平 成 28 年 8 月 3 日 各位 出光昭介氏代理人 弁護士 浜 田 卓二郎 弁護士 神 部 健 一 出光昭介氏による昭和シェル石油株式取得について 今 般 、出 光 昭 介 氏( 以 下 昭 介 氏 ) は 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 を 市 場 で 400,000 株 取得しました。 今後さらに追加して取得することも視野に入れております。 上記の経緯・理由等は下記のとおりです。 記 出光興産は 、ロイ ヤル・ダッチ・シェル グループ(以下 ル 石 油 株 式 125,261,200 株( 33.2% 得 し ま す( 以 下 RDS)か ら 昭 和 シ ェ 発 行 済 株 式 総 数 376,850,400 株 )を 直 接 取 本 買 付 )。本 買 付 の 対 象 は 上 場 株 式 で す が 公 開 買 付 は 行 わ れ ま せ ん。 こ れ は 金 融 商 品 取 引 法 27 条 の 2 第 1 項 2 号 で 、 買 付 直 後 に 1/3 を 超 え な い 上 場株式の買付は公開買付の義務の対象から除外されているからです。 こ の 買 付 直 後 に 1/3 を 超 え て い な い か 、 の 判 断 は 、 出 光 興 産 だ け で は な く 、 出 光 興 産 株 式 を 20% 以 上 所 有 す る 一 定 の 株 主 グ ル ー プ ( 以 下 形式的特別関係者) が所有する昭和シェル石油株式数も加えて判断されます。 昭介氏、正和氏、正道氏、日章興産(以下 昭介氏ら)は、出光興産株式を合 わ せ て 33,880,000 株( 21.1% )所 有 し て お り 、一 つ の 株 主 グ ル ー プ と 扱 わ れ ま す ( 金 融 商 品 取 引 法 27 条 の 2 第 7 項 1 号 、 同 施 行 令 9 条 3 項 )。 し た が っ て 1/3 を 超 え て お ら ず 公 開 買 付 し な く て よ い か は 、 出 光 興 産 が RDS か ら 取 得 す る 125,261,200 株 に 、当 該 時 点 で の 昭 介 氏 、 正 和 氏 、正 道 氏 が 所 有 す る昭和シェル石油株式数を加えて判断されます。 今 般 、昭 介 氏 が 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 を 400,000 株 取 得 し ま し た の で 、こ れ に 出 光 興 産 が RDS か ら 取 得 す る 125,261,200 株 を 加 算 す る と 、125,661,200 株 に 達 し 、 発 行 済 株 式 総 数 の 1/3 で あ る 125,616,800 株 * を 超 え ま す の で 、 公 開 買 付 の 義 務 が 発 生 し 、RDS か ら 出 光 興 産 へ の 二 者 間 で の 直 接 の 譲 渡 は 金 融 商 品 取 引 法 上 、禁 止されます。 1 * 発 行 済 株 式 総 数 376,850,400 株 × 1/3 = 125,616,800 株 昭介氏らは今回の取得にとどまらず、今後、出光興産が本買付のとりやめを発 表するまでの間、追加して取得することも視野に入れております。 そもそも企業結合審査等の完了後に昭和シェル石油株式を取得する時点で、昭 和シェル石油株式を昭介氏らが何株所有しているかを出光興産は把握できなけれ ば、公開買付しなくてよいのか、判断できないのです。 今回は取得の事実を自主的に公表しましたが、今後は追加取得しても自主的な 公表は予定していませんし、出光興産にお伝えする予定はありません。出光興産 に RDS か ら の 、 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取 得 を と り や め て も ら う た め で す 。 株式取得自体は会社法上、出光興産の取締役会決議で可能です。 し か し RDS か ら 、 公 開 買 付 に よ ら ず に 出 光 興 産 が 株 式 を 取 得 す る に は 、 20% 以上の株主グループがいる以上、その株主の協力が必要とされていたのです。 