P52 吉崎正弘 日本ケーブルテレビ連盟新理事長に聞く 「370本の矢」

吉崎正弘
Yoshizaki Masahiro
一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟
まずは自社の在り方を考えるというのが
理事長
すか。
が問われてくると考えます。
基本となっています。先ほどの表現で言
吉崎 ケーブルテレビ業界は現在、大
2020年東京五輪を4Kで楽しんでいた
えば、行政の立場にあったころの私とは
きな曲がり角に差し掛かっています。こ
だくためには、残されている時間はさほ
逆で、「木は見るが、森は見ない」とい
れまでは行政の立場からそうした局面に
ど多くありません。ただ言えることは、
う形なわけです。
立ち会ってきたこともありましたが、直
「370社で大きな1社」ではないというこ
── そうした中で、連盟が果たすべき
近で大きな取り組みとなるのは2020年の
とです。体力、財政、技術、人員など、
役割とは何だとお考えですか。
東京五輪開催までの期間です。具体的
個別に見ると大きな違いがある集合体
吉崎 行政とケーブルテレビ事業者、
には4Kサービスへの対応ですね。
であるということです。その各事業者が
両者の結節点です。つなぎのような役割
── 受信機の普及状況についてはい
力を合わせて課題の解消に向かえるよ
を果たす必要があろうかと思います。各
ろいろな見方があります。
う、
その環境整備もまた連盟の仕事です。
論に根差した総論を語れる存在として、
吉崎 地上デジタル放送が東名阪で開
3本の矢、ならぬ「370本の矢」をまとめ
各事業者と行政の橋渡し役を務める。そ
始された2003年ごろにテレビを購入され
ていく、というところですね。
れが連盟の使命であり、また私自身が努
たユーザ層が買い替えの時期を迎え、い
── 事業者ごとに大きな違いがある
力していくべきテーマであると考えてい
よいよ4Kテレビが本格的に普及してくる
370社で構成された業界が一丸となって
ます。
ものと考えています。依然として4Kテレ
4Kに対応していくわけですね。
ビが高価であることに変わりはありませ
吉崎 それを乗り越えることができれ
2020年東京五輪に向け
4K対応が喫緊の課題
んが、2003年当時のHD対応テレビの価
ば、新しいステージに上がっていくと考
格帯を考えると、買い替え需要を迎える
えています。エリアの中で閉じたビジネ
層は一定以上の購買力を持った層とも
スを展開してきた各事業者が、本格的に
── それでは具体的な施策に伺いま
考えられるわけです。そうした形で4Kの
力を合わせれば課題を乗り越えられま
す。まず、4Kなど次世代放送に向けて
受信環境が整備されていく中で、ケーブ
す。コミュニティチャンネルにおいて4K
はどのような取り組みを構想されていま
ルテレビ事業者としてどう動くべきか、
コンテンツ制作を手分けして行う動きも
9-2016
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