会計基準Digest

July 2016 No.16-8
会計基準Digest
会計基準を巡る動向
2016年7月号
会計基準Digestは、日本基準、修正国際基準、IFRS及び米国基準の主な動向に
ついての概要を記載したものです。
1. 日本基準
■法令等の改正
該当なし
■会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ)
)
【最終基準】
該当なし
【公開草案】
該当なし
日本基準についての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(日本基準)へ
改正修正国際基準には、次の2つの「削除または修正」
対象項目が追加された。
(1)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資
本性金融商品への投資をヘッジ対象とした公正価
値ヘッジのノンリサイクリング処理
(2)キャッシュフロー・ヘッジにおけるベーシス・ア
ジャストメント
(ヘッジ会計におけるオプションの時間的価値の
会計処理を含む)
改正修正国際基準は、公表日以後開始する連結会
計年度より適用する。
【あずさ監査法人の関連資料】
修正国際基準ニュースフラッシュ(2016年7月29日発行)
【公開草案】
該当なし
2. 修正国際基準
■会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ)
)
日本基準についての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(修正国際基準)へ
【最終基準】
ASBJ、
「改正『修正国際基準(国際会計基準と企業会計
基準委員会による修正会計基準によって構成される会
3. IFRS
企業会計基準委員会は、2016年7月25日、「改正『修正
■会計基準等の公表(国際会計基準審議会(IASB)、
IFRS解釈指針委員会)
正会計基準によって構成される会計基準)』」(以下「改
【最終基準】
計基準)
』
」を公表
国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修
正修正国際基準」
)を公表した。
改正修正国際基準は、2013年中に国際会計基準審議会
(以下「IASB」
)により公表された新規または改正され
た会計基準及び解釈指針を対象とした国際会計基準(以
下「IFRS」)のエンドースメント手続の結果として公表
該当なし
【公開草案】
該当なし
されたものである。
© 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of
independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
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■INFORMATION
金融庁「国際会計基準(IFRS)に基づく四半期連結財務諸表の
開示例について」を公表
平成28年7月8日、金融庁は「国際会計基準(IFRS)に基づく
四半期連結財務諸表の開示例について」を公表した。本開示例
は、平成22年4月に公表されていた「国際会計基準に基づく四
半期連結財務諸表の開示例」の改訂として取りまとめられたも
のである。
改訂の主なポイントは以下のとおりである。
 最新のIFRSに対応
これまでの開示例は、IFRS任意適用開始時点(平成22年3
4. 米国基準
■会計基準等の公表(米国財務会計基準審議会(FASB))
【最終基準(会計基準更新書(Accounting Standards Update; ASU)
)
】
該当なし
【公開草案(会計基準更新書案(ASU案)
)
】
ASU案「法人所得税~開示フレームワークに基づく開示規定の
変更」の公表(2016年7月26日
FASB)
本ASU案は、開示フレームワーク・プロジェクトの一環として
法人所得税に関する開示規定の見直しを提案するものである。
開示フレームワーク・プロジェクトは、財務諸表利用者にとっ
月期)の基準に基づくものであったが、本開示例は、その
て最も有用な情報について明快なコミュニケーションを促進
でに強制適用されているIFRSの改訂を反映している。
は、法人税額等の金額について国内と国外に分けて開示するこ
後のIFRS第9号(金融商品)の改訂など、平成28年3月期ま
 IFRSの規定に基づく説明の充実
これまでの開示例は、表形式による開示例と、その根拠と
なるIFRSの規定を記載していたが、本開示例は、企業が
IFRSに基づく開示を検討する際の理解が深まるよう、表形
式による開示例ごとに根拠となるIFRSの規定を明示する
とともに、表形式による開示例とIFRSの規定とを結びつけ
る説明を行っている。
 IFRS任意適用企業の実際の開示を反映
これまでの開示例は、IFRS任意適用開始時に作成されたも
のであったため、IFRSに基づく実際の開示を参考とするこ
とができなかったが、本開示例は、IFRSに基づく実際の開
示を参考に、IFRS任意適用企業の実務に即したものとして
作成している。
また、IFRSにおいて明示的に開示を求められていない項目
は、開示例に含めないとともに、IFRSにおいて明示的に開
示を求められている項目であっても、多くの企業において
重要性が高くない項目、取引や事象の頻度が高くないと考
えられる項目については開示例に含めないことで、企業の
開示負担にも配慮したものとなっている。
【あずさ監査法人の関連資料】
IFRSニュースフラッシュ(2016年7月11日発行)
IFRSについての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(IFRS)へ
する目的で、開示事項を見直すものであり、本ASU案において
とが新たに要求される一方、従来要求されていた一部の開示は
将来の見積りに関するものであるためこれを削除することが
提案されている。また、法的に強制可能な政府との契約につい
ても開示を要求することが提案されている。
新たな開示規定は将来に向かって適用されることが提案され
ているが、適用開始日は関係者からのフィードバックを待って
検討するとされている。
コメントの締切りは2016年9月30日である。
【あずさ監査法人の関連資料】
Defining Issues No16-28(英語)
ASU案「年金会計~従業員給付制度のマスター・トラストにつ
いての報告」の公表(2016年7月28日 FASB)
本ASU案は、従業員給付制度がマスター・トラストに対して保
有する持分について、表示を明確にし、より詳細な開示を求め
ることを提案するものである。
適用開始日並びに早期適用の可否については関係者からのフ
ィードバックを待って検討するとされている。
コメントの締切りは2016年9月26日である。
【あずさ監査法人の関連資料】
あずさ監査法人はこのASU案に関するDefining Issuesを近
日中に公表する予定である。
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■INFORMATION
SEC ルール33‐10110案「開示の更新と簡素化」の公表(2016
年7月13日
SEC)
本ルール案は、開示の有効性イニシアチブの一環として、SEC
が、レギュレーションS-K、S-X等のもと要求されている開示
内容について、SECルール、米国基準及びIFRSにおいて重複が
ある開示、あるいは時の経過及び規制環境等の変化により陳腐
化した開示の削減を提案するものである。
コメントの締切りは官報での公表から60日後である。
【あずさ監査法人の関連資料】
Defining Issues No16-27(英語)
米国基準についての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(米国基準)へ
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■ KPMG会計・監査AtoZアプリのご紹介
あずさ監査法人が提供する会計情報アプリ「KPMG会計・監査AtoZ」で
は、いつでも・どこでも日本基準、修正国際基準、IFRS、そして米国
基準に関する会計・監査情報を閲覧できるほか、動画による解説コン
テンツを視聴することができます。
【最近公開した主な動画解説コンテンツ】
 オンライン解説
 オンライン解説
2016年5月 IASB会議速報
2016年6月 IASB会議速報
編集・発行
有限責任 あずさ監査法人
[email protected]
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Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated
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The KPMG name, logo are registered trademarks or trademarks of KPMG International.
各基準についてのより詳細な情報、過去情報は、
あずさ監査法人のウェブサイトをご確認ください。
■ あずさ監査法人トップページ(Link)
■ 日本基準(Link)
■ 修正国際基準(Link)
■ IFRS(Link)
■ 米国基準(Link)