Bi Partner for Global Leaders ASEAN最新事情講座 ~ベトナムの農業・農業機械~ ベトナム農機産業調査報告 2016年7月28日 株式会社事業革新パートナーズ Bi 目次 1.事業革新パートナーズについて:P3~P6 2.調査報告:P7~P24 ① ② ③ ④ ⑤ ベトナム農業機械調査背景・概要:P7 ベトナム農機市場基本情報:P9 ベトナムの農業機械代理店の実態:P14 ベトナム農業機械メーカーの実態:P19 ベトナム農家の実態:P24 3.今後に向けて:P26~P28 2 Bi 1. 事業革新パートナーズについて / 会社概要 概 要 商号 株式会社 事業革新パートナーズ (Business Innovation Partners Co. Ltd) 設立 2009年4月 / 資本金 4,000万円 代表者 代表取締役社長 茄子川 社員数 20名 (日本オフィス) ミッション 事 業 内 容 ア ク セ ス 仁 世界経営者視点のパートナー | Partner for Global Leaders ①海外展開支援事業(顧客・代理店開拓 / 拠点・合弁会社設立 / 輸出入/ 自治体・業界団体の海外ミッション支援) ②企業コンサルティング事業 (全社組織改革 / 人材育成 / 損益改善プログラム) ③国内・海外 投資事業(プロジェクト投資) 対応言語 所在地 ご連絡先 英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、中国語、フランス語、スペイン語 ポルトガル語、ロシア語 東京都 中央区 日本橋2-1-21 第二東洋ビル5F | TEL: 03-6265-1755 / FAX: 03-6265-1799 HP: 海外事務所 東京駅 徒歩5分 / 日本橋駅 徒歩1分 www.bipc.co.jp / E-mail: [email protected] メキシコ オフィス | グアナファト州 レオン市 「JAPAN BRAND」を海外に!! →農業・農業機械&素形材(金型・鋳造・鍛造等) 3 Bi 1.事業革新パートナーズについて / サービス内容 海外進出度 目的 国内提供 サービス 海外進出の足がかり 海外市場を体験する ・海外展開セミナー ・海外企業訪問 ・海外進出診断 ・視察アレンジ 現地展開の 可能性を探る ・マーケットリストアップ ・市場アンケート調査 ・アドバイス機能 行動を起こす ・経営コンサルティング ・輸出入 代行 (戦略立案~実行) ・海外企業商談会 ・現地法人改善 モニタリング ・海外商談会 海外提供 サービス 経営課題の解決 ・テストマーケティング ・海外展示会訪問 ・現地ヒアリング調査 ・海外個別マッチング ・市場調査レポート ・出張同行(通訳兼) ・海外営業代行 (顧客、調達、代理店、 提携合弁、買収) ・海外展開 コンサルティング (合弁・提携契約, M&A, 工場立上げ, 採用・育成・組織化) 海外進出度合に応じたサービスをお客様のニーズに応じて臨機応変に提供。 海外展開に必要な機能を一貫提供し、事業成果を生み出すまで長期にわたるサ ポートを提供。 4 1.事業革新パートナーズについて / 農業機械分野海外活動 ミャンマー Bi 台湾 • 日本農業機械工業会 ミャンマー 農業機械展示会 ジャパン・ パビリオン企画・運営 • 日本農業機械工業会 ミャンマー 視察ミッション企画・運営 他 • 北海道農業機械工業会 台湾農業機械展示会 出展支援 ベトナム • • • • • • インド 日本農業機械工業会 Agroviet2014 ジャパン・パビリオン企画・運営 日本農業機械工業会 AGROTEX 2015 ジャパン・パビリオン企画・運営 経済産業省ベトナム農業機械調査 個別企業向けベトナム農業機械調査 北上市アジア経済視察(ベトナムの農業関係先の視察等) Vietnam Farm & Food EXPO 2016 日本窓口 他 • 日本農業機械工業会 Agrimach INDIAジャパン・ パビリオン企画・運営 他 タイ • タイ農業機械展示会日本窓口 (SIMA ASEAN Thailand) • 農機メーカータイ工場設立一貫支援 • 農機メーカータイ進出一貫支援 他 インドネシア • インドネシア国際農業テクノロジー展示会日本窓口 他 農業機械の海外展開に向け、ASEAN・アジアだけでなく、幅広い地域へ の展開支援をして参ります。 