出 光 興 産 に よ る 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取 得 価 額 は 1,350 円 /株( 総 額 1691 億 円 ) です。 本株式を取得しても出光興産の事業戦略上の利点は期待できないと思われます。 か え っ て 、 株 価 が 900 円 /株 ( 1127 億 円 ) で あ れ ば 、 取 得 と 同 時 に 564 億 円 の 含 み 損 を 、 1,000 円 /株 ( 1252 億 円 ) で あ れ ば 、 取 得 と 同 時 に 439 億 円 の 含 み 損 を抱えてしまいます。 したがって昭和シェル石油株式の取得のとりやめは、出光興産の財産の毀損防 止になります。 平 成 27 年 12 月 17 日 に 、 昭 介 氏 が 出 光 興 産 に 送 付 し た 合 併 反 対 の 通 知 書 に お いても、合併のみならずその前段階となる昭和シェル石油株式の取得についても 反対と表明しています。昭和シェル石油株式を出光興産が所有することによる負 担を懸念したからです。 出光興産経営陣としては、多くの関係者の方に、昭和シェル石油株式の取得と 同社との経営統合に向けて、これまで協力を依頼してきた立場上、容易に撤回で きない状況に陥っている、あるいは撤回により損害が生じた場合に、代表訴訟等 により取締役の賠償責任を追及されるのではないかと危惧している、等の事情が 推察されます。 しかしそのような躊躇をしている猶予はありません。一日も早く昭和シェル石 2 油 と の 経 営 統 合 を 撤 回 し 、出 光 興 産 と し て の 経 営 戦 略 の 見 直 し に 着 手 す る こ と が 、 出光興産にとって最優先事項です。 本日の公表が、出光興産経営陣にとって、早期決断のきっかけとなることを心 から願っております。 以上 3 関連法令条文 金融商品取引法 27 条 の 2 第 1 項 2 号 ( 1/3 以 下 の 買 付 ) 同条第 7 項 1 号(形式的特別関係者) 同条第 7 項 2 号(実質的特別関係者) 金融商品取引法施行令 1/3 9 条 3 項、5 項(形式的特別関係者) 公開買付義務の発生 昭介氏らの 所有株式数 出光興産の RDS からの 買付株式数 125,261,200 株 ( 33.2% ) 本資料は明日正午(予定)より当分の間、下記サイトからダウンロードできます。 第一中央法律事務所 http://www.1ch-law.com/report0801.pdf 4 出 光 興 産 ・ RDS が 今 後 採 る 可 能 性 の あ る 選 択 肢 ( 代 理 人 弁 護 士 に よ る 検 討 ) (注)使用している数値については、公表資料からの推計。 対応策 課題等 買 付 総 額 は 1,350 円 /株 で 5087 億 円 * 1 ・ 資 金 調 達 ( 現 在 予 定 し て い る 33% の 株 式 取 得 に 比 べ 3 倍の金額に達する) 全株式の公開買付 ・ の れ ん 2654 億 円 * 2 の 発 生 のれんは今後償却費としてPLで費用計上される。 減損による将来の損失発生リスクを抱える。 * 1 1,350 円 ×発 行 済 株 式 総 数 376 百 万 株 * 2 試 算 値 : 買 付 総 額 5087 億 △ 27/12 期 連 結 純 資 産 2433 億 ① 出 光 興 産 は 、RDS か ら の 株 式 買 付 時 点 で 、昭 介 氏 ら が 何 株 所 有 し て い る か を 把 握 で き な け れ ば 、 何 株 減 ら せ ば 1/3 以下となり、公開買付しなくてよいか、わからない。 ところが以下のとおり把握できない。 ・大 量 保 有 報 告 書 は 買 付 か ら 5 営 業 日 後 以 内 の 事 後 提 出 の た め 、買 付 時 ま で に 昭 介 氏 ら が 提 出 し て い る 大 量 保 有 報 告 書では、買付時の所有株式数を把握できない。 ・ 市 場 か ら の 買 付 約 定 日 を も っ て 、 当 該 買 付 株 式 数 は 1/3 の 判 断 基 準 と な る 分 子 に 加 え ら れ る と 考 え ら れ る 。