第55回演題概要 - 静岡リハビリテーション病院

一般演題
■A-Ⅰ-1
セッション A-Ⅰ
座長:吉本好延(理学療法士)13:10~14:00
4 階 41 会議室
膝装具処方に対する検討
~荷重時痛により歩行獲得が困難であり装具処方を行った症例~
発表機関:静清リハビリテーション病院
発 表 者:○堤 友宏 つつみ ともひろ(理学療法士)
演題概要: 病前から右膝関節に疼痛があり T-cane を使用し屋内の ADL は自立していた.今回屋内で転倒し右大腿骨転
子部骨折を受傷しリハビリ目的で当院入院となった。入院時から右膝関節に炎症症状認められ,歩行は 5m
で右膝関節内側の荷重時痛(NRS10)により実施困難であった。FTA は右 185°,左 165°,右膝内反ストレ
ステストへの疼痛が強く歩行距離延長に難渋した。そのため歩行時の膝内反の制動を目的に装具を着用し
歩行訓練実施した。膝装具は右立脚期の右膝内反,歩行時の疼痛,遊脚期での右膝関節の屈曲を考慮し両
側支柱付き膝装具を着用した。理学療法を 2 カ月介入し荷重時痛は NRS3 まで低下し連続 20m 歩行可能とな
った。
右膝関節の内反ストレスに対し疼痛が出現しており今回膝装具が有効であったと考える。疼痛の原因,
どの方向へのストレスにより疼痛が出現するかを評価し理学療法・装具療法行うことが重要であると考え
た。
■A-Ⅰ-2
脳卒中片麻痺患者に対する歩行神経筋電気刺激
~当院における使用状況と今後の課題~
発表機関:浜松市リハビリテーション病院
発 表 者:○飯尾 晋太郎 いいお しんたろう(理学療法士)宮下 勇希(理学療法士) 疋田 勇樹(理学療法士)
室谷 健吾(理学療法士)小山 貴之(理学療法士)
演題概要:機能的電気刺激を用いた治療は脳卒中治療ガイドライン 2015 にて推奨グレード B とされ,脳卒中片麻痺患
者に対する治療法として一定の効果が示されている。歩行神経筋電気刺激装置は,装着者の歩行パターン
に合わせた電気刺激が可能な新たな装置であり,当院では下垂足や尖足を呈する脳卒中片麻痺患者を対象
に 2013 年より臨床治療として導入している。
定期的にスタッフ向けの研修会や実技指導を行うことで徐々に臨床での使用場面は増加している一方,
装置使用に関してスタッフ個々の技術に差が生じるなど課題は多い.今回,約2年間の治療経験を振り返
り,当院での患者選定や適応・治療プロトコールを作成したため,今後の展望を含め報告する。
■A-Ⅰ-3
当院における Bionic Leg の導入
発表機関:静清リハビリテーション病院
発 表 者:○大畑 皓二郎 おおはた こうじろう(理学療法士) 加茂下 顕之(理学療法士)
河戸 誠司(理学療法士) 齊藤 和快(理学療法士) 神原 啓文(医師)
演題概要:【はじめに】当院では下肢に運動麻痺を呈する患者に対して、従来から使用されている下肢装具に加えて、
平成 27 年 5 月より Bionic Leg(AlterG 社製、以下 BL)を運用している。今回は BL の紹介と今後の展望に
ついて報告する。
【BL について】下肢に装着するリハビリテーションロボットであり、フットセンサーによ
って荷重を検知し、膝伸展の補助と膝折れを抑制する。それにより対象者の能動的な運動学習をサポート
すると共に、療法士が対象者の安全を確保でき、動作誘導や評価に専念できるようになる。
【使用状況】当
院での平成 27 年 5 月から平成 27 年 12 月までに BL を使用した症例総数は 17 件(疾患別内訳:脳血管障害
14 件、脊髄疾患 3 件)であった。使用目的は歩行能力・歩容の改善、立位バランス能力の改善が主であっ
た。
【今後の展望】今後臨床データを集め、BL を使用した介入の即時効果および経時効果を検証していきた
い。
■A-Ⅰ-4
心不全患者に対する作業療法~認知行動療法による介入経験~
発表機関:順天堂大学医学部附属静岡病院
発 表 者:○鈴木 建宏 すずき たけひろ(作業療法士)
演題概要:現在心不全患者の 3 割が増悪により再入院を繰り返すため、再発予防の観点から行動変容を起こさせ、自
ら疾病管理を行う事が重要視されている。しかし指導方法は確立されておらず、各病院独自の方法をとっ
ている。今回行動変容を促す事を目的に AS を基礎疾患に持つ、独居の心不全患者1名に対し認知行動療法
による介入を行った。まず心不全悪化の状況を自らシートに書き出す事で自発的な問題提起を促した。そ
れにより OT は患者の理解不十分な部分を把握しやすく、患者は具体的な対処方法を確認できた。シートで
