クリスチャン生活 - JESUS-FOLLOWER/イエスに従う人たち

クリスチャン生活
セッション1
道徳的なきよさ
ひろ子はカフェに行き、カプチーノと好みのケーキを注文しました。そして、
座り心地の良さそうな席を見つけ、そこで一息つきました。今日は彼女にとっ
て大変な一日でした。まず、予期していなかったたくさんの仕事が上司からま
わってきました。昼休みには、一番の親友と激しい口げんかをしてしまいまし
た。そして、午後に母親から電話がかかり、祖母の病状が重くなり、余命が後
わずかになってしまったとの知らせを受けました。ひろ子は、両親と共にいな
かにいる祖母のもとに行くために、友だちに連絡を入れて週末に予定していた
用事を断らなければなりませんでした。ひろ子は、孤独とストレスのために、
疲れ果てていました。
ひろ子がカプチーノを飲みながらその日の出来事を思い巡らしていたとき、一
郎がやって来ました。彼らは同僚として互いのことを知っていましたし、職場
のみんなと一緒に食事や宴会に行くこともありました。しかし、彼らはそれほ
ど親しくはなく、ひろ子は一郎のことを友だちとは考えていませんでした。し
かし、一郎はいつも親切で、よく理解してくれる人でした。彼はいつも周りに
いる人たちに気を配る人のようでした。ひろ子にも何度も親切にしていました。
それで、一郎がひろ子のもとに来て隣に座ってもよいか尋ねたとき、ひろ子は
「はい、どうぞ」と答えました。一郎はこう言いました。
「今日は大変な一日だ
ったみたいだね。何か力になれることはない?」ひろ子はその日に起きた出来
事を話し始め、やがて感情を抑えきれなくなり、涙があふれてきました。一郎
は彼女の話に耳を傾け、よく考えながらいろいろとアドバイスしました。ひろ
子は彼の親切な応対に感謝の思いを抱くようになりました。
「一郎さんは、私に
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とっての本当の友だちだわ。」と彼女は思いました。
あっという間に時が経ち、夜も遅くなってきたので、一郎とひろ子は近くのレ
ストランで一緒に食事をすることにしました。職場の人たちと一緒に出かける
ことは何度もありましたが、二人だけで食事をするのは初めてでした。一郎と
二人きりになって、雰囲気が変わってきました。「男の人と二人きりだなんて、
なんかロマンチックになってきたわ」とひろ子は思いました。また、一郎が彼
女のためにワインを注文したので、よりロマンチックな雰囲気がかもし出され
ていきました。突然、閉店時間となり、店を出て、帰る時間となりました。本
当にすばらしい時を過ごしたので、ひろ子はすぐには家に帰りたくないと感じ
ていました。そのとき一郎が言いました。「今晩、僕と一緒に過ごさない?」
小グループでの分かち合い
1.クリスチャンとして、ひろ子は一郎の誘いにどのように答えるべきですか。
2.なぜ、ひろ子はそのように答えるべきなのでしょうか。
クリスチャンとして、ひろ子は一郎の誘いに対して「No」と答えるべきです。
たとえ一郎のことが好きになったとしても、彼と一夜を明かすことは間違って
います。それは、セックスは結婚した夫婦の間でのみなされるべきであると聖
書が教えているからです。I テサロニケ4:3-5、7にこう書かれています。
「神のみこころは、あなたがたが聖くなることです。あなたがたが不品行を避
け、各自わきまえて、自分のからだを、聖く、また尊く保ち、神を知らない異
邦人のように情欲におぼれず、… 神が私たちを召されたのは、汚れを行わせる
ためではなく、聖潔を得させるためです。」
もしひろ子が一郎と寝てしまうなら、彼女は神のことばに逆らうことになりま
す。この不従順は罪です。その罪の結果、ひろ子と神との関係が損なわれてし
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まいます。また、彼女のうちに罪悪感が残ります。そして、後でひろ子が結婚
することを決意するときに、悪い影響を及ぼすことになります。
小グループでの分かち合い
1.クリスチャンが道徳的なきよさを保つのを困難にさせるものとして、どのようなもの
がありますか。
2.I テサロニケ4:3によると、なぜ私たちはきよさを保つように努めるべきですか。
