コーデックス委員会とは 鹿児島大学名誉教授 岡本嘉六 自由貿易を堅持しながら、病原体や有害物質などの国際移動を防ぐ仕組み として SPS 協定が結ばれており、各国が輸出入検疫を行う際に国際基準を遵守 することを求めている。人や動植物の生命または健康を保護するために行う検 疫が、 「偽装された保護主義」とならないために国際基準が設けられている。 国際基準の設定は、危害について の科学的なリスク解析に基づいて行わ れ、その組織的役割分担は、 「食品安全 のための科学(FAO, 2010)」に図示さ れている。様々な国が合意できる基準 を作成するためには、その危害が基準 を設けない限り「人や動植物の生命ま たは健康」に重大な影響を及ぼす恐れ があることを納得する必要がある。国 連加盟国の間における「リスクの情報 交換」が根底になければならない。 リスク査定は FAO/WHO が合同で行うこととなっており、合同食品添加物 専門家委員会(JECFA)、合同微生物リスク査定専門家(JEMRA)、合同残留 農薬専門家会議(JMPR)、食品安全当局の国際連携網(INFOSAN)など多く の専門家会議が設置されている。コーデックス委員会は、リスク管理を行う機 関として位置づけられている。
© Copyright 2025 ExpyDoc