卒業生の声 蘇州日本人学校で学び,活躍する卒業生たち 「未来に向かい 明るく元気で 心豊かな子どもの育成」のもとで,蘇州っ子たちは,学習はもちろん行事や運動にも日々全 力で取り組んでいます。世界にはばたくグローバル人材となるべく本校を巣立った卒業生たちは,さわやかに成長し,各方 面へ大きく羽ばたこうとしています。 第 9 期生 杉田 潤さん 明治学院高等学校 2 年 在学中 (平成 28 年 現在) 僕にとって蘇州日本人学校での思い出は,多くの人との出 会いと共に,宝物です。 中学二年生という中途半端な時期での転校は,不安以外の 何も感じないものでした。東北からやって来た純朴な少年で ある僕(?)にとって,関西出身の級友たちの明るいノリは, 当初は恐怖以外の何物でもなくて,自分の立ち位置がわから ず,悶々としていました。けれど,級友たちはそんな自分を放っておくことはなく,声 をかけ続けてくれたのです。おかげで,一週間後にはみんなと一緒に笑っていました。 蘇州日本人学校の大きな特長のひとつが,小中一貫校 であることだと思います。ですから,入学式や卒業式は もちろんのこと,運動会も学習発表会も小学生と中学生 が一緒です。“仲良し班”という縦割り班があり,中学 生が小学生と遊んだり,お弁当を食べたりして交友を深 めます。校舎も校庭も一緒ですから,「あっ,はんちょ ~う!おはようございまーす!」とかわいい声で声をか けてくれることも多々あります。かわいくて,うれしく て,つい頬がゆるんでしまいます。 そんな僕たちにとって最大の行事が,運動会です。中学二年生の時に応援団員をして, 先輩の応援団長姿を間近に見た僕は, 「来年は絶対に応援団長になる!」と心に決めまし た。そして,翌年,白組の応援団長になりました。応援の形をつくり上げるのは簡単な ことではありませんでしたが,当日,小学校1年生から中学3年生までの二百数名とと もにおこなった応援に体が震えるほど感動しました。中 学生全員で踊る「蘇州ソーラン」は,足裏の皮がむける まで,何度も何度も練習しつくり上げていきました。当 日,演技の途中で曲が止まるというハプニングがありま したが,応援してくださるみなさんの手拍子と声援のお かげで最後まで踊りきることができました。 そして中学生として最も楽しかった行事は,修学旅行です。 中国に住んでいるからこそ,訪れることができた西安・敦煌…, 18名の級友と先生方と一緒に見た砂漠に沈む夕日のことを僕 は一生忘れることができないでしょう。兵馬庸の兵隊の大きさ に驚いたり,様々な餃子料理を楽しんだり,砂漠の小山を級友 と手をつないでかけおりたり…。日本にいては体験できないこ とを経験させてもらい,先生方と両親に感謝しています。 この春,僕は高校2年生になりました。電車通学にも慣れ,制服姿もだいぶ板につい てきました。校外ホームルーム活動,水泳大会,学園祭,合唱祭,体育祭…高校の学校 行事は大掛かりになることが多く,企画や準備にものすごい時間をかけます。そのため, 行事が重なる時期には「あれも,これもやらなければ!」と頭も体もフル回転させなけ ればならないのですが,そのぶん成功した時の達成感は半端ありません! 勉強はきちんと成果を出さないといけません。定期考査の点数がそのまま評価につな がります。また,内容が専門的になってくるので,授業をしっかりと聞き,理解した上 でノートを取ることが大切になってきます。英語は予習が必須ですし,数学などはその 都度復習して理解しておくことが求められます。 部活動はサッカー部に入部しました。蘇州日本人学校での部活動は週2回でしたので, 入部当初は体力的にものすごく辛かったです。今でも決して楽ではありませんが,信頼 できる顧問の先生とチームメイトに恵まれ,日々頑張っています。 将来は,大学で心理学の勉強をしたいと思っています。そして,蘇州にいる時から公 言していましたが,東京ディズニーリゾートで働くことが夢です。高校生になり,友人 と東京ディズニーランドと東京ディズニーシーへ遊びに行く機会が増えましたが,夢の 国とそこで働くキャストの方々には,訪れた人を笑顔にしてくれる力がある!と実感し ました。 蘇州でたくさんの人との出会いに助けられた僕は,やはり人と接する仕事に就きたい です。実は,中学校の先生もいいな,と密かに思っています。
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