配列解析 3

生物科学特別講義III
生物学特別講義E
配列解析 3
藤 博幸
BIO
IT
(1)分子系統解析の概要
(2)犯罪捜査への応用
(1)分子系統解析の概要
(2)犯罪捜査への応用
分子系統解析の手続き
(1)  相同配列の収集
系統分類の場合は、オーソロガスな配列を収集
(2)相同配列のマルチプルアラインメントの作成
(3)アラインメントから分子系統樹を構築 分子系統解析の手続き
(1)  相同配列の収集
系統分類の場合は、オーソロガスな配列を収集
例えばBLASTで検索して収集
(2)相同配列のマルチプルアラインメントの作成
例えばma0で構築
(3)アラインメントから分子系統樹を構築 orthologous,ortholog
種分化に伴い分岐
相同
(homologous,homolog)
共通祖先から分岐
paralogous,paralog
遺伝子重複に伴い分岐
種系統樹と遺伝子系統樹
種系統樹(SpeciesTree)
オーソロガスな遺伝子のみ使用
生物の進化的関係を反映
分子系統樹 遺伝子系統樹(GeneTree)
パラロガスな遺伝子もオーソロガスな遺伝子
も混在。遺伝子(タンパク質)の分子進化の
歴史を反映
・系統分類に利用
・オーソログの同定が鍵
系統関係がわかれば同定できる?
種系統樹と遺伝子系統樹 いたちごっこ
種系統樹(SpeciesTree)
オーソロガスな遺伝子のみ使用
生物の進化的関係を反映
分子系統樹 遺伝子系統樹(GeneTree)
パラロガスな遺伝子もオーソロガスな遺伝子
も混在。遺伝子(タンパク質)の分子進化の
歴史を反映
枝の先(葉)に生物種などが配置される
枝の長さは生物種間の何らかの「形質」の違いを反映した量を
表す(形態の差異、遺伝子の有無、遺伝子中の塩基置換など)
もし、それらの違いが時間と共に増大するならば、枝の長さは近
似的に時間に比例
有根樹(Rootedtree)の表現例
枝(branch,edge)
葉(leaf,node)
根(root)
過去
現在
なお、系統樹に含まれる操作単位(生物、遺伝子)を OTU(Opera*onalTaxonomicUnit)とよぶ。
有根樹と無根樹
有根樹
(Rootedtree)
無根樹
(Unrootedtree)
Edge(枝) Node 節 (Internalnode、内部節)
(Externalnode、外部節=leaf=葉)
有根樹と無根樹
有根樹
(Rootedtree)
無根樹
(Unrootedtree)
Node 節 (Internalnode、内部節)
(Externalnode、外部節=leaf=葉)
有根樹と無根樹
有根樹
(Rootedtree)
無根樹
(Unrootedtree)
Node 節(Externalnode、外部節=leaf=葉)
主な分子系統樹推定法
(1)距離行列法
(2)形質状態法
"最節約法(Maximum Parsimony Method)
"統計的方法
○最尤法(Maximum Likelihood Method)
○ベイズ法
分子系統解析では、系統樹は無根系統樹として作成される。
根の導入は、外群(outgroup)を用いてなされる
進化速度の一定性が成立する場合(=分子時計が成立して
いる場合)を除き、注目するグループの根を決められない
多くの場合、分子時計の一定性は仮定できない
外群の利用
研究対象である群:内群(ingroup)
内群に対して遠い関係であることがわかっているもの:外群(outgroup),
外群を含めて系統樹を構築
全体としては無根系統樹だが、内群の根(root)を決めることができる。
今、種1~4(哺乳類)の系統関係を調べたい
根を導入するために種5(爬虫類)を外群として導入
種5
種1
内群の根
種2
種3
種4
最尤法・ベイズ推定プログラム
PHYLIP (hMp://evoluQon.geneQcs.washington.edu/phyli.html)
最尤法、最節約法、距離行列法など
PAUP* (hMp://paup.csit.fsu.edu)
最尤法、最節約法、距離行列法など
Molphy (hMp://bioweb.pasteur.fr/seqanal/interfaces/prot.nucml.html)
最尤法
RAxML (hMp://sco.h-its.org/exelixis/web/soZware/raxml/index.html)
最尤法
MEGA (hMp://www.megasoZware.net)
最尤法
MrBayes (hMp://mrbayes.csit.fsu.edu/index.php)
ベイズ推定 を導入した系統樹推定
(1)分子系統解析の概要
(2)犯罪捜査への応用
ルイジアナ州 ラファイエット
MariaJones(20) ♀
RobertWhite(34) ♂
看護師
既婚
消化器科の医者
既婚
いわゆる
W不倫
離婚
妻と離婚することを
約束するが守らない
MariaJones(20) ♀
