GAO、教育省による連邦学資直接ローンの管理状況を検証(6 月

日本学術振興会ワシントン研究連絡センター
GAO、教育省による連邦学資直接ローンの管理状況を検証(6 月 15 日)
政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は 6 月 15 日、議会から
の要請を受けて作成した教育省(Department of Education)による連邦学資直接ローン
プログラムの管理状況を検証した報告書「連邦学資ローン ~教育省は直接ローンプログ
ラムにおける消費者サービスと監督の改善が可能~(Federal Student Loans: Education
Could Improve Direct Loan Program Customer Service and Oversight)」を公表した。
本報告書では、①教育省及びローンサービス企業が学資ローン利用者に提供する情報の
種類と情報へのアクセスのしやすさと、②直接ローンプログラム管理のために教育省がロ
ーンサービス企業を監督する程度の 2 点が取り上げられている。
GAO は、教育省の契約・政策・手続の調査、監督報告書と手順の分析、ローンサービ
ス企業のウェブサイト及び学資ローン利用者に提供されるその他の情報の見直しなどを
行った他、教育省・消費者金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau)
・直接
ローン利用者の 95%以上を対象としたローンサービス企業の職員・社員、及び教育省の
データから無作為抽出された学資ローン利用者 24 人に対する面接を実施した。
その結果、①に関しては、教育省及びローンサービス企業は、返済プランや手続きなど
に関する情報をローン利用者に提供しているが、利用者の一部はこれらのサービス企業へ
の連絡が取りづらいとコメントしており、サービス企業の電話窓口の営業時間改善や、最
低限の基準が必要であることが明らかになった。
また、②に関しては、ローン利用者からの苦情の記録方法が改善されたものの、情報収
集手段が統一されていないため、サービス企業が提供するサービスが基準を満たしている
か否かの判断が困難であることが判明した。
これらの結果を受け、GAO は教育省に対し、サービス企業電話窓口の最低基準を満た
すこと、利用者からの苦情の記録に関してサービス企業から総合的且つ比較可能な情報を
確保すること、及び、実績評価基準及び報酬を評価・調整すること、の 3 点を提案してい
る。なお、教育省は GAO の調査結果及び提案に全般的には同意したが、現在の実績評価
基準はコンプライアンスに則ったものとの見解を表明した。GAO はこの見解に異議を唱
えている。
なお、本報告書は、<http://www.gao.gov/assets/680/677159.pdf>からダウンロード可
能。
Government Accountability Office, Federal Student Loans: Education Could Improve
Direct Loan Program Customer Service and Oversight
http://www.gao.gov/products/GAO-16-523