「我が社の快適職場づくりについて」 株式会社ナナオ 総務部環境管理室 課長 千田 道雄 1.はじめに 当社は石川県の南部に位置する松任市にあります。 (2005 年 4 月には白山市になる予定です。 )霊峰白山を 近くに眺めることができ、日本海に注ぐ県内随一の河川である手取川の恵みを受けた自然豊かな場所です。 また、小松空港や北陸高速道路へのアクセスに便利なところでもあります。 当社の製品は、石川県内で開発、設計、製造されています。主力製品であるコンピューター用モニターは、 国内外を問わず世界 30 ヶ国以上の国々で販売されており、 その中でもヨーロッパが販売の中心となっていま す。EIZO ブランドで知られている当社製品は、環境適合性を含めた「品質」にこだわりを持って作られてお り、その商品は、お客様の信頼を得ています。 さらに当社は、開発創造型企業を目指しており、新商品開発に対する取組みを強化しています。これに伴 い、市場への対応のため時間に追われることが多く、特に開発・設計職に対しては、メンタルヘルスケアが 重要となってきています。 2.会社概要 ・ 創業 1968 年(昭和 43 年)3 月 6 日 ・ 資本金 4,425,745,500 円 男子 328 名、女子 323 名 ・ 従業員 合計 651 名 ・ 平均年齢 34 歳 ・ 業種 電気・電子機器製造業 ・ 事業内容 コンピューター用モニター、アミュー ズメント用モニター等の映像機器及びその関連製品の開発、設計、製造、販売 3.安全衛生活動における快適職場づくり (1)2004 年度 安全衛生活動のねらいと課題 項目 ねらい 備考 全体 PDCA サイクルによる継続的改善活動 ・マネジメントシステム 安全活動 ・ 「5S」活動 ・ 「安全衛生リスクアセスメント」活動 ・ 「安全衛生リスク」に基づく管理 衛生活動 ・ 「健康診断後のフォロー」活動 ・ 「メンタルヘルスケア」活動 ・心身の健康管理 課題 ①法規制から自主管理への対応 ②部門間で差のある安全意識の修正 ③営業所における衛生管理 (2)快適職場づくり 快適職場指針項目 作業環境 作業方法 疲労回復支援施設 職場生活支援施設 安全活動 ・5S ・リスクアセスメント ・ZD 活動 ・KYT 活動 ・ヒヤリハット調査 ・安全パトロール (相互/幹部) ・安全審査 衛生活動 快適職場事例 ・ビル管法/事務所側に基 a)加湿器整備 b)喫煙室設置 づく環境測定 →分煙 ・一般職場環境測定 (温度/湿度/照度/騒音) c)空調吹出し口対策 d)騒音対策 e)倉庫内照度アップ f)クレーン作業 ・健康づくり (ストレッチ体操/ナナオウォークウィー g)腰痛対策 ク/食事のカロリー表示) ・安全衛生委員会 ・安全衛生責任者会議 ・専門委員会 (職場安全/交通安全/健康づくり) ・産業医/衛生管理者パトロール h)休養室 i)食堂/ラウンジ周辺の整備 j)自動水洗(洗面所) k)温風乾燥(洗面所) 4.快適職場事例詳細説明(主なもの) 事例 a)加湿器整備 内容 冬場の健康管理(風邪、インフルエンザ)のため、 相対湿度に関する自主社内基準に基づき計 画的に順次整備中。 1)蒸気直吹き方式 2)滴下浸透気化式 ※基準 RH:40∼70% b)喫煙室設置 換気設備および空気清浄機を備え、パーティシ ョンで完全に分離した喫煙室。 (建物に 1 ヶ 所:3 ヶ所) ※2003 年 8 月から実施 c)空調吹出し口対策 夏場、空調機の吹出しが直接人に当たり不 快感がある場合に、透明なプラスチック製 の邪魔板を設置。 (事務所内) 写真 事例 d)騒音対策 内容 空調機(KHP)の屋外機からの低騒音(エンジン音) が事務室内に伝わり不快感があり対応。 ※KHP:灯油焚きヒートポンプ e)クレーン作 ライン内の重量物組立工程で、大型プラズマモニ 業 ターのパネルを扱っている作業。 f)腰痛対策 ライン内の組立工程で、梱包済みの製品をパレッ ト積みしている作業。 i) 食堂/ ラウン ・リラックスしてコミュニケーションできるスペースを確保。 ジ周辺の整備 ・血圧計の設置 ・貸出し図書の設置 ・給茶器の設置 ・自販機の設置 写真 事例 j)自動水洗 k)温風乾燥 内容 写真 ・清潔さ維持の目的で、洗面所の水栓を手動から 自動に切替え。また、洗手洗い後の手の乾燥に 対応。 ※一部実施 ※その他:カジュアルウェアによる勤務(2003 年 1 月から実施:製造および営業部門除く) →以下の写真はストレッチ体操を行なっている様子。 (約 3 分/回・日) 5.おわりに 当社の安全衛生管理は、これまで特に「安全確保」を中心とした活動を行なってきました。活動結果が認 められ、2003 年度は「厚生労働大臣優良賞」を受賞することが出来ました。しかし、当社は「開発創造型企 業」を目指していることもあり最近では「快適職場づくり」に目を向け始めています。当社の「快適職場づ くり」は特別に計画しているものでは無く、通常の安全衛生活動の結果として成果が表れている形となって います。強いて言えば、心身の「健康管理」活動が基本となっています。2002 年度はメンタルヘルスのモデ ル事業所に指定され、管理体制を整えました。また、2004 年度からは、多残業者の産業医による面接も開始 しました。今後、当社にとってますます「快適職場づくり」が重要になってくると認識していますので、あ せらず継続的に取組んでいきたいと考えています。
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