平成28年 7月28日 総合政策部 政策審議室 総合計画実施計画(平成29~31年度)策定方針 1 策定の趣旨 本市が,今後迎える人口減少や人口構造の変化など,社会環境の変化に的確に対 応しながら,今後とも持続的に発展していくため,「第5次宇都宮市総合計画改定 基本計画(後期基本計画) 」(計画期間:平成25~29年度。以下「後期基本計画」 という。)や「宇都宮市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた施策・事業, また,「第6次総合計画」を見据えて先行的に計上していく施策・事業などについ て,今後どのように実施していくかを明らかにし,もって予算編成及び事務執行の 指針とする。 2 計画の構成と期間 構 成:事業計画及び財政計画 期 間:平成29年度から平成31年度までの3か年 3 今回の計画の性格 ・ 本計画期間において,「後期基本計画」の最終年度を迎えることから,「後期 基本計画」に掲げた施策・事業の総仕上げに着実に取り組むとともに,「第6次 総合計画」の初年度を含む計画となることから, 「第6次総合計画」を見据えて, 先行的に施策・事業を計上する計画とする。 ・ 平成27年10月に策定した「宇都宮市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に 掲げる目標の実現に向けた,施策・事業の具体化を図る。 4 現状認識と今後の見通し (1)本市を取り巻く社会動向と経済情勢等 我が国の人口は平成20年をピークに減少局面に入り,人口減少が進む一方, 高齢化率は年々上昇し,人口減少・少子高齢化が進行している。 さらに,社会動態の面では,政令指定都市や県庁所在市など,地方の中核的な 都市の若年層が東京圏へ移動するなど,東京一極集中の傾向が継続している。 このような中,国においては,女性や高齢者をはじめ,誰もが活躍できる社会 の構築に向けて,「ニッポン一億総活躍プラン」などを策定し,働き方改革や多 くの若者の結婚や出産の希望を叶える取組を進めるとともに,地方における仕事 の創出,若者の地方還流・地方定着,など,人口減少・少子高齢化の中にあって も,地方が活性化し,我が国が持続的に成長していくための取組を進めている。 また,我が国の経済情勢については,大企業を中心として収益が高い水準に達 し,雇用・所得の環境は改善傾向にあるものの,地方や中小・小規模事業者など は,その恩恵を十分に実感できておらず,設備投資や個人消費の喚起が必要な状 況にある。 1 こうした中,国は,消費税率10%への引き上げを平成31年10月まで延期 する方針を示し,回復基調にある景気を積極的に底上げし,日本経済の再生に着 実に取り組むこととした。 (2)本市における今後の見通し 本市の総人口は,今後,減少に転じる見込みであり,年少人口と生産年齢人口 が減少する一方,老年人口は増加し,高齢化がさらに進行していくと見込まれて いる。また,現在,東京圏に対して,20代の若い世代を中心に転出超過となっ ていることなどを踏まえ,人口の自然増や社会増の促進に向けた施策・事業等に 取り組んでいく必要がある。 さらに,今年度は「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現に向けて,総合 的な交通ネットワークの基軸となるLRT事業が着工を迎える年であり,LRT の導入によって,まちの構造が大きく変化し,市民の生活様式や企業の活動など にも影響を与えることが見込まれることから,こうした変化に的確に対応した施 策・事業にソフト・ハード両面から取り組んでいく必要がある。 次に,本市の経済情勢については,企業収益の改善や雇用環境の改善などによ る所得の増加により,全体としては緩やかな回復基調にある。 このような中,今後の財政収支を見通すと,歳入の根幹である市税収入は,税 制改正に伴う法人市民税の税率引き下げの影響があるものの,経済成長や収納対 策の強化などにより,緩やかに増加すると見込まれる。 一方,歳出においては,高齢化の進展に伴う社会保障関係経費や,本市の持続 可能なまちづくりに必要な投資的経費の増加が見込まれるところである。 こうした財政の見通しから,国の重点施策を踏まえた,補助事業の積極的な活 用など,財源の確保に努めるとともに,施策・事業の選択と集中などによる行政 資源配分の最適化を通して,持続可能な財政運営に取り組んでいく必要がある。 5 まちづくりの基本的な考え方 これからの人口規模・構造や都市活動に見合った都市の姿である「ネットワーク 型コンパクトシティ」の形成に向けた「拠点形成の促進」や,LRTを基軸とした 「総合的な交通ネットワークの構築」を推進することにより,環境にやさしく,子 どもから高齢者,障がい者などの誰もが安全で快適に移動でき,外出によって健康 が増進され,人や企業,コミュニティなどの活動や交流が活性化される「交通未来 都市 うつのみや」の実現を目指す。 また,あらゆる分野におけるまちづくりの担い手を確保する「人づくり」をはじ め,結婚・妊娠・出産の希望を叶える切れ目ない支援や,誰もがいつまでも活躍で きる健康寿命の延伸,市民の暮らしを支える地域経済の活性化などに取り組み,個 人や企業,地域団体などの多様な主体が集い,交流し,それぞれの活動が活性化さ れ,さらに新たな活動に発展・波及する,まちづくりの好循環をなお一層創出する。 