第 66 回税理士試験 解答速報 固定資産税 本解答は平成 28 年 8 月 12 日 16 時に学校法人大原学園が独自に作成したもので、予告なしに内容を変更する場合が あります。また、本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成/提供しており、試験機関による本試験の結果等につい て保証するものではありません。 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します。無断転用・転載を禁じます。 本試験模範解答 固定資産税 〔第一問〕 問1 〔1〕住宅用地に対する課税標準の特例 (1) 宅地のうち住宅用地については、住宅政策上の見地から次のような課税標準の特例が認められている。 小規模住宅用地 … 価格の6分の1 一般住宅用地 … 価格の3分の1 なお、住宅用地とは、専用住宅又は併用住宅の敷地の用に供されている土地(空家等対策の推進に関する 特別措置法により所有者等に対し勧告がされた特定空家等の敷地の用に供されている土地を除く。 )をいう。 (5点) (2) 住宅用地の認定及び小規模住宅用地の認定 ① 住宅用地の面積 専用住宅の敷地の用に供されている土地については、床面積の10倍を限度として算定された面積が住宅用 地の面積となるが、併用住宅の敷地の用に供されている土地については、床面積の10倍を限度として算定さ れた面積に、居住部分の割合に応じた率を乗じて得た数値が住宅用地の面積となる。 (2点) ② 宅地の区分 (イ) 小規模住宅用地 イ 住宅用地の面積が200㎡以下の場合には、住宅用地のすべてが小規模住宅用地となる。 ○ ロ 住宅用地の面積が200㎡を超える場合には、1住居あたりの住宅用地の面積を算定し、その面積が200 ○ ㎡以下の場合には住宅用地のすべてが小規模住宅用地となり、その面積が200㎡を超える場合には、200 ㎡×住居の数が小規模住宅用地となる。 (2点) (ロ) 一般住宅用地 住宅用地の面積から小規模住宅用地の面積を控除した数値が一般住宅用地の面積となる。 (1点) 〔2〕住宅用地が同一の者によって所有されていない場合 数筆の土地にわたり1戸の住宅が存するなど数筆の土地が一体として利用されているような場合には、その数 筆(一画地)をもって住宅の敷地の用に供されている土地と認定され、当該一画地について住宅用地の課税標準 の特例が適用されることとなる。 しかし、固定資産税は所有者ごとに課税されるものであるため、住宅の敷地が同一の者によって所有されてお らず、かつ、宅地の区分が2以上に分かれる場合における各所有者ごとの住宅用地部分及び小規模住宅用地部分 は、それぞれ以下のように帰属させることとなる。 (2点) (1) 住宅用地が同一の者によって所有されていない場合の取扱い 各人が所有する土地に係 一画地に係る = る住宅用地の面積 × 住宅用地の面積 各人が所有する土地の面積 当該土地の総面積 (1点) (2) 小規模住宅用地が同一の者によって所有されていない場合の取扱い 各 所 有 者 に 係 る 一画地に係る小規模住 × = 小規模住宅用地の面積 〔3〕別荘の取扱い 宅 用 地 の 面 積 各人が所有する住宅用地の面積 一画地に係る住宅用地の面積 (1点) 別荘の敷地の用に供されている土地については、住宅用地とされないため、住宅用地に対する課税標準の特例 の対象からは除かれる。 (4点) 〔4〕住宅用地に係る申告 (1) 趣 旨 - 1 - 資格の大原 本文中無断転載禁 土地については原則として申告義務は課されていないが、住宅用地については課税標準の特例措置が講じら れており、必要な事項を把握するために次の様な申告制度が設けられている。 (1点) (2) 住宅用地に係る申告 ① 市町村長は、住宅用地の所有者に、当該市町村の条例の定めるところによって、当該年度の賦課期日現在 における当該住宅用地について、次の事項を申告させることができる。 (イ) その所在及び面積 (ロ) その上に存する家屋の床面積及び用途 (ハ) その上に存する住居の数 (ニ) その他固定資産税の賦課徴収に関し必要な事項 ただし、前年度の賦課期日における住宅用地の所有者が引き続き当該住宅用地を所有し、かつ、その申告 すべき事項に異動がない場合は、この限りでない。 (4点) ② 市町村長は、当該年度の賦課期日において住宅用地から住宅用地以外の土地への変更があり、かつ、当該 土地の所有者が前年度の賦課期日から引き続き当該土地を所有している場合には、当該土地の所有者に、当 該市町村の条例の定めるところによって、その旨を申告させることができる。 - 2 - (2点) 資格の大原 本文中無断転載禁 問2 〔1〕償却資産の範囲 (1) 「償却資産」とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産でその減価償却額又は減価償却 費が、法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるものをいう。 なお、これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものは課税客体たる償却資産に含ま れる。 (3点) (2) 次の①から⑤の資産は、課税客体たる償却資産から除かれる。 ① 鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産 ② 取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産(いわゆる少額の減価償却資産又は一括償却資産) ③ 取得価額20万円未満のリース資産 ④ 自動車税の種別割の課税客体である自動車並びに軽自動車税の種別割の課税客体である原動機付自転車、 軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車 ⑤ 牛、馬、果樹その他の生物 (3点) (3) 「事業の用に供することができる資産」とは、現実に事業の用に供しているもののみをいうものではなく、 遊休、未稼働の状態である資産であっても事業の用に供し得る状態の資産であればこれに含まれる。 (2点) (4) 次の①から④の資産は、現実に減価償却額又は減価償却費が損金又は必要な経費に算入されていないもので あるが、本来減価償却のできる資産であるから、事業の用に供し得る状態のものであれば課税客体たる償却資 産に含まれる。 ① 帳簿に記録されていない簿外資産 ② すでに減価償却を終わっている償却済資産 ③ 赤字決算のため減価償却を行っていない資産 ④ 建設仮勘定として経理されている資産でその一部が賦課期日現在すでに完成し使用されているもの (2点) (5) 特定附帯設備(家屋の附帯設備であって、当該家屋の所有者以外の者がその事業の用に供するため取り付け たものであり、かつ、当該家屋に付合したことにより当該家屋の所有者が所有することとなったもの)につい ては、当該取り付けた者の事業の用に供することができる資産である場合に限り、当該取り付けた者を所有者 とみなし、当該特定附帯設備のうち家屋に属する部分は家屋以外の資産(償却資産)とみなして固定資産税を 課することができる。 (2点) (6) 課税客体となり得るか否かは、賦課期日(当該年度の初日の属する年の1月1日をいう。)における現況に より判定される。 (1点) 〔2〕償却資産の評価方法 (1) 償却資産の評価 償却資産の評価は、前年中に取得された償却資産にあっては当該償却資産の取得価額を、前年前に取得され た償却資産にあっては当該償却資産の前年度の評価額を基準とし、当該償却資産の耐用年数に応ずる減価を考 慮して下記の算式により算出する。 (2点) ① 前年中に取得されたもの 当該償却資産の取得価額-当該償却資産の取得価額× 減価率 2 (2点) ② 前年前に取得されたもの 前年度の評価額-前年度の評価額×減価率 なお、前年前に取得された償却資産で当該年度において新たに課税されるものの評価は、上記①及び②に 準じて行うものとする。 (2点) - 3 - 資格の大原 本文中無断転載禁 (2) 評価額の最低限度 償却資産の評価額は、当該償却資産の評価額が当該償却資産の取得価額又は改良費の価額の100分の5に相 当する額を下ることとなる場合には、当該100分の5に相当する額とする。 (3点) (3) 改良費 償却資産の改良のため支出した金額(以下「改良費の価額」という。)がある場合において、当該改良を加 えられたことにより増価した部分の評価は、当該改良を加えられた償却資産の取得価額又は前年度の評価額と 区分して、当該改良費の価額を基準とし、上記に準じて行う。 - 4 - (3点) 資格の大原 本文中無断転載禁 〔第二問〕 採点箇所 8点 3点 2点 問1 各区分所有者の平成28年度分の固定資産税額 A B C D E F 854,600 円 409,300 円 710,700 円 1,032,600 円 685,700 円 630,000 円 計算過程 -平成28年度分- (単位:円) <宅 地> (1) 宅地の区分 ① 住宅用地の判定 (イ) 200㎡+50㎡ =1.25 150㎡+25㎡×2 A 150㎡×1.25=187.5㎡ B(居住用) 、B(事務所用) 25㎡×1.25=31.25㎡ (ロ) 800㎡+200㎡ =1.25 750㎡+50㎡ A 187.5㎡×1.25=234.37㎡ B(居住用) 31.25㎡×1.25=39.06㎡ D(居住用) 30㎡×1.25=37.5㎡ E1 100㎡×1.25=125㎡ F 150㎡×1.25=187.5㎡ 234.37㎡+39.06㎡+37.5㎡+125㎡+187.5㎡ 623.43㎡ 1 = ≧ 1,000㎡ 4 1,000㎡ ∴適用あり ② 住宅用地の面積 (イ) 1,000㎡×10=10,000㎡≧1,400㎡ (ロ) 1 623.43㎡ 3 ≦ < 2 1,000㎡ 4 (ハ) (イ)×(ロ)=1,050㎡ ∴1,400㎡ ∴0.75 ∴1,050㎡ ③ 宅地の区分 ・小規模住宅用地 1,050㎡>200㎡ 1,050㎡ >200㎡ 5 住居の数…5 ∴200㎡×5=1,000㎡ ・一般住宅用地 1,050㎡-1,000㎡=50㎡ ∴50㎡ ・非住宅用地 1,400㎡-1,050㎡=350㎡ ∴350㎡ (2) 小規模住宅用地 ① 比準課税標準額 1,000㎡ 9,000,000 168,000,000× × =15,000,000 1,400㎡ 600㎡ 120,000,000× 1,000㎡ - 5 - 資格の大原 本文中無断転載禁 ② 本来の税額 1,000㎡ 1 × =20,000,000 (イ) 168,000,000× 1,400㎡ 6 1.4 (ロ) (イ)× =280,000 100 ③ 調整税額 5 (イ) ①+②(イ)× =16,000,000 100 1.4 (ロ) (イ)× =224,000 100 ④ 判 定 ②>③ ∴下限の判定を行う ⑤ 下 限 1.4 ②(イ)×0.2× =56,000 100 ∴224,000≧56,000 → 16,000,000 (3) 一般住宅用地 ① 比準課税標準額 50㎡ 3,600,000 168,000,000× × =900,000 1,400㎡ 200㎡ 120,000,000× 1,000㎡ ② 本来の税額 50㎡ 1 (イ) 168,000,000× × =2,000,000 1,400㎡ 3 1.4 (ロ) (イ)× =28,000 100 ③ 調整税額 5 (イ) ①+②(イ)× =1,000,000 100 1.4 (ロ) (イ)× =14,000 100 ④ 判 定 ②>③ ∴下限の判定を行う ⑤ 下 限 1.4 ②(イ)×0.2× =5,600 100 ∴14,000≧5,600 → 1,000,000 (4) 非住宅用地 ① 比準課税標準額 350㎡ 18,000,000 168,000,000× × =31,500,000 1,400㎡ 200㎡ 120,000,000× 1,000㎡ - 6 - 資格の大原 本文中無断転載禁 ② 負担水準 ① (イ) =0.75 350㎡ 168,000,000× 1,400㎡ (ロ) (イ)>0.7 ∴引き下げ措置 ③ 課税標準 350㎡ 168,000,000× ×0.7=29,400,000 1,400㎡ <固定資産税額> (1) 課税標準額 16,000,000+1,000,000+29,400,000=46,400,000≧300,000 ∴46,400,000円(千円未満切捨) (2) 全体税額 1.4 (1)× =649,600 100 (3) 補正割合の判定 A 187.5㎡ =328.12㎡>200㎡ 1,400㎡× 800㎡ B(居住用) 1,400㎡× D(居住用) 30㎡ 1,400㎡× =52.5㎡≦200㎡ 800㎡ ∴一号 E1 100㎡ 1,400㎡× =175㎡≦200㎡ 800㎡ ∴一号 F 150㎡ =262.5㎡>200㎡ 1,400㎡× 800㎡ ∴二号 1,400㎡× ∴二号 31.25㎡×2 31.25㎡ × =54.68㎡≦200㎡ 800㎡ 62.5㎡ ∴一号 31.25㎡+30㎡+100㎡ 187.5㎡+150㎡ + =872.81㎡≦1,000㎡ 800㎡ 800㎡ B(事務所用)、C、D(事務所用)、E2 居住用以外 ∴二号ロ ∴三号 (4) 一号、二号ロの者の税額 ① 補正割合 1 1,400㎡ 224 ×16,000,000× = 46,400,000 1,000㎡ 464 ② 税 額 A (2)× B(居住用) (2)× D(居住用) (2)× 