林業の世界

林業の世界
国産材という言葉
木材の自由化(木は急には育たない、貿易摩擦・・1964年)
農業票田は公共工事で取り込む、山は票に結びつかない
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住宅市場が飽和してきた昭和40年代後半(1970年代)以降
外材の輸入急増 (自給率は28%)
木材の利用(国産材+輸入材) 7000万㎥
国産木材の成長量 8000万㎥
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世界1安いスギ、なのに何故
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・住宅は全国商品(多くのTVコマーシャル)
・ハウスメーカーはニーズに合わせたロットが欲しい(木は嵩張る)
・住宅価格のうち、木材の価格は2~3割、空調・水周りが高価
・住宅ニーズは乱高下(金利、消費税、特例制度・・)
・白色を好む消費者、和室の減少
・住宅納期の短縮、大工の技術低下、乾燥技術の進歩
木材は国際流通商品(石油と同じ)
グリーンマイレージの思想(国産材)
林業界の問題点
・現状の木材価格では補助金を使っても収支が合わない
・伐り出しても販売先が限られている
・なかなか集約化が進まない
・人手(人材)が足りない(森林組合)
・作業班の待遇が劣悪
・高性能林業機械が圧倒的に足りない
・森林組合等、林業事業体の経営力が弱い
・境界確定、不在村、所有者の山離れの問題等
・伐期を迎えた日本の山林(蓄材量は過去最大!!)
・木材の樹齢が揃いすぎた山林(拡大造林のツケ)
1齢級=5年間
赤字の主要な要因
・木材価格の単価が低い(でも、国際水準)
・1人あたりの生産性(㎥/人・日)が低い
<低減の努力をするべきもの>
・機械経費のうちの修理費・燃料費、トラック運賃、工事
雑費等
<低減できないもの・経営上必要なもの>
・現場人件費、所有者に対する収益還元、プランナー経
費、 事業管理費等
求められる生産性向上
・木材価格は上がるにこしたことはないが、
それよりも生産性の向上の方が先決
・現場技術者を職員化した場合、損益分岐点生産性は8㎥
・生産性向上には、路網設計、林業機械の性能向上、
適正な作業システム、オペレーターの技術力向上等が前提条件
・しかし、決め手はモチベーションである。
森林生態系
森林(人工林:天然林=4:6)
伐採(森林組合、素材業者、自伐林家、農家林家・・・)
原木市場
製材所
バイオマス利用
(素材・エネルギー)
製品市場
(在来工法)
プレカット
工務店
ハウスメーカー
消費者
下請工務店
林業の再生(林野庁の基本的なスタンス)
「山村の再生には林業が必要だという議論を避けたい。そうなると
林業 が自立しない」(梶山)・・林業補助金にいろいろな地域振興
事業がぶら下がってきた現実
→両立できる道はないか(例、ドイツの酪農との兼業林業)
山村の再生
震災後も踏まえた、分散化社会づくりに対応した再生議論が必要
→エネルギー、食糧、水、地域扶助の自給・自営地域としての山村
そもそも林業は産業なのか
• 産業としての林業
装置産業は資本回転率から施業を考える →
林令の偏りをどう解決するか
• なりわいとしての林業
次代を考え、山を見ながら、兼業の道を探す →
山村再生への道
農業においては
「農業」と「農」という言葉で住み分けをしている。
多くの稲作農家は、原価を割ってコメ作りを続けている。
「農」の理論には、
生き物を育てる喜び、
水利の共同管理から発生するコミュニティーの権利と義務、
食や資源の自給による個人レベルでの安全保障(リスク回避)、
贈与の喜び(生き甲斐作り)、などが含まれる。
経済効率 だけでない水田経営が日本の国土保全を担っている。
多くのことが経済効率より優先する→山ではどうか?
農山村の再生
里山の管理
芸術・福祉
文化伝承
コミュニティ
ビジネス
芸術祭
ペレット
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森の学校・森
の幼稚園
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森のイベント
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製品開発
特産品開発
林業・木材
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