は心不全徴候が出現した時に、そのまま様子を見ず医療機関へ受診することや、過負荷になっていた買い
物など IADL 動作の工夫などを確認した。結果、生活の変容と増悪時の対処法を獲得し、退院後2カ月経過
したが再発なく経過している。再発予防のために認知行動療法による介入が疾病管理に対する自発的な気
付きと生活の変化を促す一方法として有用であった。
■A-Ⅰ-5
介護用ミトン装着に対する看護師の意識調査
発表機関:静岡富沢病院
発 表 者:○浅見 真規子 あさみ まきこ(看護師) 吉永 小百合(看護師) 野村 留理(看護師)
藤田 佳美(看護師) 羽根田 洋子(看護師) 三浦 千春(看護師)
演題概要:平成 27 年 10 月看護師を対象にアンケートによる介護用ミトン装着に対する意識調査を行った。その結果、
介護用ミトンを出来れば外したいと考えている人は約 90%いるにもかかわらず、現在介護用ミトン装着患者
は全患者の 21.3%であり、経鼻カテーテル装着患者に至っては 39.3%であった。介護用ミトン装着に抵抗を
持っているにもかかわらず「やむを得ない処置」と考えている人も多かったため、若干の考察を加え今後の
課題と共にここに報告する。
一般演題
■A-Ⅱ-1
セッション A-Ⅱ 座長:秋山尚也(作業療法士)14:10~15:00
4 階 41 会議室
肺癌終末期患者における在宅復帰に向けた理学療法アプローチについて
~起立・移乗の自立により、ADL が拡大した一症例~
発表機関:JA 静岡厚生連 遠州病院
発 表 者:○川嶋 雄哉 かわしま ゆうや(理学療法士) 山下 裕太郎(理学療法士)
演題概要:回復期リハビリテーション病棟において肺癌終末期の患者様を担当させて頂く機会を得た。身体機能や栄
養状態は不良で余命が限られているなか、可能であれば在宅退院したいと本人 HOPE があった。しかし、介
入当初は移乗がほぼ全介助であり臥床傾向であった。そのため、理学療法・作業療法ともに起立・移乗の
介助量軽減を目指し介入した。本症例の認知面は問題なく、易疲労性ではあったが意欲が高かったため、
低負荷高頻度で介入した。その結果、筋力向上は得られなかったが、動作学習と環境調整により起立・移
乗が自立できた。その後、理学療法では歩行練習、作業療法では ADL 練習と訓練を分けて介入することで
車椅子移動やトイレ動作が自立し、病棟での ADL が拡大した。最終的に自立歩行には至らなかったが、家
族の協力と環境・サービス調整にて短期間の自宅退院ができた。本症例の在宅復帰できた要因について考
察を加え報告する。
■A-Ⅱ-2
終末期の作業療法
~新人作業療法士が音楽活動に障害を捧げた事例に関わり、学んだ事~
発表機関:NTT 東日本伊豆病院
発 表 者:○土屋 峻 つちや しゅん(作業療法士)
藤島 健次(医師) 林 沙里(看護師) 鈴木 哲平(理学療法士) 高木 克実(作業療法士)
演題概要:【はじめに】肝臓癌により、終末期を向かえた事例に関わる機会を得た。生涯を捧げた音楽活動を行う事を
チームの一員として支援し、終末期のチームアプローチの重要性を学んだ為、報告する。【症例紹介】80
歳代男性。慢性胆管炎で入院。既往歴に肝臓癌。元音楽教師。【経過】入院時は ADL 自立レベルだったが、
入院 2 ヶ月目に状態悪化し下血。余命 1 ヶ月の宣告あり。1 ヶ月後に事例の誕生日があり、OT・PT は家族
や合唱団の方を集め、誕生会で指揮を行う事を企画。カンファレンスを行い、多職種(MD・Ns)、妻と協働
し事例は誕生会で指揮を行えた。約 1 ヶ月後に永眠。妻より事例の最期に寄り添えた事への感謝の手紙を
頂いた。
【考察】カンファレンスで目標を共有、各スタッフの役割を明確にした事で、家族を含めたチーム
で、事例が大切にしていた音楽活動を行う事ができた。終末期で家族を含めたチームアプローチの重要性
を再確認でき、今後の支援に活かしていく。
■A-Ⅱ-3
心身機能、意欲の低下を呈した高齢患者に対し、
生活行為向上マネジメントのプロセスに沿って包括的な支援を図った事例
発表機関:JA 静岡厚生連 リハビリテーション中伊豆温泉病院
発 表 者:○中川 貴康 なかがわ たかやす(作業療法士)
演題概要: 日本作業療法士協会ガイドライン(2013)によると、生活行為向上マネジメントとは対象者にとって重
要な生活行為の遂行に必要な要素を分析し、計画を立て、実行する一連の手続きであり、作業療法の支援
の手法を指す。
今回、生活行為向上マネジメントのプロセスに沿って、脳梗塞の再発、アルツハイマー型認知症により
心身機能、意欲の低下を呈した高齢患者に作業療法を実施した。作業療法での目標をお墓参りに行くため
