姫路市医師会 スポーツ医学 委員会 ゴルフ時の腰痛症について 段 秀 和 ある調査ではゴルファーの4人に1人は腰痛を訴えて す。仮に腰椎を20°回旋させたとすると残りの7 0°は胸 います。ゴルフスイングでは最後の腰の伸展(逆C型ポ 椎と股関節によって作り出すことになります。ヒトは加 ジション)時に体重の約8倍の力が腰にかかります。ア 齢によりだんだん背中が丸まり、頭が前方へ突き出した マチュアゴルファーよりプロゴルファーのスイングの方 姿勢になっていきます。アドレスの時点で、この姿勢 が腰へのストレスが少ないという報告があります。不適 (C型ポジション)では胸椎や股関節の捻じりの低下を腰 切なフォームは腰痛の原因になります。適切なスイング 椎がカバーすることになってしまいます。 を獲得するためには『十分な体幹筋力』と『十分な関節 ゴルフによる腰椎の中には腰以外に原因を認める場合 の可動性』が必要です。今回は後者にスポットを当てて があります。正しいスイングが行える土台作りとして専 みます。 門医による胸椎や股関節の動きのチェックを受けてみて まず、 “腰を捻る”とはどういう動作なのでしょうか? 下さい。また、理学療法士の指導のもとにトレーニング ヒトの関節の中で“捻る(回旋) ”ことが可能な箇所は肩 (アスレティックリハビリテーション)を行うと『関節 関節、股関節、脊柱の3つです。このうち脊柱は頸椎・ の可動性』の向上も期待できます。腰痛の原因の正しい 胸椎・腰椎のそれぞれで捻ることが可能な範囲に差があ 見極めとそれに対するアプローチにより楽しいゴルフを ります。腰椎は最も捻りにくい箇所で可動域は約15〜 長く続けていきたいものです。 2 5°です。ゴルフスイングでは体を90°以上回旋させま
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