水素還元法 によるAM S法炭素 - 14測定 のための グ ラフ ァイ トター ゲ ッ トの作成法 北川浩之 1 増 滞 敏 行 山 口和 典* 松 本英二 は じめ に 中村 俊 夫 I 度 よ い 測 定 が で き る ター ゲ ッ トの作 成 方 法 の確 立 が必 要 で あ る. M S法 と略 記 ) 加 速 器 質 量 分 析 法 (以 下 AI 本 報 告 で は, 二 酸 化 炭 素 の状 態 を経 な け は, 超 微 量 の炭 素 - 14濃 度 の測 定 法 と し れ ば な らな い試 料 , また は 1 mg以 下 の炭 て , 地 球 科 学 , 考 古 学 な どの分 野 に お い て 素 を含 む微 量 試 料 で現 代 炭 素 の混 入 率 が 低 注 目 され て い る. A M S法 で偲 , 数 十 マ イ く (低 バ ック グ ラ ン ド),精 度 良 い測 定 が 可 ク ロ グ ラム程 度 の炭 素 の微 量 試 料 で , 精 度 能 な 夕- ゲ ッ トの作 成 方 法 につ いて述 べ る. よい炭 素 - 14 測 定 が可 能 で あ る ( Voge le t また, 調 整 され た ター ゲ ッ トの 化 学 的 ・物 αリ 9 84). しか し, 扱 う試 料 が微 量 に な る 理 的 特 徴 (現 代 炭 素 の混 入 率 , 同位 体 分 別 と試 料 調 整 の段 階 で の現 代 の炭 素 (現 代 炭 効 果 , イ オ ン ビー ム強 度 ・安 定 度 な ど) に 莱 ) の 混 入 の 寄 与 が 増 大 し, 測 定 可能 な年 つ いて も述 べ る. 代 が 限 られ て しま う. 現 在 , 名 古 屋 大 学 の タ ンデ トロ ン加 速 器 質 量 分 析 計 を使 用 して , 有 機 物 を そ の ま ま 2 AM S法 の ター ゲ ッ トの作 成 方 法 炭 化 させ る方 法 で は 6万 年 (0. 03%現 代 炭 素 の混 入 )まで の年 代 測定 が可能 で あ る. し A M S法 に よ り炭 素 - 14 測 定 をす るた か し, 炭 酸 カ ル シ ウ ムか ら構 成 され る員 化 め に は, 試 料 の炭 素 を 固 体 状 炭 素 にす る必 石 や 堆 積 物 中 の 有 機 態 炭 素 の よ うに, い っ 要 が あ る.試 料 の 二 酸 化 炭 素 か ら固 体 状 炭 た ん二 酸 化 炭 素 に し,再度 アモ ル ファス (罪 素 の作 成 方 法 と して , 1) マ グ ネ シウ ムを 晶 質 ) 炭 素 に還 元 す る方 法 で は, 試 料 炭 素 用 い二 酸 化 炭 素 を還 元 し, ア モ ル フ ァ ス炭 の量 の 減 少 に と もな い現 代 炭 素 の混 入 率 の kamur ae tal . ,1985: 吉川他, 素 を得 る (Na 増 加 が み られ , 十 数 ミ リグ ラムの炭 素 を 含 1 987), 2) 二 酸 化 炭 素 を金 属 リチ ウ ム と む試 料 で , 3万 年 前 後 (1%以 上 現 代 炭 素 反 応 させ , ア セ チ レ ンを 合成 , 交 流 電 圧 で の混 入 ) の測 定 しか 出 来 な い. A M S法 に 分 解 しア ル ミニ ウ ム電 極 上 に グ ラ フ ァイ ト よ る炭 素 - 1 4 の測 定 を有 効 に活 用 す るた を形 成 す る (Gl l r 丘nke l ,1 987), 3)鉄 を触 め に は, この試 料 調 整 段 階 で の現 代 炭 素 の 媒 と して , 水 素 で 二 酸 化 炭 素 を グ ラ フ ァ イ 混 入 を で き るだ け抑 え, 微 量 の試 料 で も精 トに還 元 す る (Vo ge le tal ・ ,1 984,1 987), の 3 つ の方 法 に大 別 で き る. 1) の マ グ ネ * 名古屋大学水圏科学研究所 十 年代資料研究センター シウム を用 い る方 法 は, 湿 式 処 理 に と もな - 11 3- 図 1‥炭 素 還 元 ラ イ ンの 概 略 図 .