の心身機能の維持とし、他職種と目標を共有した。また、一番の問題点であった意欲の低下に対し、カン
ファレンスにて買い物など主体的な活動や声掛けを病棟スタッフへ依頼、小集団でのアプローチを提案、
実施した。各スタッフによる働きかけの結果、他患との集団活動を積極的に行う様子や、歩数計を着けて
自主的に歩行練習を行う様子が見られるようになり、以前に比べて主体的な病棟生活に繋がった。作業療
法の経過を報告する。
■A-Ⅱ-4
「その人らしい生活を取り戻す為の支援として」 ~生活行為向上マネジメント~
発表機関:すずかけヘルスケアホスピタル
発 表 者:○長沼 俊哉 ながぬま しゅんや(作業療法士)
演題概要: 生活行為向上マネジメント(Management tool for daily life performance 以下 MTDLP)とは、ICF に基
づいたアセスメントから活動と参加に焦点を当て、その人らしい生活を取り戻す支援が行うためのツール
である。回復期においても退院後の生活を見据えた目標を立てて介入していくことは重要であると考え使
用したので報告する。
結果、日常生活は独歩自立となり合意目標である『玄関の前にある花壇で家庭菜園ができるようになる』
も達成した。初回評価では実行度と満足度はともに 10 点満点中 5 点であったが、最終確認時では実行度 9
点、満足度 10 点へと向上した。また退院後も花壇で家庭菜園が継続できている。
合意目標に対する家族の理解と支援者としての協力が重要であるとアセスメントし、早期から家族もチ
ームの一員として関わることで、退院後も家族の支援のもとその人らしい生活を継続できたと考えた。
■A-Ⅱ-5 円背患者に対するシーティング
発表機関:JA 静岡厚生連 遠州病院
発 表 者:○山本 紘也 やまもと ひろや(作業療法士)
演題概要:今回,仙骨骨折を受傷し入院したことで生活の質(以下 QOL)と活動量の低下がみられた症例を担当した.
また,既往歴に頚椎症と重度の腰痛があり,重度の円背を呈していた.その為,介入初期には円背により
車椅子座位保持が困難であり,離床が進んでいない状態であった.そこで,先ず作業療法ではシーティン
グを行い,座位姿勢の安定化を図った.座位姿勢が安定したことで,元々の趣味である手芸を座位で行う
ことが可能となり離床に繋がった.QOL の評価では WHO QOL26 を用い,初期評価時には QOL 平均値 2.7 で
あったのに対し,最終評価時には QOL 平均値 3.1 と向上が認められた.今回,シーティングが必要な症例
に対して行ったアプローチについて若干の考察を含め報告する.尚,発表にあたり症例本人に書面にて同
意を得ている.
■A-Ⅱ-6 介護老人保健施設における、認知機能低下を及ぼす因子の検討
発表機関:介護老人保健施設エスコートタウン静清
発 表 者:○荒木照博 あらき てるひろ(理学療法士) 瀧 学(理学療法士)
演題概要: 【目的】介護老人保健施設(以下老健)は医療施設と在宅との中間施設である。認知的身体的機能低下を
きたさず、在宅復帰を促す必要があるが、認知症の増悪により在宅復帰が困難となるケースも実在する。
今回、認知機能低下の予防を目的に、MMSE の点数の低下に関連する因子を検討した。
【方法】対象は老健入所者のうち、3 ヶ月間評価を行った 25 名。移動手段、入所期間、リハ介入回数のそ
れぞれが、MMSE 点数の経時的変化と相関はあるか比較検討を行った。
【結果】移動手段を車椅子にしている利用者の方が歩行実施者よりも、MMSE の点数は優位に低下した。入
所期間との比較では、MMSE の変化に相関はなく、リハ介入数でも優位差は見られなかった。
【まとめ】今回の結果は、車椅子使用者よりも未使用者のほうが認知機能の維持向上はしやすいと言える。
今後、利用者の活動量、運動課題などによっても違いはあるか検討していきたい。
一般演題
■A-Ⅲ-1
セッション A-Ⅲ
座長:美津島隆(医師)15:10~16:10
4 階 41 会議室
脳卒中片麻痺患者に対する麻痺側上肢への介入‐手袋の着脱へのアプローチ‐
発表機関:駿府の杜
発 表 者:○小林 礼乃 こばやし あやの(作業療法士) 串田 雄一郎(作業療法士) 津島 正明(作業療法士)
長谷川 洋平(理学療法士) 岩本 正明(理学療法士) 木村 彰男(リハ医)
演題概要:本症例は 4 年前に脳梗塞を発症し現在、在宅復帰をされ当通所リハビリを利用している 50 代男性である。
ADL は入浴をヘルパーにて行い、その他は自立されている。麻痺は SIAS knee mouth 2、finger fanction
