新製品 Custom Compiler 満を持してついに登場! 最先端カスタム設計ソリューション Visually-assisted Automation のインターコネクトの各セグメントで流入・流出する電流量をきわめて 本稿では、その中から 2 記事を抜粋してご紹介いたします。他にも興味深い記事を多数掲載しています。是非、サイト上でご確認 ください。ブログですので、皆様からのご意見もご投稿いただけます。これまでのカスタム・レイアウトを振り返りながら、未来の イノベーションにつながるアイデアを探り、21 世紀のカスタム・レイアウトのあるべき姿について意見交換をしませんか? しょうか。 高精度に測定でき、結果品質が向上します。結果は GDSII ファイルとして Custom Compiler の Layout Assistants シノプシス デザイン・グループ プロダクト・マーケティング・ディレクター Graham Etchells 図 1 は、くし型配置にした完全整合ディファレンシャル・ペアのゲートを Symbolic Editorについて見てきました。Symbolic Editorでは、レイアウト・ このルータで接続したものです。黄色のフライラインは配線の開始点と現在 エンジニアが希望のレイアウトをグラフィカルに選択するだけで自動的に のカーソル位置を示しています。ルータが自動的にピンへの引き込み配線を 配置が実行されます。今回は Layout Assistants の 2つ目の機能としてルータ 生成し、下段のデバイスにクローン配線を作成しています。 出力され、これをデザインにオーバーレイ表示してエラーを可視化できます。 Wikipedia® によると、エレクトロマイグレーションとは「電気伝導体の中で 移動する電子と金属原子の間で運動量の交換が行われるために、イオンが レイアウト作成中に対話形式で実行できる高速スタティック・チェッカを 徐々に移動することで材質の形状に欠損が生じる現象」と定義されています。 利用すると、レイアウト・エンジニアはエラーを簡単かつ早期に発見でき 簡単に言えば、エレクトロマイグレーションとは配線の幅に対して電流密度 レイヤのシート抵抗モデルを用いてデザインをセットアップします。この ます。エレクトロマイグレーション・チェックを実行するには、まず各 が高すぎる場合に発生する問題です。問題の現れ方としては、金属配線に シート抵抗モデルは、インターオペラブル・プロセス・デザイン・キット ボイドが発生して回路が開放する場合(オープン故障)と、ヒロックが成長 (iPDK)に含まれる ITF(Interconnect Technology File)のデータを使用 して他の配線に短絡する場合(ショート故障)の 2 通りがありますが、どちら して作成します。このデータを処理したら、次に電流密度の制約および にしてもデバイスは故障します。エレクトロマイグレーションは温度と機械 ブロックそしてデバイスのポート / ピンの電流値を設定します。この電流値 は平均値、ピーク値、RMS のいずれでもかまいません。以上の情報を設定 的応力によっても悪化します。 しておけば、これらのピンを接続先とするすべての配線についてエレクトロ マイグレーション・チェックを実行できます。チェックは、目的の配線を選択 をご紹介します。配線タスクは特に自動化が強く求められている機能の 1 つ です。しかしこれまでのソリューションはテキスト形式の制約を大量に与え FinFET ベース・デザインでは、カラーリングおよびメタル・グリッドに関 る必要があり、それでも「希望に近い」配線結果しか得られませんでした。 するルール・チェックもこのルータが実行してくれます。カーソルを動かす してチェッカを起動するだけで実行できます。エレクトロマイグレーション・ エラーが検出されると、レイアウト内にエラー・マーカーが点滅してエラー の場所が示されます。エラーの種類や修正方法などの詳細情報は、エラー・ と配線がリアルタイムに表示されるため、レイアウト・エンジニアは生成さ れる配線のスタイルをすぐに確認し、その場で変更を加えることができま 自動的に実行します。このビジュアル・アシスト機能では、レイアウト・ す。このルータには接続スタイルのオプションがいくつかあり、たとえば エンジニアが配線の開始点をクリックし、配線したい方向にマウスをドラッグ フィッシュボーン・スタイルを選択すると中央の配線から上段と下段のピン するだけで配線エンジンが自動的に可能な接続を探索してくれます。接続が に引き込み配線が生成されます。それ以外には制約を入力する必要がほと 見つかると、ピンへの引き込み配線が自動的に生成されます。このように、 んどなく、コードの作成も必要ありません。これまで数時間かかっていた ユーザーがマウスを使って大まかな配線意図を指示するだけで、ルータが レイアウトが数分で完成します。 自動的に詳細な配線を実行してくれます。 設計者が大まかな指示を与えるとツールが自動的に配線を実行してくれると このルータには、FinFET アレイの配線に役立つ機能があります。それが、 いうこの強力な組み合わせにより、FinFET プロセスへの移行によって低下 自動配線クローニングです。FinFET デザインでは同じ配線を多数作成して していた生産性を再び引き上げることができます。 接続する必要がありますが、この機能を利用すると、ある部分で作成した 配線と同じ配線(クローン)が、必要な部分に自動的に作成されます。 