と こ ろ 現在予定している昭 和シェル石油株式数 を 33.2% か ら 減 ら し て取得する。 が当該買付者の証券口座に当該買付株式が移管されるの は 、約 定 日 か ら 4 営 業 日 後 で あ る か ら 、最 速 で も 4 営 業 日 以 降 で な い と 、昭 和 シ ェ ル 石 油 は 昭 介 氏 ら が 買 付 し た こ と を把握できない。 ・他 人 の 名 義 で 所 有 す る 場 合 、信 託 を 通 し て 所 有 す る 場 合 も含まれるので、昭介氏ら所有者本人しか把握できない ( 総 株 主 通 知 か ら は 把 握 で き な い )。 ② RDS に 残 さ れ た 株 式 の 議 決 権 の 行 使 に つ き 、 RDS と 出 光 興 産 の 間 で 、昭 和 シ ェ ル 石 油 と 出 光 興 産 の 合 併 に 賛 成 す る な ど の 黙 示 の 合 意 が あ る と 認 定 さ れ れ ば 、RDS も 実 質 的 特 別 関 係 者( 金 商 法 27 条 の 2 第 7 項 2 号 ) に 該 当 し 、RDS に 残 さ れ た 株 式 も 1/3 基 準 で の 分 子 に 加 算 さ れ る の で 、減 ら し て 取 得 し て も 1/3 基 準 を ク リ ア で き な い 。 5 出光興産が第三者割 6 月 29 日 に 第 三 者 割 当 増 資 の 検 討 を し て い な い と 公 表 し 当増資をして、昭介 たばかり。 氏らの所有比率を 本 日 の 発 表 に 対 す る 対 抗 策 で あ る こ と が 明 ら か で あ り 、会 20% 未 満 に 下 げ る 。 社 法 210 条 の 不 公 正 発 行 に 該 当 す る 。 その他? 6 Q 1. 今後の方針は? A 出光興産との協議を申し入れるのか? 出 光 興 産 が 、RDS か ら の 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 取 得 の と り や め を 公 表 す る ま で の 間 、協 議 の 申 入 れ は し ま せ ん し 、出 光 興 産 か ら 協 議 の 申 入 れ が あ っ た としても、お断りせざるをえません。 も し 今 後 、出 光 興 産 を 通 じ て 、昭 和 シ ェ ル 石 油 の 重 要 事 実 を 伝 え ら れ る と 、 そ れ 以 降 、昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取 得 が 、金 融 商 品 取 引 法 上 の イ ン サ イ ダ ー 取 引 ( 金 融 商 品 取 引 法 166 条 ) に 該 当 す る お そ れ が あ る か ら で す 。 本日の会見後、出光興産に文書にて上記を通知します。 本 来 、出 光 興 産 か ら 協 議 の 申 入 れ が あ れ ば 、内 容 の 如 何 に か か わ ら ず 応 じ る姿勢でおりましたが、早期終息のためには今回の措置をとるしかなく、 それに伴う法令上の対応ですのでやむをえないと考えております。 7 月 11 日 の 会 議 で も 、出 光 興 産 か ら 、9 月 に 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 を 取 得 し て か ら が 、本 格 的 な 協 議 に な る と 伝 え ら れ 、昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 取 得 の と り や め に つ い て 断 ら れ て い ま す の で 、今 回 の 措 置 は 、出 光 興 産 と の 信 義 に も反していないと考えております。 Q 2. 昭 介 氏 ら は 昭 和 シ ェ ル石 油 株 式 を 、 今後 、 い つ 何 株 を 取 得 する 予 定 か ? 実際には全く取得しないこともあるのか? A 回答できません。 回答することは昭和シェル石油株式の取得のとりやめに向けた効果を失 わせるからです。 