5 1.事業革新パートナーズについて / 経済産業省ベトナム農業機械調査 【調査内容】 Bi 調査対象地域 調査依頼先:経済産業省産業機械課 「ベトナムにおける農業環境」、「ベトナム政府による農業支援策」、「農業機械に関する売手・買手向け アンケート調査」、「ベトナムにおける日系・現地農業機械メーカーの実態」、「ベトナム農家・精米所等の 実態」等につき、調査対象地域を訪問し、関係者にヒアリングし、報告書に纏める。 政府関係者、農機メーカー、農業機械関連の展示会だけでなく、街はずれの農業機械代理店、田舎の 農家や精米・乾燥所にも足を運び、実態を目で確かめ、報告書を纏めた。 調査にあたり、現地研究機関の協力を仰ぎ、密に連絡を取り合い、報告書を作成した。 精米所視察の様子 農業機械買手・売手向けアンケート調査 現地農機メーカー視察の様子 今後購入したい農業機械 2.7% 6.4% 2.3% 1.7% 0.4% 2.7% 2.7% 3.7% 22.0% 農家視察 11.6% 農機代理店視察 16.4% 12.7% 14.7% トラクター 草刈機 収穫機 精米機 その他 ベトナム語アンケート コンバイン 散布機 選別機 脱穀機 耕うん機 田植機 籾摺り機 乾燥機 農業機械売手向アンケート結果 徹底的に現場に入り込んだ調査を実施。現場の生の声を多数反映した調査報告書を作成。 6 Bi 2.調査報告 / ①ベトナム農機調査概要・背景Ⅰ 今後展開したい国・地域 輸出 ミャンマー 4% タイ 4% 12% 想定する海外展開方法 ベトナム 27% 11% インド インドネシア 45% 中国 11% 北米 15% 27% 44% 進出(生産・販売 拠点の設立など) 欧州 その他 (出典:経産省による農機メー カーへのアンケートをもとに作成) その他 (出典:経産省による農機メー カーへのアンケートをもとに作成) 【調査背景】 農業機械メーカーのベトナム市場への関心の高さ。(上図) ベトナム:農業機械が普及し始めると言われる1人あたりのGDPが2000~2500ドルに到達。 日越間で農業機械化含めた農業発展の活動の活発化(例:日越農業協力中長期ビジョン) 農機メーカーの高い関心に加え、日本の農業機械普及に向け より一層取り組む時が来ている。 7 2.調査報告 / ①ベトナム農機調査概要・背景Ⅱ 【調査内容】 (1)訪問先 • • • • • • 政府関係者(農業農村開発省、商工省等) 専門研究機関(稲研究所、農業ハイテクパーク) 農機メーカー(日系、非日系) 農機代理店 農業関係者(個人農家、農協、精米乾燥所等) 農業関連展示会 (2)調査項目 • • • • • • ベトナムにおける農業環境 政府による農業支援策 農業機械に関するアンケート調査 ベトナムの日系・現地農業機械メーカー ベトナム農家の実態 参考資料(農業関連展示会概要) Bi 【報告内容】 (1)ベトナム農業機械市場基本情報 →ベトナム農業機械化に向けた基本政策 →政府による支援政策・規制 (2)ベトナムの農業機械代理店の実態 →新品・中古代理店の実態 (3)ベトナム農業機械メーカーの実態 →現地農機メーカーの実態 (4)ベトナム農家の実態 →現地農協の実態 →現地個人農家(コントラクター)の実態 この調査報告書にご関心がございましたら、以下のリンクよりダウンロードができますので、ご一読下さい。 http://bipc.co.jp/case/6468.html 8 2.