プログラム名 10 クローバーのミッキーマウス プログラムの目的 押し葉を使って楽しい作品づくりをさせる プログラムについて 押し葉を使って美しい作品づくりをさせる。葉の形や色の違いを生かしたデザインによりオリジナリティの 高い作品づくりを進めることにより、草花の葉に触れさせる。 事前準備 ① 材料となる押し葉(花)の準備 ・ 草花や樹木の葉や花を採取しておき押し花にしておく。季節に応じ多種多様な花があるので、普段から少し ずつ作成して蓄えておく(この活動では主にクローバーを用いた) 。 ② 道具の準備 ・ 紫外線効果樹脂、両面粘着シート、カッターナイフ、和紙、はさみ、木工用ボンド 注意事項 材料・道具の準備を十分に行う(量と質の確保) 透明粘着フィルムの使い方の指導を行う 参加者の作業行程に気を配る 利用者に積極的に声をかけ参加を呼びかける プログラムの概要(基本プログラム) 事前準備と活動 まとめ ・ プログラムを実施する季節に 合わせ、森林の様子を話す。 ・ 押し葉(花)を使った作品づ くりを行うことを告げる。 ① 材料の準備 ② 会場づくり ③ クローバー(帰化植物)の 説明 ④ 作り方の説明 ⑤ ミッキーマウスの製作 ・作品の鑑賞 所要時間 ・基本プログラム 約1時間 ・オプションプログラム(後述)を加えると約2時間 61 準備の進め方 教材について 材料の準備 材料となるクローバーを集め て押し葉にする。 色々な大きさや色合いの葉を 集めておく 押し葉の作り方(☞ 8 p.) その他の樹木や草花も押して 乾燥させておく。 シロツメクサやムラサキツメクサ(マメ科)の 葉を集めて押し葉にする。 会場づくり 道具類の準備をする ・紫外線硬化樹脂 ・両面粘着シート ・カッターナイフ 紫外線硬化樹脂 両面粘着シート ・和紙 ・はさみ カッターナイフ ・木工用ボンド 両面粘着シートは面の両方に 粘着力があるため、上下二枚 の紙に挟まれている(注1)。 ステンドグラス(☞7∼12 p.) 等で用いたものは片側だけに 粘着力があるものである。 はさみ 木 工 木工用ボンド 和紙 注1 片側だけに粘着力のあるシートの場合と同様に、 両面粘着シートも扱いに困惑する参加者がいると 考えられるので、取り扱い方を十分に指導する。 特に年少の参加者への配慮を十分に行う。 62 活動の進め方 教材について クローバー (帰化植物) ー( の説明 材料として用いたクローバーに 関連させて、帰化植物について 説明する(注2)。 説明の例 ・ 人間により持ち込まれた外 来の植物である ・現地に定着し繁殖している ・ 気候や生育適地が適合した ものだけが定着できること ・帰化植物は人間生活の拡大 に適応した植物であること ・森林の植物は人の手の入ら ない安定した環境が大切で あること など 上陸 一次帰化 気候 生育 場所 在 来種 定着 二次帰 外国から上陸しても淘汰されて。生き残れるものは少ない 資料や写真等を用いても良い。 説明の内容は事前にまとめて簡 潔に行う。 人間の活動の拡大に適応 帰化植物は人間活動の拡大にうまく適応している植物である 作り方の の説明 説明 作り方を説明する。 両面粘着シートの片側の紙を はがす ミッキーマウスの体の各部分 をシートに貼っていく 上から和紙をかぶせ、さらに 紫外線硬化樹脂を塗る 硬化したらマウスの体に沿っ てはさみで切り抜く 注2 クローバー(シロツメクサやムラサキツメクサ) はマメ科の帰化植物であり、セイヨウタンポポ (キク科)等と共に、最も身近なものである。帰化 植物のくらし方を森林の草花と対比しながら説明 すると良い。 63 活動の進め方 教材について ミッキーマウスの製作 ① 両面粘着シートの片側の紙を はがす シートの大きさは、縦 10cm、 横7 cm とする。 