( Fi g・1.Sc he mat i cs ke t c ho fpr e pa r at i ona ・ ppar a t us ) い , 現 代 炭 素 の 混 入 の 可 能 性 が 大 き く, ま 3 た 回 収 率 が 低 い . ま た 作 成 され る 固 体 状 炭 方法 水 素 還 元 法 に よ る タ ー ゲ ッ トの 作 成 素 は , 電 気 伝 導 性 が な い ア モ ル フ ァ スの 炭 素 の た め , 銀 な どの 金 属 を 混 ぜ る必 要 が あ r ge lらが 初 め て ,AM S法 本 方 法 は , Vo る (A M S法 の タ ー ゲ ッ トは, 電 気 伝 導 性 に よ る炭 素 - 14 測 定 の タ - ゲ が 必 要 で あ る. ). これ は AMS法 の炭 素 - 適 用 した , 鉄 を 触 媒 と して 二 酸 化 炭 素 を 水 14測 定 の 際 の イ オ ン ビー ム の 強 度 の低 下 素 ガ ス に よ り グ ラ フ ァ イ トに還 元 す る方 法 2)及 び 3) の方 法 は , AMS法 (水 素 還 元 法 ) を改 良 した もの で あ る. この を 伴 う. の 炭 素 - 14測 定 で 最 も適 して い る と考 え られ て い る電 気 伝 導 性 を もつ グ ラ フ ァ イ ト (結 晶質 性 炭 素 ) が 作 成 され る.特 に 3) の ッ ト作 成 に 反 応 は 次 式 に総 括 され る. 6500c c2+2H2- C + 2 H 0 2 0 Fe 方 法 は , タ ー ゲ ッ トの作 成 過 程 に お け る現 代 炭 素 の 混 入 率 が 低 く, 強 い イ オ ン ビー ム が 得 られ る こ とか ら, 最 近 , AMS法 の 炭 タ ー ゲ ッ ト作 成 に は 図 1に示 す 炭 素 還 元 莱 - 1 4 測 定 の た め の タ ー ゲ ッ ト作 成 方 法 ライ ンを用 い た . グ リー スを用 い る真 空 コ ッ と して 注 目 を 浴 び て い る. 今 回 は , 3) の ク を用 い た 真 空 ラ イ ンで は, 試 料 ガ ス が グ 方 法 に よ り固 体 状 炭 素 を 得 た . リス に 吸 着 す るた め , 試 料 調 製 の 誤 差 あ る い は現 代 炭 素 の混 入 を 引 き起 こす と考 え ら 984).特 に微 量 の試 料 を れ る (和 田 ・他 ,1 扱 う と き は大 きな 問 題 と な る た め , す べ て - 11 4- グ リー ス レ ス コ ッ ク を用 い た . 触 媒 は,純 度 9 9. 9%以 上 ,粉 末 状 (32 5メ 1 6 .3← dl i c hChe mi ca lCompany ッ シュ) の鉄 (Al l nc.)を用 いた .市 販 の鉄 粉 末 に は粉 末 化 の 際 に用 い られ る有 機 物 が 付 着 して い る可 能 性 が あ る. ま た表 面 が 酸 化 され て い る こ と が 予 期 され る. した が って , 反 応 前 に,0. 5 気 圧 の純 水 素 中 で 加 熱 (450 c c )す る こと で , 含 有 物 を 除 き, また 酸 化 され た表 面 を 再 還 元 した . 反 応 容 器 は ,外 径 9 mm , 内 径 7 mm の バ イ コー ル管 を用 い た . 用 い た バ イ コー ル ← 管 は片 端 を封 じ,バ イ コー ル管 に付 着 して い - 6. 0 る炭 素 物 質 を 除 くた め に あ らか じめ 1 000o C -mm > で 加 熱 した . ま ず , 鉄 粉 を 1 mg程 度 (鉄 粉 の量 に関 1 1 m , 長 さ 1 cm の して は後 述 ) を外 径 6 1 図 2 :微 量 試 料 用 タ ー ゲ ッ トホ ル ダー ( Fi g. バ イ コー ル管 か ら作 成 した カ ップ に計 り と 2. Ta r gethol de rde s i gne df ors ma lls am- る. これ を反 応 容 器 の バ イ コ1 -ル管 に い れ , pl e s . ) そ の 口 に グ リス レ ス コ ックを Ca j oI lジ ョイ ン トを 介 して J lで つ な い ■だ . これ を真 空 比 が 2. 1と な る よ うに変 え た . ラ イ ンの J 2 に つ な ぎ十 分 に排 気 す る. 吹 この反 応 容 器 の下 部 を電 気 炉 中 に入 れ に約 0. 5気 圧 の 水 素 ガ ス を 真 空 ラ イ ンに導 650o C (± 5o C)で 4 か ら 6時 間加 熱 し,読 入 し, コ ッ ク を締 め 真 空 ラ イ ンか ら取 り外 料 の二 酸 化 炭 素 を 水 素 で 還 元 した . 