Q 3. 出光興産には本日の内容を事前に伝えてあるか? A 伝えていません。 当 方 か ら の 一 方 的 公 表 の ほ う が 、 出 光 興 産 に と っ て 今 後 の RDS と の 協 議 上、不利に働かないと思われるからです。 7 Q 4 . 公 開 買 付 し な け れ ば な ら な い 場 合 に 、公 開 買 付 せ ず に 、市 場 外 で 直 接 譲 渡 した場合の罰則等は? A 刑事罰として、公開買付届出書を提出しない者等に対して、5 年以下の懲 役 も し く は 500 万 円 以 下 の 罰 金 ま た は そ の 併 科 、法 人 に は 5 億 円 以 下 の 罰 金 が 定 め ら れ て い ま す ( 金 融 商 品 取 引 法 197 条 の 2、 207 条 )。 課 徴 金 と し て 、公 開 買 付 開 始 公 告 を せ ず に 買 付 等 を し た 者 に 対 し て 、買 付 価 額 の 25%( 1691 億 円 ×25% ≒ 422 億 円 )が 定 め ら れ て い ま す( 同 法 172 条 の 5)。 Q 5 . RDS と の 株 式 譲 渡 契 約 の 履 行 不 能 に よ り 、出 光 興 産 に 損 害 賠 償 金 が 生 じ る のか? A 株 式 譲 渡 契 約 書 の 内 容 に つ い て 全 く 存 じ 上 げ て い な い の で 、回 答 で き ま せ ん。 参考までに、株式譲渡契約の一般論としては 本 事 態 の 発 生 が 原 因 で 譲 渡 で き な く な っ た 場 合 、株 式 譲 渡 契 約 は 損 害 賠 償 金 を 発 生 さ せ ず に 解 消 さ れ る 、と い う 条 項 が あ れ ば 、損 害 賠 償 義 務 は 生 じ ません。 そ の よ う な 条 項 が 存 在 し な い 場 合 で も 、本 事 態 の よ う な 、売 主 及 び 買 主 の い ず れ の 責 め に も 帰 さ な い 事 由 に よ り 、履 行 で き な い 場 合 は 、損 害 賠 償 義 務 が 生 じ な い と の 法 律 上 の 解 釈 が と ら れ る 可 能 性 も あ り ま す( 金 融 商 品 取 引 法セミナー・公開買付け・大量保有報告書 有 斐 閣 82 頁 武井一浩∼西村あさひ 法 律 事 務 所 弁 護 士 、 藤 田 友 敬 東 京 大 学 教 授 ほ か )。 い ず れ に せ よ 、株 式 譲 渡 契 約 書 の 内 容 、こ の よ う な 場 合 に 準 拠 す る 法 律( 日 本 法 、英 国 法 等 。当 方 で は 存 じ 上 げ て お り ま せ ん )の 適 用 、解 釈 等 に よ り ます。 こ れ だ け の 巨 額 の 契 約 で 、20% 以 上 の 株 主 の 事 前 の 同 意 な く 株 式 譲 渡 契 約 が 締 結 さ れ て い る の で す か ら 、本 件 事 態 の 発 生 も 想 定 し て 、損 害 賠 償 義 務 が生じないよう契約書上対応しているはず、と思料します。 8 Q 6 . 出 光 興 産 は 平 成 27 年 7 月 30 日 の 株 式 譲 渡 契 約 締 結 後 の 同 年 8 月 6 日 に 、 大 量 保 有 報 告 書 を 提 出 し て い る 。同 契 約 締 結 時 に 1/3 を 超 え て い な け れ ば 、 公開買付の義務は発生しないのではないか? 今 後 行 わ れ る 引 渡 時 に 、 合 計 し て 1/3 を 超 え て い て も 、 問 題 は な い の で は ないか? A 出 光 興 産 か ら 、 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 売 買 完 了 時 に 1/3 を 超 え て い る と き は 公 開 買 付 義 務 違 反 に な る か ら 、注 意 し な け れ ば な ら な い と 記 さ れ た 文 書 を受け取っています。 7 月 11 日 に 出 光 興 産 の 弁 護 士 か ら も 同 趣 旨 を 伝 え ら れ ま し た 。 