東京2020オリンピック追加競技正式決定 スポーツクライミング 記者会見

photo: Miwako Kubota
東京2020オリンピック追加競技正式決定
スポーツクライミング 記者会見
2016年8月4日(木)
スポーツクライミング 3つの種目
ボルダリング
Bouldering
高さ約3 5mの壁にホールドと呼ば
れる突起物を設置し、複数のコース
(課題)が組まれる。いかに少ない
トライ数で、多くの課題を登り切れ
るかを競う。
リード
Lead
高さ12m以上の壁に設けられたルー
トを制限時間内にロープをで安全を
確保しながら登る競技。ルートを初
見で登り、落下すると競技終了。よ
り高い地点まで登れた選手が勝ち。
スピード
Speed
毎大会同じ条件で15mの壁にセット
された同一の2本のルートを2人のク
ライマーが隣り合わせで登り、勝ち
抜き形式で速さを競うスプリント競
技。
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競技ルール ❶ ボルダリング
高さ5メートル以下の壁に設定された複数のコース(課題)を
制限時間内に、いくつ登れたかを競う
概要
ボルダリングは高さ5メートル以下程度の壁で、最大12手程度の複数のコース(課題と呼ばれる)を対象に何
課題登ることができたかを競う種目です。定められたスタート位置から始めて、ゴールホールドを両手で触り
安定した姿勢を取ると完登とみなされます。
選手は安全器具等を装着しませんが、地面には落下時の衝撃を吸収するマットが敷かれています。
勝負のキーポイント
課題を登るための一つ一つの難易度や強度、不安定度がどの
種目よりも高いことが特徴。そのため、選手にはよりダイナ
ミックな動きやテクニカルな動きが要求され、メンタルのコ
ントロール力も順位を大きく分ける要因となります。
課題を攻略するための、正しい動きを見出せるかどうか
が勝負のカギに。「身体を使ったチェス」とも言われる。
©IFSC/Eddie Towke - the circuit climbing
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競技ルール ❶ ボルダリング
予選、準決勝、決勝の3ラウンド
勝ち抜いたファイナリスト6名が決勝に挑む
予選・準決勝
予選と準決勝は各課題5分間、決勝は各コース4分間で競技が行われます。準決勝には20名(予選が2グループ
に分かれた場合は10名ずつ)、決勝には6名進出できます。予選と準決勝はベルトコンベア方式という形式で
行われることが一般的であり、各選手は「5分間の競技」と「5分間の休憩」を交互に繰り返し、予選では5課
題、準決勝では4課題の競技を行います。選手は5分間の競技時間でオブザベーションも行う必要があり、他の
選手のトライを見ることができません。また5分間で登り切る必要があるので、競技時間終了時点で課題の途
中にいた場合はトライを
止めなければなりません。
決勝
決勝はワールドカップ決勝方式という形式で行われることが一般的。
4つの課題が用意され、1課題に対して全ての選手が「4分間の競
技」を終えた時点で皆で次の課題に移ります。他の選手のトライを見
ることはできませんが、進出選手皆で予め各課題2分間のオブザベー
ション(課題の下見)を行うことができます。
また競技時間終了時点でトライをスタートできていれば、途中で止め
る必要はなく、完登・墜落・反則をするまで競技は続けられます。
オブザベーション…日本語で観察の意。
スポーツクライミングでは登る前にコースを
見て、手順などを予測すること。
©IFSC/Eddie Towke - the circuit climbing
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競技ルール ❶ ボルダリング
上位に入るには、少ないトライ数で登ることも重要
ボーナスが勝敗を分けることも
順位の決定方法
順位は「完登した課題の数」で決まりますが同数の場合は「完登に要したトライ数」の少ない選手が優先さ
れます。また、各コースにはボーナスと呼ばれる高度が定められており、「完登コース数」「完登に要した
トライ数」が同じ場合は「ボーナス獲得数」「ボーナス獲得に要したトライ数」の順番で順位が決定されま
す。これらも同じであった場合は準決勝など前のラウンドの成績(カウントバック)が適用されます。
スコア表の見方
ただ1人、4つの完登を達成した野口が1位。
野中とコクシーは、3完登で並ぶが、完登に
要したトライ数が野中の方が1つ少ないため、
野中が2位。
尾上とレッツィーは、完登数、完登に要した
トライ数、ボーナスの数で並んだが、ボーナス
に要したトライ数が尾上の方が2つ少ないた
め尾上が4位。
完登に
完登数
/
要したトライ数
ボーナスに
ボーナス数
/
要したトライ数
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競技ルール ❷ リード
ロープで安全が確保された競技者が
十数メートルの壁に設定されたコースを登り、その到達高度を競う
概要
リードクライミングは高さ12m以上の壁で、最長60手程度のコース(ルートと呼ばれる)をどこまで登るこ
とが出来るかを競う種目です。選手はロープの繋がったハーネスを装着し、途中の確保支点にロープをかける
ことで安全を確保しながら登り、最後の支点にロープをかけると完登と見なされます。
勝負のキーポイント
最も長い距離を登る種目であるため「持久力」が勝敗をわ
ける重要な要素であることが特徴。また、最初から最後ま