還 元 を す . こ の容 器 の下 部 を 45 0度 で 1時 間 加 熱 始 め て 1時 間 程 度 た っ と反 応 容 器 の上 部 に 後 , 再 度 真 空 ラ イ ンに つ な ぎ, 水 素 ガ ス を 水 滴 が 見 られ る. 排 気 す る. 還 元 後 , 少 量 試 料 を 扱 うた め に新 し く製 二 酸 化 炭 素 を含 む試 料 ガ スは,一 旦 トラッ 作 した ター ゲ ッ トホ ル ダ ー (図 2) の 直 径 プ T lに液体 窒 素 ( 1 96o C)で捕 集 す る.捕 1 . 5mm の穴 に,触 媒 の鉄 粉 と もに ,直 接 プ 集 され な い不 純 ガ ス (窒 素 な ど) を真 空 ポ レス しタ ー ゲ ッ トを成 形 した . A M S法 に ンプ で 排 気 した後 , トラ ップ T lを n - ペ よ る炭 素 - 14測 定 は,中村 ・中井 (1 988) ンタ ンー 液 体 窒 素 ( 1 27o C) に替 え , 二 酸 に報 告 され た 方 法 に よ る. 化 炭 素 を トラ ップ T 2に移 し, デ ジタ ル マ ノ メー ター (M ) で 測 圧 す る (体 積 6. 1 2l T l ] -STP).そ の後 ,二 酸 化 炭 素 を反 応 容 器 の 4 作 成 され た タ ー ゲ ッ トの 特 徴 バ イ コ ー ル管 下 部 に移 し, 圧 力 を み な が ら ∫3か ら水 素 ガ ス を 導 入 す る. . 水 素 ガ ス導 入 後 , ガ スバ ー ナ ー (天 然 ガ ス ー酸 素 ) 杏 4. 1 反 応 の収 率 及 び 同 位 体 分 別 効 果 用 い バ イ コ ー ル管 を 焼 き切 っ た. 焼 き切 る 位 置 はバ イ コ一 一ル管 内 の水 素 / // 二酸化炭素 5ー 11 A M S法 に よ る炭 素 - 14測 定 を よ り高 F 2 L 0 3 0 0. 2 0. 4 0. 6 0. 8 1 . 0 YEI LD -1 0 図 3:反 応 収 率 と同位 体 分 別 効 果 . ( Fi g・3・ I s o t opi cf r a c t i ona t i ona saf unc t i ono fl ・ e aC t i onye i l d. ) 8 6 4 A613c o J 0 -2 0 図 4: 反 応 前 の 反 応 容 器 内 の 二 酸 化 炭 素 分 圧 (pCO 2) と同 位 体 分 別 効 果 (△∂13C 精度 で行 な うた め に は,ターゲ ッ ト作成 過 程 ) の 関 係 .( Fi g・ 4・ I s ot opi cf r a ct i ona ・ - の 同 位 体 分 別 を小 さ くす る必 要 が あ る, 刺 C-613 C( t a r g e t ) 61 3 C( i ni t i l) a ,f ol ・ t , i o n,A613 i ni t i a lpr e s s t l r e( pCO 2). ( A) pCO 2,unde r l OO mmHg ( B) 1 00 1 50mmHg ( C) 1 5 0 2 00 mmHg( D)O 、 ′ e r200mmHg・ ) え ば, タ ー ゲ ッ ト作 成 の前 後 にお い て , 安 0パ ー ミル変 定 炭 素 同 位 体 比 (∂ 13C ) が 1 化す ると 8 0年 の年 代 誤 差 を生 じる. この 同位 体 分 別 効 果 を見 積 るた め に, タ ー ゲ ッ ト作 成 前 の試 料 ガ スの 一部 ,また この 同 じ試 量 ガ スか ら作 成 され た ター ゲ ッ トを 98 7), 再度 燃 焼 し二 酸化 炭素 に変 え (北 川 ,1 そ の安 定 炭 素 同位 体 比 を ガ ス イ オ ンソ ー ス nni ga ・ nMAT251) を用 の質 量 分 析 計 (Fi 炭 素 - 14 の計 測 に は問 題 とな らな い (年 0年 ). 同 位 体 分 別 効 果 を小 代 換 算 で約 2 さ くす る為 に は, 反 応 収 率 を上 げ る必 要 が あ る. い測 定 した . この試 料 作 成 の前 後 の安 定 炭 図 4 に は, 反 応 前 の反 応 容 器 内 の二 酸 化 C ) か ら同 位 炭 素 の分 圧 (pCO 2) と同位 体 分 別 効 果 の関 体 分 別 効 果 を求 め た . また , 再 燃 焼 で得 ら 係 を示 した. 