0 であり、感覚は表在・深部ともに重度鈍麻である。
以前より上肢の硬さに対する訴えが強く、ボトックス®を施行した。その後筋緊張が低下したことによ
り随意性が出現し、上衣更衣が行いやすくなった。新たに手袋の着脱に対するニ―ドが生まれ介入を行っ
た。介入前は空間で手袋の着脱を行っていたため、筋緊張が亢進しやすく、指を通す際に難渋していた。
そこで大腿部の上で、前腕回内位にて手袋をはめるように指導を行い、時間が短縮した。筋緊張が上がら
ないよう常に身体に接触させておくように工夫し、本人の遂行しやすさを考慮することによって満足度を
上げることができた。
■A-Ⅲ-2
重度右片麻痺患者に対する反復的部分法を用いた起き上がり動作へのアプローチ
発表機関:静清リハビリテーション病院
発 表 者:○山﨑 直哉 やまざき なおや(理学療法士) 小出 洋孝(理学療法士) 小長谷 信登(作業療法士)
齊藤 和快(理学療法士) 青柳 翔太(作業療法士)
演題概要:日常生活動作獲得を目的にしたリハビリテーションにおいて、残存機能を代償手段として用いた動作学習
を促す必要性がある。今回、高次脳機能障害(失行・保続・注意障害)により起き上がり動作の定着に難渋
した一症例に対して、反復的部分法を用いて介入した。 対象は 75 歳男性、重度左片麻痺(弛緩性)を呈し
た症例。介入方法は、起き上がり動作困難の要因である腹筋群の筋力低下を寝返り動作とプッシュアップ
にて介入した。7 日間実施した結果は、起き上がり動作時間の短縮を認められた。この結果より動作遂行時
間の改善は運動学習により固有感覚のフィードバックを確かめながら遂行する(連合段階)に至ったと推測
された。今後さらに起き上がり動作をあらゆる状況下でも遂行可能とする(自動化段階)為には、動作訓練
方法のさらなる検討が必要であった。
■A-Ⅲ-3
ADL 改善が見込めない重度片麻痺患者の家族への支援
発表機関:静清リハビリテーション病院
発 表 者:○瀧野 このみ たきの このみ(作業療法士) 三須 輝(作業療法士) 小長谷 信登(作業療法士)
演題概要:脳出血により重度片麻痺を呈した患者家族の不安軽減を目標に介入した。症例は 79 歳.男性. 左視床出血
により重度右片麻痺,嚥下障害を呈した。基本動作,ADL 全介助. 在宅介護スコアは 8 点.経過中,全身状態の
不安定さが続き,積極的な介入は困難であった。妻は将来的に在宅介護を希望したが,障害認識は乏しく,介
護に対し不安や拒否的な感情を抱いていた。作業療法介入として,妻への介護指導を実施し,不安軽減を目
標に介入した。妻は介護を通し,家族としての役割の充足を図れた。これにより,妻の介護参加が増え,介護
に対して充足感を得る発言が聞かれるようになった。本症例を通して回復期リハの役割として,治療的介入
だけではなく,患者家族と共に介護負担を共有し,家族が充足感を持てるようなケアがあるのではないかと
考えられた。
■A-Ⅲ-4
くも膜下出血後、注意障害と記憶障害を中心に高次脳機能障害を呈した患者様を
担当して ~日常生活の中で生じたつまずきを振り返り自己認識を促して~
発表機関:静岡リハビリテーション病院
発 表 者:○小野 安咲子 おの あさこ(作業療法士) 岡田 眞紀子(作業療法士)
森 藤慎(理学療法士) 三輪 厚奈(言語聴覚士)
演題概要:今回、くも膜下出血により、ワーキングメモリや注意力の分配性・記憶力が低下した方を担当させて頂い
た。他者からの依頼が覚えられなかったり、他者とのコミュニケーション時に話が食い違う、新しいこと
や複雑なことで混乱しやすいなどのトラブルを日常生活上で生じていた。症例は独居を希望しており、高
次脳機能障害に対する理解が必要であった。高次脳機能障害に対して PCRS(簡易自己認識評価スケール)を
用いて、自己認識を促した事で日常生活行動に対して理解を示したため報告する。
■A-Ⅲ-5
患者としての言語症・歯科医師としての言語症
第3回
発表機関:のせ歯科医院
発 表 者:○能勢 雅光 のせ まさみつ(歯科医師)
演題概要:16年前と6年前の2度、脳内出血をしながらも、何とかリカバリー出来て、仕事、スポーツに復帰した
経験談を、患者目線と歯科医師目線の両面からさせて頂きます。
身体の方は、見た目健常者と変わりなくなりましたが、言語障害(運動性構音障害)はなかなか回復しま
せん。それに対する自己リハビリのお話をいたします。
前々回の中部(静岡)、前回の東部(沼津)での内容のまとめになるかと思います。
患者から見た、リハビリへの取り組み方。
歯科医師から見た、リハビリへの意見。
