アンケートの回答と質疑応答 - 京都工芸繊維大学 応用生物学

応用生物学課程 体験入学2016 アンケート
※【 応用生物学課程のどのようなところに魅力を感じましたか。】
コメント(原文のまま、順不同):〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・とても楽しそうだった。おもしろそうな器具などもあり、使ってみたいなと思
った。研究室もいろいろあって楽しそうだった。
・企業では利益を得られなくてつくれない薬も、大学なら人のために研究できる
という所がいいなと思いました。
・世にも不思議な植物たちの授業はとても興味がもとからあったので、すごい
楽しかった。そのようなものに関連する研究をとてもしてみたいと思いました。
タンパク質の授業は初めて知ることが多く興味をもつことができた。兵庫県に
世界一の放射光施設があることに魅力を感じた。
・企業が手を出さないような地域へ薬を作ろうとしているところです。
・生物学といってもいろいろな分野にわたって研究をしているところ。研究室
がとても充実しているところ。
・生物に化学なども加えて研究しているところがおもしろそうだと感じました。
また、薬をつくったりするのにも研究がつながり、人助けをできるのは素晴らし
いことだと思いました。高校にはない実験室などを見れてとても良かったです。
大学に入った時の事を今までよりも少し具体的に考える事ができました。
・虫を食べる植物をうまく利用すれば、害虫駆除もできるのかなと思いました。
・様々な研究設備が整っていたところです。
・とても細かく分野に分かれていて、興味のあるところの研究を詳しくできそ
うなところ。特に大学生活のメインとなる2〜3年の間に実験をたくさん行え
そうなところ。
・就職率がとても高く、将来安定した職につけそうなところ。
・生物学の中でもさまざまな選択肢があり、自分の好きな分野を選べるところに
魅力を感じた。
・未知の事柄が沢山あるところ。
・いろんな分野について幅広く研究されているところ。
・応用生物学課程の中でも色々な分野があるところ。
・案内してくださった方々が説明する様子がとても活き活きしていて、研究を
本当に楽しんでいる様子が伝わってきたところが良いなと思いました。また、自
分で活動するということが出来そうなところも魅力的でした。
・昆虫の分野、その他分野が沢山あること。
・自分のやりたい研究内容が有るところ、また少人数教育を行っているところ。
幅広く研究をしているようなので、とても魅力を感じました。
・設備がしっかりしていて、専門的なことも多くやっていそうなところ。
・学びたいことが学べる。高い就職率。家がそこまで遠くない。生物学とか製薬
開発に興味があるから。
・トリパノソーマのところの話、すごく面白かったです。ウツボカズラのフタが
雨避けのためについているとは知りませんでした。
・研究分野が幅広い。男女比に偏りがない。
・微生物や生物の構造について学べるところ。生物学についてもっと沢山学べ
るところ。
・生物の中でも専門的なところだけに絞り込まず、まずは広く学ぶことができる
ところ。研究したい部門の選択肢が多いところ。
・ひとくちに応用生物学課程と言っても幅広い研究分野があることがわかりま
した。今回、タンパク質についての講演を聴き、医薬品開発について興味を持ち
ました。
・研究室に入れるところ。生物の沢山の分野を扱っているところ。
・日本で二つしかない実験器具がある。
・研究分野の豊富さ
・タンパク質—学校で習う範囲のことしか知らなかったので、詳しく知ることが
できたし、特にアスピリンやパノソーマ症に興味が惹かれた。働きや構造の変化
でどういう風につながり(?)どのような効果を得られるのか知れてよかったで
す。
・沢山の研究ができる。あまり他では取り組まない研究は楽しそうに感じまし
た。
・薬の効くしくみが知れてよかったし、学校で習ったことが出てきて「これ知っ
てる!」とテンションが上がりました。
・色々な植物や動物を研究して環境を浄化したり薬などに応用しているところ。
・生物分野は中学時代から好きで、今回が初めての大学訪問で、好きな分野の実
験室はとても良く早く入学したいと思いました。自分が興味が有り大好きな生
物や化学の分野で、非常に多岐にわたって深いところまで知れるところに大き
な魅力を感じました。
・学校の授業や普段あまり見られない生物・少し変わった構造を間近で見るこ
とができる点に興味を持ちました。
生物がとても好きなので、大学のもっと難しい生物分野にとても魅力を感じま
した(特に植物分子)
。
・製薬会社が作りたがらない特効薬を作ろうとしているのは凄いと思った。
(複
数)
・研究室が本格的。
・自然の物質を使って人に役に立てるようなものを作るところ。
・中にいる大学生の人達もアットホームな雰囲気で楽しそうだったところ。
・少人数であるところ、男女比が一対一。
※【その他の質問・コメントがあればお願いします。
*なお、ご質問につきましては、後日、京都工芸繊維大学
- 応 用 生 物 学 課 程 HP
(http://www.bio.kit.ac.jp/)に教員からの回答を掲載させて頂きます。】
質問(赤字は担当教員回答)・コメント:〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
A.