10cm 7 cm ② ミッキーマウスの体の各部分 貼る 全体のバランスを考え、クロー バーの葉をどのように使うかイ メージし、顔の大きさ、手、首、 脚の長さ、胴体のくびれをどの ようにするか決め、一度別の紙 に載せて姿を作ってみる。 イメージに従い、バランスをと りながらシートに貼る(注3)。 一度、別の紙の上で姿を作ってからシートに貼りつけさせる。 目、鼻、ネクタイ、しっぽを作 り(注4)、木工用ボンドで接着 する。 ⑬ 和紙をかぶせて紫外線硬化樹 脂を塗る 体の各部分を貼り終えたら、上 から和紙をかぶせて紫外線硬化 樹脂を塗り、直射日光に当てて 硬化させる。 ④ はさみで切り抜く 硬化したらマウスから3 mm 以 上の余白を残し、はさみで切り 抜く。 もう一枚のシートをはがすと。 シールのように使える。 注3 粘着シートに一度貼りつけると二度とはがれず、 修復は不可能であるから、手や脚の長さのバラン スや目、鼻の位置などに十分注意する。特に、手 や脚の長さは十分考えてはりつける。 注4 しっぽは、クローバーの葉柄など先が細くなってい るものを選んで貼りつける。先の細いものがなけれ ばカッターナイフで削る。各部品ともに動かないよ うに木工用ボンドで接着する。 64 創作活動の様子と作品例 製作の様子(森の体験工房) 作品例1 , 2 作品例3 , 4 作品例5 , 6 作品例7 , 8 一見すると同じように見えるクローバーの葉であ るが、色や大きさ、形に微妙な違いがあり、さらに 切る。貼るといった作業を加えて、多彩な作品を作 ることができる。 紫外線硬化樹脂の使い方や、両面粘着シートの取 り扱いに気を配れば、楽しい作品をたくさん作るこ とができる。 65 周辺森林の活用事例 周辺森林を活用した創作活動とするために、次のようなプログラムにすることが考えられる。 目的 ・材料の採取により季節の森林の植物に触れさせる ・ 帰化植物のくらしを理解させる ・並行して実施する解説により森林に関する正しい情報を提供する ・押し葉(花)づくりを体験させる ・押し葉(花)を用いて美しい作品作りをさせる。 事前準備 ・案内する森林の状況を把握する ・ビニール袋や解説資料等の参加者への配布物 ・押し葉(花)づくりのための物品(新聞紙等) ・参加者に提供する押し葉(花)の準備(量・質の確保) 所要時間 2∼3時間(参加者数や案内する森林までの距離や状況により異なる) 活動の概要 森林での材料集め 押し葉づくりと自作用の 材料確保 ミッキーマウスの製作 展開例 活動の進め方 参加者を森林に案内し、クローバーや 季節の草花などを採取させる。 (採取は創作に必要な量とする) 帰化植物の観察を行わせる。 並行して、帰化植物や森林に関する解 説活動を行う。 採取した落ち葉や季節の草花のうち、 自分の作品づくりに使うものを確保 させる。 採ってきたものをすぐに使う場合は 留意点 ・あらかじめ、参加者を案内する場所を定めておく。 ・危険箇所や所要時間の確認 ・稀少種については採取を控えさせる。 ・帰化植物を観察させ、くらしについて話したり森林の在来種 との違いや競合の問題について話す。 ・解説内容を簡潔にまとめておく。 ・教材を使用する場合には適宜準備する。 ・ 「押し葉にして持ち帰りたい」等の要望が考えられるので対処 できるようにしておく。 ・実物を提示して説明すると理解してもらいやすい。 退色しやすいことを説明する。 残りは押し葉(花)にさせる。 新聞紙(葉を挟む紙と吸水紙)を配 付し、作業を体験させる。 ・参加者への個別指導を行う。 参加者が作った押し葉は乾燥させ次 回の活動に使用する。 すでに乾燥している押し葉を参加者 に提供し、ミッキーマウスを製作さ ・事前に作成したクローバーの押し葉や季節の花(押し花)を 提示して作品づくりをさせる。 せる。 66
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