し た が っ て 同 契 約 締 結 時 で は な く 、 今 後 行 わ れ る 売 買 完 了 時 に 1/3 を 超 え ていれば、公開買付義務が発生することは共通の認識です。 1/3 以 下 の 株 式 を 市 場 外 で 取 得 す る 契 約 を 締 結 し た 後 に 、 独 禁 法 上 の ク リ ア ラ ン ス の 取 得 等 の 理 由 で 株 式 取 得 の 実 行 自 体 を 待 っ て い る 間 に 、 1/3 を 超 え る 事 態 が 生 じ た 場 合 は 、株 式 取 得 の 実 行 を し て は な ら な い 、と 記 さ れ た文献もあります(金融商品取引法セミナー・公開買付け・大量保有報告書 斐閣 81 頁 有 武 井 一 浩 ∼ 西 村 あ さ ひ 法 律 事 務 所 弁 護 士 、岩 原 紳 作 早 稲 田 大 学 教 授 ほ か )。 Q 7 . 出 光 興 産 は 昭 介 氏 ら が 特 別 関 係 者 に あ た る こ と は 、本 日 の 発 表 よ り 前 か ら 認識していたと思うか? A はい。当然認識していたはずです。 特 別 関 係 者 の 株 券 等 所 有 割 合 を 正 確 に 把 握 で き な い と 、公 開 買 付 が 強 制 さ れ る 状 況 に も か か わ ら ず 、公 開 買 付 に よ ら ず に 買 付 を 行 っ て し ま う 可 能 性 が あ る 、と 注 意 を 明 記 し て い る 文 献 も あ る く ら い で す ( ANALYSIS 付け 商事法務 144 頁 公開買 ア ン ダ ー ソ ン ・ 毛 利 ・ 友 常 法 律 事 務 所 )。 そ れ に も か か わ ら ず 、こ れ ま で 昭 介 氏 ら に 、本 買 付 に つ い て 協 力 を 要 請 す る こ と な く 、株 式 引 渡 し を 実 行 し よ う と し て い た の は 、昭 介 氏 ら が 特 別 関 係 者 の 地 位 に 気 付 か な い う ち に 成 し 遂 げ て し ま お う 、と い う 目 論 見 が 出 光 興 産 に あ っ た の か も し れ な い 、ま た 出 光 興 産 経 営 陣 が 、昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 引 渡 し が 終 了 し て か ら で な い と 、本 格 的 な 協 議 に 入 れ な い 、と 発 言 し 9 て い た の も 、こ の こ と と 関 係 し て い た の か も し れ な い 、と の 疑 念 も 抱 か ざ るをえません。 Q 8 . 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取 得 を や め る と 、昭 和 シ ェ ル 石 油 と 出 光 興 産 の 合 併 もなくなると考えているのか? A 株 式 取 得 が 合 併 の 前 提 事 項 で す か ら 、当 然 そ の よ う な 流 れ に な る と 思 い ま す。 平 成 27 年 12 月 17 日 に 昭 介 氏 は 合 併 及 び 株 式 取 得 に 反 対 す る 通 知 書 を 送 付 し 、 面 談 を 申 入 れ た の に 対 し 、 出 光 興 産 は 翌 年 1 月 29 日 を 面 談 日 に 指 定 し ま し た 。同 面 談 で も 反 対 と 明 言 し た の に 、そ の 後 、出 光 興 産 か ら 連 絡 はありませんでした。 定 時 総 会 も 近 づ く の に 何 ら 連 絡 が な い た め 、 同 年 5 月 23 日 に 昭 介 氏 ら は 内 容 証 明 郵 便 で 合 併 反 対 を 再 度 通 知 す る と 、や っ と 6 月 9 日 に 第 二 回 目 の 会談が実現しました。 合 併 に 関 す る 株 主 総 会 の 特 別 決 議 だ け で は な く 、本 日 発 表 し た 課 題 も あ る の に 、上 記 の よ う な 対 応 を し て き た 出 光 興 産 経 営 陣 に 対 し て は 、交 渉 相 手 の 昭 和 シ ェ ル 石 油 の 信 頼 も 、一 般 的 に 見 て 、か な り 低 下 す る の で は な い で しょうか。 