平成28年度「近畿地域における健康経営の普及啓発に係る調査事業」 仕様書 1 事業目的 少子高齢化の進行に伴い、今後も増大する国民医療費の適正化が喫緊の課題となっている中、公的 保険外の予防・健康管理関連の製品・サービスを提供する「健康寿命延伸産業」の創出が重要になっ ている。また現在、その創出に向けた具体的支援策のうち、需要面の対策としては、国内企業に対す る健康経営の導入が促進されている。 健康経営とは、従業員の健康保持・増進の取組が将来的に収益性等を高める投資であるとの考え方 の下、健康管理を経営的視点から戦略的に実践することである。企業が経営理念に基づき、従業員の 健康保持・増進に取り組むことは、従業員の活力や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果 的に業績向上や組織としての価値向上へつながると期待されている。健康経営について、これまで大 企業においては一定の理解が浸透しつつある一方で、今後は中小企業を含めたより多くの企業まで裾 野を拡大していくことが課題となっている。 本調査事業は、上記の課題を踏まえ、今年度新たに創設される中小企業等向けの「健康経営優良法 人認定制度」における認定企業の創出に向け、当局管内(※)企業に対する健康経営の更なる普及啓 発や実践の促進のための現状把握を目的として実施するものである。具体的には、当局管内企業を対 象とした健康経営に対する意識や取組状況を調査するとともに、当局管内の地方銀行や信用金庫を対 象とした健康経営実践企業に対する支援のあり方についての実態調査を実施する。また、それらの調 査結果については、事例集の作成を通じて健康経営の未実践企業を含め、当局管内企業に対する情報 発信を行う。 併せて、健康経営に積極的に取り組む意欲のある企業とヘルスケア関連製品やサービスを提供する 企業との出会いの場を設けることにより、ヘルスケアビジネスの需要を創出する。 ※ 2 当局管内とは、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県を指す。 事業内容及び実施方法 (1) 健康経営についてのアンケート調査 ◆ 当局管内企業に対して郵送によるアンケート調査(返信用封筒による回収)を実施する。 ◆ 対象企業は 2,000 社以上であって、従業員数が以下に該当する企業とし、当局からの意見も踏 まえ抽出する。その際には当局管内における地域バランスを十分考慮する。 製造業その他 300 人以下 卸売業 100 人以下 小売業 50 人以下 サービス業 ◆ 100 人以下 無回答を除く有効回答率は 15%以上(回答企業数 300 社以上)とする。 ◆ 調査項目は、当局と協議の上、対象企業の健康経営に対する意識、取組内容及びその効果等の 実態把握にあたって有効な内容を設定する。なお、以下に調査項目の例を示すが、これに限定す るものではない。 ① 業種、資本金、従業員数、売上額等の基本情報 ② 健康経営についての認知度及び取組状況 ③ 健康経営への取組の意向及び方針 ④ 健康経営に取り組むにあたっての課題 ⑤ 健康経営の具体的な実践内容 ⑥ 健康経営の実践による効果の有無及びその内容 ⑦ 健康経営への取組に係る今後の方向性 ※ その他必要に応じて健康経営銘柄の評価項目を参考に調査項目を設計 ◆ 調査結果の集計はエクセルにより行い、結果を視覚的に認識しやすいようグラフ等を用いると ともに、クロス集計による整理を行う。 ◆ 以上のアンケート調査の対象企業の抽出方法、調査項目の設計及び調査結果の集計方法につい ては技術提案書により提案することとする。 (2) 健康経営についてのヒアリング調査 ◆ (1)におけるアンケート調査の回答企業などから、特に健康経営に積極的に取り組んでいる企 業に対して現地訪問によるヒアリング調査を実施する。 ◆ 対象企業は約 30 社とし、当局からの意見も踏まえ抽出する。その際には当局管内における地 域バランスを十分考慮する。 ◆ 調査は 1 社あたり 2 名による訪問及び 2 時間程度(移動時間除く)の面談を想定する。また、 当局担当者も原則同行するため事前に訪問日程等の調整を行う。 ◆ 調査項目は、当局と協議の上、対象企業による健康経営の取組内容等をより詳細に把握できる 内容とし、特に(4)の事例集の作成にあたって有効な内容を設定する。なお、以下に調査項目の 例を示すが、これに限定するものではない。 ① 健康経営の取組背景及び考え方 ② 健康経営の取組内容の詳細及び特徴 ③ 健康経営の取組による業績への影響 ④ 健康経営の取組内容において特に PR したい事項 ⑤ 健康経営を進める上での課題 ⑥ 事例集への掲載希望の有無 ⑦ 健康経営に関する行政への期待及び要望等 など ◆ 調査結果は個社別に作成し、ヒアリング調査実施日から一週間以内に当局に提出する。 ◆ 以上のヒアリング調査の対象企業の抽出方法、調査項目の設計及び調査結果の作成方法につい ては技術提案書により提案することとする。 (3) 健康経営実践企業に対する支援のあり方についてのアンケート調査及びヒアリング調査 ◆ 当局管内の地方銀行及び信用金庫に対して、健康経営実践企業に対する支援のあり方の把握及 び実効性のある支援の促進を目的として、郵送によるアンケート調査及び現地訪問によるヒアリ ング調査を実施する。 ◆ アンケート調査の対象機関は、当局管内に本店のある地方銀行及び信用金庫とする。 ◆ アンケート調査における調査項目は、当局と協議の上、対象機関による健康経営実践企業に対 する支援の方針及び実施状況等健康経営実践企業に対する支援のあり方の実態把握にあたって 有効な内容を設定する。なお、以下に調査項目の例を示すが、これに限定するものではない。 ① 健康経営についての認知度 ② 健康経営実践企業に対する支援の方針及び実施状況 ③ 健康経営実践企業に対して支援を行うにあたっての課題 ④ 健康経営実践企業に対する具体的な支援内容 ⑤ 上記支援による効果の有無及びその内容 ⑥ 健康経営実践企業に対する今後の支援の方向性 など ◆ ヒアリング調査の対象機関は、当局と協議の上、アンケート調査の回答機関及び文献調査等に より把握した他地域で先行的に健康経営実践企業に対する支援を実施している金融機関のうち 約 10 機関とする。その際には当局管内における地域バランスを十分考慮する。 ◆ ヒアリング調査は 1 社あたり 2 名による訪問及び 1 時間程度(移動時間除く)の面談を想定す る。また、当局担当者も同行するため事前に訪問日程等の調整を行う。 ◆ ヒアリング調査における調査項目は、当局と協議の上、アンケート調査の回答内容を深掘りす るとともに、健康経営実践企業の把握にあたって有効な内容を設定する。 ◆ アンケート調査の集計はエクセルにより行い、結果を視覚的に認識しやすいようグラフ等を用 いる。 ◆ ヒアリング調査の結果は各機関別に作成し、ヒアリング調査実施日から一週間以内に当局に提 出する。 ◆ 以上のアンケート調査及びヒアリング調査の調査項目の設計及び調査結果の取りまとめ方法、 ヒアリング調査対象機関の抽出方法については技術提案書により提案することとする。 (4) 健康経営についての事例集作成 ◆ 健康経営の普及啓発や実践の促進を図るため、(1)~(3)の調査結果を基に事例集を作成する。 ◆ 事例集の構成は概ね以下のとおりとする。 ① (1)におけるアンケート調査の結果を活用するとともに、必要に応じて文献調査を実施 し、健康経営を実施することによる企業経営への影響をはじめ、健康経営の更なる普及啓 発や実践の促進に資する内容をグラフ等を用いて分かりやすくまとめる。 ② (2)におけるヒアリング調査の回答企業のうち、先進的な取組として当局管内企業に対 して情報発信すべき企業の事例を取りまとめる。 ③ (3)における調査結果を基に、金融機関による健康経営実践企業に対する支援のあり方 について、事例も含めて取りまとめる。 ④ その他、健康経営の実践の促進に資する各種支援施策についての情報を取りまとめる。 ◆ 事例集への掲載企業は、当局からの意見も踏まえ抽出する。その際には当局管内における地域 バランスを十分考慮する。 ◆ 事例集は A4 サイズ、中綴じ、オールカラー、50 ページ以上とし、500 部発行する。 ◆ 事例集は、配布対象である当局管内企業が健康経営の先進的な取組を理解するとともに自社で の取組にも役立てることができる内容として、当局と協議の上、構成、デザイン及びイラスト等 を作成する。 ◆ 以上の事例集の構成、掲載内容及び掲載企業の抽出方法、デザイン及びイラスト等の作成方法 並びに作成した事例集の効果的な周知方法については技術提案書により提案することとする。 (5) 健康経営についてのセミナー開催 ◆ 当局管内企業を対象に、健康経営の普及啓発とヘルスケア関連製品やサービスを提供する企業 に対するビジネスチャンスの創出を目的として下記のとおりセミナーを開催する。 (1 回) ・内 容:① 健康経営に関する基本的知識や、参加者が自社で健康経営を実践するにあたっ てのポイント等についての基調講演 ② 当局による本調査事業の報告 ③ 健康経営実践企業による取組事例の紹介(2 社程度) ④ ヘルスケア関連企業による、健康経営の実践に活用できる自社製品又はサービ ス等についてのプレゼン(4 社程度) ・対 象 者:健康経営に既に取り組んでいる又はこれから取り組む意欲のある企業、健康経営実 践企業に対する支援を検討している金融機関 など ・会 場:大阪市内 ・開催時期:平成 29 年 1 月中旬~2 月上旬 ◆ セミナーの企画の詳細については当局と協議の上決定する。また、必要となる講師及び会場(収 容人数 200 名規模)の手配を行うとともに、チラシの作成(500 部以上)及びその他適切な方法 で開催の周知及び集客(100 名以上)を行う。 ◆ 「内容④」におけるヘルスケア関連企業については、アクティブレジャー認証等の公的機関が 紹介している当局管内企業をリストアップしたうえで、当局と協議の上決定する。 ◆ セミナー資料として、(1)~(3)の各調査結果の概要を取りまとめた資料を作成し、セミナ- 時に配付する(200 部、コピー対応可)。併せて、セミナーの評価等についてのアンケート用紙の 配布及び回収を行うとともに、アンケート結果の取りまとめを行う。 ◆ セミナーの開催終了後、セミナーの開催結果及びアンケート結果をセミナー開催報告書として 取りまとめる。 ◆ セミナーの企画の詳細、周知方法、ヘルスケア関連企業のリストアップ及び選定方法並びにア ンケート項目の設計方法については技術提案書により提案することとする。 3 実施期間 委託契約締結日から平成 29 年 2 月 28 日(火)までの期間 4 納入物 (1) アンケート調査結果(電子媒体) (2) ヒアリング調査結果(電子媒体) (3) 金融機関を対象としたアンケート調査及びヒアリング調査結果(電子媒体) (4) 事例集(冊子 500 部及び電子媒体) (5) セミナー開催報告書(電子媒体) ※ 上記納入物の電子媒体については、ワード、エクセル、パワーポイント又は PDF ファイル(透明 テキスト付き)形式で、CD-R により納入することとする。 5 納入先 近畿経済産業局 地域経済部 バイオ・医療機器技術振興課(大阪市中央区大手前 1-5-44) 6 納入期限 平成 29 年 2 月 28 日(火) 7 その他 本調査事業の遂行にあたって疑義が生じた場合には、その都度当局担当者と協議し、その指示に従 うものとする。
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