RobertWhite(34) ♂
看護師
消化器科の医者
既婚
10年間つきあったが、
ついに別れることを決心
1994年7月
・妻と離婚することを
約束するが守らない
・異常に嫉妬深く、支配的
(Mariaが他の男性を見た
だけで、彼らを殺すなどと
いう)
MariaJones(20) ♀
RobertWhite(34) ♂
看護師
消化器科の医者
既婚
関係が悪化する前、
定期的にビタミンB12
の注射をしていた
1994年8月 深夜にMariaが息子とベッドで眠っている所に
Robertがやってきて、もう一度注射をしたいという
Mairaは疲れており、深夜であることから断ったが、注射されてしまう
Mairaは、何かがおかしいと感じた。これまで感じたことのない強い
痛みを覚えた。
2週間後、Mairaのリンパ節が腫れ上がった
(ウイルス感染を意味する)
12月の定期検診で、HIV陽性、HCV陽性
であることが判明
MairaはRobertを疑い、1995年1月に警察に訴えた
当初、警察はMairaの訴えをまじめに捉えていなかった
しかし、
(1)  1984–1995の期間にMariaが関係を持った男性は
全員HIV陰性であった
(2)Mairaについて問い合わせた時に、Robertは嘘をついていた
(3)Robertの患者の記録の中に、8月初頭に2つの血液サンプルが
とられているにも関わらず、適切な検査記録がないものがある
ことを警察が見つけた。
血液サンプルの一方はAIDS患者からのもので、他方はC型肝炎
の患者からのものであった。2人の患者はRobertから研究のため
に血液サンプルが欲しいといわれ、提供していた。
Robertの注射によって、MariaはHIVとHCVに感染した
可能性が高い
しかし、検察はMairaのHIVが、他の人から感染した
のではなく、Robertの患者のサンプルに由来すると
いう確固とした証拠を必要とした
(1)Mariaから分離したHIV,
(2)Robertの患者から分離したHIV,
(3)同じ地域の他のAIDS患者から分離したHIV
で分子系統解析が行われた
配列データの入手法については、今回の資料の最後に
書いてある。
今回のデータは既に論文になっており、NCBIから
入手可能
今回は、ma0で作成したアラインメントデータ(hivpol.aln)を用いて、
系統樹を構築する。
P1.BCM.RT
P4.BCM.RT
P7.BCM.RT
P3.MIC.RT
P5.MIC.RT
P2.BCM.RT
P1.MIC.RT
P2.MIC.RT
P3.BCM.RT
P5.BCM.RT
V1.BCM.RT
V2.BCM.RT
P6.MIC.RT
V1.MIC.RT
V2.MIC.RT
P4.MIC.RT
P6.BCM.RT
LA04.RT
LA21.RT
LA24.RT
LA31.RT
LA10.RT
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattagagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctgttgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
ttaaattttcccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccataagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccattagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccattagtcctattgraactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccattagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccattagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
---------cccattagtcctattgaaactgtaccagtaaaattaaagccagga
準備したファイルでは、配列の名前を短くしてあります。
Vで始まる名前 vicQm=Mariaから分離されたHIVのRT
Pで始まる名前 paQent=Robertの患者から分離されたHIVのRT
LAで始まる名前 LafeyeMeで生活するAIDS患者から分離された
HIVのRT
RT=ReverseTranscriptase逆転写酵素
得られたアラインメントを使ってMEGAで系統樹を作成
(1)  MEGAを起動してma0で作成したアラインメントの読み込み
(2)  MEGA形式へのデータの変換
(3)  モデル選択
(4)  近隣結合法による系統樹の構築
得られたアラインメントを使ってMEGAで系統樹を作成
