平成二十四年四月に産業理工学部生物環 境化学科に着任しました神武

近 畿 大 学産 業 理 工 学部 かや の も り17(2012)
で福 岡 に 住 ん で おり ま し た。 大 学 院 卒 業 後
校 を 卒 業 後、 九 州 大 学 大学 院 を 卒 業 す る ま
か つて は炭 坑 で栄 え た 町 です 。 地 元福 岡 高
宇 美 町 と いう と ころ です。 飯 塚と 同 じ く 、
ま す 。 私 の出身 地 は、 隣 町 の福 岡 県 糟 屋 郡
境 化 学 科 に着 任 しま し た 神武 洋 二郎 と 申 し
平 成 二 十 四年 四月 に 産業 理 工学 部 生 物 環
が ん メ カ ニズ ム の 解 明 を 行 う 予 定 で す 。
今 後 さ ら に 、 こ れ ら 細 胞 周 期 を 制 御 す る 因 子 の 発 現 制 御 機 構 と そ の破 綻 に よ る 発
ま し た 。 最 近 、 こ のOdいら複 合 体 が 、 癌 化 に 関 与 す る こ と が 報 告 さ れ て い ま す 。
UZ>複 製 を 制 御 す る こ と 、 さ ら に マゥ ス の 胚 発 生 に 必 要 で あ る こ と を 明 ら か と し
ま す 。 私 は こ れ ま で 、 ユ ビ キ チ ン 付 加 酵 素 で あ る Odい恥︼
)UしuH<隅 しu勺複 合 体 が
御 に お いて、 ユビキ チ ン依存 的 タ ンパ ク質 分 解 機 構 も ま た重 要 な 役 割 を担 って い
(
ωΦ臣 O)の リ ン 酸 化 が 寄 与 し て い る こ と 等 を 明 ら か と し ま し た 。 こ の細 胞 周 期 制
は 、 ア メ リ カ、 静 岡 県 浜 松市 と 点 々と し ま
来 て いま し た の で、 馴染 み 深 い町 です 。 子
の頃 よ り、 し ょう け 峠 を越 え てよ く 遊 び に
き 大 変 嬉 し く思 ってお り ます 。 飯 塚 は 幼 少
に 関 連 す る こと が 明 ら か とな り、 細 胞 老 化が 個 体 の老 化や 寿 命 を 決 め る上 で重 要
最 近 の研究 から 、 造 血 幹細 胞 ・神 経 幹細 胞 ・膵 β細 胞 な ど の老 化 が 、 組織 の老 化
命 を 迎 え、 や が て不 可 逆的 に増 殖 を 停 止 しま す 。 こ の現象 を 細 胞 老 化 と 呼 びま す 。
正 常 ヒト体 細 胞 は 分裂 で き る 回数 が 限 ら れ てお り 、 培養 継 代 を 重 ね る と分 裂 寿
一一
、 細胞 老 化 のメ カ 一一
ズム
供 の頃 、本 校 の前 を 通 る度 に、﹁
福岡県にあ
な プ ログ ラ ム であ る と の認識 が 高 ま り つつあ りま す 。 これま で私 は 、細 胞 老 化 の
した が 、 こ の度 福 岡 に 帰 ってく る こと が で
る のに な ん で近 畿 大 学 って いう のだ ろ う ?