187.5㎡ ×① =73,500 800㎡ 62.5㎡ 31.25㎡ × ×① =12,250 800㎡ 62.5㎡ 30㎡ ×① =11,760 800㎡ - 7 - 資格の大原 本文中無断転載禁 E1 (2)× 100㎡ ×① =39,200 800㎡ F (2)× 150㎡ ×① =58,800 800㎡ (5) 三号の者の税額 ① 補正割合 454,090 649,600-(73,500+12,250+11,760+39,200+58,800) = 31.25㎡+100㎡+120㎡+50㎡ 244,615 649,600× 800㎡ ② 税 額 62.5㎡ 31.25㎡ × ×① =47,104 800㎡ 62.5㎡ B(事務所用) (2)× C (2)× 100㎡ ×① =150,735 800㎡ D(事務所用) (2)× 120㎡ ×① =180,882 800㎡ E2 (2)× 50㎡ ×① =75,367 800㎡ (6)Bの税額 12,250+47,104=59,354 (7)Dの税額 11,760+180,882=192,642 (8)Eの税額 39,200+75,367=114,567 <家 屋> (1) 法附則15の6②の判定 ① 建築時期 一定期間内に新築 ∴可 ② 居住用専有部分 A 234.37㎡ 1 ≧ 234.37㎡ 2 ∴可 B 39.06㎡ 1 ≧ 39.06㎡×2 2 ∴可 D(居住用) 37.5㎡ 1 ≧ 37.5㎡ 2 ∴可 E 125㎡ 1 ≧ 187.5㎡ 2 ∴可 F 187.5㎡ 1 ≧ 187.5㎡ 2 ∴可 ③ 床面積要件 自己用 A 50㎡≦234.37㎡≦280㎡ ∴可(234.37㎡>120㎡→120㎡) - 8 - 資格の大原 本文中無断転載禁 B(居住用) 39.06㎡<50㎡ ∴不可 D(居住用) 37.5㎡<50㎡ ∴不可 E1 50㎡≦125㎡≦280㎡ ∴可(125㎡>120㎡→120㎡) F 50㎡≦187.5㎡≦280㎡ ∴可(187.5㎡>120㎡→120㎡) ∴平成28年度から5年度間適用あり (2) 減額する税額 ① 専有部分税額 A 187.5㎡ =1,050,000 800㎡ B 62.5㎡ =350,000 800㎡ C 100㎡ =560,000 800㎡ 1.4 320,000,000× × 100 D(居住用) 30㎡ =168,000 800㎡ D(事務所用) 120㎡ =672,000 800㎡ E、F 150㎡ =840,000 800㎡ ② 減額する税額 A 120㎡ 1 1,050,000× × =268,805 234.37㎡ 2 E、F 120㎡ 1 840,000× × =268,800 187.5㎡ 2 <固定資産税額> (1) 課税標準額 320,000,000≧200,000 ∴320,000,000円(千円未満切捨) (2) 税 額 A 1,050,000-268,805=781,195 B 350,000 C 560,000 D 168,000+672,000=840,000 E、F 840,000-268,800=571,200 <納付税額> A 73,500+781,195=854,695 B 59,354+350,000=409,354 C 150,735+560,000=710,735 D 192,642+840,000=1,032,642 E 114,567+571,200=685,767 F 58,800+571,200=630,000 - 9 - 資格の大原 本文中無断転載禁 - 10 - A 854,600円(百円未満切捨) B 409,300円( 〃 ) C 710,700円( 〃 ) D 1,032,600円( 〃 ) E 685,700円( 〃 ) ∴F 630,000円( 〃 ) 資格の大原 本文中無断転載禁 問2 平成28年度分の固定資産税額 21,000 円 計算過程 -平成28年度分- (単位:円) <田> (1) 農地の判定 三大都市圏内の特定市の市街化区域内に所在 ∴特定市街化区域農地 (2) 比準課税標準額 ※ 5,760,000 11,250,000× =3,256,281 19,900,000 ※ 類似土地の前年度課税標準額 ① 仮定計算の判定 前年度において軽減率の適用を受け、かつ、本則課税 ∴仮定計算を行う ② 平成27年度分の仮定計算 (イ) みなし前年度課税標準額 5,400,000 (ロ) 本来の税額 1 イ 21,600,000× =7,200,000 ○ 3 1.4 ロ ○ イ× ○ =100,800 100 (ハ) 調整税額 5 イ (イ)+(ロ)○ イ× ○ =5,760,000 100 1.4 ロ ○ イ× ○ =80,640 100 (ニ) 判 定 (ロ)>(ハ) ∴下限の判定を行う (ホ) 下 限 1.4 イ ×0.2× (ロ)○ =20,160 100 ∴80,640≧20,160 → 5,760,000 (3) 本来の税額 1 ① 11,250,000× =3,750,000 3 ② ①×0.4=1,500,000 1.4 ③ ②× =21,000 100 - 11 - 資格の大原 本文中無断転載禁 (4) 調整税額 5 ① (2)+(3)①× =3,443,781 100 1.4 ② ①× =48,212 100 (5) 判 定 (3)≦(4) ∴1,500,000 <固定資産税額> (1) 課税標準額 1,500,000≧300,000 ∴1,500,000円(千円未満切捨) (2) 税 額 1.4 (1)× =21,000 100 ∴21,000円(百円未満切捨) - 12 - 資格の大原 本文中無断転載禁 □合格ラインの読み□ 〔第二問〕については、基本的な項目からの出題であったため、正確に解答することが可能であったと思われます。 〔第一問〕については、問1、2共に用語指定形式での出題でした。本形式での出題は平成20年度本試験以来です。ま た、一部、解答要求事項の読み取りが難しい部分がありましたので、何を解答すべきか悩まれた方が多かったものと思 われます。 なお、設問ごとの配点の内訳が不明でしたが、これは平成26年度本試験以降、3年連続のこととなります。 以下に合格のための要素・判断基準を設問ごとにまとめておきましたので、参考にしてください。 〔第一問〕 問1は、 「住宅用地の特例」に関する知識を問う問題でした。 「住宅用地に対する課税標準の特例」に関する内容につ いては、与えられた用語に係る部分を触れることができれば問題ないものと思われます。 「住宅用地が同一の者によっ て所有されていない場合」については、模範解答通りの解答は出来なかったことと思われますので、ここでの失点は合 否に影響しないでしょう。なお、 「別荘の取扱い」や「住宅用地に係る申告」については、確実に得点したいところで す。 問2は、 「課税客体となる償却資産の範囲」及び「評価方法」に関する知識を問う問題でした。 「課税客体となる償却 資産の範囲」に関しては、特に難解な論点はないため用語に係る部分を確実に解答するとともに、解答時間に応じて用 語が関連しない部分も解答するとよいと思われます。 「評価方法」は、固定資産評価基準に関する出題であり、償却資 産をテーマとした出題は初出題でした。しかし、償却資産については土地家屋とは異なり、計算の知識を活かして解答 することが可能であるため、自分の言葉であったとしても内容次第では十分加点対象になり得るものと思われます。 〔第二問〕 問1は、 「区分所有家屋及び特定共用土地」をテーマとする問題でした。特に難解な論点はないため最終値を確実に 合わせたいところです。なお、共用部分について面積に1㎡未満の端数が生じましたが、模範解答では、不動産登記規 則に定める取扱いに準じて1㎡の100分の1未満(小数点第2位未満)の端数は切り捨てております。なお、切り捨て をしなかった場合には、Aの最終値が「854,700円」となりますが、この数値でも問題ないものと思われます。 問2は、 「特定市街化区域農地」をテーマとする問題でした。当該土地について、地目の変換等の事情が生じている ため、 「軽減率」及び「比準課税標準額」の取扱いについて注意が必要でした。軽減率については、類似土地の軽減率 に合わせるため、 「0.4」を使用します。比準課税標準額については、その算出において用いる類似土地の前年度課税標 準額につき、仮定計算考慮後の数値を用いることとなるため、これを各自で算出することが必要でした。問1と同様、 最終値を確実に合わせたいところです。 以上のことから、合格を確実なものとするためには〔第一問〕では41点、 〔第二問〕では50点、合計で91点が必要と なります。 また、受験生全体の出来にもよりますが、合格のためには、計算における端数処理や大勢に影響のないミスによる失 点を考慮しても、 〔第一問〕では34点、 〔第二問〕では47点、合計で81点以上は必要と思われます。 - 13 14 - 資格の大原 本文中無断転載禁 14 15
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