(1)  MEGAを起動してma0で作成したアラインメントの読み込み
(2)  MEGA形式へのデータの変換
(3)  モデル選択
(4)  近隣結合法による系統樹の構築
MEGAの起動
②下部ウィンドウに
MEGAと入力
① 左下のスタートをクリック
③MEGAのアイコンが出てくる
ので、クリックして起動
起動画面 左上に注目
メニューバーのFileを
クリック
OpenAFile/Sessionを選択
ファイル選択のウィンドウが表示される
前ページのファイル選択ウィンドウを拡大したもの
スクロールバーで表示位置を変更しながら
ファイルを探して選択
ファイルがおかれているフォルダを選択してクリック
①
②
③
ファイルを選択すると、Filenameウィンドウ
にファイル名が現れる
この状態でOpenをクリック
アラインメントを表示するウィンドウが表意される
得られたアラインメントを使ってMEGAで系統樹を作成
(1)  MEGAを起動してma0で作成したアラインメントの読み込み
(2)  MEGA形式へのデータの変換
(3)  モデル選択
(4)  近隣結合法による系統樹の構築
UQliQesをクリック
アラインメントを表示するウィンドウが表意される
ConverttoMEGAFormatを選択
OKをクリック
MEGA形式のデータを保存するファイル名を入力するウィンドウが開く
*の部分を書き換える。拡張子(.meg)は変更してはいけない
前ページのファイル名入力ウィンドウを拡大
ファイル名を*から書き換える
変換が終了したことを示すメッセージ。OKをクリック
MEGA形式に変換されたアラインメントが表示される
得られたアラインメントを使ってMEGAで系統樹を作成
(1)  MEGAを起動してma0で作成したアラインメントの読み込み
(2)  MEGA形式へのデータの変換
(3)  モデル選択
(4)  近隣結合法による系統樹の構築
進化モデル=塩基置換のパターン
(タンパク質の場合はアミノ酸置換のパターン)
Jukes-Cantorモデル (JC69) 全ての塩基置換が同じ速度
$−3λ λ
λ
λ '
&
)
λ
−3
λ
λ
λ
)
Q = [qij ] = &
& λ
λ −3λ λ )
&
)
λ
λ
λ
−3
λ
%
(
€
Kimuraの2パラメータモデル(K80)
TCAG
T
C
A
G
%−(α + 2β )
(
α
β
β
'
*
α
−
α
+
2
β
β
β
(
)
'
*
'
*
β
β
−(α + 2β )
α
'
*
β
β
α
−(α + 2β ))
&
トランジションの置換速度
トランスバージョンの置換速度
€
α
β
K80モデル
トランジション
ピリミジン間 (T<-->C)の置換
プリン間 (A<-->G)の置換
トランスバージョン
プリン、ピリミジン間 (T、C<-->A,G)の置換
トランジションは、トランスバージョンより高い速度で生じている
を考慮したモデル
T
C
A
G
JC69
T
C
A
G
K80
TN93
&−(α1π C + βπ R )
)
α1π C
βπ A
βπ G
(
+
α1π T
−(α1π T + βπ R )
βπ A
βπ G
(
+
Q=
(
+
βπ T
βπ C
−(α 2 π G + βπ Y )
α2π G
(
+
βπ T
βπ C
α2π A
−(α 2 π A + βπ Y )*
'
ここで、
πY = πT + πC
πR = πA + πG
ピリミジンの頻度
プリンの頻度
α1
T
C
β
A
G
α2
TN93の特殊なケース
HKY85
F84
TN93
α1 = α 2 = α
あるいは κ 1 = κ 2 = κ
α1 = (1+ κ / π Y )β, α 2 = (1+ κ / π R )β,
€ パラメータが1つ減る
€
F81
€
α1 = α 2 = β
配列間距離の推定のため、与えられたアラインメントに
もっとも適したモデルを選択する
モデル:塩基置換の生じ方を記述
複雑なモデルが、必ずしもて最適なモデルではない
① Modelsをクリック
②FindBestDNA.ProteinModels(ML)
をクリック
現在acQveばファイル(=hivpol.meg)を使用するかを
聞いてくるウィンドウが開く
Yesをクリック
モデル選択の計算のオプション確認のウィンドウが開く
黄色の部分が
AutomaQc
NucleoQde
CompletedeleQon
になっていることを確認して、Computeをクリック
計算経過を示すウィンドウが開く
結果画面出力
行がモデル
列に情報量基準とパラメータが書かれている
BIC,AICc:情報量基準
この表がBICでソートされている
情報量は小さい方が良い
lnL:対数尤度
大きい方が良い
BIC最小のT92+Gモデルを今回使用することにする
このウィンドウは閉じる
得られたアラインメントを使ってMEGAで系統樹を作成
(1)  MEGAを起動してma0で作成したアラインメントの読み込み