調査報告 / ②ベトナム農機市場基本情報 【農業機械化の現状と目標】 Bi 農業生産の機械化率の現状と2020年の目標[%] 生産工程 耕うん 植え付け 手入れ(ケア) 灌漑 収穫(主にコメ) 乾燥 使用機械 トラクター、耕うん機等 種まき機、田植え機等 枝切機、肥料撒機、散布機等 スプリンクラー等 収穫機、脱穀機、コンバイン等 乾燥機等 年 2013 2020(目標) 80 30 60 90 35 35 95 75 80 95 70 70 (出典:ベトナム農業機械化プランの提案,2014年) 耕うん工程および、灌漑工程の機械化率が既に高い →既存機械のリプレースが期待できる 田植え、収穫工程等は高い機械化率を目標 →機械の新規購入が増える見込 9 Bi 参考 / 紅河デルタ及びメコンデルタの機械化率の現状と目標 紅河デルタ 生産工程 メコンデルタ 機械名 2014現在[%] 耕うん工程 トラクター、耕うん (稲作、畑作 機等 等) 田植え工程、 田植え機、種まき 種まき工程 機 耕うん機、肥料撒 機、枝切機、刈 途中工程 払機、防除機、 盛土機等 収穫工程 コンバイン、収穫 (稲作) 機等 95 15 2020目標[%] 100 生産工程 収穫工程 (稲作) トラクター、耕う ん機等 田植え機、種ま き機 耕うん機、肥料 撒機、枝切機、 刈払機、防除 機、盛土機等 コンバイン、収穫 機等 乾燥工程 乾燥機等 耕うん工程 (稲作) 田植え工程、 種まき工程 70 途中工程 35 30 60 80 機械名 2014現在[%] 2020目標[%] 98 100 40 80 60 85 76 95 46 85 (出典) 3642/QD-BNN-CB Decision of MARD メコンデルタ地域のほうが機械化が進んでいる。 →稲作習慣は直播が主流も、一部育苗の普及も進んでいる。 →機械化は乾燥工程にも期待されている。 紅河デルタ地域は全体的に機械化が遅れており、今後機械普及が進 むと期待できる。(例:田植え機、コンバイン等) 10 2.調査報告 / ②ベトナム農機市場基本情報 【農機の台数】 Bi ベトナム農業機械メーカーの現状 ~SIDEC 2014~ ✪政府の農業機械化方針から2020年までの需要: トラクターは約12万台 コンバインは約1.5万台 収穫機は約5万台 ✪国内生産能力(2012年時点) 耕運、灌漑の機械→計約4.4万台 収穫の機械:約1.5万台 加工・貯蔵:約4000台 例:クボタ社の生産能力 トラクター:約1.5万台 コンバイン:約2000台 ✪ベトナム農機メーカー状況: 約150社存在。うち30社は国営の大手企業 (VEAM,AGRIMECO)。 国内メーカーは、高品質・高性能・適切なコストの製品の製造が未だでき ておらず、市場における農業機械のニーズは大きいと考えられる。 11 2.調査報告 / ②ベトナム農機市場基本情報 【機械購入のための政府支援策】 Bi 農業機械購入のための政府支援策 農業生産改善を着目し、2009年から収穫後の損失を減らすために、農 業全体の支援政策を実施 →首相決定63/2010,65/2011,68/2013 →融資の金利を免除等(※最初の2年間は全額、3年目からは50%分を補償) 地方政府独自の補助金政策:ハナム省、ハノイ、タイビン省等 使用者からの声、支援策の問題点 支援制度の情報が農家まで伝わっていない 支援制度の申請が煩雑で使用できなかった ・ 担保の問題 ・ 国内調達率限定等(※2013年に改訂された) ベトナム農家の収入を考慮すると、支援規模は比較的大きいものの、 政策には課題・問題点が多い。 12 2.調査報告 / ②ベトナム農機市場基本情報 【中古農機の規制】 ベトナムの中古農機輸入規制 Bi 1か月程度後停止。 