反 応 容 器 内 の二 酸 化 炭 素 の分 れ た ガ スの体 積 か ら,反 応 の収 率 を求 め た. 圧 が高 い状 態 で の反 応 は, 同位 体 分 別 効 果 図 3に は反 応 の収 率 と同 位 体 分 別 効 果 の 関 が小 さ くな る傾 向 が あ る. つ ま り反 応 時 の 係 を示 した . 反 応 の収 率 が 低 下 す る と大 き 二 酸 化 炭 素 の分 圧 が 高 い状 態 で 還 元 を行 え な同 位 体 分 別 が起 き る こ とが分 か る. 反 応 ば, よ り完 全 に反 応 が進 み, 同 位 体 分 別 効 が 70- 80% が起 き る と同 位 体 分 別 効 果 果 を小 さ くす る こ とが 可 能 で あ る.反 応 時 を 2 - 3 パ - ミル程 度 に抑 え る こ とが で き, の二 酸 化 炭 素 分 圧 を高 くす るた め に は, 読 素 同 位 体 比 の 変 化 (△ ∂ 13 - 11 6- C/Feの重 量 比 ) の関 係 を 図 5に示 した . イ オ ン ビ- ム の 強 度 は AM S法 の 炭 素 - 14 測 定 で 最 も適 して い る と考 え られ て い る天 然 グ ラ フ ァイ トか ら得 られ る 13 C 3+ ィ ォ ン ビー ムに対 す る作 成 され た タ- ゲ ッ トの 13 C 1 0 . b VE j) OI 一 t ' t J A t L B U e ) Ulu J E 畠 . C 3C. ( 3+ィ ォ 0 5に示 され る よ うに,C/Fe比 の増 加 に と も 〇 〇〇 0 O な い強 い イ オ ン ビ- ムが 得 られ る.C/Fe比 が 1 (例 え ば,鉄 1 mg,炭 素 1 mg)で作 成 0 00 0 0 000 0 0 o ec0 ン ビー ム の強 度 比 と して 示 した . 図 され た ター ゲ ッ トの イ オ ン ビ- ム は, 天 然 0 グ ラ フ ァ イ トか ら得 られ るの イ オ ン ビー ム とは ぼ同程 度 得 られ る.これ は アモ ル フ ァス O 0 炭 素 と銀 の 混 合 物 か ら調 整 され た タ ー ゲ ッ トの 3 か ら 4 倍 の イ オ ン ビー ム強 度 で あ る. 通 常 の 測 定 に お い て (統 計 誤 差 1% , 年 代 o に換 算 して ± 8 0年 ), 現 代 の 炭 素 試 料 に h t ) ・ 0 o・ Sc/Fe( y veb 1 関 して は 1 5分 程 度 で , 1万 年 前 の 試 料 で 約 1時 間 以 内 で 測 定 を終 え る こ とが 可 能 で 図 5:触 媒 の 鉄 の 含 有 率 と イ オ ン ビ- ム強 あ る. 皮 .( Fi g.5・1 3C3 + be am i nt e ns i t yr at i oof pr epar e dgr aphi t et ona t ur a lBr a . phi t ea sa ・ 4. 3 作 成 され た タ ー ゲ ッ トの イ オ ン f unc t i onofC/F( "e i h tr g at i o・ ) ビー ム の安 定 度 料 の量 に よ って 反 応 容 器 の 体 積 を 変 え る必 要 が あ る. そ の た め バ イ コ一 一ル管 を封 じ切 水 素 還 元 法 で 作 成 した タ ー ゲ ッ トの イ オ る長 さ は, 試 料 の量 に よ り変 え た . 通 常 の ン ビー ム の安 定 度 を見 る た め に長 時 間 測 定 試 料 作 成 で は , 反 応 の際 の 二 酸 化 炭 素 分 圧 を行 な った 結 果 にを 図 6に示 す.試 料 は,戻 を 200 mmHg以 上 で 行 い, 同 位 体 分 別 効 果 莱 - 14年 代 測定 の 国際 標 準 の篠 酸 (1 4C濃 を小 さ く し, 反 応 収 率 を高 め た . 度 の 95% が 年 代 換 算 0年 ) の 1mg炭 素 か ら作 成 した. 12時 間 の連 続 測定 で炭 素 - 1 4は合 計 2 0万 カ ウ ン ト (統 計 誤 差 0. 2% , 4. 2 作 成 され た タ ー ゲ ッ トの イ オ ン ビー ム 強 度 年 代 換 算 ± 1 6年 ) 計 測 され た . 