財政学 1 2016 年度第2ターム 宿題(7/29/16) 出題:2016 年 7 月 29 日(金) 提出締切:2016 年 8 月 5 日(金)午後 5 時までに、学生支援室のボックスに提出して下さい。 この問題ではプライマリーバランス(基礎的財政収支)と公債残高(対 GDP 比率)の関係について、簡単 なシミュレーション分析を用いた考察を行います。政府の予算制約式を、授業で用いたものと同じく、次のよ うに表します。 Gt + r Bt = Tt + Dt , Dt = Bt 1 - Bt , t = 0, 1, 2,・・・. ここで公債残高の初期値は B0 = 1000 と仮定します。一方 GDP は次の式に従って変化します。 Yt 1 = (1 + g ) Yt , t = 0, 1, 2,・・・. ここで GDP の初期値は Y0 = 500 と仮定します。 質問 1-1.プライマリーバランスは毎年 100 の赤字と仮定します。また利子率 r と GDP 成長率 g につい ては、次の表で示される{ケース 1a、ケース 1b、ケース 1c}を想定します。 利子率(r ) 成長率(g) ケース 1a 0.5% 1.0% ケース 1b 1.0% 1.0% ケース 1c 1.5% 1.0% このとき t = 0, 1, 2, ・・・, 10 における、公的債務残高対 GDP 比率を計算して、次の表を完成して下さい。 t B(t)1a B(t)1b B(t)1c Y(t) 0 1000 1000 1000 500 B(t)1a/Y(t) B(t)1b/Y(t) B(t)1c/Y(t) 2.0 2.0 2.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 質問 1-2.上の質問 1-1 で作成した表を用いて、横軸で時間 t 、縦軸で{B(t)1a/Y(t), B(t)1b/Y(t), B(t)1c/Y(t)} を計るグラフを作成して下さい。 1 質問 1-3.プライマリーバランスは毎年 100 の赤字と仮定します。また利子率 r と GDP 成長率 g につい ては、次の表で示される{ケース 1d、ケース 1e、ケース 1f}を想定します。 利子率(r ) 成長率(g) ケース 1d 1.0% 0.5% ケース 1e 1.0% 1.0% ケース 1f 1.0% 1.5% このとき t = 0, 1, 2, ・・・, 10 における、公的債務残高対 GDP 比率を計算して、次の表を完成して下さい。 t B(t) Y(t)1d Y(t)1e Y(t)1f 0 1000 500 500 500 B(t)/Y(t)1d B(t)/Y(t)1e B(t)/Y(t)1f 2.0 2.0 2.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 質問 1-4.上の質問 1-3 で作成した表を用いて、横軸で時間 t 、縦軸で{B(t)/Y(t)1d, B(t)/Y(t)1e, B(t)/Y(t)1f} を計るグラフを作成して下さい。 2 質問 2-1.プライマリーバランスは毎年 100 の黒字と仮定します。また利子率 r と GDP 成長率 g につい ては、次の表で示される{ケース 2a、ケース 2b、ケース 2c}を想定します。 利子率(r ) 成長率(g) ケース 2a 0.5% 1.0% ケース 2b 1.0% 1.0% ケース 2c 1.5% 1.0% このとき t = 0, 1, 2, ・・・, 10 における、公的債務残高対 GDP 比率を計算して、次の表を完成して下さい。 t B(t)2a B(t)2b B(t)2c Y(t) 0 1000 1000 1000 500 B(t)2a/Y(t) B(t)2b/Y(t) B(t)2c/Y(t) 2.0 2.0 2.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 質問 2-2.上の質問 2-1 で作成した表を用いて、横軸で時間 t 、縦軸で{B(t)2a/Y(t), B(t)2b/Y(t), B(t)2c/Y(t)} を計るグラフを作成して下さい。 3 質問 2-3.プライマリーバランスは毎年 100 の黒字と仮定します。また利子率 r と GDP 成長率 g につい ては、次の表で示される{ケース 2d、ケース 2e、ケース 2f}を想定します。 利子率(r ) 成長率(g) ケース 2d 1.0% 0.5% ケース 2e 1.0% 1.0% ケース 2f 1.0% 1.5% このとき t = 0, 1, 2, ・・・, 10 における、公的債務残高対 GDP 比率を計算して、次の表を完成して下さい。 t B(t) Y(t)2d Y(t)2e Y(t)2f 0 1000 500 500 500 B(t)/Y(t)2d B(t)/Y(t)2e B(t)/Y(t)2f 2.0 2.0 2.0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 質問 2-4.上の質問 2-3 で作成した表を用いて、横軸で時間 t 、縦軸で{B(t)/Y(t)2d, B(t)/Y(t)2e, B(t)/Y(t)2f} を計るグラフを作成して下さい。 質問3.バブル崩壊後の 1990 年代の不況、2000 年代に入ってからの世界同時不況、更に長期的には少子・高 齢化の進行による社会保障関係費の増加などの要因によって、現在わが国政府の財政は危機的な状況にあり ます。これらの期間を通じて日本国政府は、基礎的財政収支を目安とした財政再建計画を繰り返し公表してき ましたが、いずれも当初の目標を達成することが出来ず、目標の修正が行われてきました。 1990 年代と 2000 年代を通じて公表された、基礎的財政収支に関する目標について調べた上で、これらの目 標が達成出来なかった理由について 800 字程度で述べて下さい。 質問4.上の質問 1-1、質問 1-2、質問 2-1、および質問 2-2 の結果を参考にして、現在のわが国政府が財政再 建を達成するために必要な条件を 800 字程度で述べて下さい。 4
© Copyright 2025 ExpyDoc