私たちがきよさを保つことは神のみこころなので、私たちはそうするように努
めるべきです。きよい生活を送ることによって、あなたは神に栄光をささげる
ようになります。しかし、すべてのクリスチャンが、時に罪を犯します。あな
たが罪を犯すとき、イエス様はいつもあなたを赦そうとされます。I ヨハネ1:
9にこう書かれています。
「もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実
で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださ
います。」しかし、イエス様がいつも罪を赦してくださるからと言って、罪を犯
しても大丈夫だと考えるべきではありません。罪は罪悪感や恥をもたらし、神
との関係、他の人との関係を損なわせます。イエス様はあなたが罪を犯し続け
るためにあなたの罪を赦されたのではありません。イエス様があなたの罪を赦
されたのは、あなたが罪から解放され、神に喜ばれる義と平和と喜びにあふれ
る生活を送るためなのです。
ポルノやその他の性的な不品行をもたらすものが、社会に氾濫しています。そ
のため、個人個人で道徳的なきよさを保つのは非常に困難です。クリスチャン
である私たちには聖霊がおられ、聖霊は私たちがきよさを保てるように助けて
くださいます。また、クリスチャンは互いに助け合うべきです。あなたの小グ
ループでも、道徳的なきよさを保つように互いに祈り合い、励まし合うべきで
す。
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小グループでの適用
1.道徳的なきよさを保つために、どのように互いに励まし合うことができるか話し合
ってください。このことについて正直に話すことができるように、女性のグループと男
性のグループとに分かれて分かち合うといいでしょう。
2.分かち合った後、最後に互いのために祈り合ってください。
個人的な適用
1.あなたの生活において、まだ捨て切れていない、汚れた思いや行いはあります
か。
2.しばらく祈るときを持ってください。
・あなたを新しい人にしてくださっていることをイエス様に感謝しましょう。
・あなたのうちにある道徳的な汚れについての罪をイエス様に告白しましょう。そして、
その罪を赦してくださるようにイエス様に祈り求めましょう。
・イエス様を信じる信仰に基づいて日々生きることを、改めて決心しましょう。
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セッション2
誠実さ
先月の売上の記録を見ていた田中は、何かおかしいと感じました。確かに、売
上が伸び、会社としてもこの5年間で初めて黒字になったのですが、ここまで
売上が伸びているとは信じられませんでした。彼は一人で、それぞれのセール
スマンの業績を調べていました。いつもどおり、何人かは業績を伸ばし、何人
かはうまくいかなかったのですが、全体的には先月の業績は普段よりも良かっ
たようでした。しかし、彼が思っていた以上の数字が記録されていたのです。
前の月よりも20%も伸びていました。それは驚くべき数字でした!そのとき、
鈴木がやって来ました。鈴木は営業部のある部署を担当する責任者でした。そ
の会社では、鈴木は田中よりも少し先輩で、すでに昇進を果たしていましたが、
もう一度さらに昇進することを考えていました。田中はこう言いました。
「鈴木
さん、ちょっと話したいことがあるのですが。先月の売上の記録を見ていたの
ですが、ちょっとおかしいと思うんですけど。
」鈴木はしばらく黙り込み、田中
を見つめた後、二人だけで話ができるように田中を別の部屋へと招きました。
鈴木は言いました。
「田中君、この件については黙っていてもらいたい。君も知
っているとおり、僕には昇進がかかっているんだ。うちの課がどれだけ業績を
伸ばしているか示さなければならないんだ。今、君が助けてくれたら、僕もそ
のお礼は十分にするつもりだよ。」
小グループでの分かち合い
1.クリスチャンとして、田中は鈴木に対してどのように答えるべきですか。
2.なぜ田中はそのように答えるべきなのでしょうか。
私たちは他の人たちに対してすべてのことにおいて誠実を尽くすべきであると
聖書は教えています。エペソ4:24-25にこう書かれています。
「真理に基
