説明会資料【原稿付】 - 日本リテールファンド投資法人

本日は、皆様お忙しい中、日本リテールファンド投資法人の一連のプレスリリースに関する補
足説明会にお集まり頂き、誠にありがとうございます。
お手元の補足説明資料を中心に約15分程度ご説明をさせていただきます。
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私共JRFは、岸和田カンカンベイサイドモール、イオンモール東浦、寝屋川(底地)の3つ、2016
年8月末の帳簿価額で申しますと153億47百万円の資産を売却し、調達した資金の一部を用い
まして、Gビル高田馬場01のうち、土地信託受益権40%と建物信託受益権を追加取得し、100%
の完全所有と致します。
後程、詳しくご説明致しますが、岸和田カンカンベイサイドモールは、大規模改修を計画しおる
さなか、予定より早く、契約満了の1年前に核店舗であるイズミヤ様が退店致しました。退去通
知を頂戴した昨年9月以降、ほぼ1年に亘り後継テナントを探しておりましたが、今般漸く新たな
核店舗との契約に至りました。
残念ながら、この期間の、施設としての陳腐化は避けられず、客足は遠ざかっており、収益回
復を目論む為には、数十億円単位の追加投資と長い時間が必要なハイリスクなプロジェクトと
評価せざるを得ず、JRFとしては追加損失の可能性を回避する意味で、損失額は53億円に達し
ますが、今般、売却することと致しました。
一方で、活況な不動産売買マーケットを受け、イオンモール東浦、寝屋川(底地)をピークアウト
することとし、57億円の売却益を計上する予定です。
結果として、売却損益はほぼ相殺されますので、今期の分配金予想は変更致しません。
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岸和田カンカンベイサイドモールの現況と売却に至った判断理由をお話させて頂きます。
本物件は、高速のインターチェンジからもほど近く、幹線道路に面し、広範囲の商圏から集客可能
な、エリア最大クラスの商業施設と評価をし、7.8%のNOI利回り、70億円で、2011年9月、5年前に取
得致しました。
地図に記載の通り、JRFの本件取得以降、当該商圏には、ショッピングセンター、スーパーマーケット
が次々と新規出店するとともに、りんくうプレミアムアウトレットが増床を致しました。
岸和田カンカンベイサイドモールはWEST館にアウトレットモールを有しておりましたが、空港からの
アクセスの点で、より優位性が高いりんくうプレミアムアウトレットが増床したことにより、多数のテナ
ントが引き抜かれ、アウトレットモールとしての競争力が大幅に低下をすることとなりました。
さらに、施設規模に勝るららぽーと和泉がオープンし、広域型商業施設としての激しい競争に晒さ
れ、売上の下落に拍車がかかりました。
そして、道路を挟んだ反対側、岸和田駅周辺の足元商圏の厚いエリアにコープ岸和田が出店、日
常の買回り品を対象とする商圏においても厳しい競合に晒される事となりました。
出店用地はゴルフ練習場が営業しており、競合店の出店の可能性はあるものの、事前の調査では、
前面道路からの右折入庫が出来ず、スーパーマーケットの出店は難しいと判断していましたが、
コープ岸和田は行政協議の結果、認可を得たようでした。
コープ岸和田の出店が決まると、核店舗イズミヤ様は契約満了の1年半前にも関わらず、昨年9月
に退去通知を出状され、昨年12月閉店致しました。退去通知受領後、ほぼ1年の間、後継の核店舗
候補およそ20社に打診をし、数社と厳しい条件協議を行った結果、今月、漸く核テナントを確定する
ことが出来ました。
ページ下部に記載の通り、核テナントを閉鎖していた期間の影響で、施設全体の来館客数、売り上
げは大きく低下、そのほかのテナントも退去に拍車がかかり、直近稼働率は50%となりました。そし
て漸く確定した核テナントも、賃料は従前より70%下落する賃貸条件での出店です。
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施設競争力が低下し、当然収益性も大きく低下した、この状況下で、我々の取り得る選択肢を3つ
考えました。
一つ目は、リニューアルを実施した上での継続保有です。商業施設を主用途としてのリニューアル
を行う前提で、数十億円規模のコストとおよそ1年程度の期間を見込んでおります。
商圏の半分が海という立地条件に加え、広域商圏、足元商圏のいずれにおいても激しい競合に晒
された中での商業施設の再出発となり、投資に対するリターンが読みづらく、出来れば避けたい選
択肢と思われます。
二つ目は、現状有姿での売却です。追加投資を必要としない有望な選択肢であり、核テナントの
リーシングと並行して、売却先を探しておりましたが、現状有姿での売却候補先は現れませんでし
た。
そして、三つ目は、リニューアルを実施した上での売却です。売却を前提とする以上、特に商業用
途に限定することなく、ホテルや住宅など、自由度の高い再開発計画が可能ですが、ホテルオペ
レーターの確保や商圏内での年間に消化可能な販売戸数など、計画的にも難易度の高い立地で
あることに加え、多額のコストと長期のリニューアル期間が見込まれる点でのリスクの大きさは一つ
目と同様です。
現状有姿での売却以上に資金回収できる可能性もありますが、追加したリニューアルコストの回収
もおぼつかない可能性もあり、リスクの大きさに鑑みると投資法人の取るべき選択肢とは考えにくい
