『日本の野鳥カレンダー2017』作者のコメント 表 紙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 種 撮 名:オオタカ 影:石橋 孝継 学 名:Accipiter gentilis 撮影場所:北海道 長沼町 英 名:Northern Goshawk 猛禽が狩りに失敗した様子。遠くの防波堤沿いに舞い 降りた。双眼鏡で覗くと、辺り一面野草が咲き美しい光 景「何とか一枚シャッターを切りたい、しかし容易に近 づくと飛ばれてしまう…。」幸運にもやや下に複道があ り、気付かれずに近づくことが出来た。車のサンルーフ を開け息を殺しながらレンズを向けた。 1月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:コミミズク 影:野口 好博 学 名:Asio flammeus 撮影場所:大阪府 島本町 英 名:Short-eared Owl 関東のコミミズクポイントはどうしたことかもぬけ の殻で、関西に勢ぞろいしていました。狭い河川敷の 中に 10 羽ほどがいたらしく、テリトリーを守るため の空中戦が何度も見られました。 写真は土手に並んだ、人間たちを不思議そうな目で 眺めながら飛ぶコミミズクです。 2月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:タンチョウ 影:宮沢 安二郎 学 名:Grus japonensis 撮影場所:北海道 鶴居村 タンチョウの塒入りと夕焼け、この魅力ある被写体を 撮影したくて、数年通いました。きれいな夕焼けが見ら れるのは適度の雲と日没後のわずかな時間。今回は真っ 赤に燃えた空にほどよい数のタンチョウがタイミングよ く飛んできてくれました。期待以上の夕焼けに、寒さが 冷え込んできたのにも気づかず、夢中にシャッターを押 したものです。 英 名:Red-crowned Crane 3月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:アトリ 影:野口 好博 学 名:Fringilla montifringilla 撮影場所:東京都 府中市 英 名:Brambling 冬鳥でやってくるアトリが、咲きだした黄色いサン シュユの木の前にある辛夷(コブシ)の枝にとまって くれました。鮮やかなオレンジ色と黒い羽が目立つ雄 に比べ、落ち着いたオレンジ色の羽衣をした雌は、一 見地味なようではありますが、同系色の花の前で、と ても魅力的な鳥に見えてきました。 4月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:ミソサザイ 影:福島 千枝子 学 名:Troglodytes troglodytes 撮影場所:愛知県 設楽町 英 名:Eurasian Wren 目の前の岩の上に、突然澄み渡る歌声が響きます。 10cm 余りの小さな体からアピールするさえずりは渓 谷に木霊し、羽を震わせながらの心を込めたプロポ ーズは、目線の先にいる、彼女の心を潤わせ、ほど なく一緒に岩陰に消えました。 地味なこの子が華やかに感じられたひと時でした。 こうして生命の糸を紡いでいくのです。 5月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:クロツグミ 影:吉田 幸弘 学 名:Turdus cardis 撮影場所:北海道 苫小牧市 5 月下旬の苫小牧の森林。新緑の中からクロツグ ミの囀りが聞こえる。キョロイ、キョロイ、キョコ キョコと朗らかに複雑に長く歌声を響かせる。この 囀りは新緑にふさわしく「今年も渡ってきたな。」と 出会いを感謝する。そんなクロツグミの囀りだ。 英 名:Japanese Thrush 6月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:カワガラス 影:土橋 信夫 学 名:Cinclus pallasii 撮影場所:北海道 旭川市 英 名:Brown Dipper 旭岳の帰りに、麓に有った旭川市源水公園でカワガラ スに出会った。あまり人を恐れずに、盛んに餌を探して いた。公園の方の話では、「毎年、オショロコマの稚魚 を放流しているが、みんなカワガラスに食べられてしま う。」と言っていた。 7月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:アオサギ 影:矢田 和子 学 名:Ardea cinerea 撮影場所:愛知県 愛西市 英 名:Grey Heron 毎年 7 月初旬になるとハスの花が綺麗に咲くので野 鳥と一緒に撮りたくて出掛けています。当地のハスは 濃いピンク色の小さめの花で可愛く咲いてくれます。 ハスの花の向こうにアオサギが採餌していて時々スク ッと首を伸ばし姿勢を正す姿がとても凛々しくてうっ とりした気分で撮影していました。 8月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:バン 影:上戸 鉄雄 学 名:Gallinula chloropus 撮影場所:北海道 札幌市 「何とかスイレンの花を」と思い、早朝より数日間 通って撮影出来ました。スイレンの花が咲いている時 間が数時間でしたので多くチャンスがなかった。それ でも何とかゲット出来ました。 英 名:Common Moorhen 9月 種 撮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:チュウジシギ 影:岩本 多生 学 名:Gallinago megala 撮影場所:神奈川県 平塚市 英 名:Swinhoe's Snipe 稲刈りの時期が近付くと、自転車で田んぼの畦道を 1 つ 1 つ覗きながらのジシギ探索が恒例行事となって います。台風後の天気が不安定なある日、畔の奥にこ の個体を発見。ミミズ採りに夢中になって近付いてく るのを辛抱強く待つこと 2 時間、近距離で伸びをする 隙に外側尾羽を確認、チュウジシギと同定できました。 10 月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 種 撮 名:アリスイ 影:今 勝憲 学 名:Jynx torquilla 撮影場所:愛知県 名古屋市 英 名:Eurasian Wryneck 日本には冬鳥として飛来するアリスイ。見かける行 動としては木にとまって長い舌を伸ばしてアリを捕食 する姿などだが、時に地面に降りてアリを捕食する事 もある。 都市公園でそんなアリスイを見ていたら地 面に降りて周りを見回していた。その行動をカメラに 納める事が出来た。アリスイに感謝。 11 月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 名:Turdus obscurus 種 名:マミチャジナイ 学 撮 影:上戸 鉄雄 撮影場所:北海道 札幌市 数十年通っているフィールドでの撮影です。秋は、渡 りの鳥達が草花の実に付き、秋色とのマッチングで色々 狙っております。マミチャジナイは、この時期早々に渡 っていきますが、昨年秋にまだニシキギの実を遅くまで 食べていました。 英 名:Eyebrowed Thrush 12 月 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 種 撮 名:キジバト 影:野村 明 学 名:Streptopelia orientalis 撮影場所:大阪府 大阪市 ナンキンハゼの紅葉は一様に紅葉するのではなく、朱 ・黄・紫・緑の混じった複雑な色になり、曼荼羅(まん だら)的な背景となる。その中に白い実が星の様に点在 する。地味なキジバトがその背景に入ると、突然に華や ぐ。実を取ろうとバランスを崩すその動きが、背景の曼 荼羅的な静寂を破って、キジバトの生きる姿を美しく写 し出したかった。 英 名:Oriental Turtle Dove
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