次回はさらに別のレイアウト支援機能についてご紹介します。 ブラウザに表示されます。 ボイド(オープン故障) ヒロック(ショート故障) What's New in DesignWare IP? Custom Compiler のルータは、ユーザーが与えた指示に基づいて配線を 新製品 Custom Compiler 前回はCustom CompilerのLayout Assistants(レイアウト支援機能)の1つ、 ISO 26262 エレクトロマイグレーションとはどのようなもので、なぜ注意が必要なので ガイドラインへの適合 https://blogs.synopsys.com/customlayoutinsights/ News Release FinFET 向けソリューションの今 ニュースリリース BLOGS シノプシスでは、最新鋭のカスタム設計自動化ツール Custom Compiler™がご提供する各種の画期的な機能をわかりやすくご説明 するブログ “Custom Layout Insights” を公開しています。 現在、エレクトロマイグレーションは FinFET プロセスにおける一次作用の 1 つであり、金属配線の平均故障時間を大きく左右する要因となっています。 したがって、耐久性のあるロバストなデザインを作成するには、インター コネクトと電源グリッドの金属配線の幅を十分に検討して決める必要があり ます。 では、インターコネクトの金属配線の幅を正しく決めるにはどのような ツールを利用すればよいでしょうか。 このようなツールを利用すれば、レイアウトの作成段階でエレクトロマイグ レーションの問題をすばやく簡単にチェックできます。 かしこれまでの投稿で見てきたように、物理レイアウトを自動化してレイ 検証編 アウト・エンジニアの負担を軽減してくれるツール機能はたくさんあります。 Support Q&A シノプシスのサインオフ・ツール CustomSim™には、幅の狭い信号線の電流 フィジカル編 デザインを作成するには数多くのルールや規則に従う必要があります。し Support Q&A いかがでしょうか。確かに FinFET は複雑で、正しく機能するロバストな 高速スタティック・チェッカなど、さまざまなものがあります。 論理合成編 な「サインオフ」ツールのほか、カスタム物理レイアウト作成中に実行できる Support Q&A エレクトロマイグレーション・チェックを実行できるツールとしては、総合的 密度を計算してエレクトロマイグレーション発生の可能性を判定する機能が あります。CustomSim はデザイン内に発生するジュール熱を監視するのに では、これ以外に自動化は必要でしょうか。レイアウト・エンジニアが本当 必要となる RMS 電流の計算を含め、双方向からの電流の流れを正確に考慮 に求めているのは何なのでしょうか。 します。また、接地キャパシタに加えて、レイアウトから抽出されたカップ リング・キャパシタをすべて考慮して解析を実行します。これにより、信号線 これについては次回にご説明します。 このブログについて 当ブログ “Custom Layout Insights” では、これまでのカスタム・レイアウトを振り返りながら未来のイノベーションにつながるアイデアを探り、21 世紀の カスタム・レイアウトのあるべき姿について論じていきます。みなさまからのご意見をお待ちしています。 著者紹介 Graham Etchells:私と EDA の出会いは 1977 年にさかのぼります。当時はまだ「EDA」という言葉が存在せず、単に CAD(Computer-Aided Design)と呼ばれてい ました。私は母国イギリスのマンチェスターにある GEC Traction 社で機関車の制御ギアを担当しており、重機械のリレーやスイッチを扱っていま した。その後エレクトロニクス革命が起こり、最初の CAD システムが納入されました。それは緑色の光を放つベクター・スキャン・ディスプレイ 図1. 配線クローニングとピンへの引き込み配線を自動化した対話型ルータ とデータ入力用の大型デジタイザを備えた CALMA GDS1 システムでした。16KB(キロバイト!)のコア・メモリーを搭載した Data General Eclipseコンピュータの処理能力には圧倒されたものです。私はすぐにこのCADシステムのオペレーションに配属されました。そのシステムは世界 最大とは言わないまでも、ヨーロッパでは間違いなく最大規模のものでした。その後、私は当時事業を拡大していたCALMA社にアプリケーション・ このルータの実際の動作は、こちらのビデオでご覧ください。 ウェブビデオ:Routing Assistant - bit.ly/1VZA4D1 Custom Compilerに関するウェブセミナーのお申し込みはこちらから。 ウェブセミナー:Custom Compiler - bit.ly/1Q590kt 12 エンジニアとして入社しました。これがEDA業界でのキャリアの始まりです。その後、Silvar-Lisco社、Neolinear社でのマーケティング / セールス 職を経て、Cadence® 社で Virtuoso® のマーケティングを担当しました。このとき以来、アナログ / カスタム・レイアウトの自動化という「聖杯」 を探し求めています。このブログでは、シノプシス・ツールの最新動向をお届けします。 13
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