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づく義と聖をもって神にかたどり造り出された、新しい人を身に着るべき(で
す)…あなたがたは偽りを捨て、おのおの隣人に対して真実を語りなさい。私
たちはからだの一部分として互いにそれぞれのものだからです。」
鈴木が田中に対して偽るように求めてきたので、田中は「No」と答えるべきで
す。そうすることによって鈴木との関係が悪くなるのではないかと田中は心配
するかもしれませんが、田中は自分の行いが神との関係にどのような影響を及
ぼすかについても考えるべきです。偽ることは罪です。罪は田中と神との関係
を損ないます。また、偽ることによって、それが発覚した場合、田中と会社の
他の人たちとの関係も損なわれます。
田中はクリスチャンです。イエス様を信じる信仰のゆえに、イエス様は彼の罪
を赦してくださいました。だからと言って、彼が罪を犯さなくなるわけではあ
りません。鈴木やその他の人たちが、田中に対して偽るようにと、引き続き誘
惑してくるかもしれません。田中は注意していなければ、その誘惑に陥ってし
まうかもしれません。
小グループでの分かち合い
1.エペソ2:8-10を読んでください。
2.救いと良い行いにはどのような関係がありますか。
救いはあなたへの神からの贈り物です。神はただあなたを愛しておられるので、
この贈り物をあなたにお与えになったのです。神はご自身の愛のゆえに、あな
たの罪を赦し、永遠のいのちを与えたいと願われました。神はあなたに神の子
となってもらいたいと願っておられたのです。聖書は、この愛にのみ基づいた
贈り物、それを獲得するために努力しても獲得することのできない贈り物のこ
とを「恵み」と呼びます。
「あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われ
たのです。それは、…神からの賜物です。」(エペソ2:8-9)
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救いという神からの贈り物を獲得しようと努力してもそれを獲得することはで
きませんが、あなたはこの贈り物を受ける必要があります。神の救いは、信仰
によって受けるべきものです。それで8節には、
「あなたがたは、恵みのゆえに、
信仰によって救われたのです」と書かれているのです。あなたが自分の主、救
い主としてイエス様を信じたとき、あなたは救いという神からの贈り物を受け
ました。あなたはこれを獲得しようとしたり、これを変えようとしたりするこ
とはできません。決して良い行いが救いをもたらすのではありません。救いと
は「行いによるのではありません。だれも誇ることのないためです。」(エペソ
2:9)
良い行いは、救いの結果の一つであるべきです。実際、エペソ2:10には、
イエス様があなたを救われた一つの理由は、あなたが良い行いをするためであ
ったことが書かれています。
「私たちは神の作品であって、良い行いをするため
にキリスト・イエスにあって造られたのです。
」クリスチャンになる前、あなた
には罪を犯す傾向がありました。誘惑に立ち向かうように助けてくれる人はだ
れもいませんでした。ですから誘惑に会うと、簡単に罪を犯してしまいがちで
した。ヤコブ1:14にこう書かれています。
「人はそれぞれ自分の欲に引かれ、
おびき寄せられて、誘惑されるのです。
」あなたにとって、間違ったことをしな
いようにするのは困難なことでした。間違ったことをしても、それは正しいこ
となのだと何度も自分に言い聞かせてきたかもしれません。今、あなたは新し
く造られた者として、なお罪を犯す可能性も持っていますが、あなたと共にイ
エス様がおられ、イエス様はあなたに導きと力を与えてくださっています。時
には誘惑に陥ることもあるかもしれませんが、以前とは違って、今、あなたは
誘惑に立ち向かう力を持っています。それは聖霊の力です。
「御霊は肉に逆らう
からです。」
(ガラテヤ5:17)また、
「いのちの御霊の原理が、罪と死の原理
から、あなたを解放したからです。」(ローマ8:2)
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小グループでの適用
1.日々の生活において、どのようなことについて誠実さを失ってしまいそうになるか
