募集要項 - JICA 独立行政法人国際協力機構

2016年度
能力強化研修
公共財政管理
2016年 10 月 24 日 ~ 10 月 27 日
募集要項
独立行政法人 国際協力機構
国際協力人材部
はじめに
公共財政管理(Public Financial Management:PFM)は、国の運営計画を財政の面
からマネジメントしようとするものです。国家が国家として成り立つためには、様々
な資金(歳入、援助資金、金融市場からの借入等)を基に事業を実施・管理すること
が必要です。従って、開発途上国への PFM 改革支援とは、単なる特定のセクターへの
支援ではなく、すべてのセクターに共通する国家の仕組みの根幹に関与する協力です。
途上国の間でも、開発目標を達成するためには安定的かつ持続的な財政運営が不可欠
であり、そのためには財政規律の維持、戦略的な資源配分、効率的なサービスデリバ
リーの実現のための制度・仕組みとして PFM が重要であるとの認識が定着してきてい
ます。
国連が昨年採択した「持続可能な開発目標(SDGs)]でも資金の適時・適所への配賦、
配賦した資金の使途と計画の進捗管理、さらに成果の管理など、PFM の重要性が強調
されています。また、JICA でもこれらの国際的な潮流と呼応して、近年 PFM 関連のプ
ロジェクト及び各種プロジェクトにおける PFM の観点を強化してきています。
今年度の PFM 研修ではこれまでの PFM プロジェクトの運営そのものに加え、基礎情
報収集・詳細計画策定調査から終了時・事後評価、さらには PFM 分野の調査研究事業
等、様々な形で PFM に携わることを意図する方々にとって有用と考えられる PFM 改革
に関する国際的な手法・評価指標の理解を軸の一つとしています。これは、近年、PFM
改革において国際的な手法・評価指標の標準化が大きく進んでおり、国際協調の観点
からこれらの手法・評価指標を理解することが必要なためです。また、知識の体系化
を図るために技術協力プロジェクトの専門家や日本の地方自治体において行財政改
革に携わった行政官との意見交換を通じて、業務遂行上の教訓の共有を図るとともに、
仮想事例を用いた案件形成演習を行うことも計画しています。
本コースでは、調査・評価・技術支援等、様々な形で PFM 改革支援に活躍する人材
を育成することを目的としており、会計士・税理士をはじめとする財務分野の実務者
はもちろん、様々な分野で国際協力に携わるコンサルタント・シンクタンクの方々、
また研究者の方々にもぜひ参加していただきたいと考えています。
皆様の積極的なご応募をお待ちしております。
1
1.応募要件
下記の全ての要件を満たす方とします。
(1)将来、専門家・調査団員等として JICA 事業に携わる意志があること
(2)全日程に参加可能であること。
2013 年から実施してきた「公共財政管理」を受講された方は、10 月 24 日(月)の
基礎編の参加を免除します。ただし、過去に受講歴があっても、ご本人が基礎編の
受講を希望する場合は参加可能です。
(3)専門能力・経験: 以下の①、②のいずれかを満たすこと。
①通算 3 年以上の開発事業の実務経験を有し、公共財政管理分野及び公共財政管理
の視点を必要とする他の分野の協力準備調査・評価など各種調査又は専門家等
の業務に携わることを志望する方(公共財政管理分野以外のセクター支援を専
門とする方も歓迎します)。
②現在、主に国内にて、税務、会計・監査など公共財政管理に類似した業務に携わ
っており、今後途上国での関連分野業務への参入を考えている方。
※語学力は応募要件とはしませんが、本研修参加者が途上国での業務に従事すること
を念頭に置いていることから、選考の判断材料とすることがあります。そのため、
保持している語学力に係る公的資格を、取得年月日が新しい順に必ず履歴書に記載
してください。
2.研修期間、募集人数
(1)期間: 2016 年 10 月 24 日(月)~10 月 27 日(木)
(2)募集人数: 20 名程度
3.研修会場
JICA 市ヶ谷ビル
〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町 10-5
TEL:03-3269-2911
FAX:03-3269-2054
4.応募方法
以下の(2)に記載されている提出書類を揃え、締切日までに JICA の運営している国
際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」(以下、「PARTNER」という。)から応募
してください。応募書類受付後、応募時に PARTNER で指定した本人連絡用の E メール
2
アドレスに対し、受領通知メールと共に応募案件番号(受付番号)を通知します。応
募後、3営業日以内に受領通知が届かない場合は、4 ページ「国際協力人材登録に関
するお問い合わせ先」までご連絡ください。
(1)PARTNER への登録
応募はすべて「PARTNER」経由で行います。応募にあたっては「PARTNER」に国際協
力人材登録(簡易登録不可)がなされていることが必須ですので、登録されていな
い方はまず「PARTNER」での人材登録を行ってください。登録手続きには本人確認の
ための必要書類の郵送に要する日数も含めて約一週間かかりますので、締め切り直前の
登録は避け、できるだけ余裕を持って登録してください。
「PARTNER」の URL
http://partner.jica.go.jp/
【PARTNER 登録の注意事項】
① 入力フォーム 4 ページ目「管理用」欄の冒頭に「2016 年度能力強化研修」と明記
してください。
② 同じく入力フォーム 4 ページ目「プロフィールの公開」欄で「希望する」を選択
し、公開先には必ず「JICA」を選択してください。
(2)応募書類
