本山 秀明 - 国立極地研究所

31 次他夏隊 9 回、34 次・38 次・42 次越冬
もとやま ひであき
本山秀明さん
国立極地研究所 気水圏研究グループ教授
(2016 年7月現在)
くっさく
たいせき
南極氷床を走り回ってアイスコア掘削や氷床表面の堆積環境に関する観測・研究を進めてきました。
せんそう
ひょうしょう
100-200m深の浅層コア掘削を、氷床内陸域ではドームふじ基地とその周辺、氷床中流域では
MD364 と YM85 地点、氷床沿岸域は H128 地点で実施しました。ドームふじで実施した深層コア掘
削は、準備が必要でした。私が関与したのは、セールロンダーネ山地氷河テスト掘削、第1期パイロット
あな
孔掘削、越冬してのドリル回収作業、第 2 期パイロット孔掘削です。そして氷床全層掘削を目指して夏
の 4 シーズンで 3035.22m までの深層掘削に成功したのです。これらの極域の氷床コアや雪氷観測か
ら数 100 年~数十万年前までの気候・環境変動の復元や変動気候についての研究を進めています。 南極デビュー、
30 マイルポイントでの無線交信
生まれたのが新潟の豪雪地で、学生のときに北海道での生活が長く、またネパールヒマラヤの氷河調査の経験が
あったので、ある程度は極地という響きに身近な感じはありました。しかし予想していたより、すべてが大規模
き かん
で激しかったです。ついでに、初めての越冬ですが、昭和からの最終便(ドームふじだと帰還隊)を見送ってか
ら越冬隊だけになった時の寂しさと気楽さは価値があります。
ただ
・何でも自分で考えて好きにできます。但し、責任はすべて自分で持つのです。・まだ誰も足を踏み入れたことが
無い場所がたくさんあります。最初にあなたの足跡をつけましょう。・是非越冬してください。夏とは別世界。
・南極氷床は白い雪原だけだと思われるでしょうが違うのです。内陸へ行きましょう!スノーシャワーを浴びましょ
う。・地球で一番厳しい自然環境であるドームふじで 9 名で過ごした一年間はいい思い出です。-79.7℃の世界!
人間は強いのです。空気の薄さや寒さには適応できます。・航空網 DROMLAN で初の南極行きを実現しました。
雪上車で 3 週間もかけて苦労して移動した道のりが飛行機だと 3 時間もかからない。この違いを考えてください。