2016 年 8 月号 NO. 176 ここ数年一般的となった、いわゆる 「ゲリラ豪雨」 ですが、急に雨が強く降り、数十分の短時間で狭い範囲に数十mm程度の 雨量をもたらす、気象用語でいう 「局地的大雨」 や 「集中豪雨」 を指す 「俗語」 になります。予測が困難でゲリラ的に襲う事から 2000年代後半にこの名がつけられた様です。 8月に起こりやすい事として、ゲリラ豪雨等の突発的な天候の変化に対する ご注意と、意外にも多いお盆休み明けの熱中症について、 ご紹介します。 ※参考:野田市ホームページ「くらしの便利帳」 テレビ、ラジオなどの天気予報・気象情報で「大気の状態が不安定」 「雷、竜巻、ひょうに注意」の話があったときは、特に注意が必要です。 次の兆候があったら速やかに行動 ・真っ黒な雲が近づき、急に暗くなる 特 集 編 集・発 行 安全技術部/営業支援部 お問い合わせ TEL.03 - 5512 - 7411 発 行 日 2016年8月1日 電気使用安全月間 2016年 9月号の予告 感電災害発生状況(2013年∼2015年) 「電気災害防止」のための注意ポイント 全国労働衛生週間 8月に起こりやすい事(突発的な天候の変化にご注意を、お盆明けの熱中症) 電気使用安全月間 ・大粒のひょうが降る ・雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする ・気象の急激な変化により、気圧が 変化して耳に異常を感じる ・気温が急に下がる。 ヒヤッとした 冷たい風が吹き出す場合もある 目 次 突発的な天候の変化にご注意を 株式会社レンタルのニッケン 注:すべての兆候が表れるわけではありません 以上のような前兆があった場合、発達した積乱雲などが近づいている可能性がありますので、すぐに避難行動を開始してください。 また、機械重機の水没についても注意が必要です。 ※参考:一般社団法人 日本クレーン協会ホームページ 気象庁「ビューフォート風力階級表」 主な突風の種類としては、竜巻、ダウンバースト、ガストフロントがあります。各々発生のメカニズムや特徴が異なります。吹流しは、風の 傾向を判断する参考とされ、クレーン作業以外の強風時の安全管理にも活用されていますが、実際の現場では、風速や風向が一様でなく、 吹流しを見る方向や仰角も千差万別なので、風速の判断には慣れることが必要です。クレーンの倒壊にも十分ご注意ください。 8月は高温多湿や、暑さによる集中力の低下を原因とする、感電などの電気事故発生が一年のうちで最も 多い季節といわれています。経済産業省では昭和56年より、8月1日∼8月31日の1ヵ月間を「電気使用安全 月間」と定め、関係各団体による集中的な安全運動を展開しています。感電は死亡につながります。安全 運動を通して、電気使用に関する安全知識の向上や、電気事故の防止に取り組みましょう。 2016年度 全国統一重点活動テーマ 主唱:経済産業省 ○電気は常に安全を心がけ、ムダなく使いましょう ○自家用設備の電気事故は、適切な保守点検と計画的な更新で防ぎましょう 風速 4m/s 42 度 風速により 起こる現象 風速 6m/s 61 度 風速 3.4 ∼ 5.4m/s 木の葉や細かい小枝がたえず 動く。軽い旗が開く。 風速 8m/s 70 度 風速 5.5 ∼ 7.9m/s 風速 10m/s 76 度 風速 8.0 ∼ 10.7m/s 風速 12m/s 80 度 風速 10.8 ∼ 13.8m/s 砂埃がたち、 紙片が舞い上がる。 葉のある低木がゆれはじめる。 大枝が動く。電線が鳴る。傘は 小枝が動く。 水面に波頭がたつ。 さしにくい。 梅雨明け (単位:人) 10,000 8871 9,000 お盆休み明け 8,000 7,000 6,000 5399 5,000 4243 4,000 3327 2486 3,000 2,000 1,000 5373 2291 1018 687 900 7/ 6/ 30 ∼ 7/ 7∼ 6 7/ 7/ 14 13 ∼ 7/ 7/ 21 20 ∼ 7/ 2 7/ 28 7 ∼ 8 8/ / 4∼ 3 8/ 8/ 1 11 0 ∼ 8/ 8/ 17 18 ∼ 8 8/ 25 /24 ∼ 8/ 9/ 31 1∼ 9/ 7 0 ※参考: 総務省消防庁「平成 26 年 熱中症による救急搬送状況(週別推移)」 梅雨明けの急激に気温が上昇した時に、熱中症が多発することは知られています。 梅雨明け直後は、作業負荷を減らし、普段よりこまめに休憩を取らせて水分・塩分を 補給させるとともに、 涼しい休憩所で深部体温 を低下させるなどの配慮が必要です。 また、お盆休み明けにも熱中症が増加する傾向 があります。これは、お盆休みで数日間、暑熱 作業から離れることで 暑さへの順化が喪失 してしまうためです。お盆休み明けにも梅雨 明けと同様な作業管理の配慮が必要なのです。 ○地震・雷・風水害などの自然災害にそなえ、日頃から電気の安全に努めましょう 「『労働者死傷病報告』による死傷災害発生状況」 感電災害発生状況(2013年∼2015年)※参考: 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」 感電による死傷災害の発生件数は、ここ3年間減少傾向にあります。業種別では「建設業」と「製造業」の 上位 2 業種で全体の 7 割以上を占めている傾向に変わりはありません。特に建設業において 2015 年は 43 件と、2014 年 59 件から 3 割弱減少した結果となっています。3 年間を合計した 341 件を起因物別にみた 場合、電気設備等が 260 件と最も多く全体の約 4 分の 3 を占めています。電気設備等の内訳としては送配 電線等 83 件、電力設備 90 件、その他電気設備等 87 件になります。 2013年∼2015年 起因物別災害発生件数 (3年間の合計) 雷が鳴り出したのに近くに安全な空間が無い場合は、電柱、煙突、鉄塔、建築物などの高い物体のてっぺんを45度以上 〇送配電線等/83件 の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れたところ (保護範囲) に退避するのがポイントです。姿勢を低くして 持ち物は体より高く突き出さないようにし、雷の活動が止み、20分以上経過してから安全な空間へ移動しましょう。 引込線、屋内配線、移動電線等 45度 4m以上離れる 保 護 範 囲 〇電力設備/90件 変圧器、 コンデンサー等、開閉器類 〇上記以外/87件 安全ニュースのご活用についてのお願い ホームページでも最新情報を お届けしています。是非ご覧ください。 レンタルのニッケン 検索 メルマガ 配信中! 弊社は皆様の、安全作業に関するよりよい情報をご提供するため、安全ニュースの製作・配布に取り組んでおります。 下記、 ご理解いただき、 ご活用いただけますようお願い致します。 ●安全ニュースの一部または全部において、個人・法人を問わず、弊社および引用先(各種団体など)の許諾を得ずに、 いかなる方法に おいても、営利目的にて、無断で販売・複写・複製・賃貸・加工・加筆および、公衆送信(インターネットやそれに類した送信) などを 利用して提供することを禁じております。 ●弊社は、本紙の内容において如何なる保証も行いません。 ●本紙内容にて発生した障害および事故についても、弊社は一切責任を負いません。 K 安全ニュースで取り上げて欲しい題材やご意見ご要望などがございましたら eメールをご活用ください。e-mail:[email protected] 感電に起因する死亡災害は、1972年に労働安全衛生法が施行され、労働安全衛生規則による漏電遮断器設置の一部義務化や、電気関連作業 の安全化策が推進された結果、年々減少していますが、中面では 「電気災害防止」 の注意ポイントを分電盤や機械別に、法令で定められている電気 工事士が行わなければならない事等を再度確認したいと思います。最終面では8月に起こりやすい事を紹介していますので、建設現場のみなさま 全員で確認してみてはいかがでしょうか。 ★ ホームページにも掲載しております!是非ご覧ください。★ 電気による災害には、 「漏電」 「感電」 「火災」がありますが、電気災害のほとんどは「感電事故」だといわれています。 建設工事現場では、介在する導電物として、工具やパイプ等のほか、くい打機、アースドリル等の建設機械、移動式クレーン のアームやブームなど多くのものが使われています。今回は基本的な電気災害防止の為の注意ポイントとして、いくつか取り 上げましたので、お役立てください。 暑くても 護具 絶縁保 用を ! の着 ◆夏季は暑さのため、軽装になり直接皮膚を露出したり、絶縁用保護具等の使用を怠り がちになりますが、感電防止のため、必ず保護具を着用しましょう。 皮膚の接触抵抗 ◆発汗により皮膚自身の電気抵抗や皮膚と充電物との接触抵抗が減少していま すので、汗はこまめに拭き取るか、汗をかかないような環境作りをしましょう。 ◆雨中での作業は感電のおそれがありますので、注意しましょう。 皮膚の状態 接触抵抗 (Ω) 乾燥 2,000∼5,000程度 汗ばむ 800程度 濡れる 0∼300程度 絶縁用手袋 絶縁用 ヘルメット キャブタイヤケーブルの 端子や接続部分は、絶縁の 処理を行う 自動電撃防止装置 ●交流アーク溶接機は、自動電撃 防止装置付を使用すること。 ●作業を停止 ( 中止 ) するときは、 溶接機の電源も必ず切ること。 アース線 絶縁用長靴 必ず接地(アース)をする アースをしないと… 電流がたくさん人体へ 流れます。 ※参考:株式会社やまびこ様 「可搬型発電機の安全に関する資料」 絶縁用保護具を使用する 絶縁形の溶接棒ホルダーを使用 し、絶縁用手袋を使用して作業す ること。 母材側のキャブタイヤケーブル(アースクランプ)は、確実に接地すること。 アースをすると… 電流はアースへ流れます。 人体に流れるのは、安全な範囲の 微弱電流となります。 