294号 2016.7 土地改良 巻 頭 言 株木 雅浩 きていると言われています。農業も今後は精密なデータにもとづく 械を使う労働︶↓プレー︵人工知能を駆使した仕事︶と、進化して 代表取締役社長 株木建設株式会社 転換期を迎える農業と環境整備 我が国の農業政策は紆余曲折を経て、大きな転換期を迎えていま す。戦後すぐの農地改革以来でしょう。 いう政策です。 ります。 我が社には、戦後、食糧増産という国策に沿って、創業者の出身 地にほど近い霞ヶ浦干拓に着手すると同時に、農業技術者を育成し 高度な管理を行う情報型農業へと変わっていくのでしょう。 TPPが昨年十月に大筋合意され、人・物・金の国境を越えた動 きは、一本調子ではないにせよ、促進されてゆくことでしょう。 最近では、関連会社で食品廃棄物や自治体の生ゴミを集めてメタ ン発酵し、メタンガスは燃料に、コンポストは肥料に還元すること 所謂﹁攻め﹂の農業への転換です。農作物の品質や価格競争力を 上げて、国内のみならず海外へも積極的に販路を拡大してゆこうと 国内の農業生産環境︵用水・排水・土壌・区画︶は、先人たちの 血の滲むような努力によって、世界的に見ても良好に改良されてき で、通常の焼却処分よりも二酸化炭素排出量を削減することに挑戦 ようと、霞ヶ浦農科大学︵現茨城大学農学部︶を創設した歴史があ ています。 もそもの混乱の引き金になったことを聞きました。デパ地下などに なくなった農民が、ダマスカス等の都市に雪崩れ込んだことが、そ 農業〟は始まったばかりでしょう。 二〇二〇年に一兆円を目標に足早に増加しており、まさに〝攻めの 我 が 国 の 食 糧 自 給 率 を 向 上 さ せ、 さ ら に 海 外 に 質 の 高 い 食 料 の 輸 出 量 を 増 や す こ と を 目 指 し て、 輸 出 は 昨 年 七 千 億 円 を 超 え、 しています。 食材がふんだんに並んでいる私たちの日常では、忘れられがちな現 因みに、中東の混乱のもとである農業国のシリアは、灌漑事業や 水管理がお粗末で、気象変動による干害により、農業も畜産も営め 実です。 戦後の再出発期に、干拓という産湯に浸かった我が社です。今後、 我が国の農業が転換するうえで必要な環境整備に、建設業を通じて この原稿を書いている時に、熊本地方を中心とする激しい地震が 発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるととも ご協力を惜しまない所存であります。 で来日する労働力も増えてきているようです。既得権にとらわれな に、余震が速やかに終息し、復興の槌音が一日も早く響き出すこと 一方、日本では少子高齢化が進み、いよいよ人口減少が現実の社 会問題になってきました。全ての産業で、生産性向上により人手不 い日本人の柔軟な行動・生産性向上運動・外国人研修制度の三本柱 をお祈りいたします。 足を克服する動きが始まっています。並行して、海外から研修制度 で、様々な分野が変革されてゆくことが期待されます。 仕事の仕方は一説には、レイバー︵肉体労働︶↓ワーク︵機 また、 3 土地改良 294号 2016.7 ●
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