測 定 開 始 0c pl T 】 _(c ount s に は , 70 pe r mi l l ut e) で 1 2時 間 後 に は 1 00 cpm ま で 低 下 して い AM S法 に よ る炭 素 - 1∠ L計 測 数 を大 き る. 通 常 の 測 定 (統 計 誤 差 1% ) に要 す る くす る為 に は , 強 い イ オ ン ビ- ム が 得 られ 時 間 ,約 15分 で は,ほ とん どイ オ ン ビー ム る (炭 素 ⊥ 14 の計 測 効 率 の高 い)ター ゲ ッ 強 度 の 低 下 は見 られ な い . ま た 計 数 効 率 の トを 作 成 す る必 要 が あ る. 低 下 に 伴 う1 4 C/1 3 C 比 の変 化 は な く, イ オ 作 成 され た ター ゲ ッ トの イ オ ン ビー ム強 度 と, 触 媒 に用 い た 鉄 と試 料 の炭 素 の比 ( - 117- ン ビー ムが非 常 に よ く安 定 して い る こ とか ら,高 精 度 な炭 素 - 14測 定 が 可 能 で あ る. ● ● ● ● ● ● ○ ● 4 ● 6 d 3 8.i" ● ● ● ● ● 8 ・M 2 0 3"t S33] 鐙 o ● ● ○ ● ● ●● ● ● 〇 ● ○ ● ● ● ● ● ●〇 〇 〇 o ○ - 〇 一 ● ● … 1 5 20 甜 渦 P . 3 J 3 . i0 。 . 。 0 1 2 3 4 5 6 7 T暮 ME( r ℃ur ) 8 9 1 0 1 1 12 図 6:N BS篠 酸 (NBSSRM 49 90,1 mg炭 素 を 含 む ) か ら作 成 され た タ ー ゲ ッ トの長 時 4 0秒 1 5回 の測 定 の 標 準 偏 差 (1C , ) を 示 す ・( Fi g・6・1 cc Ount i ng 間測定 の一 例 .誤 差 は 5 r at ea nd14 C/ 1 3 cr a t i oo ft a r ge tpr e pa ・ r e df r om 1mgc a ・ r bonofNBSo xa li ca c i dI wi t h t i me.Ve r t i c l bar a ss ho ws t a nde r ddi vi a t i on( 1C , )of1 5r uns ・Oner unt a ke s50s e c onds ・ ) 封 入 し, 850oC で 燃 焼 し二 酸 化 炭 素 に変 え 5 パ ック グ ラ ン ド試 料 の 測 定 (北 川 ,1 987), 水 素 還 元 法 を用 い グ ラ フ ァ イ トタ ー ゲ ッ トに した . 試 料 調 製 の 際 の現 代 炭 素 の混 入 率 を推 定 す る た め に , 炭 素 - 14 を 含 ま な い (バ ッ ク グ ラ ン ド) と考 え られ る夕 張 炭 田 か ら採 集 され た石 炭 か らタ ー ゲ ッ トを作 成 し, A M S法 に よ り,炭 素 - 14 を測 定 を行 った . 石 炭 試 料 は , 現 代 炭 素 の 汚 染 を 除 くた め に酸 ・ア ル カ リに よ る洗 浄 ,また大 気 中 の二 図 7 に石 炭 の炭 素 - 14 測 定 の結 果 を 示 す.炭素 - 14 の濃 度 は,現 代 炭 素 (国 際 標 SRM499 0,濃 度 の 95 % ) 準 の 篠 酸 , NBS の濃 度 に対 す る比 (現 代 炭 素 混 入 率 )と して 示 して い る. 現 代 炭 素 の混 入 率 は平 均 0 ・ 11 % で , 年 代 換 算 で 5万 5千 年 で あ る. 酸 化 炭 素 の 吸 着 を 除 くた め に真 空 中 で加 熱 名 古 屋 大 学 年 代 資料 研 究 セ ン ター に 設 置 処 理 を した . この よ うな前 処 理 を施 した 石 され て い る タ ンデ トロ ン加 速 器 質 量 分 析 計 炭 は, 酸 化 剤 (8 50 C で 加 熱 す る こ とで塵 o の バ ック グ ラ ン ド (天 然 グ ラファイ トを直接 や有 機 物 を除 い た酸 化 銅 ) と共 に バ イ コー 測 定 ) は年 代 換 算 で 6万 5千 年 で あ る. 今 00 o C 加 熱 処 理 を行 な った) に真 空 ル管 (1 回水 素 還 元 法 に よ り作 成 した タ ー ゲ ッ トは, 0 - 11 8- ヨ 1 苅 ] 叫 Tn 1 0 ト3V 3寸L ( ) ^ n u9V トN u1VN ⊃0 山 2 10 ( N∝山凸0冨%)^i≡ 7 0. 01 0. 