(2)  MEGA形式へのデータの変換
(3)  モデル選択
(4)  近隣結合法による系統樹の構築とbootstrap解析
① Phylogenyをクリックし
プルダウンメニューから
②
Construct/TestNeighbor-JoiningTree…
を選択
現在acQveなファイル(=hivpol.meg)を使用するかを
問い合せるウィンドウが開くので、Yesをクリック
計算の設定を問い合わせるウィンドウが開く
黄色の部分が変更可能
Bootstrap法
デフォルトのリサンプリング回数
は500で、右端をクリックした時に
現れる上下の矢印の上向矢印をクリックし
1000にする。
ブートストラップ法
(bootstrap)
VicQm(Maria)から単離された
HIVは、Robertの患者から
単離されたHIVに近縁
(ただし、bootstrapsupport
(bootstrapprobabilityともよぶ)
小さい) ブートスラップサンプル1
.
.
.
ブートスラップサンプル1000
系統樹1
系統樹1000
例えば、1000個のブートストラップサンプルから作られた
系統樹の中で、ヒト、チンパジー、ボノボがクラスターを
形成している回数が994回であれば、99.4%をブートストラップ
サポートをオリジナルの系統樹にマッピングする。
Model/Methodは、デフォルトはNo.ofdifferencesになっている
モデル選択の結果に従い、T92+Gに変更する。
Tamura3-parameterモデルは1992に提案されており、
これがT92に相当すると考えられるので、これを選択。
Tamuraの3パラメータを選択すると
RatesamongSitesでは、Gamma
Distributedが自動的に選択される
これがモデル選択の+Gの部分
Computeをクリックして計算
計算の進行状況を
示すウィンドウが表示
計算が終わると
系統樹が別の
ウィンドウに表示
される。
VicQm(Maria)から単離された
HIVは、Robertの患者から
単離されたHIVに近縁
(ただし、bootstrapsupport
(bootstrapprobabilityともよぶ)
小さい) デフォルトではOriginalTreeが表示されている
Bootstrapconsensustreeのタブを選択
1000回のbootstrapサンプル
のそれぞれについて構築された
系統樹のコンセンサスが
示される。
系統樹の枝振り(トポロジー)
についてのみコンセンサス
が示されており、枝の長さには
意味はない。
コンセンサスでもVicQm由来HIV
はPaQent由来HIVに近い
再び、Originaltreeタブを選択
① Originaltreeタブを選択し
オリジナルの系統樹を
表示
② メニューバーのFileを
クリック
③ ExportCurrentTree(Newick)
を選択
Newick形式のデータを
保存するファイル名を
聞いてくるので、
Hivpol.nwkとファイル名を
指定してSaveをクリック
hivpol.nwkをメモ帳で開く
(((((((((((((((V1.MIC.RT:0.00183356,V2.MIC.RT:-0.00005991)0.8910:0.00358471,P6\
.MIC.RT:-0.00000974)0.1770:0.00000487,V1.BCM.RT:-0.00000487)0.1240:0.00000487,P\
5.BCM.RT:-0.00000487)0.1580:0.00000487,V2.BCM.RT:-0.00000649)0.6510:0.00179596,\
P6.BCM.RT:-0.00002443)0.2560:0.00047535,(P3.MIC.RT:0.00247068,(P5.MIC.RT:0.0001\
0360,(P4.BCM.RT:-0.00001486,(P1.BCM.RT:0.00180051,P7.BCM.RT:-0.00002890)0.3290:\
0.00001486)0.6290:0.00167160)0.3700:0.00110497)0.1450:0.00042271)0.1300:0.00012\
758,(P2.MIC.RT:0.00692434,(P3.BCM.RT:0.00000000,P4.MIC.RT:0.00000000)0.3170:0.0\
0022865)0.3800:0.00123392)0.2950:0.00120878,P2.BCM.RT:0.00151719)0.1530:0.00021\
449,LA32.RT:0.00555837)0.1380:0.00004296,(LA08.RT:0.00517567,LA05.RT:0.01117874\
)0.4190:0.00175445)0.2030:0.00101235,P1.MIC.RT:0.00223222)0.3350:0.00231784,LA1\