現在無効! • 左記の通達を停止し、 改訂 • 全中古機械の輸入許可 条件: • 農業機械に関する規制なし • 輸入禁止に関する詳細: →使用期間:5年以上 →輸入禁止の中古部品: エンジン、シャシー、タイヤ等 • 左記の政令を詳細化 • 農業機械輸入禁止の 詳細: 政令 科学技術省 通達 科学技術省 通達 187/2013/NĐ-CP 20/2014/TT-BKHCN 23/2015/TT-BKHCN →使用期間3年以上の機械 →新品比80%以下の品質の機械 →輸入する前に、機械品質証明 書が必要 →使用期間10年以下 →ベトナムQCVN,TCVN,G7国の基準 (安全、省エネ、環境保護)を満たす ベトナム国内メーカーの養成及び環境保護等を目的に規制が厳しくなった一方、農 業機械を含め、ベトナムの産業の競争力がまだ高くなく、国産機械では国内のニーズ を満たせない等の懸念がある。 13 Bi 2.調査報告 / ③ベトナムの農業機械代理店の実態 紅河デルタ・ハノイ近郊の代理店 バクザン省方面 2 1 ホアビン省方面 3 ハイズオン省方面 販売商品:草刈機、耕運機、トラクター、コンバイン等。 ハノイ周辺でも地域により、販売する製品が異なる。 ※ ①耕うん機、刈払機、脱穀機等 ②トラクター、コンバイン、お茶収穫機等 ③コンバイン、エンジン等 これら代理店は総代理店であり、紅河デルタだけでなく西北部へ販売することが多い。 ここ3年、大型製品(トラクター、コンバイン)の売上が急増。 14 Bi 2.調査報告 / ③ベトナムの農業機械代理店の実態 中部高原・ホーチミン近郊・ メコンデルタの代理店 中古農機の流通経路 全般的に中古農機取扱代理店が多い。 南部の港をハブとして、多くの中古機械を日本か ら輸入し、全国に卸・販売。(中部高原・メコン デルタの代理店の多くは、ホーチミン近郊の代理 店から農機を購入している) 一部、中部高原の代理店(中古)では、レン タル・メンテナンスサービスも提供。 農業機械の需要は元々南部の方が高いため、 南部に集中している。 ホーチミン近郊に農機代理店(特に中古) が集積。そこから各地へ流通。 輸入 中古 農機 ホーチミンから各地へ 15 2.調査報告 / ③ベトナムの農業機械代理店の実態 カント―市新品代理店(小型農機取扱) メコンデルタ新品代理店 カント―市新品代理店 Bi ロンアン省新品代理店 日本メーカーのトラクターを扱うメコンデルタの代理店 によれば、45馬力と49馬力のものが多数売れる。 アンケート結果によれば、新品のトラクター・コンバイン を扱っている代理店の年間売上は100万ドルを超え るケースが多い。 メコンデルタでは比較的新品の高馬力の 機械が売れており、代理店の売上も高い。 16 Bi 2.調査報告 / ③ベトナムの農業機械代理店の実態 ホーチミン市近郊中古代理店(完成品) 中古農機代理店入口 (@ロンアン省) 中古農機代理店の農機ストック (@ロンアン省) 在日ベトナム人のエージェントとの 中古農機購入のやり取り ホーチミン市近郊のロンアン省に中古農機代理店が多数存 在。 ホーチミン市の中古農機輸入代理店によれば、中古品を輸入 して、ホーチミンで修理して、各地に売る。日本製は10台中8 台はそのまま、2台は修理すれば売れる。 中古はトラクターがメイン。コンバインは新品での購入が多い が、中古で代理店に入荷すると、すぐに売れる。 日本のエージェントとネットワークを持っている代理店が多い。 ホーチミン近郊では日本の中古農機(主にトラクター)の取扱が豊富。 17 2.調査報告 / ③ベトナムの農業機械代理店の実態 中古農機代理店の修理作業現場の様子 中古代理店(部品関連) 中古農機代理店の部品ストック① 中古農機代理店の部品ストック Bi 中古農機代理店の部品ストック② コンバインの刃物 在越日系農機メーカー:ベトナムでは海賊版の 部品が多数流通。コピーが極めて安い価格で出 回る。 ある代理店によれば、コンバイン用の刃物が良く 売れている。 中古代理店では、農機だけでなく、農機の部品も多数ストッ ク。