も し 、出 光 興 産 経 営 陣 が 昭 介 氏 ら の 協 力 を 取 り 付 け て い た か の よ う な 話 を 昭 和 シ ェ ル 石 油 側 に し て い た の で あ れ ば 、信 義 さ え 疑 わ れ て も お か し く な いかもしれません。 そ う な る と 、株 式 取 得 後 に 合 併 、と い う 現 在 の ス キ ー ム を キ ャ ン セ ル し た 後 、新 た に 合 併 だ け の 成 立 に 向 け て 、昭 和 シ ェ ル 石 油 が 出 光 興 産 経 営 陣 と テーブルにつくのか、疑わしいと思います。 Q 9. 出 光 興 産 経 営 陣 が 昭 和シ ェ ル 石 油 株 式取 得 の と り や め を 決 断し な い と き は 、出 光 興 産 株 式 の 追 加 取 得 や 、臨 時 株 主 総 会 を 開 催 し て 取 締 役 を 変 更 す ることも考えているか? A 昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取 得 は 、金 融 商 品 取 引 法 違 反 行 為 で す か ら 、株 主 と し て 代 表 取 締 役 に 対 し 、昭 和 シ ェ ル 石 油 株 式 の 取 得 を 、と り や め る よ う 請 求 す る 文 書 を 発 送 し ま す( 会 社 法 360 条 10 株主による取締役の行為の差止 め )。 取 締 役 、監 査 役 に も 、 監 督 義 務 ・ 監 査 義 務 と し て 、違 法 行 為 を 代 表 取 締 役 にさせないようにしなければならない旨の文書を同様に発送します。 万 が 一 、そ れ で も 取 得 を 取 り や め ぬ よ う で あ れ ば 、会 社 法 360 条 に 基 づ き 、 取締役の違法行為の差止の仮処分を申し立てることも考えられます。 出 光 興 産 株 式 の 追 加 取 得 や 、臨 時 株 主 総 会 を 開 催 し て 取 締 役 を 変 更 す る こ とも可能な手段ではあります。 し か し こ の よ う な 裁 判 手 続 や 、株 主 総 会 で の 解 任 決 議 な ど は 避 け た い 、そ の よ う な 事 態 に 至 る 前 に 、現 況 を 冷 静 に 判 断 し て 、良 識 あ る 対 応 を し て ほ しいです。 裁 判 手 続 や 総 会 で の 解 任 決 議 は 、経 営 陣 と 株 主 の 争 い そ の も の に な り ま す し 、日 数 が か か っ て 、 そ の 間 、社 員 や 多 く の 関 係 者 に 、ご 迷 惑 を お か け し ま す 。出 光 興 産 経 営 陣 が 、大 企 業 の 経 営 者 と し て の 社 会 的 立 場 を 再 認 識 し 、 賢明な決断を速やかにして頂けると信じています。 Q 10. 出光興産取締役らに伝えたいことがあるか? A 月 岡 社 長 か ら は 、昭 介 氏 ら の 同 意 を 得 ら れ な け れ ば 合 併 し な い 、趣 旨 の 発 言を頂いています。 昭 介 氏 ら の 統 合 反 対 の 堅 い 意 思 は 、本 日 の 発 表 で 、再 認 識 頂 け た は ず で す 。 現 在 困 惑 し て い る の は 、統 合 が 今 後 ど う な る の か 、は っ き り わ か ら な い 中 で 日 々 を 過 ご し て い る 、出 光 興 産 の 社 員 、取 引 先 様 、そ の 他 多 く の 関 係 者 様です。 これまで進めてきたことを自ら否定するのは厳しい決断かもしれません が 、撤 退 の 意 思 決 定 は ト ッ プ し か で き ま せ ん 。社 長 の 速 や か な 英 断 を 望 み ます。 