話し合ってください。話し合いの内容には、仕事、お金の使い方、他の人に嘘をつくこ
と、なども含まれるかもしれません。
2.互いに誠実さを保つために、どのように励まし合うことができるか話し合ってくださ
い。
3.祈りをもって分かち合いを終えてください。仕事において、また個人的な生活にお
いて、誠実さを保つことができるように、神の助けを祈り求めましょう。
個人的な適用
1.あなたが日々の生活において、どのような点で誠実さを保つことに葛藤を感じて
いるか示してくださるように神に祈り求めてください。もし罪を犯してしまったなら、そ
の罪を告白し、神に赦しを求めてください。
2.今週一週間、他の人たちに対して完全に誠実であり続けるように努めましょう。つ
まり、だれにも嘘をつかず、偽ったことをしないようにしましょう。あなたはこのことを自
分の力ですることはできません。神の助けを求め、神が与えてくださる力に拠り頼む
必要があります。
3.完全に誠実であり続けるようにしたことを通して、神が何を教えてくださったか、小
グループの他のメンバーと分かち合ってください。
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セッション3
みことばに従う
智子と暢明は、一年間付き合っていました。そして、最近、彼らは結婚につい
て話し始めました。それぞれの家族は彼らが結婚することに賛成していますが、
智子は暢明がクリスチャンではないので、彼と結婚することに躊躇していまし
た。暢明は智子にこう言います。
「君の信じている神様が君の幸せを望んでいる
なら、神様は君が僕と結婚することを望んでいると思うよ。僕と一緒に幸せな
人生を送ろう。」しかし智子は、聖書にこう書かれているのを知っていました。
「不信者と、つり合わぬくびきをいっしょにつけてはいけません。」(II コリン
ト6:2)このみことばによると、クリスチャンはノンクリスチャンと永続的
な関係を築くべきではありません。結婚は永続的な関係を意味するので、智子
は暢明がクリスチャンになる決心をしない限り、彼と結婚するべきではありま
せん。
小グループでの分かち合い
智子は自分の思いと両親のアドバイスをもとに暢明と結婚すべきですか。それとも、
みことばに従うべきですか。
あなたは、みことばに応答したことによってクリスチャンになりました。聖書
がイエス様について何を教えているか、他のクリスチャンがあなたに話してく
れました。新しいのちを得るにはどうしたらよいかを示すそのメッセージは、
あなたにとって良い知らせでした。あなたは、それまでにしてきたすべての悪
い行いが赦されることを聞きました。また、あなたを造られ、愛しておられる
唯一の本当の神と関係を持つことができることを知りました。そして、天国で
神と共にいつまでも生きることができることを知りました。それであなたはみ
ことばを信じ、救いを得ました。イエス・キリストを信じる信仰によって新し
いいのちを体験したのです。
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小グループでの分かち合い
1.ヤコブ1:19-27を読んでください。
2.みことばを理解しさえすれば、霊的に成長するでしょうか。
みことばに応答することを通して新しい霊的な生活が始まったのと同じように、
みことばに対するふさわしい応答を通して、霊的な成長がもたらされます。ヤ
コブ1:22にこう書かれています。
「みことばを実行する人になりなさい。自
分を欺いて、ただ聞くだけの者であってはいけません。
」みことばによって変え
られるためには、それを学び、理解しなければなりません。小グループでみこ
とばを聞き、教わるだけでは十分ではないのです。また、ただみことばの意味
を理解するために聖書を学ぶのも十分ではありません(聖書の学びの仕方につ
いては、
「聖書の学びの基本」と「聖書の登場人物を学ぶ」の学びを参照してく
ださい)。
ヤコブは、みことばを聞くだけで日々の生活において適用しようとしないなら、
その人は自分の顔を鏡で見て、立ち去ってしまうような人であると述べていま
す。みことばによる励ましを受けて一時的には満たされますが、その影響は長
く続かないのです(ヤコブ1:23-24)。知識は蓄えても、その人の生活は
変わらないのです。