分 子 基 盤 と し て、遺伝 子発 現 抑 制 に 関与 す るポ リ コー ム タ ンパ ク複 合 体 が 、謹
の エピ ジ ェネ テ ィ ッ ク な 転 写 抑 制 を 介 し て 、 細 胞 老 化 を 抑 制 し て い る こ と を 明 ら
遺伝子座に
結 合 し 、 ヒ ス ト ン=G。の 4 番 目 の リ ジ ン 残 基 の メ チ ル 化 を 介 し て 、 曇
か と し ま し た 。 ま た ヒ ス ト ン メ チ ル 化 酵 素 で あ る ζ 目目が 、 こ の謹
い て、 が んや 老 化 のメ カ ニズ ムを遺 伝 子 レ ベ ル で解 明す る研 究 を 行 ってき ま し た。
の転 写 を 活性 化 す る こと を 明ら かと し ま した 。 今 後 は 、 こ れら 同 定 し た細 胞 老 化
遺伝子座
新 し く立 ち 上 が った細 胞 生 物 工学 研究 室 で は、 今 後、 以 下 の 3 つのテー マを 柱 と
制 御 因 子 の機 能 を 、 各 種 組織 幹 細 胞 ・腸管 細 胞 ・正 常 ヒト表 皮 角 化細 胞 ・各 種 癌
細 胞 等 の モデ ル細 胞 を 用 いて、 細 胞 生 物学 的 に評 価 し て いく 予定 です。 さ ら に、
同 定 し た細 胞 老 化 制 御 因 子 の酵 素 活 性 を指 標 に、 老 化 を 抑制 す る物 質 を探 索 し、
そ の成 果 を加 齢 性 疾 患 等 の治 療 に役 立 て た いと 考 え て います 。
て高 頻度 に発 現 抑 制 さ れ て いる こと から 、 そ の発 現 制御 機 構 の解 明 が注 目さ れ て
に 調節 さ れ て いま す。 哺 乳 類 で 7種類 あ るO固 の中 で、特 に蕊 刈は ヒト の癌 に お い
よ って正 に制 御 さ れ 、 そ の活 性 を 阻害 す るOU内イ ン ヒビ タ ー (
O國H
) によ って負
づ9︿(
﹀)
や O巷 構 造 を 持 つが 、 有 意 な オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム を 持 た な い
ぎ。閃Z>)が 存 在 す る こ と が 明 ら か と な っ て き ま し た 。 ぎ。閃Z>と は 、日困Z>の 様 に
ン グ ア レ イ 解 析 の 結 果 、 大 量 の 長 鎖 ノ ン コー デ ィ ング 困Z> (
δ昌α
q昌8 00岳昌ひq幻Z>"
近 年 の哺 乳 類 を 対 象 と し た 大 規 模 ト ラ ン ス ク リ プ ト ー ム 解 析 や 高 解 像 度 タ イ リ
一
一
一
、 機 能 性 長 鎖 ノ ン コ ー デ ィ ン グ 刀Z>の 探 索 と 解 析
いま す。 私 は これ ま で、 鳥 刈のタ ンパ ク 質 量 と 悪 性 腫 瘍 の悪 性 度 の間 に 強 い負 の
昌。窒
で す (つま り タ ン パ ク 質 を コー ド し な い )。 全 暮 閑Z> の中 で は 、最 も 数 が 多
相 関 が 認 め ら れ る こ と、 忌 刈の タ ンパ ク質 レ ベ ル で の安 定 化 に、 セ リ ン ー0 番 目
真 核生 物 細 胞 に お いて、 細 胞 周期 の進 行 は サ イ ク リ ン依 存 性 キ ナー ゼ (
OU国) に
る こと から 、 細 胞 周 期制 御 は細 胞 運命 を 決 定 す る 分 子基 盤 と 考 え ら れ て いま す 。
細 胞 周 期 は、 増 殖 、 分 化 及 び アポ ト ーシ スな ど の各 過 程 で綿 密 に 制 御 さ れ て い
一、細 胞 周期 制 御 と が ん
し て研究 を 行 って いく 予定 です 。