8.RT:0.00719763)0.0810:0.00037487,((((LA29.RT:0.01283766,LA06.RT:0.00724592)0.3\
080:0.00136025,LA12.RT:0.00407447)0.1500:0.00100562,(LA28.RT:0.01213187,LA07.RT\
:0.00795380)0.5010:0.00248453)0.0890:0.00048663,((LA10.RT:0.00771152,LA23.RT:0.\
01441878)0.4210:0.00234077,((((LA04.RT:0.00992803,LA25.RT:0.01196780)0.2190:0.0\
0075079,LA27.RT:0.00367005)0.1520:0.00156941,(LA22.RT:0.01275031,LA30.RT:0.0111\
6664)0.2420:0.00081036)0.0260:0.00057137,((LA17.RT:0.00971516,LA13.RT:0.0103715\
9)0.5080:0.00308458,(LA31.RT:0.00767816,(LA14.RT:0.01046118,(LA21.RT:0.00708465\
,LA24.RT:0.00192401)0.8140:0.00438466)0.2290:0.00054839)0.1320:0.00076469)0.146\
0:0.00116298)0.0090:0.00046111)0.0210:0.00077806)0.0200:0.00022654)0.1420:0.001\
01897,LA16.RT:0.00625876)0.5290:0.00018712,(LA26.RT:0.00566221,LA02.RT:0.016280\
61)0.5290:0.00268962);
Newick形式とは、系統樹の情報を、テキストとして記述したもの
系統樹のNewickフォーマット
Newickフォーマット
hMp://en.wikipedia.org/wiki/Newick_format より
(A,B,(C,D)); leaf nodes are named
(A,B,(C,D)E)F; all nodes are named
(A:0.1,B:0.2,(C:0.3,D:0.4):0.5); distances and leaf names (popular)
(A:0.1,B:0.2,(C:0.3,D:0.4)E:0.5)F; distances and all names
Newickフォーマットの表記は一意ではない
(C:0.3, D:0.4, (A:0.1, B:0.2):0.5);
テキスト形式による系統樹の記述-Newickformat
1
2
3
4
5
((1,2),(3,4),5);
NewickFormatによる系統樹表記は1通りに決まらない
3
1
4
2
5
((1,2),(4,5),3);
(((1,2),3),4,5);
(1,((4,5),3),2);
…
この系統樹は、たとえば左のような
複数の表記が可能である
枝の長さの情報を付加した NewickFormatによる
系統樹表記
3
1
2.0
2
1.0
3.0
2.0
3.0
4
2.0
4.0
5
((1:2.0,2:1.0):2.0,3:3.0,(4:2.0,5:4.0):3.0);
枝の長さの情報とBootstrapサポートを付加した
NewickFormatによる系統樹表記
3
1
3.0
2.0
2.0 90(%)
1.0
3.0
60(%)
2
4
2.0
4.0
5
((1:2.0,2:1.0)60:2.0,3:3.0,(4:2.0,5:4.0)90:3.0);
1998年、RobertWhiteは二級殺人について有罪判決
をうけ現在50年の禁固刑に服している
合衆国の法廷ではじめて分子系統解析が利用された
のがこの事件
参考文献
Samuelsson,T.(2012) “GenomicsandBioinformaQcs
-  AnIntroducQontoProgrammingTools-“
CambridgeUnivPress 分子系統樹の機能予測への応用
- 系統樹を読む-
Class A GPCR bovine rhodopsinの構造�
GPCRs
MonomerfuncQon
PepQdes
Amines
Nucleicacids
Couplingwith
trimericG-protein
ConformaQon
change
Secondary
messenger
β
α
G-protein
acQvaQon
γ
GPCRs
•  Membraneproteins
•  Bind neurotransmiMers (physiologically
acQve pepQdes, amines, nucleic acids,
etc).