1 1 l Z O SAMPLE SI ZE( mg) 図 7:夕 張 炭 田 の 石 炭 か ら作 成 され た タ ー ゲ ッ トの AM S法 に よ る炭 素 14測 定 の結 果 .破 1,0・ 01,0・ 1 1 1 g) を示 す. 波 線 は名 古 屋 大 学 タ ンデ トロ ン加 線 は等 量 の現 代 炭 素 の混 入 (0・ 速 器 質 量 分 析 計 の バ ッ ク グ ラ ン ド (中 村 中 井 ,1 988) を示 す. ( Fi g.7.14c conc ent ・ r at i on o ft a l ・ ge t SPr aPaJ : e df r om ・ Yl l ba ・ ic r ol a・ Theda ・ s hl i ne ss ho wc ons t a ntc ont a i na m t i on o f ncar bon( 0・ 001 ,0. 01・ a , ndO・ 1 mg) ・Thes hadow pa ・ l ・ t SS how me c hani c a ・ lba c kg l ・ Ound mod er t r onAMS14C i r lNagoya ・ Uni ve r s i t y( Na ・ ka ・ mur aandNakai ,1 988) . ) o fTande 試 料 の量 の変 化 (0・ 2-0・ 3mg ,) に対 して 現 最 適 条 件 (炭 素 量 1 mg) に つ い て 表 1 に 代 炭 素 の混 入 率 の変 化 の傾 向 が な い. こ の 示 す . 触 媒 の鉄 の量 は, イ オ ン ビー ム の 強 こ とか ら, 試 料 作 成 の段 階 の現 代 炭 素 の 混 度 を大 き く左 右 す る. 少 量 の試 料 を扱 うた 入 は, 非 常 に小 さ く抑 え られ , よ り微 量 の め に新 し く制 作 した ター ゲ ッ トホ ル ダ ー で 試 料 に 関 して も現 代 炭 素 の 混 入 の 低 い 夕 -- は約 1 1 1 1 gの鉄 が 最 低量 と して 必 要 で あ る. ゲ ッ トの作 成 が 可 能 だ と考 え ら頚 1る. 石 炭 よ り少 量 の炭 素 試 料 の場 合 , 鉄 の希 釈 に よ の現 代 炭 素 の 混 入 源 と して , 1) 石 炭 が 現 る ビー ム強 度 の低 下 を伴 う. 今 後 , よ り微 代 炭 素 を 含 ん で い た , 2) 還 元 に用 い た水 量 の試 料 を扱 うた め に は , タ ー ゲ ッ トホ ル ダ ー の 改 良 が 必 要 で あ る. ゲ ッ トの - ン ドリン グ中 に現 代 炭 素 が 混 入 した , な どが 推 定 され る. 反 応 の 収 率 を 上 げ, 同 位 体 効 果 を小 さ く す るた め に は,反 応 容 器 の体 積 を 小 さ く し, 反応 時 の二 酸 化 分圧 を上 げ る必 要 が あ る.戻 0nl l l l Hg以 応 容 器 内 の 二 酸 化 炭 素 分 圧 が 20 ま とめ 上 で二 酸 化 炭 素 を還 元 しタ ー ゲ ッ トを 作 成 す れ ば , 2 - 3 パ ー ミル程 度 の 同 位 体 分 別 水 素 還 元 法 に よ る 夕 一 ゲ ッ ト作 成 の際 の 効 果 で 抑 え られ , 高 精 度 の炭 素 - 1 4 測 定 - 11 9- 1 1 I l gC ,1 n 一 g 325n esl l O. 5aL m pure ll21 450o C,1hour Vycor t ub e( 9mm I 1 8cm) 1 1 2/CO2 = 2. 1 650o C,4-6 hours Samp le size Fe p owder( caLalys り Pre-reducヒiol l Reac亡i onvessel ReducLiol l 表 1 :タ - ゲ ッ ト調 整 の最 適 条 件 .