もし霊的に成長したいなら、
「みことばどおりのことをしたい」と願う必要があ
ります。聖書が語っていることを日々の生活に適用しようとしなければなりま
せん。そのように努めるなら、聖書はあなたにとって、それまでに読んだ他の
どの本とも違う、特別な本となることでしょう。日々の霊的な食物として、み
ことばに対して飢え渇きを覚え始めるでしょう。そしてみことばがあなたの心
に霊的なインパクトを与え、あなたの日々の生活に変化をもたらすでしょう。
それは聖霊があなたの心のうちに働き、聖書が神の生けることばとなるからで
す。
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「神のことばは生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、
関節と骨髄の分かれ目さえも刺し通し、心のいろいろな考えやはかりごとを判
別することができます。」(ヘブル4:12)
この節には、神のことばが生きていて、力があると書かれています。みことば
が生きているのは、それがいのちの源であられる神から発せられているからで
す。また、信仰によってその教えを受け入れる人々にいのちを与えるからです。
みことばに力があるのは、聖霊がそれを用いて、人々のうちに信仰を与え、新
しいいのちをもたらすからです。
小グループでの適用
1.二人か三人のグループに分かれてください。一人一人、みことばに従うことに葛藤
を覚えていることについて分かち合ってください。それから、神が一人一人にみことば
に従うための勇気と力を与えてくださるように、互いに祈り合ってください。
2.あなたと同じ性別のクリスチャンたち二人か三人で、アカウンタビリティー・グルー
プを作ってください。この小グループの目的は、みことばへの従順、誠実さ、道徳的な
きよさを保つように互いに励まし合うことです。アカウンタビリティー・グループは、小
グループの集会とは別に、毎月一回か二回集まるようにします。
個人的な適用
1.セックス、お金、物の所有、アルコール、人々からの賞賛など、あなたが特に誘惑
に陥ってしまう部分は何か、神に示してくださるように祈り求めてください。それらの部
分について、誘惑に陥らないための力を与えてくださるように、日々神に祈り求めまし
ょう。
2.あなたを誘惑する本、雑誌、テレビやラジオの番組、インターネットのサイトなどを
避けましょう。
3.この世のものではなく、神のものによって自分の思いを満たしましょう。みことばを
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読み、思い巡らし、覚え、祈ることによって、そうすることができます。ピリピ4:8-9に
こう書かれています。
「最後に、兄弟たち。すべての真実なこと、すべての誉れあること、すべての正しいこ
と、すべての清いこと、すべての愛すべきこと、すべての評判の良いこと、そのほか
徳と言われること、称賛に値することがあるならば、そのようなことに心を留めなさい。
あなたがたが私から学び、受け、聞き、また見たことを実行しなさい。そうすれば、平
和の神があなたがたとともにいてくださいます。」
4.次のことを忘れないようにしましょう。あなたは神の恵みによって救われた罪人で
す。あなたは救いを得ましたが、それでもなお罪を犯します。誘惑に陥り、罪を犯した
なら、すぐに神に赦しを求めましょう。イエス様の十字架での死を通して、神はすでに
あなたの罪を赦す方法をもたらしてくださっています。
5.アカウンタビリティー・グループで集まり始めるようにしましょう。
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セッション4
信仰を生き抜く
松尾は高校生の頃からクリスチャンでした。しかし、彼の職場の人たちはその
ことを知りません。松尾は、職場のノンクリスチャンたちがしていることと同
じことをしています。彼は部下の女性がしている仕事に満足せず、いつも彼女
を怒鳴りつけています。また、仕事が終わった後、飲みに行くので、しばしば
家に遅く帰ってきます。彼は信仰とは個人的なことなので、職場の人たちには
自分がクリスチャンであることを知らせていないと言い訳しています。それは、
