PowerPoint プレゼンテーション

~Fish Letter(フィッシュレター)~
(第13回)
イオンリテール株式会社取締役常務執行役員
食品商品企画本部長 井出 武美
~お魚をおいしく食べることが幸せであることを
お客さまに伝えていきたい~
お魚売場から社会人生活がスタート!
私は、1985年に当時のジャスコ(現イオンリテール)に入社し、新潟市内のGMS店舗
の水産売場に配属されたのが社会人のスタートでした。数年後、水産仕入れ担当、水
産部長等を経て現在に至ります。20年あまりの小売事業水産部門経験から、「魚食」
の素晴らしさ、お客さまとの直接対話からのご意見や各地域の魚食文化を学び、また
魚を自分で調理する技術も現場で実践し、社内技術認定制度「鮮魚士」の資格(厚生
労働省認定)も取得しました。今でも自分で魚をさばいて食するのを楽しんでいます。
バイヤー、水産部長として、生産・流通の方々と協業していくことの大切さと「おいしく
て健康に良い魚」をお客さまに常に提供・提案し続けることの大切さを今も実感してい
ます。現在、水産を取り巻く変化から、魚の「消費」、「環境・サステナブル」等の課題に
ついて当社が取り組んでいる事例・考え方をお伝えします。
スローとファストの両軸で魚需要の底上げを目指す!
私たちは、事業を通じて、魚の消費拡大・魚食文化の普及に取組んでおります。近
年、魚専門店が減少し、スーパーで、鮮魚を購入される消費者が7割を超えている状
況において、魚を販売するだけではなく、かつて「街の魚屋さん」がお客さまに提供し
ていた、水産物の旬や産地、美味しい食べ方等の活きた価値提供を継承していくこと
も私たちの務めだと考えております。その一環として、イオンでは、毎月15日を「じもの
の日」とする企画を実施しており、大変ご支持をいただいております。近年では、JFグ
ループ様が推奨する旬の生魚「プライドフィッシュ」の取組により、漁業への理解を深
め、各地の漁協と協働しながら地域の魚食文化に根付いた販売に力をいれておりま
す。また、生魚の美味しさを追求する一方で、新たな需要喚起につながる「ファストフィ
フィッシュ」のように、簡単・便利といった、「簡便性」に着目した商品づくりにも積極的
に取り組み、骨取りさんまなどの大ヒット商品を生み出すことができました。
私は、魚離れが進行している中で、需要を底上げするためには、スローとファストの
どちらも必要で、特に総合スーパーの水産売場では、「素材の価値」と「簡便の価値」
の両軸が大切であると考えております。
豊かな水産物の恵みを次世代につなぐ取り組みを推進!
サステナブルな取組として「海のエコラベル」として知られるMSC認証商品の販売を
2006年にスタートし、2014 年には養殖魚を対象としたASC認証商品をアジアの小売
業で初めて販売しました。そして、それぞれの魚種ごとに陳列していたこれら認証商
品を「FishBaton(フィッシュバトン)」と名付けた常設コーナーに集め、次の世代に豊
かな食文化を引き継ぐための提案をスタートし、多くのお客さまに支持をされておりま
す。おいしい水産物を安定的、継続的にお届けするため、限りある資源を守る、環境
に配慮した商品の販売に取り組んでいきたいと
考えております。
これからもお客さまと一緒に、
魚の国の幸せを感じたい!
最後になりますが、まだ世の中にない、あるい
は一般化されていない新しい価値をもつ商品を
発掘・開発することを通して、お魚をおいしく食
べることが幸せであることをお客さまに伝えて
いきたいと考えていますので、ぜひご来店お待
ちしております。
イオンスタイル板橋前野町における
FishBatonコーナー
(2016年8月5日掲載)
※コラムの内容は執筆者個人の意見を表すものであり、水産庁や
「魚の国のしあわせ」プロジェクトの見解を示すものではありません。
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