共創の「知」

る。 ビ ッ グ デ ー タ と 人 工 知 能 を 掛 け 合
ビジネス社会では競争が激化してい
2013年に始まった文部科学省の留
そ の 育 成 の 取 り 組 み の 一 つ に、
て明言している。そして、平成
ア ク テ ィ ブ・ラ ー ニ ン グ の 導 入 に つ い
いて」という諮問の中で、小中高への
年
学促進キャンペーン「 トビタテ!留学
転、医療における予防サービス、エネ
ニ ー ズ に 合 わ せ た 流 通、 車 の 自 動 運
テ ッ ク に よ る 融 資 や 資 産 運 用、 顧 客
の取り組みによって、異文化に対する
という海外留学支援の取り組みだ。こ
将来活躍できる人材を育成していこう
る。このキャンペーンは、官民協働で
」がある。今、このキャンペー
JAPAN
ンに関心を持つ高校生が急増してい
視 点 か ら 学 習・指 導 方 法 を 改 善 し て い
と し て、
「 ア ク テ ィ ブ・ラ ー ニ ン グ の
代の教員に求められる資質能力の一つ
~」という答申の中で、これからの時
員育成コミュニティの構築に向けて
向上について~学び合い、高め合う教
らの学校教育を担う教員の資質能力の
日に中央教育審議会から「 これか
ルギーを最適制御する住宅など、これ
感受性が高められ、異文化の知識を増
くために必要な力」をあげている。
いが、若いうちに他国の文化に浸るこ
る。異文化とは他国の文化だけではな
議論する能力を育成することができ
これにより、異なる価値観の人々と
し 始 め た の だ と 思 う。 学 校 は、
「 知」
をいかに生み出すかという課題に挑戦
で は な く、 今 は ま だ 存 在 し な い「 知」
検 索 に よ っ て 知 る こ と が で き る「 知」
の 修 得 が 持 て 囃 さ れ て い た が、 今 は、
こ れ ま で、 記 憶 を 中 心 と し た「 知」
月
わ せ た 新 た な ア イ デ ア が、 旧 来 の シ
まで競争優位の企業が新たな技術を備
やし、異文化にどっぷり浸かる機会を
すべての企業は、どこよりも早く新
とで多様性を受け入れるきっかけにな
ステムを次々に駆逐し始めた。フィン
えた企業に短期間で追い落とされてい
持つことができる。
しい技術を創造したり、起こりうるリ
ることは間違いない。
にも述べたように、これは一企業の存
を出すことが求められているのだ。先
に、チームで力を合わせ、最善の答え
えのない課題を発見し、時間をかけず
造するシステムが求められている。答
専 門 分 野 を 横 断 し た 新 し い「 知」を 創
にありえない。
情報技術を活用しながら解決する以外
態 に 対 処 す る た め に は、 集 団 の 力 で、
間で処理しなければならない。この事
が 出 現・蓄 積 さ れ て い き、 そ れ を 短 期
い。現代社会においては、大量の情報
存亡の危機を回避することはできな
個の能力・態度を育成するだけでは、
いる。
中で学んでいくように変わろうとして
の手法を取り入れ、共創のシステムの
れる「 知」も、アクティブ・ラーニング
よる一方的な伝達方式によって教えら
出す場所に変わり始めている。教師に
を 教 わ る 場 所 で は な く、
「 知」を 生 み
こんな大胆な教育改革は、私の記憶
亡の問題ではなく、我が国が将来に向
日の教育再生実
年度文部科学省予算では、
「 新しい日
て、文部科学省中央教育審議会で議論
にはない。昨年5月
体的 協
・働的に取り組まざるを得ない。
このような組織で活躍できるよう、今、
本のための優先課題推進枠」として計
専門性の違いなどダイバーシティーが
月
日に答申、そして、平成
れる。この対応の背景にある危機感を
され
行 会 議 第 七 次 提 言、 そ の 提 言 を 受 け
学 校 現 場 で は「 主 体 的 協・ 働 的 に 学 ぶ
学習( いわゆる「 アクティブ・ラーニン
そのためには、チームメンバーは主
グ」
)
」という手法を取り入れた活動が
「 知」を 創 造 す る 効 果 的 な チ ー ム の
求 め ら れ る。 メ ン バ ー は 卓 越 し た 専 門
メンバーには、年齢・性別・国籍・文化・
性 を 活 か し、 知 の 収 集・加 工・分 析・発
日、文部科学大臣が
上。このスピーディーな対応に驚かさ
月
国民全体で共有しなければならないと
年
28
考えている。
え、 チ ー ム の 議 論 を 活 性 化 す る 態 度 を
21
中央教育審議会への「 初等中等教育に
平成
盛んになりつつある。
14
信などを巧みにこなすICT技術を備
くための重大な課題だ。
けてさらに発展し、繁栄を維持してい
的状況に直面している。
スクを予測し対処したりしなければ生
加価値部門を一気に失いかねない危機
く。とてもリスキーな時代だ。これは
12
一企業の問題ではない。我が国の高付
27
き残ることができない。そのためには、
21
12
おける教育課程の基準等の在り方につ
20
備えることが欠かせない。そのような
11
メンバーを育成する必要がある。
26
29
キャリア指導の現場から
連載
共創の「知」
東京都立晴海総合高等学校
キャリアカウンセラー
千葉吉裕
職業研究――2016 No.1 20