リハビリテーションに関わる全ての先生方の参考に、少しでもなると良いと思います。
一般演題
セッションB-Ⅰ
座長:小坂幸子(作業療法士) 13:10~14:00
4 階 43+44 会議室
■B-Ⅰ-1 地域リハビリテーション推進事業 <めざせ!藤枝らしい地域包括ケア
~誰もがリハビリテーションの視点を持った地域包括ケアシステムを目指して~>を主催して
発表機関:聖稜リハビリテーション病院
発 表 者:○剣持 拓矢 けんもち たくや(理学療法士) 寺田 佳子(理学療法士) 杉村 三菜美(理学療法士)
小林 大記(理学療法士)河村 明茂(理学療法士)高橋 祐也(作業療法士)
演題概要:平成 27 年度地域リハビリテーション推進事業として、在宅生活を支える方法を模索したいという趣旨の下、
多職種参加型の研修会を実施した。訪問マッサージや福祉業者、訪問入浴などを交えた多職種でのシンポ
ジウム、在宅医療を支える医師の見解、今後を見据えた行政の展望に加え、在宅療養をしている本人や家
族の体験を話して頂いた。この取り組みの大きな意味は、各職種それぞれが考える地域包括ケアシステム
をリハビリテーションの視点で発表し、サービスの取り組み案内や今後の地域連携のきっかけづくりにな
ることである。シンポジウムを通して、リハビリテーション職の市民や他業種に向けた発信が少なく、
「リ
ハビリテーション」という言葉の意味の認識不足、インフォーマルサービスの多様性についての認識不足
が感じられた。今後も「藤枝市訪問リハビリ顔の見える会」を通し、継続的に多職種連携の輪を拡げて行
く取り組みを行いたい。
■B-Ⅰ-2
静岡県理学療法士会
公開講座の活動報告について
~運動で健康を支える街づくりを目指して~
発表機関:JA 静岡厚生連 遠州病院
発 表 者:○山下 裕太郎 やました ゆうたろう(理学療法士)
演題概要:一般社団法人 静岡県理学療法士会は、現在 2,800 名を超える職能団体であり、社会貢献や認知度の向上を
目的とした公益的な活動を行っている。その一環として、毎年県内各地で公開講座を開催している。活動
としては、平成 18 年に第 1 回公開講座が開始され、計 16 回の公開講座が開催された。東西に長く広い静
岡県では、開催地を毎年東部、中部、西部の持ち回りとしている。講座の内容は健康増進や介護予防に関
する講義と運動の実演を中心としおり、自宅でも続けられるよう配慮している。
近年、来場者数は増加傾向であり、アンケートの結果からも健康増進や介護予防に関するニーズは特に高
まっているため、今後も継続的に活動を展開していきたい。
平成 28 年 7 月 17 日(理学療法の日)にもアクトシティ浜松 コングレスセンターにおいて第 19 回公開講
座が開催予定であるため、その内容や今後の展望もふまえ報告を行う。
■B-Ⅰ-3
大腿骨近位部骨折を受傷し、
退院後 1 年及び 3 年経過した症例に対するアンケート実施報告
発表機関:静岡リハビリテーション病院
発 表 者:○池田 亜津未 いけだ あづみ(作業療法士) 松園 温子(理学療法士) 近藤 吏(理学療法士)
北川 真由(理学療法士) 原澤 洋平(理学療法士) 小杉 順子(看護師)長南 希弘子(薬剤師)
演題概要:大腿骨近位部骨折は今後急激な高齢化に伴い患者数が増加すると予想されており、予防することが重要な
課題となっている。当院では 2012 年 10 月より大腿骨近位部骨折受傷者に対して二次骨折を予防するため
のプログラムを開始した。今回はプログラム開始前に大腿骨近位部骨折を受傷し、退院後 1 年と 3 年経過
した症例に対してアンケートを実施した。アンケートの内容は居住環境や転倒の有無、再骨折の有無、移
動能力、介護度などである。退院後 1 年経過した症例と 3 年経過した症例の転倒や再骨折の傾向を比較し、
報告する。
■B-Ⅰ-4
介護予防通所リハ施設における 5 年介護度の推移
発表機関:藤野整形外科医院
発 表 者:○渥美 教介 あつみ きょうすけ(理学療法士) 藤野 圭司(医師)
演題概要:【目的・対象】5 年間の要介護度の推移を調査することを目的に、当院併設の介護予防通所リハ開設当初か
らの全利用者 444 名に対して調査をした。5 年間継続して経過観察可能者は 154 名(平均年齢 84.8 歳)で
あり、初回要支援1102 名。要支援252 名となっている。
【結果】5 年間の要介護度の推移は初回要支援1では、1 年後 73.5%、3 年後 75.5%、5 年後 62.7%が改善・
維持であり、悪化は 24.5%、24.5%、25.5%であった。初回要支援2では、96.2%、86.5%、73.1%が改善・