す べ て 所 定 の 様 式 を ご 使 用 く だ さ い 。 所 定 の 様 式 は 、 JICA ホ ー ム ペ ー ジ
(http://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/top.html)からダウンロードしてください。①の
履歴書についてのみ、PARTNER から書式をダウンロードして作成してください。
① 履歴書
応募に必要な「専門家履歴書」を PARTNER 上で作成して提出してください(履歴書への
写真添付は不要です)。一般履歴書など他の様式の履歴書は受け付けません。履歴書
は、PARTNER ログイン後、マイページのメニューから作成できます。
② 推薦書
所属先のある方は、必ず所属先の研修参加の了承を得てください。推薦書が用意でき
ない場合は、その理由を記載してください。自営の方や所属先のない方は不要です。
所属先において応募者ご本人が代表を勤めている方も必要ありません。
③ 自己申告書
必ず所定の様式を使用して提出してください。
3
(3)応募
応募期間内に「PARTNER」の応募画面から応募してください(予め応募書類をご用意してく
ださい)。
① 以下の URL から「PARTNER」にアクセスし、画面右上の“ログイン”をクリックして
PARTNER にログインします。
「PARTNER」の URL http://partner.jica.go.jp/
② 「研修セミナー情報」画面から該当のセミナー情報を検索し、「この案件に応募する」を
クリックしてください。
③ 上記(2)の応募書類を添付してください。添付方法の詳細は、PARTNER 活用方法の
「3.2WEB 応募を利用する」をご参照ください。
http://partner.jica.go.jp/resource/1425033220000/UsagePsnOrg/ForUsers.pdf
【国際協力人材登録に関する問い合わせ先】
独立行政法人国際協力機構 PARTNER 事務局
以下URL、PARTNERホームページの「お問い合わせ」からお願いします。
https://jica-partner.secure.force.com/inquiryEdit
5.応募締め切り
締切日: 2016 年 9 月 12 日(月)12:00 必着
6.選考結果の発表
応募書類を審査の上、2016 年 9 月 28 日(水)を目途に、下記の PARTNER のマイペー
ジ上で合格者の応募案件番号(受付番号)を発表します。PARTNER にログインし、マ
イページの「PARTNER からのお知らせ」をご確認ください。書面による通知及び JICA
ホームページ上では発表しません。
ご自身の応募案件番号(受付番号)は受領通知メール、又はマイページ「メールボ
ックス」の「受信 BOX」で「【PARTNER】公募案件への応募送信完了のお知らせ」を参
照ください。
なお選考結果に関する個別のお問い合わせには一切お答えできませんので、予めご
了承願います。
「PARTNER」の URL
http://partner.jica.go.jp/
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7.研修概要
(1)目的
① 公共財政管理支援に関するポジションペーパー(JICA の公共財政管理支援に
関する現状認識、これまでの協力実績、協力コンセプト、今後の課題などを
取りまとめたもの)を通じ、現在の JICA の公共財政管理支援の基本的考え方
を理解する。
② Public Expenditure and Financial Accountability(PEFA)(主に歳出が対
象)及び Tax Administration Diagnostic Assessment Tool(TADAT)(税務
行政が対象)を中心に、公共財政管理改革に関する実態把握のための国際的な
手法と評価指標を理解する。
③ 技術協力プロジェクトに従事してきた専門家や日本国内の地方自治体の行財
政改革を担当した行政官との意見交換を通じて、業務遂行上の教訓の共有を
図るとともに、仮想事例を用いた案件形成演習を通じ、知識の体系化を図る。
5
(2)日程
日
10/24(月)
時間
基礎編
AM
PM
研修内容
研修概要
09:30-10:00
開講式/オリエンテーション
PFM の全体的な概略を学
10:00-12:00
【講義】PFM の基礎
ぶ。そして「執行省庁によ
13:00-13:50
【講義】日本の ODA による公共財
る行政サービス向上と
14:00-16:30
政管理支援概観
PFM」において、執行省庁
【講義】執行省庁による行政サービ
(保健省を予定)が提供す
ス向上と PFM
る行政サービスの改善と
【ディスカッション】行政サービス向
PFM との関係を理解する。
上に寄与する PFM を考えるために
途上国執行省庁において
は
PFM 改革による行政サー
振り返り
ビスの向上支援に従事し
16:30-17:00
てきた専門家とのディスカ
ッションも予定している。
10/25(火)
実践編
AM
09:30-10:20
導入:【講義とディスカッション】
JICA 作成資料「PFM ハン
10:30-12:00
PFM 支援とその評価
ドブック-途上国の公共財
【講義】PFM 案件の支援及び評価
政管理(PFM)を『見る目』
の視点(PEFA による診断手法)
-」を基本文献とし、Public
(その1)
Expenditure and Financial
Accountability(PEFA)(主
に歳出が対象)を中心に、
公共財政管理改革に関す
る実態把握の国際的な手
法と評価指標の利用につ
いて解説する。なお、PEFA
の指標は 2016 年に大幅に
改訂されていることから、
改訂前と改訂後の指標の
関連についても解説する。
PM
13:00-14:50
【講義】日本の地方自治体の業績
途上国の PFM 支援に従事
