災害事務について 沖縄県土木建築部海岸防災課 災害砂防班 主事 兼島 涼 災害復旧事業の予算制度 「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」を基本に、 「激甚法」等の特別法に基づき、災害復旧事業の費用の 一部を国が負担(補助)する予算制度 ※「負担法8条の2」に基づき、複数年度(3箇年) にわたって国からの交付金を受けることができる よう予算措置がとられており、他の公共事業とは 異なった取扱が行われている。 国庫負担率の算定 ・国庫負担率とは・・・国が負担する費用の割合 ・算定方法・・・公共土木施設災害復旧事業に対する国 庫負担率は、1月1日から12月31日まで の間に発生した災害について、災害査定 により決定した事業費の総額とその地方 公共団体の標準税収入とを対比し算定される。 (負担法第4条) ・沖縄県については、算出した負担率が0.8に満たない場合でも負担 率0.8となる。(沖縄振興特別措置法第105条第4項) ・激甚災害に指定された場合は負担率の嵩上げが行われる。 災害復旧事業の財源 ー現年災の場合ー 国庫負担金 80% 起債 20% ー過年災の場合ー 国庫負担金 80% 起債 18% ↑ 一般財源 2% 国庫金請求事務について 国庫負担金の交付手続き ①内定通知 ②内定通知 ③交付申請 ④交付決定 国 ⑥国庫金請求 県 ⑤国庫金請求 ⑦国庫金支払(精算払) ⑧成功認定申請 ⑨成功認定 ⑩成功認定報告 市 町 村 提出資料 交付申請 ①交付申請書 国庫金請求 ①国庫請求書 ②支出計算内訳書 ②予算書の写し ③契約明細書 ※保証証書(前払金のみ) 繰越事務について 繰越の種類 (ア)明許繰越・・・財政法第14条の3の規定によって行われる繰越 で「年度内に支出の終わらない見込みのある事 業については、予め国会の議決を経て、翌年度 に繰越して使用することができる」と定められてい る。 (イ)事故繰越・・・明許繰越、翌債手続きを行った経費の再繰越 (ウ)繰越明許費に係る翌年度にわたる債務の負担=翌債 財政法43条の3の規定によって、予算執行上やむ を得ない事由がある場合には、翌年度にわたって 支出すべき債務を負担することができる。 提出書類 翌債手続き提出書類 ・箇所別調書及び理由書 完了予定期日の変更提出書類 ・完了予定期日の変更報告書 再調査について 箇年に発生した災害箇所は、地形の変動や単価の 変更などにより査定設計書の内容に変更をきたし、 予算上も当初決定の対応が出来なくなる場合がある。 このため、過年発生の3年度目に事業費の見直しを 行う調査を実施しており、これを再調査という。 提出書類 ・再調査申請書 ・再調査進達書 ・工事台帳 成功認定 意義・・・成功認定とは、国庫負担の対象となった災 害復旧事業が法令に定められたとおりに執 行され、交付決定どおりにその目的を達して いるかどうかを検査し、最終的に精算事業費 を確定して、これに対する国の負担金を認定 する。 成功認定の種類 「一部成功認定」と「全部成功認定」 申請時に必要な資料 一部成功認定 ①一部成功認定申請書 ②一部成功表 全部成功認定 ①全部成功認定申請書 ②全部成功表 ③事業費精算表 ④国庫負担金受入額調書 検査(例年1月~3月頃に実施) ・書類検査 書類検査は、主に申請書類の内容確認を行う。具体的には、 決算書、請負契約書、設計書、経理簿、工事台帳、その他証拠 書類によって申請書類との突合作業。 ・現地検査(工事の出来高検査) 査定設計書及び実施設計書の内容、施設の位置、法線、延 長、断面、形状、強度等及び使用した材料の形状、寸法、材質、 数量等についての確認作業。 ※成功認定で精算事業費を確定し、これに対する国の負担金 を認定することをもって、災害復旧事業の完了となる。 平成28年度 災害実務講習会 ご静聴ありがとうございました。
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