維持であり、悪化が 3.8%、11.5%、13.5%であった。
【結論】当院の介護予防通所リハにおいて、ロコトレ中心に運動機能の訓練を行っている。その結果、5
年後でも 70%を超える方が改善・維持という結果がでた。ロコトレが今後の介護予防として効果的である
と考えられる。
■B-Ⅰ-5
地域包括ケア病棟患者での経験から感じた今後の課題
発表機関:静岡市立清水病院
発 表 者:○山崎 耀太(理学療法士) 鈴木 留美(理学療法士) 勝又 和也(作業療法士)
小長谷 拓郎(言語聴覚士) 坂元 隆一(医師 ) 永井 清広(作業療法士)
演題概要:当院は静岡市清水区の地域連携基幹病院である。その中の機能の一環として地域包括ケア病棟を有してい
る。地域包括ケア病棟は今年度より稼働を開始している。今回、私は病棟が稼働して少し経った後に急性
期病棟より地域包括ケア病棟へ転棟された患者を経験した。その中では自宅退院を目標として、自宅内の
環境設定、多職種による話し合いやリハビリテーションなどを行った。そこで本症例を通して、当院にお
ける地域包括ケア病棟での流れ・取り組みと感じた今後の課題に関して報告する。
一般演題
■B-Ⅱ-1
セッション B-Ⅱ 座長:泉千花子(言語聴覚士)14:10~15:00
4 階 43+44 会議室
4 年半の口腔ケアの中で
発表機関:清水歯科医師会
発 表 者:○池上 加奈子 いけがみ かなこ(歯科衛生士)
演題概要:4 年半の口腔ケアリハビリに携わっての考察
近年、口腔ケアの重要性が少しずつ浸透し始めています。
ケアを必要とする多くの患者様やご家族からも喜びの声が上がっています。
今回、ケアに関わり、4 年半にわたり、90 代の患者様のケースを挙げ、
① 一見すると遊びに見えてしまうが、実際には口腔内の筋力を落とさない為の口腔周囲筋リハビリにつ
いて。
② 患者様の声を真摯に受け止め、食生活について、他職種連携ができた経緯について。
③ 患者様が自力で口腔ケアを継続した工夫について。
■B-Ⅱ-2
食事場面での作業療法の関わりで覚醒が改善した症例
発表機関:浜松市リハビリテーション病院
発 表 者:○櫻井 智佳子 さくらい ちかこ(作業療法士)
演題概要:60 歳代小脳出血の女性.四肢麻痺で ADL 全介助の症例を担当した。クリッピング術・声門閉鎖術・アキレ
ス腱延長術施行されており、手術前後でヒルトニンも服用していた。症例のニードから,食事へのアプロ
ーチを行う事にした。OT 室での模擬場面では,傾眠傾向や覚醒変動は変わらなかった為、実際の食事場面で
摂食動作訓練を行った。実場面においては,先行期への関わりとして,食物認識を促し,動作に対しては,
ポータブルスプリングバランサーを導入しカフを作製,最小限の介助で自己摂取が可能となった.その結
果,覚醒に改善を認め,摂取量も増加.それに伴い,笑顔が増え,ADL 場面でも協力動作も得られる様にな
った。今回の症例を通して,模擬的な摂食動作の反復練習だけでは限界があると感じた。症例に応じた実際
の食事場面での摂食動作に関わることが非常に重要であり,覚醒状態の改善や QOL 向上に繋がるのではな
いかと考える。
■B-Ⅱ-3 自殺企図により広範囲重症熱傷を呈した症例~食事動作獲得に至るまで~
発表機関:浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション部
発 表 者:○中村 将人 なかむら まさと(作業療法士) 小川 元大(作業療法士)
高梁 大生(理学療法士)
佐野 哲也(作業療法士) 美津島 隆(医師)
演題概要:本症例は、自殺企図により広範囲重症熱傷を呈し、右肘関節離断を余儀なくされた症例である。熱傷
の疼痛や抑うつ傾向により介入当初から意欲低下や訓練拒否がうかがわれた。リハビリ医師、主治医、
看護師、理学療法士と協力し、鎮痛薬や生活リズムの調整を実施した。作業療法では、本人のニーズ
である、食事という作業に焦点を置き介入することで訓練への動機付けになり意欲低下や訓練拒否は
徐々に減少していった。結果として、自助具を利用することで自己にて食事摂取可能となった。また、
食事だけでなく歯磨きに関しても病棟にて可能となり、ADL 拡大につながった。さらに、病棟では離
床時間の増加がみられた。急性期~亜急性期の熱傷のリハビリにおいて機能の向上を目的とする訓練
が主体となるが、ADL 訓練を実施し食事動作獲得できたことは、転院後のリハビリへの良いステップ
になったと考えられる。以下、本症例の食事動作獲得に至った経緯の報告をする。
■B-Ⅱ-4
経鼻経管栄養患者の摂食状況と ADL の関係性の検証