私 の専 門 は、 細 胞 生物 学 、 分 子 生物 学 です 。 これ ま で実 験 動 物や 動 物 細 胞 を 用
のを感 じ て いま す 。
ど ん な大 学 な ん だ ろ う ?﹂ と 不 思 議 に思 って いた 記憶 があ り ま す。 そ し て時 が 経
生物環境化学科
神武 洋二郎
遺伝子座 (
Ou國イ ン ヒ ビ タ i 覧 ①、亘 切及 び 葛 ω安 定 化 因 子 ﹀幻閏を コー ド す る 領 域 )
細胞生物 工学研究 室
ち 、教 員 と し てそ の大学 の門 を く ぐ る事 にな ろ う と は ・ ・ ・。 な に か 運命 的 な も
[研 究室 だ よ り]
[研究 室 だ よ り]
(
﹀巳 ωo昌ωΦZ8 8 血ぎαQ胃Z> ぎ 窪ΦH
Z国らい○。qω)
と い う ぎ。閃Z>が 、 謹
遺伝
い (ヒ ト で 数 千 個 以 上 ) が 、 そ の 機 能 は ほ と ん ど 謎 で す 。 こ れ ま で 私 は 、
き
がポ リ コー ムタ ンパ ク複 合 体 と
子 座 の転 写 抑 制 に 関 与 し、 さ ら に細 胞 老 化 を 抑 制 し て い る こと を 明 ら かと しま し
の作 用 機 序 と し て、き
ヒト緬 胞 内 でANRILを 消 失 させ ると、細 胞 老 化
が 誘 導 され る 。
た。 ま た私 は、謹
コ、
ノト ロ ー1「,鑑i口MムA凹n■1藍i舜Mハ
遺 伝 子 座 への ポ リ コー ム タ ン パ ク リ ク ル ー ト メ ン ト を 促 進 す る こ
[コ コン トロー ル 呂iR閥A
結 合 し、曇
黒ご膨衡
と を 明ら かと し ま し た。 さ ら に 最 近、 ヒト サ ンプ ルを用 いた 高解 像 度 タイ リ ング
(
田 Z︼
)﹀も曽
ア レ イ 解 析 に よ っ て 、 陣 ①個 の 新 規 ぎ。閃Z>を 同 定 し ま し た 。 そ の 中 の 一 つが ア ポ
ト ーシ ス (
細 胞 死) を 抑 制 す る機 能 を 持 つこと を 明 ら か と しま した
餌ω
ωoo舜 oα昌o困Z> UZ> 紆 ヨ◎αQo8 什
貯讐①血と 命 名 )。 こ の よ う に ぎo閃Z> の中 に は 、重
要 な細 胞 機 能 に 関 与 し て い るも のも含 ま れ る た め 、宝 の山 だ と考 え て いま す 。 今
の 作 用 機 序 の解 明 を 行 う 予 定 で す 。 ま た 将 来 的 に は、 疾 患 に 関 係 す る 新 規
後 、同 定 し た 新 規 ぎo困Z>の 中 で 、生 理 的 に 重 要 な 機 能 を 持 つぎ。閃Z>を 探 索 し 、そ
ぎo困Z> の 機 能 阻 害 あ る い は 発 現 抑 制 作 用 を 有 す る 化 合 物 を ス ク リ ー ニ ン グ し 、
㌧ ン1㌦ 裂 」
擁'1巴
従 来 と は 全 く 異 な る 新 た な 作 用 メ カ ニズ ム の 治 療 薬 の創 出 を 目 指 し た い と 考 え て
いま す。
細胞 生 物 工学 研 究 室 は、 今 年 4人 の卒 研 生 が 配 属さ れま した。 まだ 研 究 機 器 等
は 十 分 に揃 って いま せ んが 、 彼 ら と 共 に、 少 し ず つ前 進 した いと 思 いま す 。 そ し
て教育 研 究 を 通 し て 、 少 し でも 本校 及 び社 会 の役 に立 て るよ う 日 々精 進 した いと
P16
老 化 マ ー カー(β 一ガラクトシ ダー ゼ 活 性)測 定
■ 州 肌6iRNA
思 います 。 今 後 と も 、皆 様 の御 指導 と御 鞭 挺 の程 何卒 よ ろ しく お 願 い申 し上 げ ま
す。
(Q-RT■PCR,