•  Ligand binding to GPCRs causes their
conformaQonchanges.
•  It leads to several signal transducQons
conjugatedwithtrimericG-proteins.
GPCRs
•  About1000genesinhumangenome
•  Targetfor~45%ofclinicallymarketeddrugs
•  Dividedinto5classesbasedonsequencesimilarity
(ClassA-E,theother)
•  AtomicallyresolvedstructureinclassAGPCR:
BovineRhodopsin
オルファクトリー受容体
プロスタグランジン受容体
カンナビノイド受容体
アデノシン受容体
オプシン
アミン受容体
ペプチド性リガンド受容体
分子系統解析の利用�
エンドセリン受容体アンタゴニスト
�の設計への分子系統樹の利用�
Th. Fruhetal.Bioorganic & Medical Chemistry Lett. 6, 2323 (1996).
endothelin : ET
・血管内皮細胞により産生され、強力な血管収縮活性を示す
・21a.a.
・3種類のアイソフォーム<ET-1,2,3>
標的ETreceptorを介してホスホリパーゼCの活性化、
カルシウムチャンネルの開口など の細胞内シグナル伝達に関与
endothelin receptor
・7回膜貫通型のG蛋白質共役型受容体(GPCR)
・3種類<ETA,ETB,(ETC)>
ETA・・・ET-1,ET-2への親和性高、ET-3への親和性低(Gαq,Gαs)
ETB・・・ET-1,ET-2,ET-3への親和性同程度 (Gαq,Gαi)
(ETC・・・ET-3への親和性高)
Gly scanによる受容体結合部位の探索�
IRL1722: Gly scanに基づきTyr-Pheをミミックした分子
�����
H
N
O
N
H
IRL 1722
Ki (ETB) = 16µM
COOH
バソプレッシン受容体
ニューロペプチド Y
受容体
タキキニン受容体
エンドセリン受容体
ヒト
サブスタンスP
受容体�
ゴナドトロピン放出ホルモン
受容体
ヒトエンドセリンA受容体�
ヒトエンドセリンB受容体�
ニューロメジン受容体
ガストリン放出ペプチド受容体
ボンベシン受容体
ガストリン
受容体
ニューロテンシン
受容体
ソマトスタチン
受容体
PAF 受容体
走化性ペプチド受容体
アンジオテンシン
受容体
IL-8受容体
ブラジキニン受容体
スロンビン受容体
Substance P receptor のアンタゴニスト140種類
�
(Chibacompound)
ランダムスクリーニング�
3種類エンドセリン受容体に結合するものを選択
�������Ki = 5 ~ 20 µM
CGP49941: Substance P 受容体アンタゴニスト
������
H
N
O
N
O
N
H
CGP 49941
Ki (ETB) = 5µM
H
N
H
N
O
N
H
O
COOH
N
O
N
H
IRL 1722
Ki (ETB) = 16µM
CGP 49941
Ki (ETB) = 5µM
H
N
O
O
N
N
H
COOH
IRL 1841
Ki (ETB) = 36nM
H
N
O
N
O
N
H
COOH
IRL 2500
Ki (ETB) = 1nM
エイコサノイド受容体の分子進化�
エイコサノイド�(eicosanoid)
・アラキドン酸に由来する生理活性物質の総称
��プロスタグランジン、トロンボキサン、
��ロイコトリエン、リポキシンなど
・オータコイド(局所ホルモン)として作用
��・GPCRを介して作用するもの
��・核内受容体を介して作用するもの�
CopyrightH.Toh(2010)
103
アラキドン酸カスケード�
CopyrightH.Toh(2010)
104
シクロオキシゲナーゼ・パスウェイ:PG、TX産生�
CopyrightH.Toh(2010)
105
オルファクトリー受容体
プロスタグランジン受容体
カンナビノイド受容体
アデノシン受容体
オプシン
アミン受容体
ペプチド性リガンド受容体
CopyrightH.Toh(2010)
106
PG受容体及びTX受容体の分子系統樹�
HUMAN
RAT
MOUSE
HUMAN
MOUSE
PGE2 receptor
(EP2)
Gs
PGD2 receptor
Gs
HUMAN
BOVIN
MOUSE
RAT
HUMAN
RABBIT
MOUSE
RAT
HUMAN
MOUSE
RAT
HUMAN
BOVINE
SHEEP
MOUSE
RAT
RABBIT
MOUSE
RAT
HUMAN
PIG
0.1
BOVINE
BOVINE
MOUSE
RAT
GUINEA PIG
PGI2 receptor
Gs/Gq
PGE2 receptor
(EP4)
Gs
PGE2 receptor
(EP1)
?