職場で仲間はずれになることを恐れているからです。彼はこう考えています。
「どうして私がクリスチャンであることをみんなに知らせなくちゃいけないん
だ。そんなことを言ったとしても、どうせ彼らは信じないに決まってる。」
小グループでの分かち合い
1.松尾は、キリストを信じている人のように生きているでしょうか。
2.ヤコブ1:26-27を読んでください。
3.みことばを日々の生活に適用するとき本物の信仰が生み出されますが、その三
つの特徴とは何ですか。
ヤコブは、みことばを日々の生活に適用するとき、本物の信仰が生み出される
と述べています。本物の信仰の三つの特徴とは、舌を制御すること、他の人々
の必要に応えること、きよさを追い求めることです。
1.「自分の舌にくつわをかけず… そのような人の宗教はむなしいものです。」
(ヤコブ1:26)あなたの口から出るものはすべて、あなたの心にあるもの
です。ヤコブ3:8-10にこう書かれています。
「舌を制御することは、だれにもできません。それは少しもじっとしていない
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悪であり、死の毒に満ちています。私たちは、舌をもって、主であり父である
方をほめたたえ、同じ舌をもって、神にかたどって造られた人をのろいます。
賛美とのろいが同じ口から出るのです。私の兄弟たち。このようなことは、あ
ってはなりません。」
もし自分の口を制御していないなら、それはあなたがまだ自分の心を聖霊の支
配にゆだねきっていないことを示します。怒りの言葉は、憤りに満ちた心から
出てきます。軽蔑的な言葉は、ねたみに満ちた心から出てきます。人を傷つけ
る言葉は、苦々しい思いに満ちた心から出てきます。下品な冗談や性的にみだ
らな言葉は、情欲に満ちた心から出てきます。しかし、自分の力で悪い言葉を
使わないようにしようとしても、聖霊の助けによってみことばを心に適用しな
い限り、うまくいきません。
言葉と行いにおいて完全となることを目標としましょう。言い換えるなら、で
きる限り、イエス様に似た者となるように努めるのです。イエス様はこう言わ
れました。
「あなたがたは、天の父が完全なように、完全でありなさい。
」
(マタ
イ5:48)完全な者となるようにどこまで進歩しているかを示す良い物差し
は、あなたの話す言葉です。
「私は神に喜ばれるような言葉を使っているだろう
か。イエス様が使われるような言葉を使っているだろうか」と自分に問いかけ
ましょう。
ふさわしい言葉を使うことについてみことばがあなたに教えていることを、
日々適用するように努めましょう。
「悪いことばを、いっさい口から出してはけません。ただ、必要なとき、人の
徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。」(エペソ4:
29)
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この地上においては、マタイ5:48に書かれているような完全な者へとなる
ことはできません。毎日、あなたは間違ったことを言い、行うでしょう。しか
し神は、Iヨハネ1:9に書かれている約束をあなたに与えておられます。
「も
し、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪
を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。
」神はすべての間違っ
た言葉、間違った行いを赦そうとしておられます。あなたのすべきことは、た
だ、神の赦しを求めることだけです。
2.日々の生活における本物の信仰の第二の特徴は、必要を抱えている人々に
対する愛です。
「父なる神の御前できよく汚れのない宗教は、孤児や、やもめた
ちが困っているときに世話を」することです(ヤコブ1:27)。ヤコブがこの
手紙を書いたとき、最も大きな必要を抱えていたのは、やもめと孤児たちでし
た。夫や父親の財政的な助けを得られなかったこの人たちは、衣食住という、
生活上の基本的な必要が満たされていませんでした。
この原則を日々の生活において適用するためには、目を開いて、あなたの周り
にいる人々のことを知ろうとしなければなりません。そして「どういう人たち
が必要を抱えているのだろうか」と自分に問いかけましょう。その人たちの中