ホルダー線 溶接用のキャブタイヤは、 被覆の損傷、 劣化が無いものを使用すること。 ホルダーの絶縁チェックを必ず行う。 接地(アース)は必ず行うこと! 感電防止のため接地(アース)は必ず行ってください。接地を怠ると漏電により、感電するおそれがあります。 (1)発電機の漏電リレー用接地端子と外箱接地端子、および負荷機器の外箱は必ず接地してください。 (2) 接地工事は、電気工事士等の有資格者が、D 種接地工事(接地抵抗 500Ω以下)を行ってください。 (3) 人体による動作確認は絶対に行わないでください。 要 資 格 危険物のまわりでは作業しない 通常の電動工具は、使用中またはスイッチ のオン・オフ時にスパーク(火花)が発生 します。引火性の液体やガスのある場所の 近くで使用しないこと。 いずれかの方法で行ってください。 独立接地 U V W O 漏電リレー用 接地端子 共用接地 U V W 漏電リレー用 接地端子 O 外箱接地端子 アース線 アース線 負荷側 負荷側 外箱接地端子 アースの接地方法は 正しいですか? コード・プラグが破損したままの 工具を使用しない 電動工具は電気が漏れないよう「絶縁」され ていますが、コードやプラグなどが傷んだ り、水をかぶったりすると、その場所から電気 が漏れて「漏電」が起こります。 アース付 3 ピン プラグコンセント 接地方法を誤ると 漏電保護装置が 有効に働かず、感電により 死亡することがあります! ! 雨中での使用や、湿った場所や 濡れた場所で使用しない 人体は電気抵抗が低く、特に水に濡れている場合は 電流が流れやすいため感電の危険性が高くなります。 分電盤の取扱責任者を定める ●作業開始前点検を確実に行う。 分電盤に、漏電遮断器が設置されていること ●感電防止用漏電遮断器は、使用前に必ずテスト ボタンで機能テストを行うこと。 第三者災害防止のために 常に施錠しておく プ ポン 水中 停電・修理時 照明 構台 盤 分電 電灯 区 2工 ポンプ 水中 場 区釜 5工 ポンプ 水中 格 アースの接地は確実に行う ●分電盤の施錠又は「通電禁止」表示 をする。 ●スイッチを勝手に入れさせない。 × アースをとらないと漏電遮断器が 作動しないのでとても危険です! ! 参照 作業計画の 事前打合せをする ●分電盤の前には物を置かない。 要 資 送配電線類に対して安全な離隔距離を保つ 表:各電力会社が推奨する離隔距離 分電先を明確化する ●分電盤に、ケーブル別の 行き先表示をする。 ●電線は必ず電線引込穴 から通す。 必ず接地(アース)をする (※「回」マークが付いている二重 絶縁構造の機械はアースする 必要はありません) 建設工事は送電線や配電線に近接した場所で行われることが多く、移動式クレーンや高所作業 車等のジブ、ブームやワイヤー等が接触することで発生する感電災害が多く見られます。この ような感電災害は死亡率が極めて高いだけではなく、不意の停電による社会的影響は大きい ものとなります。このような災害を防ぐため、以下の点に注意をお願いします。 過熱によりケーブル等が 溶けてショートしたり 発火する危険性があります! ! ●盤内にドライバー、スパナ等の 不要なものを置かない。 コードを巻いたまま使用すると、 その部分が熱を持ち、場合によって は発火すること があります。 使用時には必 ず巻いてある コードを全て 引き出して使 コード損傷例 用すること。 参考:労働省労働基準局長 昭和50年12月17日付基発第759号 アース線は、 必ずアース端子台に結線されていること タコ足配線はしないこと OK! コードを巻いたまま 使用しない 労働安全衛生規則 第339条 (停電作業を行う場合の措置) アース棒 事前に電力会社等と十分な 作業打ち合わせする。 接触防止のため、合図者を指名し、合図を行わせる 適確な作業指揮をとることができる監視責任者を配置する 関係作業者に対し、感電の危険性を十分に周知徹底 監視 ・感電の危険性を十分に周知徹底させる。 ・作業標準を定め必要な指導を行う。 電圧(V:ボルト) 2万2千V 6万6千V 労働安全衛生規則を 3m以上 考慮した 安全な離隔距離 4m以上 11万V 22万V 50万V 5m以上 6m以上 11m以上 適切な保護具・防具の使用(参考:労働安全衛生法第 20 条第 1 項 3 号) 保護具・防具等の種類は次のとおりです。 ①絶縁用保護具 (電気用ゴム手袋(低圧用と高圧用)、電気用保護帽、絶縁衣および電気用ゴム長靴等) ②絶縁用防具(絶縁シート、ゴム絶縁管、がいしカバー、絶縁カバー等) ③活線作業用器具等(活線作業用器具、活線作業車やその絶縁台等) またこれらの用具等は、損傷・劣化等による感電等の労働災害を 防止するため、労働安全衛生規則により 6ヵ月ごとの定期自主検査 及び使用前点検の実施が義務付けられています。 (第 351 条・第 352 条)
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