社 内 取 締 役 を 監 視 す る 社 会 的 役 割 を 果 た し て い る 2 名 の 社 外 取 締 役( 横 田 絵 理 氏 、伊 藤 亮 介 氏 ) に は 、今 の 状 況 を い か に し て 早 く 終 息 さ せ 、 社 員 を 本 業 に 邁 進 さ せ ら れ る か 、を 客 観 的 な 視 点 か ら 判 断 し 、取 締 役 ら に 適 切 な 意思決定を促して頂きたい。 以上 11 金融商品取引法(抜粋) 第 27 条 の 2 第 1 項 その株券・・について有価証券報告書を提出しなければならない発行者・・の株 券等につき、当該発行者以外の者が行う買付け等であつて、 次のいずれかに該当するものは、公開買付けによらなければならない。 第 1 号 ・・・ その者の所有に係る株券等の株券等所有割合 (その者に 特別関係者 があ る 場 合 に あ つ て は 、そ の 株 券 等 所 有 割 合 を 加 算 し た も の 。以 下 こ の 項 に お い て 同 じ 。) 第 2号 取 引 所 金 融 商 品 市 場 外 に お け る 株 券 等 の 買 付 け 等 で あ つ て 、著 し く 少 数 の 者 か ら 株券等の買付け等を行うものとして政令で定める場合における 株券等の買付け等の後における その者の所有に係る株券等の株券等所有割合 が 三分の一を超える場合における当該株券等の買付け等 第7項 第 1 項の「特別関係者」とは 、次に掲げる者をいう。 第 1号 株 券 等 の 買 付 け 等 を 行 う 者 と 、株 式 の 所 有 関 係 、親 族 関 係 その他の政令で定め る特別の関係にある者 第 2号 株券等の買付け等を行う者との間 で、共同して当該株券等を取得し、若しくは譲 渡し、若しくは 当該株券等の発行者の株主としての議決権その他の権利を行使するこ と 又は当該株券等の買付け等の後に相互に当該株券等を譲渡し、若しくは譲り受けること を合意している者 第 8項 第一項の 「株券等所有割合」 とは、次に掲げる割合をいう。 第 1号 株券等の買付け等を行う者にあつ ては、内閣府令で定めるところにより、その者 の所有に係る当該株券等に係る議決権の数・・の合計を、 当該発行者の総議決権の数にその者及びその者の特別関係者の所有に係る当該発行者の発 行する新株予約権付社債券その他の政令で定める有価証券に係る議決権の数を加算した数 で除して得た割合 12 金融商品取引法施行令(政令) 第 9条 抜粋 第 1項 法 第 27 条 の 2 第 7 項 第 1 号 に 規 定 す る 政 令 で 定 め る 特 別 の 関 係 は 、 株 券 等 の 買 付 け 等 を 行 う 者 が 個 人 で あ る 場 合 に は 、 次 に 掲 げ る 者 と の 関 係 と す る 。・ ・ ・ ・ 第 3項 個 人 ( そ の 親 族 を 含 む 。 以 下 こ の 条 に お い て 同 じ 。) と その 被支配法人等 ・・・が合わせ て 他 の 法 人 等 の 総 株 主 等 の 議 決 権 の 100 分 の 20 以 上 の 議 決 権 に 係 る 株 式・・を 自 己 又 は 他 人の名義をもつて所有する場合には、 当該個人 又 は・・・は 、当 該 他 の 法 人 等 に 対 し て 特 別 資 本 関 係 を 有 す る も の と み な し て 前 二項の規定を適用する。 第 5項 前二項の 被支配法人等とは 、個人・・が他の法人等の総株主等の議決権の百分の五十を超 え る 議 決 権 に 係 る 株 式・・を 自 己 又 は 他 人 の 名 義 を も つ て 所 有 す る 場 合 に お け る 当 該 他 の 法 人等をいう。 会社法(抜粋) 360 条 1 項 3 項 6 か 月 前 か ら 引 き 続 き 株 式 を 所 有 す る 株 主 は 、取 締 役 が ・・ 法 令・・に 違 反 す る 行 為 を し 、又 は こ れ ら の 行 為 を す る お そ れ が あ る 場 合 に お い て 、当 該 行 為 に よ っ て 当 該 株 式 会 社 に 回 復 す る こ と が で き な い 損 害 が 生 ず る お そ れ が あ る と き は 、当 該 取 締 役 に 対 し、当該行為をやめることを請求することができる。 362 条 2 項 2号 取 締 役 会 は 次 に 掲 げ る 職 務 を 行 う 。