(Ta ・ bl e1.Opt i mum c ondi t i onf ort ar getpr e par a . t i on) ayt l i c al l yc onde ns edcar bonf orus ei n a cc e l at orma ssS pe Ct r Onl e t Or y・Nuc l ea r B5) , l ns t r ul l l e nt Sa nd Me t hods 233( 289 293. が 可 能 で あ る. , 7 結語 mg以 下 の 炭 素 を 含 む 試 料 で も, 低 とで 1 ・S・Voge l ,D・E・Nel s on and J・R・ [ 3]J Sout ・ hon ( 1 987)14c b a ・ ck gl ・ Ound l ev e l si nanac c e l e r at orma s ss pe c t r ome - ッ ク グ ラ ン ドの炭 素 - 14測 定 が 可 能 と t r ys ys t e m.Radi oc ar bon,29,323 333・ AM S法 の 炭 素 T 14測 定 の た め の 夕 ゲ ッ トの作 成 法 に水 素 還 元 法 を適 用 す る こ バ な った . ま た イ オ ン ビー ム 強 度 の 向 上 , 良 [ 4]北 川 浩 之 ( 1 987)杉 村 セ ル ロ - ス の 炭 時 間 安 定 した 測 定 が 可 能 とな り, よ り高 精 素 同位 体 比 -i R T l 定 法 及 び杉 材 年 輪 1層 度 の 炭 素 - 14測 定 が 可 能 とな った . 内 の変 化 -. 静 岡大学 地 球科 学 研 報 , 1 3.23 30. 謝辞 988)放 射 性 炭 素 [ 5]中村 俊 夫 ,中井 信 之 (1 少 量 試 料 用 の タ ー ゲ ッ トホ ル ダ ー の 作 成 年 代 測 定 法 の 基 礎 一加 速 器 質 量 分 析 法 に あ た って は 名 古 屋 大 学 理 学 部 装 置 開 発 室 , に重 点 を お い て -. 増 田 忠 志 氏 と三 輪 治 代 美 氏 に協 力 い た だ い 29.83 1 06. 地質学論集, た . こ こ に深 く感 謝 します . [ 6 ]吉 川 英 樹 , 佐 藤 和 宏 , 吉 田 邦 夫 , 小 林 紘 一,三 浦 太 一 ,今 村 峰 雄 ,本 間 義 夫 , 引用 文 献 1 98 7)炭 素 - 14加 中 原 弘 道 ,野 崎 正 ( 速 器 質 量 分 析 用 試 料 作 製 時 に お け る現 [ 1 ]D・M・Gur もnk e l( 1 987)Anas s es s me nt o fl a ・ bor at or yc ont a , mi nat i onatt hei s o t r ac er a di oca r bon f a c i l i t y.Radi oc al ・ - 代 炭 素 の混 入 .分 析 化 学 ,3 6,755 759・ [ 7]和 田 英 樹 ,伊 藤 良 三 ,秋 山 文 孝 (1984) 微 量 石 墨 の炭 素 同位 体 分 析 用 試 料 の調 bon,29,335 3 46. 整 と測 定 , 静 岡 大 学 地 球 科 学 研 報 ,1 0・ [ 2 日 .S・Voge l ,D・E・Nel s on and J ・R・ Sout hon ( 1 984)Per f or ma nc eofc at - -1 2 0- . 1 33 1 41 A pr epa訂al L i ommethodofgraphi tetar get byr・ e duc七i onofCO2 Wi t hH2 orAM S 14c measurement f Hi r o yukiKI TAGAWA,To s hi yukiMASUZAWA,Ei j iMATSUMOTO andKaz unor iYAMAGUCHI Wat e r ・Re se ar c hI ns t 2 i ui e ,Na90yaUni ve r s i t y ,Na90ya464-01,Japan Tos hi oNAKAMURA Dat mgandMat e r i alRe se ar c hCe nt e r ,Na 90yaUni ve r s i t y Car bon1 4ha sbe e nus e de xt e ns i ve l ya sat r ac e ri ne nvi r onme nt alS C L e nc ea ndada t i ngm占 t hodf orge ol ogl Ca la ・ ndar c hae ol ogl C als a mpl es .The r e c e ntde ve l ope me nti n1 4 c mea sur e me nt sbyac c e l e r at orma s ss pec t r ome t or y( AMS)ha sbe e I lr e duc e damount sOfca r bonandi t sappl i cat i