海賊版が多数流通している点はベトナム進出上の課題。 18 Bi 2.調査報告 / ④ベトナム農業機械メーカーの実態Ⅰ ホーチミン市郊外の農業機械メーカーA社 【倉庫】 【部品加工】 【組立】 【製品】 【コア部品】 取扱い製品:発電機、散布 機、ポンプ等 機能:農業機械の製造、日本 の農機メーカーの代理店。 特徴:コア部品を外国メーカー (日本、イタリア等)から購入。 簡素な部品は、国産若しくは近 隣諸国から輸入。 日本メーカーへの助言:できる 限り直取引をすべき。 コア部品を外国製に頼り、自社で製造・組立を行っている。 19 2.調査報告 / ④ベトナム農業機械メーカーの実態Ⅱ ロンアン省精米機メーカーB社 Bi 【「LAMICO」社のネットワーク】 【カント―市の精米所で使用されている「LAMICO」社の精米機】 【ロンアン省の「LAMICO」社オフィス、工場】 取扱い製品:精米機 拠点:ベトナム全土にサプライチェーン。ベトナム以外の ASEAN各国に代理店・販売実績あり。 特徴:長粒種、短粒種双方に対応。 使用者からの声:不満はほとんどない、故障が少ない、メンテ ナンスに迅速に対応してくれるので良い。 日本企業へのアドバイス:ベトナムの米がどのような米なのか、 理解する必要がある。 現地の作物に適した機械を展開することが重要。 20 Bi 2.調査報告 / ④ベトナム農業機械メーカーの実態Ⅲ ラムドン省農機メーカーC社 【選別機】 【工場】 【盛土機(農家での使用現場)】 【種植機(農家での使用現場)】 取扱い製品:種植機、盛土機、選別機等多数 会社規模:10名程度、年間売上は20万ドル程度(年により異なる) 販売:全国(ハノイ市、ハイビン省、クアンニン省、ハイドン省等多数)、 海外にも輸出。 特徴①:購入後、1年間はメンテナンスを無償で行う契約がある。 特徴②:農家が裕福ではないので、資金回収時期を、農家の収入が 大きくなる収穫期にずらすなどの工夫をしている。 (例:販売5月→資金回収9月) 販路拡大にあたり、低所得の農家に配慮した工夫も必要。 21 2.調査報告 / ④ベトナム農業機械メーカーの実態Ⅳ Bi ラムドン省農機メーカーD社 【工場】 【飼料製造機】 【飼料製造機:お客様と使用方法確認】 【盛土機】 取扱い製品:種植機、盛土機、飼料製造機等多数 会社規模:40名程度(ホーチミン市に支部が存在) 特徴:飼料価格の高騰により、自ら作ったほうが安いので、飼料製造機 が売れている。飼料製造機のニーズが高くなっているが、社員と設備の不 足により、注文に応え切れていない。 特徴:購入後1年間は無償のメンテナンスを提供。一部顧客に対しては 分割払いも認める。 支払方法に柔軟性を持たせつつ、農業を取り巻くトレンド を把握することも販路拡大においては重要。 22 2.調査報告 / ④ベトナム農業機械メーカーの実態Ⅴ ベトナム耕うん機メーカーE社 展示会資料 Bi 取扱い製品:多機能耕うん機等 価格:約600ドル程度 販売網:ベトナム北部・北中部を中心に販売。 全国に約60もの代理店を保有。 特徴①:主に、畑作、サトウキビの生産地で 使用されている。 特徴②:政府の補助を受け、農機を販売。 定価の50%オフ価格で各農家へ販売。 特徴③:ベトナムでは年間5,000台の販売 実績。 政府の補助を受け、農機を販売。販売ネットワークを多数保持。 23 2.調査報告 / ⑤ベトナム農家の実態 【ハノイ市郊外農協】 Bi ハノイ市郊外農協 農協が周囲の農家を巻き込みながら、農機購入し、 作業代行。 →効果的な資金収集により機械利用促進。 名称:ハノイ市郊外農協 業務:コントラクター業務 特徴①:ハノイ周辺の農協の中で もモデルとなる農協。ブランド野菜を 作る取り組みをしている。 特徴②:田植機、トラクター、コン バイン、作業機、乾燥機等を保有。 特徴③:ハノイ市の補助金、農協 メンバーから資金を集めて、農機を 購入。提供資金に応じて、作業料 を徴収。 24 2.