特定の地域でのみ流行しているウイルスを採取するには現地へ出向くしか
ないのでしょうか?
我々の研究室では、ウイルスや寄生虫を直接扱っては実験をやっておりませ
ん。ウイルスや寄生虫の遺伝子配列がほとんどのもので分かっているので、
薬剤標的になるタンパク質を大腸菌に作らせて、そのタンパク質を用いて実
際に薬剤が酵素を阻害するのかを測定したり、タンパク質の結晶を作成して
タンパク質の構造を明らかにして活性部位の形に合う化合物を考えていま
す。(志波)
B.
チャネルを見て活性部位以外にもくぼみは多く見られたのですが、どうや
って活性部位を見分けるのですか?
酵素の表面には活性部位以外にも多数のくぼみが存在しています。くぼみが
活性部位であるかを確かめる方法は、そのくぼみの位置するアミノ酸を変異
させて別のアミノ酸に置換した酵素を作って、その酵素に酵素活性が残って
いるかを測定するなどをして判断します。また、良く似た酵素の構造が分か
っている場合などは、その構造と比較して活性部位を予想します。最終的に
は、酵素と基質や阻害剤との複合体の構造を決定して活性部位を確認します。
(志波)
次は、虫を使った研究も紹介して欲しいです。
C.
D.
色々な機械があって、とても楽しかったです。充実した機械で、一度遺伝子
組み替えなどの実験をしてみたいと思いました。
E.
製薬に進むには具体的に何学部何学科を受験すれば良いでしょうか?
製薬に進むには一般的には薬学部の薬科学科や薬学科などが考えられます
が、本学の応用生物学科からも製薬関連企業に就職した人も多数います。ど
の学部に進学したとしても大学へ入ってからの努力によってすべて決まる
と思います。(志波)
F.
モエジマシダはヒ素を蓄積して土壌を浄化するとありますが、その後の処
理はどうするのですか?モエジマシダを燃やしたら、ヒ素はまた出てきた
りしませんか?
現在はヒ素を蓄積したモエジマシダは、燃焼させて処分する普通ゴミではな
く、産業廃棄物として処分されていますので、ヒ素が出てくることはありま
せん。将来は、工業の資源としてモエジマシダからヒ素を回収することも考
えられているようです。
(半場)
G.
食品系に進みたかったのですがタンパク質の方が興味があって、食品系は
植物から進んでいるので、タンパク質に進んだ場合どのような仕事(食品関
連)につけるのでしょうか。
タンパク質の研究は幅広いので、食品関連の会社や製薬会社や化学系の会社
に進む人が多いようです。どのような分野に進めるのかは大学へ入ってから
の努力によって決まると思います。(志波)
H.
高分子機能の研究所にあった入り口の管に白い粒が詰まっていたのは何で
すか?タンパク質側の研究所にあった三角ビーカーのようなのにくぼみが
入っていました。あのビーカーはどのような役割を果たしているのです
か?
くぼみのついた三角フラスコは、バッフル付きフラスコといいます。このフ
ラスコを用いて、目的のタンパク質を作るために大腸菌を攪拌しながら培養
するのですが、くぼみのついたフラスコで培養する方が培養液に空気がより
溶け込んで酸素量が多くなり、大腸菌がよく育つために目的のタンパク質が
良く得られるようになります。(志波)
I.
