事務所便り8月号 - 望月綜合法務事務所

平成 28 年8月号
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望月綜合法務事務所便り
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10 月から社会保険の加
入対象者が拡大します!
◆大企業のパート労働者
にも適用へ
今年 10 月から、厚生年金
保険・健康保険(社会保険)
の加入対象者が広がります。
現在は、一般的に週 30 時
間以上働く人が社会保険の
加入対象となっていますが、
10 月からは従業員 501 人以
上の企業において週 20 時間
以上働く人などにも対象が
拡大されます。
なお、平成 31 年以降は従
業員 500 人以下の事業所も
適用予定です。
◆加入・適用のメリットは?
(1)将来もらえる年金が増
える。
(2)障害がある状態になり
日常生活を送ることが困
難になった場合なども、よ
り多くの年金がもらえる。
(3)医療保険(健康保険)
の給付も充実する。
(4)自身で国民年金保険
料・国民健康保険料を支払
っている場合は現状より
保険料が安くなることが
ある。
◆新たに加入することに
なる対象者とは?
(1)1週間の所定労働時間
が 20 時間以上
(2)月額賃金が 88,000 円
以上(年収 106 万円以上/
残業代や交通費などは含
まない)
(3)継続して 1 年以上雇用
されることが見込まれて
いる
◆助成金の活用も視野に
社会保険の適用拡大は、従
業員だけでなく事業主の負
担も増えることになります。
したがって、仕事内容を見
直したり、人員削減や配置換
えを考えたりする必要が出
てくるケースもありますが、
それと並行して助成金の活
用も視野に入れるとよいで
しょう。
平成 28 年 4 月から、キャ
リアアップ助成金が拡充さ
れています。従業員の所定労
働時間を「週 25 時間未満」
から「週 30 時間以上」に延
長し、厚生年金保険などの被
用者保険を適用した事業主
に対し、労働者 1 人あたり 20
万円(大企業は 15 万円)が
助成されます。
なお、10 月以降は、労働者
の所定労働時間を 5 時間以
上延長し、厚生年金保険など
の適用対象とした場合に助
成(助成額は同額)されます。
2016 年の「賃上げ」に関
する状況は?
◆賃上げの波は続いている
景気の不透明感が叫ばれ
ている中、企業の賃上げの動
きは継続中のようです。
株式会社東京商工リサー
チが今年 5~6 月に実施した
2016 年の賃上げ状況に関す
るアンケート調査(有効回答
8,097 社)によると、今年、
賃上げを実施した企業が
6,483 社と約 8 割を占めたそ
うです。
賃上げの実施方法として
は「定期昇給のみ」が最多で
37.0%、「定期昇給+賞与・
一時金の増額」
が 11.2%、
「ベ
ースアップのみ」が 10.1%
となっています。
賃上げ幅としては「月
2,500 円未満(年 3 万円未
満)
」がほぼ半数を占めてい
ます。
◆人材確保のために
中小企業でも実施
上記調査では、賃上げの理
由についても質問しており、
「従業員の定着・確保を図る
ため」との回答が約 7 割を占
めたそうです。
回答した企業の資本金別
でみると、資本金 1 億円以上
が 55.3%(1,579 社中 873 社)
だったのに対し、1 億円未満
は 71.9%(4,904 社中 3,526
社)となっています。
中小企業ほど人材確保の
ための措置として賃上げを
実施している実態がわかり
ます。
◆人材確保面で格差が
広がる可能性
賃上げの実施は、実際に人
材確保に影響を与えている
のでしょうか。
株式会社マイナビが運営
する「マイナビ転職」が実施
した「2016 年ベースアップ
の実態と転職意識調査」によ
れば、ベースアップ(ベア)
の有無やその金額が転職意
向に与えた影響について、
「(べアが)想定より多かっ
た」層のうち、「転職意向は
弱くなった」との回答が
25.0%(前年比 10.8 ポイン
ト増)で、前年より増加した
そうです。
賃上げには転職意向を弱
める効果が少なからずある
ことがうかがえます。
一方、賃上げを実施しない
(実施しない)企業の理由と
しては「業績不振」が大きな
理由になるところだと思い
ますが、人材確保への投資が
不十分となると、人手不足に
よりますます業績にマイナ
スの影響が及ぶ可能性も指
摘されています。
◆賃上げ以外のアピールも
必要に
人材流出回避のためには、
他社の動向も注視しながら、
会社の資力を考慮したうえ
での賃上げの実施は有効で
す。一方で、賃上げを実施し
ない企業にとっては、他社か
ら取り残されないためにも
給与面以外(働きやすさ、職
場の風通しの良さ等)のアピ
ールも検討すべきでしょう。
8 月の税務と労務の手続
期限[提出先・納付先]
10 日
○ 源泉徴収税額・住民税特
別徴収税額の納付[郵便
局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取
得届の提出<前月以降に
採用した労働者がいる場
合>
[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開
始届の提出<前月以降に
一括有期事業を開始して
いる場合>
[労働基準監督署]
31 日
○ 個人事業税の納付<第1
期分>[郵便局または銀
行]
○ 個人の道府県民税・市町
村民税の納付<第2期分
>[郵便局または銀行]
○ 健保・厚年保険料の納付
[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払
報告書の提出[年金事務
所]
○ 労働保険印紙保険料納
付・納付計器使用状況報
告書の提出
[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況の届出
(雇用保険の被保険者で
ない場合)<雇入れ・離
職の翌月末日>
[公共職業安定所]
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