軟包装用 UV インクジェットプレス『MJP20W』、国内で先行導入開始

軟包装用 UV インクジェットプレス『MJP20W』、国内で先行導入開始
金羊社が 2 台目導入決定、小ロット・Web 受注の新ビジネス立ち上げへ
2016 年 7 月 19 日
富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社
富士フイルムが昨年の『IGAS2015』で初公開し、先般の『drupa2016』でも注目を集めた軟包装
用 UV インクジェットプレス『MJP20W』の市場導入が、日本国内で先行して始まっている。中でも、
2013 年から軟包装印刷事業を展開している株式会社金羊社(本社:東京都大田区鵜の木 2-8-4、
社長:浅野晋作氏)では、いち早く 1 台目を導入しテスト運用を開始。さらに、この drupa 期間中に
2 台目の導入を決定した。この秋から本格稼働に入り、2 台体制で新規ビジネスを展開する計画で
ある。6 月 5 日には、同社の 2 台目導入を記念し、drupa 会場内でセレモニーが行なわれた。
写真右から:㈱金羊社
浅野会長、FFGS 社長
真茅、㈱金羊社
國崎取締役
■drupa2016 でも注目集めた『MJP20W』
『MJP20W』は、富士フイルム独自の画像形成技術『EUCON Technology(ユーコン・
テクノロジー)』の搭載により、「高画質・高生産性・低臭気」を実現した軟包装裏刷り用
途向け UV インクジェットプレス。小ロットやバリアブルに対応できることから、軟包装
分野の最新ニーズに応え、より多様な提案を可能にするシステムとして期待を集めている。
『drupa2016』の富士フイルムブースでも実演やサンプル展示を行ない、来場者から高い関
心が寄せられた。
『MJP20W』の市場導入は、日本国内で先行してスタート。いち早く 1 台目を導入した
金羊社では、すでにテスト運用を開始しており、今回導入する 1 台と合わせ、2 台体制で新
たな軟包装ビジネスの展開を目指している。
6 月 5 日に『drupa2016』会場内で行なわれたセレモニーでは、金羊社から代表取締役会
長・浅野健氏、取締役 FP 事業部・國崎守男氏、富士フイルムグローバルグラフィックシ
ステムズから代表取締役社長・真茅久則が出席した。
この席で浅野会長は、まず、軟包装印刷事業への進出の経緯について紹介。
「私どもは音楽業界の印刷物でトップシェアを持っていますが、この分野もいまや成熟市
場。次の世代の人たちが夢を追い求められるような、新たな事業領域を開拓したかった。
多くの方から意見をいただきながら検討し、着目したのが、水性フレキソによる軟包装印
刷でした」
そのうえで、今回『MJP20W』の導入に至った背景を、次のように説明した。
「軟包装市場のお客さまに話を聞くと、
『なぜこんなに在庫を持たなければいけないのか』
という悩みを多くの方が抱えています。最近はナショナルブランドの商品でも、地域限定、
期間限定のものが増えている。当然、ロットは小さくなります。当社はこの 3 年半、CI 型
フレキソ印刷機での軟包装印刷で着実に実績を重ねてきましたが、お客さまの声を聞くう
ち、
『必要以上の量を発注しなければいけない』という課題を、何とか解決できないかと考
えるようになりました。それには、
『MJP20W』のようなデジタルプレスがぜひとも必要だ
ったのです」
■軟包装市場の「在庫レス」ニーズに応える新ビジネス
金羊社では、軟包装印刷拠点の一つである大口工場(愛知県丹羽郡)に『MJP20W』を
2 台設置し、今秋から新たなビジネスモデルを本格始動させる。
「私達が目指すのはデジタルプレスの特性を活かし、お客さまの“在庫レス”を実現する
軟包装ビジネスです。これまで対応が難しかった 2,000m 以下の小ロット・短納期の仕事を、
Web 経由で受注します。現在、サービス開始に向け、1 号機でさまざまな検証を進めてい
るところです」
(國崎取締役)
このビジネスを通してクライアントに提供するメリットについて、浅野会長は次のよう
に語る。
「たとえば、メーカーさんが 10 種類の食品でテストマーケティングを行ないたい場合、す
べて同じパッケージというわけにはいきません。かと言って、10 種類も製版していたので
はコストがかかりすぎる。その点、版が不要なデジタルプレスなら、デザイン変更が“ノ
ーコストに近いローコスト”でできます。ですから、試供品製作やテストマーケティング
などにフィットするのではないかと考えています」
この新ビジネスでは、独自に開発した Web 受注システムを活用し、24 時間稼働体制で小
ロットの仕事をより多く、効率的にこなしていくことで採算性を確保する。サービス提供
の対象は、全国の包装資材問屋を想定している。
「このサービスによって各地でお店を経営する、軟包装を必要としている方、しかも少量
の注文で困っている方にも、間違いなく喜んでもらえると確信しています」
(浅野会長)
また、FFGS 代表取締役社長・真茅久則は以下のようにコメントした。
「金羊社様の先進的な取り組みに対し、製品とサポートでビジネスの成功をトータルにお
手伝いします。また富士フイルムとしても軟包装用途に新開発した UV インクジェットの特
性を活かし、熱シールやボイル・レトルトへの対応など、より幅広い用途に向けた製品の
開発・提供で、軟包装分野の課題解決に努めます。」
◇
富士フイルムは今後、
『MJP20W』の各国での市場適性の確認と仕様の最適化を進めなが
らワールドワイドで順次販売を開始し、軟包装印刷市場のさらなる活性化に貢献していく。
軟包装用 UV インクジェットプレス「MJP20W」