難病の研究を大学でしたいと思っているのですが、京都工芸繊維大学だけ
にある難病とかの治療薬開発などの実験器具などはありますか?器具の名
前とどのように使うのかを教えてください。
京都工芸繊維大学だけである難病とかの治療薬開発などの実験器具はない
と思います。我々の研究室で研究を進めているアフリカ睡眠病の研究の場合
は、日本の他の大学の研究グループや海外の研究グループと連携して研究を
進めています。それぞれの研究グループには得意な研究分野があって、それ
らを持ち寄って新規薬剤の開発に向けて研究を進めています。
我々のグループで良く利用させてもらっている実験施設としては、大型放射
光実験施設の兵庫県の SPring-8 と茨城県の高エネルギー加速器研究機構の
放射光実験施設の PF(Photon Factory)があります。これらの実験施設は、
他の分野の研究(物質科学・地球科学・生命科学・環境科学・産業利用など)
でも使用されています。(志波)
J.
CAM 植物や感覚毛など、学校で習ったことの延長で講義が聴けて、とてもた
めになりました。
K.
タンパク質って一体何なのかわからなかったのが、すっきりしました。
L.
それぞれの先生方の性格が気になったりします。
(ユーモラスな方であった
り、まじめな方であったり。
)
M.
すごく分かりやすくてとても良い授業ありがとうございました。どちらも
興味深くて楽しかったです。
N.
学校が休みの期間(冬休みや春休み)にまたこのようなイベントを行ってく
ださると、関西に住んでいないので、とてもありがたいです。
O.
厳しい環境ほどリスクが高くなるのは明らかなのに、なぜ体の形を変えて
までそのような環境に適応しようとしたのか?また、適応するのにどれ程
の時間がかかったのか。
(他の植物との競争を避けるにしてもやりすぎの気
が・・・)
すでに多くの植物が分布している場所は、競争が激しいです。植物の進化の
過程で新しく出現した植物の中で、それまで植物が進出できなかった厳し
い環境や特殊な環境(ニッチといいます)を開拓することができた植物は、
その厳しい環境に耐えるために、風変わりな形態や適応のしくみをもつこ
とになったと考えられます。動物の例を挙げると、南極のペンギンは、天敵
がいないけれどもたいへん厳しい環境を選んで生息しています。植物も同
じ戦略をとっているものがあると考えてください。適応に必要な時間は進
化の起点をどこにとるかで変わりますが、
「原始的な種から新しい種があら
われるのにかかった時間」ということで考えると、例えばシダ植物では、も
っとも原始的な種があらわれてからもっとも新しい種があらわれるまで3
億年ほど時間がかかっています。
(半場)
P.
セーター植物の逆、暑い場所で虫に涼しい所を作ってあげる植物はありま
すか?
大きな樹木は、葉を茂らせて木陰をつくることで、夏であれば 10℃も地表
の気温を下げることができます。結果的に、多くの生き物に涼しい場所を提
供していることになるでしょう。
(半場)
Q.
なぜ X 線を当てるだけでタンパク質の構造が分かるのですか?
X 線を当てるだけでタンパク質の構造が分かるわけではありません。タンパ
ク質の結晶をゆっくりと回転させながらその結晶に X 線を当てて得られた
回折イメージを記録します。その記録された回折イメージの回折点の位置と
濃さを読み取り、得られたデータをまとめて色々な計算を行なうとタンパク
質の構造が得られます。(志波)
R.
植物についての興味が深まり、より入学したいと思った。
S.
タヌキモの出す濃い消化液によって水が汚染されたり、水中の生物に影響
が出ることはないのでしょうか?
タヌキモは水を「吸い込む」ことでミジンコなどを捕えるため、消化液が外
に出てしまうことはふつうはないと思われます(せっかく作った消化液が
外に出てしまったらもったいないですし)
。また、タヌキモの捕虫袋は大き
さが数ミリしかないため、消化液の量もごく少ないでしょう。このようなこ
とから、タヌキモの消化液で水が汚染されることはあまり考えられないと
思います。
(半場)
以上