調査報告 / ⑤ベトナム農家実態 【メコンデルタ個人農家】 Bi メコンデルタ・農家兼コントラクター 名称:メコンデルタ・コントラクター (個人農家) 業務内容:自身の水田、周辺 の水田(近所、メコンデルタ各 省)の農作業を自身の機械を 用いて代行。 保有機械:田植機、トラクター、 コンバイン(計8台) 裕福な農家が自らの水田及び周囲の水田の作業を代行し、対価を得ることで機械の 投資コストを回収する。 25 Bi 3.今後に向けて / 調査を通じて得られた現状・課題 図1;日本の農業機械に対する評価(件数) 1.現状 164 200 (1)日本製農機の強みと弱み 日本製は現地で「故障の少なさ」、「耐久性」、「使いやすさ」等が評価されている 一方、「高価格」、「メンテナンスの遅さ」を指摘する声が存在(図1)。 現地農家は保有している農業機械(外国製含む)について、「頻繁な故障」。「燃費 の悪さ」、「メンテナンス拠点の少なさ」を問題視(図2)。 (2)日本製農機のセグメンテーション アンケートを基に、日本製農機を4つのグループに分類(図3)。「コンバイン」、 「トラクタ」等が現地の売れ筋製品。 一方で、競合の多さから「耕うん機」、「精米機」、「乾燥機」は苦戦。 (2)金融インフラの整備 ①ベトナム政府に対する日本式農業金融の提言 ②日系リース企業の現地活動の支援 160 158 90 100 78 0 図2:保有している農機の問題点 13% 頻繁な故障 3% 2.今後の方向性 (1)農業機械の低コスト化 ①精度や耐久性を維持した低コスト化 ②国内外の部品・型式共通化 161 燃費の悪さ 40% 19% 企 業 官 民 少ないメンテナンス拠点 25% 使いにくい その他 図3;日本の農業機械のベトナム市場におけるポジション 日本製に対する ニーズ 高 グループA トラクター グループB コンバイン 刈払機 (3)マーケティングの強化 ①農協・コントラクターの育成 ②販売方法の現地化 ③現地カスタマイズの強化 需要高 官 民 防除機 発電機 グループC 需要低 田植機 グループD 乾燥機 耕うん機 選別機 精米機 低 高 価格 26 3.今後に向けて / ベトナム農業機械市場におけるギャップの存在 農業機械売手(日本) 農機メーカー 農機商社 他 高単価な機械 高性能な機械 ギャップ 低単価な機械 ローカライズした機 能を有する機械 高い機械化目標 融資支援策 ベトナム政府 農業機械化支援策 他 Bi 農業機械買手(ベトナム) 農業機械代理店 農家 (賃借屋、コントラクター) 農協 農業法人 精米・乾燥所 他 ギャップ 不十分な機械化支援策 融資不足 (不十分な所得・収入) 各プレイヤー間(農機買手・売手間、農機買手・ベトナム政府間)で お互いが求める要件が一致せず、各プレイヤー間で『ギャップ』が存在。 27 3.今後に向けて / ギャップを埋めるための課題・方策 Bi 日越両政府 ギャップを埋める政策、支援策 (全国レベル) ギャップを埋める政策、支援策 (地方レベル) 農業機械売手(日本) 農機メーカー 農機商社 他 ギャップの解消 他 第3プレイヤー(日越) 農機リース会社 (損害)保険会社 農業研究所 異業種 農業機械買手(ベトナム) 農業機械代理店 農家 (賃借屋、コントラクター) 農協 農業法人 精米・乾燥所 他 ギャップを埋めるために、「農業機械売手」と「農業機械買手」だけでなく、日越の両政 府、売手・買手以外の第3のプレイヤーを絡めた展開も必要。 ベトナムの地方政府との連携も必要。 28 Bi ご不明点・ご要望等ございましたら、ご連絡下さい。 TEL: 03-6265-1755 E-mail:[email protected] 担当:野口、アイン 報告を通じて、皆さまの海外展開に貢献できますと幸いです。 29
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