平成28年度 1学期終業式講話

平成28年度1学期終業式
平成28年7月20日
梅雨もまだ明けてはおりませんが、今年関東地区は雨の少ない梅雨で、そのため
に水不足も深刻です。どうか節水を心がけてください。しかし、九州では激しい雨
に見舞われ、道路の冠水や土砂災害も起きています。九州の皆さまには、心よりお
見舞い申し上げます。
今朝ほどやや大きめの地震がありました。先日の避難訓練のように、常に冷静な
対応を心がけてください。
さて、学校は4月から始まった1学期の区切りとして、この4ヶ月間の仕上げの
日となりました。4月に入学した人、進級した人。この4ヶ月間はどうだったでし
ょうか。
1年次生は、初めての高校、しかも「産業社会と人間」と言う中学校にはない新
しい授業で、自分の将来の姿を考えたでしょうか。2年次生は、3分の1が選択科
目となり、今まで普通に隣にいた人が違う教室で授業を受け、自分の隣の人が授業
ごとに変わることで、多くの人との関わりができたでしょうか。3年次生は、今の
取組が直接自分の将来に結びつきます。1年後の自分の姿がイメージできているで
しょうか。
また、それぞれの人が自分で選らんだ部活動に一生懸命取り組むとともに、来る
「つきのわ祭」に向かって、団結していることともいます。
本校のパンフレットでは「滑総はあなたの夢を応援します」をキャッチフレーズ
にしています。また、「産社」の授業では、「あなたの夢は?」との問いが多くな
っています。それほど皆さんにとって「夢」が重要視されています。
幕末に松下村塾を作り多くの人材を育てた吉田松陰の言葉に「夢なき者に理想な
し、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、
夢なき者に成功なし。」と言うのがあります。ここでも夢を持つことの大切さが言
われています。
1年次の皆さんは、昨日「希望学」をご研究なさっている東京大学の玄田有史先
生のお話を聴きました。その中のお話しを再現します。
Hope is a Wish for Something to Come True by Action.
と言う言葉がありました。
「Hope=希望」には、大切な4つの柱があるとおっしゃっていました。
1つめは「Wish」、気持ちや思い。
2つめが「Something」、自分にとって大切な具体的な「何か」。
3つめが「Come True」、実現させることとその道筋。
4つめが「Action」、行動です。
玄田先生のお話では、夢や希望が持てない人は、この4つの柱のどれかが欠落し
ているとういうことでした。
逆に言えば、単に「夢」を持ったとしても、それが何なのか。そこにどんな思い
があるのか。実現させるため計画を持っているのか。そのための行動が伴っている
のか。それぞれが不可欠なものと言えます。
具体的には自分の将来の夢は何なのか。その夢にはどんな強い思いを持っている
のか。その夢はどの様にして実現できるのか。そのための行動とは何なのか。しっ
かりと考える必要があります。少なくとも、今の皆さんにとって、夢に実現のため
の行動は、学校での学習や部活動などを通した人間関係や社会性が必要であるのは
事実です。
自分の4ヶ月間を振り返り、自分の夢や希望に対して、4つの柱がしっかりでき
ていたか。もう一度考えてみましょう。
夢や希望は自分で持つものです。しかし、皆さんの生活経験や情報範囲はまだま
だ決して広いものではありません。そんなとき身近な人。例えば家族や先生方のア
ドバイスから大きな夢や希望を掴むこともできます。真摯に耳を傾けることも忘れ
ないでください。
3年次生は、夢に実現のために大切な時期となります。もしかしたら、自分の夢
も色々と変化してきたかも知れません。その要因は、現実の世界が見えてきたこと
で「Wish」や「Something」も変化してきたことによります。でも、今の夢や希望に
対してふさわしい「Action」によって、ぜひ「Come True」させてください。
夢や希望はいつまでも持ち続けることが必要です。
ぜひ、4つの柱をしっかりと作り上げて、42日間の長い休みを有効に使い、9
月1日には一回り大きくなった姿をぜひ見せてください。