・ ・ ・ 取締役の職務の執行の監督 385 条 1 項 監 査 役 は 、 取 締 役 が 、・ ・ 法 令 ・ ・ に 違 反 す る 行 為 を し 、 又 は こ れ ら の 行 為 を す る お そ れ が あ る 場 合 に お い て 、当 該 行 為 に よ っ て 当 該 株 式 会 社 に 著 し い 損 害 が 生 ず る お それがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。 13 出光家 代理人弁護士からのご説明会 平成28年8月3日 1 関係者の概要1 財団 ロイヤル ダッチ シェル グループ 出光興産 うち33.2%を 市場外で 直接譲渡 12.7% 21% 35% 出光昭介氏 正和氏・正道氏 日章興産 昭和シェル 石油 14.9% もしサウジアラムコグループが特別関係者になると サウジ アラムコ グループ 出光興産が買付けする 昭和シェル石油株式数 + サウジアラムコグループが 所有する昭和シェル石油株式数 > 1/3 昭和シェル石油 発行済株式総数 2 出光興産が 昭和シェル石油株式を市場外で直接取引できるのは 買付時に下記の式を満たしたとき。 もし満たさないときは 公開買付けをしなければならない。 買付けする昭和シェル石油株式数 125,261,200株 + 特別関係者が所有する 昭和シェル石油株式数 ≦ 1/3 昭和シェル石油 発行済株式総数 376,850,400株 特別関係者とは? A 実質的特別関係者 共同して昭和シェル石油の議決権その他の権利を行使することを合意している者等 *合意には口頭、黙示の合意を含む B 形式的特別関係者 出光興産の株式を 20%以上所有している一定の株主グループ等 3 出光昭介氏らは 形式的特別関係者にあたるか? 1,928千株 昭介氏 正和氏 正道氏 27,120千株 出光興産 日章興産 4,832千株 親、子 及び その者らが 過半数を所有する会社の出光興産所有株式数は 一つの株主グループ(形 式的特別関係者)として これらを合計して 20%以上か否かを判断する。 昭介氏、正和氏、正道氏、日章興産が所有する出光興産株式の所有株式数 33,880千株 / 発行済株式総数 160,000千株 = 21.1% > 20% したがって 昭介氏が所有する昭和シェル石油株式数は1/3の判定上、分子に加算しなければならない。 4 (1)本日発表の取得済株式数 400,000株をいれると 125,261,200株 + 400,000株 125,661,200株 = 376,850,400株 376,850,400株 = 33.345% > 1/3 公取審査完了後に株式買付が実行されると 出光興産は公開買付義務違反になる (2)買付時に特別関係者が 何株もっているかを把握していないと1/3を超えているか判断できない 買付けする株式数 125,261,200株 + 特別関係者が 所有する株式数 α > OR 昭和シェル石油 発行済株式総数 376,850,400株 ≦ 1/3 5 これまで 本日時点 今後 特別関係者分を 減らして 1/3以内にしても 特別関係者が 追加取得していると 公開買付 株式所有割合が 1/3 RDシェルから 125,616千株 RDシェルから RDシェルから 買付する株式 買付する株式 124,861千株 125,261千株 買付する株式 特別関係者が 追加取得 125,261千株 特別関係者が 所有する株式 400千株 特別関係者が 所有する株式 400千株 特別関係者が 追加取得しているかは 出光興産は 買付時にわからない 6 関係者の概要2 財団 ロイヤル ダッチ シェル グループ 35% 昭和シェル 石油 出光興産 うち33.2%を 市場外で 直接譲渡 12.7% 21% 出光昭介氏 正和氏・正道氏 日章興産 出光興産の特別関係者 14.9% サウジ アラムコ グループ 出光昭介氏らは特別関係者なので 出光興産が買付けする 昭介氏らが所有する + 昭和シェル石油株式数 昭和シェル石油株式数 > OR 昭和シェル石油 発行済株式総数 ≦ 1/3 7
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