onha s be e ne xpa nde dl a r ge l yt omanyne wf ie l ds .Howe ve r ,S e ve r a ldi f Rc ul t i e sha ve be e nr e ma i ne di nde al i ngl V i t hs ma l lamount sofc ar bon. e dt l C t i onmet hodwi t hi r onpowder( Vor ge l ,et Weha v ei mpr ov e dt heH2 r l ・ ,1 98 4,1 98 7)a ・ ndd( ∋ Ve l ope das i mpl ea ndr e l i abl emet hodofgr aphi t et ar get a pr e pa r at i ona ppl i c a bl . at os ampl e so fs ubmi l l i gr a ・ mc a , r bon.Thet ar ge t sha ve 4 Cba c kgr oundandha ve i nt e ns ea ndl ong l i ve di onbe a msande xt r e me l yl ow 1 a l l owe dust oa c hi ev e: ( 1 )Fors a mpl e si nt her a ngeo f0. 2-3mgc ar bon, 1 4 C ba c kgr oundoft ar ge t s f r o mc oa li sO・ 1 mode r nonaver a ge( e qui va le nta ge55kyr )anddonot v ar ywi t ht hea mount ・ ofc ar bon. ( 2 )Thei s ot opi cf r a c t i onat i o ndur i ngt hepr e par at i oni swi t hi n3 M . ( 3)Thebe a mi nt e ns i t yofpr oduc e dt a ・ r get si st ypi ca l l y75 ooft ha tofnat ur al gr aphi t ・ e・Ther e qui r e dt i met oa , c c umul at e1 0, 000count , sof1 4 cf oramode r n s ampl ei s1 0 1 5mi nut e s . ( 4)Somes ampl e sf ordur at i ont e s t sofbea ・ m cur r e nt syi e l ds t abl ec ur r ent s l二 L ya nde xt ・ re andys t abl ei s ot oper at i o( 1 4 C/1 3 C) ・ t ha tde cr e a s egr adua 4 c me a s ur e me nt sf orm il l i gr am t os ubil m l i gr am ca r bona r e TheAMS1 ma depos s i bl ewi t hhi gha c c l l r a ・ C ie s ・ 1 0/ . 0/ 0/ 一1 21- 口頭発表 1) 松 島義 章 (1986)貝 類 群 集 か らみ た 内 湾 の 形 成 過 程 . シ ンポ ジ ウ ム ' '汽 水 湖 の 生 い立 ち' '-浜 名 湖 の 起 源 と地 史 的 変 遷 に 関 す る組 合 研 究 -, 東 京 大 学 海 洋 研 究 所 . 2)松 島 義 章 ・三 宅 加 奈 子 (1987) 完 新 世 に お け る多 摩 川 ・鶴 見 川 低 地 の 地 形 発 達 央 . 日本 地 質 学 会 第 94年 学 術 大 会 講 演 要 旨, p.152. 学会誌等 1) 松 島 義 章 (描 ) (1987)川 崎 市 内 沖 積 層 の 総 合 研 究 . 川 崎 市 博 物 館 資 料 収 集 委 員 会 , pp.145, t ana, T. (1987) Mi ddl e Hol ocene 2)Ota.Y.. Matsushi ma, Y.. Umitsu.M.. and Kah shoreH ne map of Japan. lp.,Japanese Worki ng Group of l GCP Project 200. -1 2 2-
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