アデニル酸シクラーゼ
活性化
2+
Ca 動員
PGF2α receptor
Gq/Gi
PGE2 receptor
(EP3)
Gi
アデニル酸シクラーゼ
抑制
TXA2 receptor
Gq/Gi
Ca 動員
2+
HUMAN
CopyrightH.Toh(2010)
107
オーファン受容体
内在性リガンドが不明の受容体
deorhanizaQon:
内在性リガンドを同定すること
その受容体が創薬ターゲットとして有効か否かを調べるのに必要
Deorphanization with Molecular Phylogenetic Tree
(1)  Szekeres et al. (2000) J. Biol. Chem. 275, 20247-20250
オーファン受容体 FM3のligandがペプチドである事を
�分子系統解析により予測
(2) Chambers et al. (2000) J. Biol. Chem. 275, 10767-10771.
� KIAA0011を含むオーファン受容体のリガンドが、
�ヌクレオチドの修飾体であることを、分子系統解析より予測
(3) Zhu et al. (2001) Mol. Pharmacol. 59, 434-441.
オーファン受容体AXOR35が新規のヒスタミン受容体である
�ことを、H3ヒスタミン受容体との類似性がら推測�
�
- 新規cryptochromeのサブファミリーDASHの同定 -
光回復酵素・クリプトクローム タンパク質ファミリー
(photolyase / cryptochrome protein family)
◎ 光回復酵素
紫外線によって生じた損傷 DNA を
可視光線を利用して回復する酵素
●
●
CPD (cyclobutane pyrimidine dimer) photolyase
(6-4) photolyase
◎ クリプトクローム
●
植物 CRY
青色光を初期発生、成長制御のシグナルとして受容。
光回復酵素活性はなし。
●
動物 CRY
・概日リズムの光受容体(ハエ)
・体内時計:
�時計遺伝子発現の制御因子(マウス)�
A
T
T
G
C
A
T
T
G
C
animal CRY &
(6-4) phtolyase
Plant CRY
光回復酵素・
クリプトクローム
タンパク質ファミリー
進化系統樹
Class I CPD photolyase
Class II CPD photolyase
�・synechocystis(ラン藻)
�����原核生物でありながら完全な光合成システムを所有。�
��
��
��→ type I CPD photolyase の存在。
�� → 新たに ゲノムから このファミリーの配列が検出 (pir:S74805)
�������ゲノムのアノテーション:配列の類似性より DNA photolyase
機能・・?�
�
�����光回復酵素 ?
原核生物・初のクリプトクローム ?�
◎ pir:S74805 CryDASH
・分子進化系統樹から
動物のクリプトクロームと近縁。
他種真正細菌、植物の配列と共に新しいクラスタを形成。
・生化学実験から
�1.機能
光回復酵素活性:無
DNA 結合能� :有
�
�2.マイクロアレイ
数種の遺伝子の発現制御に関係
�
・X線結晶構造解析から
Class I CPD photolyase と全体構造が類似
�
Identification of a new cryptochrome class. Structure, function, and evolution.
Brudler R, Hitomi K, Daiyasu H, Toh H, Kucho K, Ishiura M, Kanehisa M,
Roberts VA, Todo T, Tainer JA, Getzoff ED. Mol Cell. 2003 11(1), 59-67
animal CRY &
(6-4) phtolyase
Plant CRY
光回復酵素・
クリプトクローム
タンパク質ファミリー
進化系統樹
Class I CPD photolyase
Class II CPD photolyase
MEGAによるNJ法での分子系統樹構築
モデル選択のモデルとは何か
距離の最尤推定とは何か
bootstrapsupport (bootstrapprobability)とは何か?
Newick形式とは何か?
系統樹に情報をマッピングして読む