ところがあります。
これらの選択肢を念頭に、核テナントのリーシングと売却先を併行して探し続けたことが功を奏し、
売却損は多額に上りますが、JRFが更にリスクを抱えて追加投資することなく、核テナントのリース
アップのみを条件に現状有姿で購入する売却先を見つけることが出来ました。
売却先の取得後の計画は詳しくは聞いておりませんが、相応のリニューアルコストを投じて、商業
施設を中心とした複合用途の開発を行って、岸和田カンカンベイサイドモールを再生させる計画の
ようです。8月5日引き渡しの予定で、本日、8月2日、売買契約を締結済でございます。
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岸和田カンカンベイサイドモールの反省を踏まえ、JRFが保有する郊外型30物件のポートフォリ
オを、前回売却したイオン5物件、今回売却する3物件と併せて、テナント継続性と代替性の観
点から座標にプロットを致しました。
最も懸念されるのは、継続性も代替性も低い第3象限にプロットされた施設です。
この第3象限にプロットされた施設は、更に経済条件という基準で見て2つのグループに分ける
ことができます。
1つは、収益性にも余裕がなく、抜本的な対策が必要なグループであり、今回の岸和田カンカン
ベイサイドモールが属します。
そして、昨年10月に売却したイオン5物件のうち2物件もこのグループに属しておりました。この
抜本的な対策が必要なグループには最後に一つが残りますが、これは、立地的には、岸和田
カンカンベイサイドモールよりも条件が良いこともあり、現在、多角的に具体策の検討を行って
おります。
そして、もう1つが利回りや含み益という経済的な余力を有するグループです。
このグループには今回売却のイオンモール東浦と寝屋川(底地)が含まれます。
このグループは、現状有姿で売却することが出来れば、売却益を収受することも出来ますし、
契約安定化によりテナント継続性を高め、第2象限にポジションを変更させることも可能です。
いずれの方法を取るかは、テナントとの協議、不動産売買マーケットの状況などを見ながら、最
適な方法を選んで参りたいと思います。
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売却するイオンモール東浦と寝屋川(底地)の詳細を記載しております。
イオンモール東浦は安定した運用実績を誇りますが、広域圏で競合する大型施設の増加によ
り、将来の売り上げ低下が想定されますので、本日、8月2日、好条件を提示された、このタイミ
ングでピークアウトし、含み益を超えた売却益を実現したものです。
また、寝屋川(底地)は、もともとはヤマダ電機様がテナントとして営業しておりましたが、一昨
年2014年11月に閉店し、近隣の郊外型モールに移転し、その後2年近く空室状態が継続してお
りました。ヤマダ電機様が、JRFとの事業用定期借地契約に則って、地代をお支払い頂いており
ました物件です。
本日、8月2日、建物所有者でもあるヤマダ電機様に譲渡し、含み益を顕在化したものです。
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今回の3物件売却によりJRFは175億円の資金を回収しますが、岸和田カンカンベイサイドモー
ルの利回りを新たに誘致した核テナントを中心にリニューアルが成功したと想定した鑑定NOIを
前提に計算しても、売却3物件の平均償却後利回りは2.0%となります。
これを前回のイオン5物件売却時の取得余力の残額と合わせると、取得余力は423億円、取得
に際し考慮すべき売却物件の平均償却後NOI利回りは2.8%となります。
今般、売却により減収となる収益を補う意味もあり、Gビル高田馬場01の残りの持分約35億円
を、償却後利回り3.3%で、今年10月3日に取得する予定ですので、残る取得余力は388億円と
なります。
ページ下段に、2017年2月期、第30期の賃貸事業利益への影響を整理致しました。
来期、第30期の計画としては、岸和田カンカンベイサイドモールを赤字として予算を作成してい
たことから、売却することで160百万円の改善、イオンモール東浦売却により179百万円の減収、
寝屋川(底地)売却により41百万円の減収、トータルで差引60百万円の減収を見込みますが、
Gビル高田馬場01の持分追加取得により53百万円の増収を見込むことから、インパクトは7百
万円減収という軽微な範囲に収めることが出来ました。
尚、残る388億円の取得余力は、償却後利回り2.8%を、取得するポートフォリオの下限値として
マネージしながら、昨今の厳しい競合環境の中ではありますが、都市型を中心とする優良資産
の取得に活用して参ります。
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今期、2016年8月期の分配金の修正予想についてお話したいと思います。
3物件売却により、売却益、売却損の通算で1口当たり134円の増加要因となりますが、大口テ
ナントとの賃料改定に伴う特別損失のネガティブインパクト225円の方が大きく、結果としては、
積立金の取り崩し額を当初予定の65円から128円に増額することで、公表予想と同等の4,250
円の1口当たり分配金を修正予想としております。
以上
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