で全力で登り続けられる距離ではないため、最小限の力で
重力に打ち勝ち自身の高度を上げていく「テクニック」や、
無駄な動きを省き長い距離の中で自身の動きをいかにコン
トロールしていくかなどの「戦略性」も問われる種目と
なっています。
ルートの途中で休めるポイントを見つけて、体力を回復さ
せられるかどうかも、大切。
©IFSC/Eddie Towke - the circuit climbing
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競技ルール ❷ リード
予選、準決勝、決勝の3ラウンドを経て勝者が決定
事前に戦略を立てて競技にのぞむ
予選
予選では2本のルートにそれぞれ1回のみトライできます。予選
は1本のルートにつき制限時間は、6分間。トライをする前の選
手は、基本的に他の選手のトライを見ることはできませんが、
予選では予め実際にもしくはビデオでデモンストレーションを
見ることができます。
準決勝・決勝
準決勝と決勝では、それぞれ1本のルートを1回のみトライで
きます。準決勝と決勝の制限時間はそれぞれ8分間。競技の前に
は、進出選手皆で予め6分間のオブザベーション(コースの確
認)をすることができます。準決勝には26名(予選が2グルー
プに分かれた場合は13名ずつ)、決勝には8名進出できるとい
うのが一般的です。
オブザベーションでは長いルートの手順を頭と身体にたたきこむ。
©Stanko Gruden
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競技ルール ❷ リード
勝つためには、一手でも先に到達すること
カウントバックで準決勝での順位で勝敗が決まることも
順位の決定方法
順位は、各選手の獲得高度(どの高さまで登ることができたか)で決まり、墜落・時間切れ・反則をした時
点での高度が獲得高度となります。
ルートには、下から順番にホールドに番号がふられており、何番目まで到達できたかの数字がスコアとなり
ます。
もし獲得高度の同じ選手がいた場合にはカウントバック(前ラウンドでの順位が高い選手を優先する仕組
み)が適用され、それでも同順位の場合は獲得高度までのタイムが短い選手が上位となります。
スコア表の見方
37のホールドを保持した後、次のホールドを
取りにいくアクションができた場合は、高度
にプラス(+)が付き、プラスなしのスコアよ
りも上位となる。
同スコアで並んだ場合は、カウントバックで
準決勝での順位が反映される。準決勝で上位
だった、シューベルト選手が3位に。
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競技ルール ❸ スピード
いかに速く駆け上がることができるか。
隣り合う同一ルートを二人で登り、コンマ数秒を競い合うスプリント競技
概要
スピードクライミングは高さ10メートルもしくは15メートルの壁で、予めホールドの配置が周知されてい
るコースをどれだけ早く登るかを競う種目です。選手はロープの繋がったハーネスを装着しますが、トップ
ロープ(ロープが終了地点付近で予め支点確保されている)スタイルで行うため、途中の支点確保は必要あ
りません。
現在の世界記録(15m)
男子:5秒60 ダニエル・ボルディヤフ選手(2014年9月)
女子:7秒53 イウリア・カプリナ選手(2015年7月)
勝負のキーポイント
選手たちは同じルートで何度もトレーニングを行い、動きを
身体にしみこませているもはず。それでも、大会で隣を登る
対戦相手からプレッシャーを受けながら、自らのベストタイ
ムをたたき出すのは至難の業。プレッシャーをはねのけ、ど
れだけ自分の登りに集中できるかという心理戦でもあるので
す。
©IFSC/Eddie Towke - the circuit climbing
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競技ルール ❸ スピード
タイム順に上位16位までが決勝トーナメント進出
決勝は、負ければ終わりの勝ち抜き戦
予選
一般的には予選と決勝トーナメントで行われ、予選では同一
コースが配置された2つの壁でそれぞれ1トライずつの計2トラ
イ、決勝トーナメントではどちらかの壁で1トライのみ行うこ
とができます。予選は2トライのうち早い方のタイムを使用する
ことができ、基本的には予選参加者の上位16名が決勝トーナメ
ントに進出します。
決勝トーナメント
決勝トーナメントは順位の高い選手と低い選手が1回戦で当た
るように組まれ(1位と16位、2位と15位、等)タイムの早い
選手が勝ち上がります。タイムが同じ場合はカウントバックが
適用されますが、準決勝(残り4人)と決勝(残り2人)のラウ
ンドで同じタイムの場合は、もう一度競技を行います。
©IFSC/Eddie Towke - the circuit climbing
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東京2020オリンピック スポーツクライミング競技ルール<予定>
ボルダリング、リード、スピードの複合種目として提案
ルールの詳細については、今後決定
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会からの提案内容
ボルダリング、リード、スピードを1人の選手が全て行い、
総合成績で競う複合種目
種目数:スポーツクライミング複合 男女2種目
競技人数:40名 (男女20名ずつ)
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