発表機関:浜松市リハビリテーション病院
発 表 者:○松本 茜 まつもと あかね(看護師) 藤島 一郎(医師) 田中 直美(看護師) 白井 洋子( 看護師)
演題概要:当院では嚥下リハビリテーションを積極的に行っている。摂食状況は、患者の ADL にも影響を及ぼしてい
ると思われる。そこで、摂食状況と ADL の関係性を検証した。
対象は、入院時経管栄養をしていた脳血管疾患患者とした。退院時に3食経口摂取のみの群(A 群)と、代
替栄養を必要とした群(B 群)に分け、FIM 点数の変化に差があるかを後方視的に検証した。
A 群は、退院時 Lv8 の患者が多かった。大半が、特別食べにくいものを除いて3食経口摂取できるようにな
ったことが明らかになった。FIM 合計平均値は、明らかに A 群が上昇した。A 群は、B 群に比べて運動・認
知項目共に上昇しており、特に運動項目での上昇が大きかった。
■B-Ⅱ-5
誤嚥性肺炎の予防を目的とした退院時の情報提供の在り方について
~アンケート調査で見る現状と今後の課題~
発表機関:医療法人社団清明会 静岡リハビリテーション病院
発 表 者:○森藤 慎 もりとう しん(理学療法士) 石野 泰央(理学療法士)近藤 吏(理学療法士)
田中 幸平(理学療法士) 清水 綾子(理学療法士) 近藤 記一(理学療法士)
演題概要:誤嚥性肺炎自体は治癒可能な場合と不可能な場合があり、反復と共に重症化すると言われている。当院で
は、誤嚥性肺炎患者や誤嚥性肺炎発症のリスクがある患者に対して、誤嚥性肺炎を予防する目的で体交表・
ポジショニング表を作成し体位管理を行っている。また肺炎が軽快し退院する患者に対しても、必要に応
じてリハサマリーに加え体交表・ポジショニング表を同封している。
しかし、当院を退院した誤嚥性肺炎患者の体交表・ポジショニング表が実際にどの程度活用されている
か不明である。今回、当院から関連施設に退院された誤嚥性肺炎患者に対して体交表・ポジショニング表
が使用され、必要な情報が提供できているのかアンケート調査を実施した。今回の調査を基に今後当院を
退院する患者へのよりよい情報提供の方法を検討・考案したので、その内容について報告する。
■B-Ⅱ-6
在宅に向けた口腔ケア指導とその評価~追跡調査から得たもの~
発表機関:聖稜リハビリテーション病院
発 表 者:○仲野 美沙子 なかの みさこ(看護師) 鈴木 令子(看護師)
演題概要:医療機関に入院している時は、口腔内の汚染が改善されているが、患者が自宅に退院した後、口腔内の清
潔が継続できているか疑問があった。今回経口摂取と経管栄養を併用している ADL 全介助の患者 1 名を対
象に、在宅退院に向けて、介助者にとって在宅での負担感を考慮した、重曹水とスポンジブラシを用いた
口腔ケアと、はちみつ塗布の退院指導を実施した。退院後口腔内の清潔が継続できているか、訪問調査を
行い、退院前の担当者会議の重要性と継続看護の必要性を再認識し、退院指導の有効性を明らかにするこ
とが出来たのでここに報告する。
一般演題
■B-Ⅲ-1
セッション B-Ⅲ
座長:中村真理子(看護師)15:10~16:10
4 階 43+44 会議室
行動・心理症状評価を行うことで家族の介護負担軽減が得られた軽度認知症症例
発表機関:浜松医科大学医学部附属病院
発 表 者:○伊志嶺 文 いしみね あや(言語聴覚士)
松田 俊平(言語聴覚士) 井口 ゆかり(言語聴覚士) 美津島 隆(医師 )
演題概要:【はじめに】術後自宅退院時に行動・心理症状(BPSD)が問題となり、認知機能検査では変化を示さなかっ
たが Neuropsychiatric Inventory(NPI)にて BPSD の変化が明らかとなった症例を経験した。【症例】70
代女性。長男家族と 6 人暮らし。当院にて硬膜動静脈瘻に対する血管塞栓術施行。
【経過】MMSE の得点は術
前 22 点から術後 8 か月まで変化なし。一方、NPI 得点は自宅退院時が 64/120 点であり幻覚や異常行動の問
題が明らかとなったため家族指導を中心に介入した。以降 NPI 得点は 4 ヶ月後 48 点、8 か月後 14 点と徐々
に改善した。【考察】MMSE の得点は変化を示さなかったが、自宅退院後に BPSD が悪化し家族の介護負担が
増加していた。NPI にて BPSD 評価を行うことで自宅生活における問題点を明らかにし、家族にとって負担
となっている点を把握でき、介護負担軽減が可能となったと考えられる
■B-Ⅲ-2
初期集中治療と家族による在宅管理で継続的に改善を認めた
下肢リンパ浮腫の 1 症例