2 6 施策・事業選択の考え方 ・ 平成29年度に最終年次を迎える「第5次宇都宮市総合計画」に掲げるまちづ くりの目標を実現するため,10の「まちづくり戦略プロジェクト」を着実に推 進するとともに,「宇都宮市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる目標の 実現に向けた,施策・事業の具体化を図ることとし,その推進に当たっては,次 の4つの視点について,特に意識して取り組む。 「第5次宇都宮市総合計画 「宇都宮市まち・ひと・しごと まちづくり戦略プロジェクト」 創生総合戦略」 自然動態に関する目標 “幸せ力”アップ戦略プラン 1:子どもたちの“笑顔の輪”拡大プロジェクト 2:からだ元気!こころ豊かに! ・ 市民の結婚・出産・子育ての希望を 実現する 健康長寿応援プロジェクト 3: “安全社会・安心生活”創出プロジェクト 社会動態に関する目標 4:ひとや自然にやさしい ・ “環境都市”実現プロジェクト 5:まちの骨格となる交通体系確立プロジェクト 人口の定着と東京圏からの流入人口 の増加を図る “ブランド力”アップ戦略プラン 都市基盤に関する目標 6:50万都市の中枢機能・ 交流機能強化,活力向上プロジェクト ・ 7:都市ブランド確立・アピールプロジェクト 人口規模・構造の変化に適合したまち, ネットワーク型コンパクトシティを実現 “底力”アップ戦略プラン する 8:高い志を持って,未来へ羽ばたく “宮っ子スピリット”養成プロジェクト 9:産業力底上げ“未来産業創造”プロジェクト 10:みんなでつくる “大好き地域”実践プロジェクト 【施策・事業推進の4つの視点】 ア あらゆる分野における「人づくり」 イ 「子育て・健康づくり」 ウ 「人や企業に選ばれる魅力ある地域づくり・経済の活性化」 エ 「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成 3 ア あらゆる分野における「人づくり」 ・ 産業,福祉,地域などのあらゆる分野における担い手の養成・確保 ・ 担い手と活動をつなぐ機能の強化 ・ 次代の宇都宮を担う人材を育てる教育の推進 など イ 「子育て・健康づくり」 ・ 結婚・出産の希望を叶える支援の充実 ・ 安心して子育てできる保育・雇用環境の充実 ・ 健康寿命の延伸に向けた,全ての市民の健康づくりの推進 ウ など 「人や企業に選ばれる魅力ある地域づくり・経済の活性化」 ・ 住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる福祉・医療環境などの整備 ・ 女性・若者・高齢者の新たな就労の場を生み出す企業の誘致と産業の創出 ・ 中小企業の振興や持続可能で競争力の高い農業の確立 ・ 東京圏を中心とした流入人口の増加や賑わい創出に向けた都市の魅力の向上 など エ 「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成 【拠点形成の促進】 ・ 高次な商業・業務機能などの適正な立地誘導による都市拠点の形成 ・ 地域特性に応じた都市機能の集約による日常生活を支える地域拠点の形成 と交通結節点における機能の充実 ・ 本市特有の地域資源を活用した産業・観光拠点の形成 ・ 拠点への定住促進や市外からの住み替えの促進 など 【総合的な交通ネットワークの構築】 ・ 東西基幹公共交通「LRT」の整備と幹線・支線公共交通を支えるバス, 地域内交通の充実 ・ 拠点間の連携や交通の円滑化を図る幹線道路の整備 など 7 策定にあたって配慮すべき事項 (1)分野横断的な施策・事業の検討 ・ 幅広い分野にまたがる行政課題の解決に向けた異なる分野との連携・協力や, 多様な主体が,相互に補完できるよう,マッチングなどの誘導に配慮すること。 ・ 特に,LRTの整備効果などを意識した施策・事業については,積極的に計 上すること。 ・ 他自治体と地域資源を相互に補完し,圏域全体の底上げを目指す,広域連携 を視野に入れること。 4 (2)創意・工夫の発揮 ・ あらゆる分野において,蓄積したデータやICT等の情報通信技術を活用し, 課題を整理・解決することで,市民の利便性向上や企業活動の拡大などにつな がる新たな仕組みの構築に努めること。 ・ 都市の風格や魅力の向上,市民の郷土愛のさらなる醸成が図られるよう,本 市の財産である自然,歴史,文化など,様々な地域資源を意識した施策・事業 の構築に努めること。 ・ 施設整備にあたっては,「公共施設等総合管理計画」を踏まえた既存ストッ クの有効活用や,民間の資金やノウハウを活用した「公民連携」による事業手 法の導入可能性を検討すること。 ・ 施策・事業の円滑な推進に向けて,国の重点施策を踏まえた補助事業の積極 的な活用など,財源の積極的な確保に努めること。 (3)施策・事業の優先化・平準化 ・ 今後,「東京オリンピック・パラリンピック(平成32年度) 」などのビック・ イベントの開催に向けて,集中的なインフラ整備に伴う人手不足や建設資材の 高騰などが民間活動へ影響を与えることが懸念されることから,事業の緊急性 などを見極め,実施スケジュールの見直しや事業の平準化に努めること。 8 策定スケジュール 平成29年 1月頃まで 計画案の作成 2月頃 公表 5
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