には、ホームレスの人たちも確かに含まれます。紀元一世紀のやもめや孤児た
ちと同じように、ホームレスの人たちもふさわしい衣食住を得ることができず
にいます。しかし人々の基本的な必要には、物理的な必要だけでなく、その他
にもあります。例えば、あなたは家族も友人もいない孤独な人たちを知ってい
ますか。人生の困難に押しつぶされそうになっている、失望の中にいる人たち
を知っていますか。どこに向かって進んでいけばよいか分からず、さ迷ってい
る人たちを知っていますか。このような必要を抱えた人たちをどのように助け
ればよいでしょうか。
「世の富を持ちながら、兄弟が困っているのを見ても、あわれみの心を閉ざす
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ような者に、どうして神の愛がとどまっているでしょう。」
(Iヨハネ3:17)
聖書についてどれだけ理解していても、また、自分の信じていることをどれだ
け口で話しても、他の人たちの必要に応えることを優先事項としないなら、あ
なたは霊的に成長することはできません。
3.日々の生活における本物の信仰の第三の特徴は、きよさを追い求めること
です。あなたは、「この世から自分をきよく守ること」(ヤコブ1:27)を心
がけるべきです。
この世で生きることには困難が伴いますが、この世に汚染されないように努め
るべきです。この世が大切にしているもの、お金、物の所有、名誉、セックス
などは、いつもあなたを取り囲んでいます。この世は、自己満足と浅はかな幸
せを得る方法としてこれらのものを提供してきます。この世から発せられてい
るメッセージは、あなたが起きて活動しているすべての時間のおいて、あなた
の感覚を刺激しようと迫ってきます。それは雑誌、本、掲示板、電車の広告、
ラジオ、テレビ、インターネットなどにあふれています。
これらの誘惑に対して、自分の力で立ち向かうのは不可能です。それは、罪に
陥ってしまう弱点をあなたは今もなお持っているからです。そのような弱点は、
あなたがまだ完全に聖霊の支配にゆだねきれていない部分です。あなたはきよ
さを追い求めるべきです。しかし、この世に誘惑が存在し、あなたの心のうち
に弱さがあるため、あなたは自分の力できよくなろうとするべきではありませ
ん。あなたには、神とクリスチャンの友人との助けが必要です。
小グループでの適用
1.特に誘惑に陥ってしまう部分は何か、話し合ってください。それらの部分について、
神が力を与えてくださるように祈ってください。
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2.小グループで奉仕の働きをすることを通して助けるべき人、あるいはそのような
人々を見出してください。その人や人々のために何をすべきか、具体的な計画を立て
てください。
3.計画した奉仕を実践してください。
4.次回小グループで集まるときに、他の人を助けるという体験を通して神が何を教
えてくださったか分かち合ってください。
個人的な適用
1.あなたがみことばに従っていない部分は何か、神に示してくださるように祈ってくだ
さい。それは何らかの思いかもしれませんし、言葉かもしれませんし、行いかもしれま
せん。そのような罪を告白し、神に赦しを求めてください。
2.もし最近、他の人に何かを言ったり、したりして、その人を傷つけたことがあるなら、
その人のところへ行き、赦しを求めてください。その人のところへ行く前に、クリスチャ
ンの友人と会ってあなたのために祈ってもらいましょう。もしその人と会うことに恐れ
を感じるなら、そのクリスチャンの友人に一緒に来てもらいましょう。あなたが赦しを
求める相手がどのような応答をするかについては、あなたはコントロールすることが
できません。それによって拒絶されるかもしれませんし、あるいは、あなたがイエス様
をあかしする機会となるかもしれません。
考察
1.この学びを通して、クリスチャン生活に関して何を学びましたか。
2.クリスチャン生活に関して質問はありますか。
3.クリスチャン生活に関してあなたが学んだことを他の人と分かち合うために、どの
ような計画を立てますか。
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