発表機関:浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション部
発 表 者:○高尾 昌資 たかお まさし (理学療法士)下田 亜由美(作業療法士) 蓮井 誠(医師)
美津島 隆(医師)
演題概要:【背景】リンパ浮腫治療の原則は患肢の圧迫であり軽症では弾性着衣、中等症(Ⅱ期~Ⅲ期)では初期集中
治療として多層包帯法(以下:包帯法)による圧迫療法が推奨されている。しかし、圧迫療法はコンプラ
イアンスが得られにくく、初期治療後に悪化する場合がある。【症例】70 歳代女性。27 年前に子宮癌摘出
術を施行、21 年前より左下肢リンパ浮腫出現、今回増悪により疼痛と歩行困難のため入院となった。病期
はⅡ期早期。【経過】入院中は 2 週間の包帯法を PT にて実施。本人・家族に包帯法、スキンケアの知識、
日常生活指導を実施。退院後は家族にて包帯法を継続し、3 週間後に弾性着衣へ移行した。周径は在宅管理
後も減少し続け 8 週間で足背-3 ㎝、足首-6 ㎝、下腿-10.5 ㎝、大腿-9 ㎝減少した。疼痛も軽減し歩行
も可能となった。
【考察】改善の要因として、①集中的な入院治療が出来た、②本人、家族が治療に積極的
で十分な指導が出来たことが考えられた。
■B-Ⅲ-3
回復期リハビリテーション病棟における入院時訪問調査の実施と今後の展望
発表機関:すずかけヘルスケアホスピタル
発 表 者:○坪井 歩 つぼい あゆみ(理学療法士)日吉 高臣(理学療法士) 宮内 良治(理学療法士)
演題概要:当院は回復期リハビリテーション病棟(以下回復期病棟)を 106 床有し、入院開始から退院支援に向けて
取り組みを行っている。回復期病棟では機能改善や在宅復帰を目的にリハビリテーションを実施している。
在宅復帰を目的にするにあたり、当院では回復期病棟開設以来、入院時に家屋情報を当院規定の用紙で、
家族へ作成を依頼して行っていた。平成 26 年の診療報酬改定でリハビリテーション総合実施計画書の作成
に入院時訪問調査加算が追加された。当院においても平成 27 年 5 月から入院時に、より詳細な情報を得る
ため、療法士、看護師での入院時訪問調査を開始した。今回、その効果検証を行うため、入院時訪問調査
の開始から半年間と前年の同期間の FIM と在宅復帰率、在院日数の集計と職員へのアンケート調査を行っ
た。結果として在宅復帰率の向上を認め、職員の入院開始から退院支援を行う意識の変化がみられた。結
果からの考察、今後の展望について報告をする。
■B-Ⅲ-4
OT と Ns の協業による入浴動作への関わり
発表機関:浜松市リハビリテーション病院
発 表 者:○和田 あかね わだ あかね(理学療法士) 植田 正史(作業療法士) 三井 理映子(作業療法士)
演題概要:入浴は座位,起立,移動,移乗,洗体が必要となる複合動作であり,転倒のリスクが高い.退院後は介護保険で
入浴サービスを利用される患者が多いが,一方で自宅入浴を望む患者は少なくない。
当院では入浴への関わりは,看護師(以下 Ns),看護助手が中心で,作業療法(以下 OT)の関わりは,個々に任
されていた.そのため統一した基準が定められておらず,入浴への関わりは少ない状況にあった。また,Ns
からは病棟入浴に対する不安が聞かれていた。そこで,担当する回復期病棟では平成 27 年 2 月より OT と Ns
の合同で入浴評価を開始し 12 月からは再評価も開始した。安全安楽な入浴,統一した介助方法の提案のた
め,評価には統一した評価用紙を用い,再評価では在宅や退院先に合わせた入浴方法の提案を行うことも目
的とした運用が開始されている.OT と Ns が協業し取り組みに至った経緯と今後の課題について報告する。
■B-Ⅲ-5 作業療法士との協働により作成した初回入浴評価表を使用して
発表機関:浜松市リハビリテーション病院
発 表 者:○蓮井 歩美 はすい あゆみ(理学療法士) 藤島 一郎(医師) 渡邊 昌子(看護師)
白井 洋子(看護師)
演題概要: A 病棟では、従来初回入浴評価は看護師、准看護師(以下看護者とする)が実施していた。しかし共通の
評価指標、記録方法がなく、個々の判断で実施していた。統一した方法で実施し、安全・安楽な入浴介助
が行える事を目的に、作業療法士と共同で初回入浴評価表を作成し入浴評価を実施した。実施後アンケー
ト調査を行なった結果、看護者、看護補助者、作業療法士共に、初回入浴評価表の内容は適切だったとい
う回答が得られた。また、OT との初回入浴評価を実施した看護者は、OT との初回入浴評価後、入浴介助の
不安が軽減したという回答が 90%であった。