ強く働きかけていただきた
い。
関連:主要課題 1 政策・方針決定過程における男女共同参画の促進
推進目標Ⅲ
家庭・地域社会における男女共同参画の拡大
男性の家事参画促進につなげるための講座の開催や、子育てに関する講座、
地域社会づくりのための情報提供等を行いました。また、関心の高い防災につ
いて、災害対応における女性の重要性を啓発するとともに、自主防災訓練等を
実施しました。家庭・地域は社会を構成する基礎であり、今後も、誰もが活躍
できる豊かな地域社会を形成するため、地域の課題を解決する様々な活動が、
男女共同参画のもと、多様な主体の協働により進められることが重要です。
3
評価・提言
・地域の意思決定に女性の意見が反映されると、女性の住みやすい地域づく
りも可能になるので、女性の自治会長が増えることを期待する。災害時の避
難所生活を想定した場合、意思決定の場に女性がいないと、女性にとって暮
らしにくい避難所になってしまうので、女性自治会長が難しいのであれば、
災害時の女性リーダーを置く等検討していただきたい。
・現在女性消防団員は 11 名と目標値である 20 名を大幅に割りこんでい
る。女性消防団の活動を広め、団員確保につながる施策を押し進めていただ
きたい。
・自治会の会合等の開催時間を見直すことなど手法を変えることで、話し合
いの場に女性の参加を促していただきたい。
関連:主要課題 1 家庭や地域における男女共同参画の促進
主要課題 2 新たな分野への男女共同参画の促進
推進目標Ⅳ
男女がいきいきと働ける就労環境の実現
企業への啓発資料の配布や内閣府からの情報提供等、仕事と生活の調和(ワ
ーク・ライフ・バランス)の推進につながるような働きかけを行いました。ま
た、女性の再就職への不安を解消するための講座として、再就職準備セミナー
を実施しました。就業は生活の経済的基盤であり、今後は、農林水産業、商工
業等における就業環境の整備へより一層の取り組みが必要です。
評価・提言
・介護や子育てをしながら働き続けられるよう、待機児童や潜在的な待機の状
況がない、安心して子どもを預けられる保育環境の整備や働きやすい職場環境
づくりの整備により一層力を入れていただきたい。
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・ノー残業デーの実施は良い事であるが、実際は残業しなければ終わらないよ
うな仕事を与えていることに問題があるので、働き方を見直し効果のある実施
をしていただきたい。
・子育て応援企業が 1 社も増えていないので、子育て応援企業に登録すると企
業のイメージアップにつながる等、登録することのメリットを説明することで
積極的に登録数を増やしていただきたい。
関連:主要課題 1 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進
主要課題 2 就労の場における男女共同参画の促進
推進目標Ⅴ
男女が心身ともに健康に暮らせる環境づくり
男女共同参画の推進には生涯を通じて心身ともに健康な生活を送ることが重
要であり、一人ひとりが健康の管理、保持、増進に取り組むなど安心して生活
できるように支援するため、ひとり暮らし高齢者の訪問や健康相談、女性の検
診事業等を実施しました。また、ドメスティック・バイオレンスやセクシュア
ル・ハラスメント等は人権侵害行為であるということの周知啓発に努め、相談
事業の実施とともに、関係機関との連携による相談支援・被害者救済体制の充
実により、市民一人ひとりが安心して暮らせる環境をつくる必要があります。
評価・提言
・女性弁護士法律相談を受ける中で、ハラスメントを受けたという女性は非常
に多い。また、男女の力関係の違いをメディアが助長するような表現もみら
れ、その影響も懸念される。今後も男女共同参画を阻む暴力の根絶に向けた取
り組みを続けていただきたい。
関連:主要課題 1 安心して生活できる福祉サービスの充実
主要課題 2 健康づくりへの支援
主要課題 3 男女共同参画を阻む暴力の根絶
5
全般
・これまでの、啓発・啓蒙を中心とした取り組みに加え、さらに一歩前に出て
できることから始めていく積極的な姿勢が大切である。
・平成 28 年 4 月の女性活躍推進法の施行により、女性自らの意志によって職
業生活を営みその個性と能力が十分に発揮されることが一番重要視されている。
女性をめぐる社会の意識改革なくして、国や自治体が進める地方創生はうま
くいかない。これからの地方は産業や経済の活性化を考える際、そこに「どう
すれば女性が喜んで活躍できるのか」を合わせて考える必要がある。そのこと
が男女が共に協力しながら人口減少時代を豊かに生きていけることにもつなが
るはずで、そのような視点を社会全体で共有していくべきである。
・今ある暮らし、今いる地域を尊重しながら、女性が持つ多様な価値観に応え
ることができる社会となることが必要である。
・これからは多様性の視点に立った施策の展開が必要になってくる。女性活躍
推進法を契機として、男女共同参画に対する市民や行政の意識が高まることを
期待します。
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資料
桑名市男女共同参画審議委員名簿
平成28年2月1日~平成30年1月31日
氏
1
東福寺
2
服部
名
3
一郎
飯田
祥子
役
職
備
考
会長
三重短期大学学長
副会長
弁護士
寛
人権擁護委員
4
伊藤
朱喜
一般公募
5
伊藤
淸文
民生委員・児童委員
6
久留
幸弘
桑名郡市小中学校長会
由起子
健康推進員
町子
一般公募
登志子
桑名三川商工会
7
8
9
10
11
桑名
小玉
澤田
堀田
米田
一
桑名商工会議所
(株式会社柿安本店)
真理
教育委員会教育委員
【平成28年度 審議会
第1回
開催日】
平成28年 7 月15日
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