15:00-17:30
予算の事例
するコンサルタントと日本
17:30-18:00
【講義】PFM 案件の支援及び評価
の地方自治体の行財政改
18:20-20:20
の視点(PEFA による診断手法)
革に携わる専門家による
(その2)
現場の取り組みの報告を
振り返り
踏まえ意見交換を行う。ま
6
た途上国の PFM 支援に従
事するコンサルタントによ
る座談会を通して、PFM 改
革における現場の取組及
び教訓を学ぶ。
10/26(水)
実践編
AM
09:30-12:00
【講義】PFM 案件の支援及び評価
JICA 作成資料「PFM ハン
の視点(TADAT による診断手法)
ドブック-途上国の公共財
政管理(PFM)を『見る目』
- 」 を 基 本 文 献 と し 、 Tax
Administration Diagnostic
Assessment Tool(TADAT)
(税務行政が対象)を中心
に、公共財政管理改革に
関する実態把握の国際的
な手法と評価指標の利用
について解説する。
PM
13:00-14:20
【講義】近年注目される PFM 支援
PFM 支援の最新動向とし
14:30-15:50
の国際動向(資源国 PFM)
て、近年の資源価格の下
16:00-17:30
【講義】案件紹介(公共投資案件、
落という困難な状況におけ
17:30-18:00
税務案件)
る資源国に対する PFM 支
【ディスカッション】現場で PFM を担
援を具体的な支援例として
当するコンサルタントとの意見交換
学ぶ。
振り返り
10/27(木)
実践編
AM
PM
09:30-12:00
【演習】途上国での PFM 案件形成
仮想国の事例を利用して、
(その1)
PFM 支援案件の形成方法
13:00-16:00
【演習】途上国での PFM 案件形成
について演習する。
16:00-18:00
(その2)
振り返り、研修評価、閉講式
※ 講義時間は 09:30~18:00 を予定しています。
※ 本日程は、暫定版のため変更の可能性があります。
※ 講師は、JICA 職員、コンサルタント等を予定しています。
※ 10 月 25 日(火)研修終了後、会費制による懇親会を予定しています。(任意参加)
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(3) 参考資料
<基本資料>
① JICA「Public Financial Management(PFM)ポジションペーパー」
http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/ff4eb182720efa0f49256bc20018fd25/1c99f7
f2a4d2250249257b1700325807/$FILE/%E5%85%AC%E5%85%B1%E8%B2%A1%E6%94%BF%E7%
AE%A1%E7%90%86%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3
%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC.pdf)
② JICA「PFM 課題別指針」
http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/ff4eb182720efa0f49256bc20018fd25/47125d
86f3a53a6d492579d400295663/$FILE/%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E5%88%A5%E6%8C%87%E9%
87%9D%E3%80%8C%E8%B2%A1%E6%94%BF%E2%80%95%E5%85%AC%E5%85%B1%E8%B2%A1%E6
%94%BF%E7%AE%A1%E7%90%86%E2%80%95%E3%80%8D(H25).pdf
③ JICA「公共財政管理分野における JICA 技術協力の効果的な実施のための留意事項」
http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/ff4eb182720efa0f49256bc20018fd25/1c99f7
f2a4d2250249257b1700325807/$FILE/20130315JICA%20PFM%E5%88%86%E9%87%8E%E3%8
1%AETA%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E7%9A%84%E5%AE%9F%E6%96%BD%E3%81%AE%E3%81%9F%
E3%82%81%E3%81%AE%E7%95%99%E6%84%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85%EF%BC%88%E3%82%BB
%E3%83%83%E3%83%88%E7%89%88%EF%BC%89.pdf
④ JICA「PFM ハンドブック-:途上国の公共財政管理(PFM)を『見る目』」
http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/B9EBD9A793E2456249256FCE001DF569/8
E6942773B36EE7A49257CC200117AD1?OpenDocument
<さらに関心がある方向けの資料>
① PEFA「The Public Expenditure and Financial Accountability (PEFA) Framework」
http://www.pefa.org/en/content/pefa-framework-material-1
② PEFA「Good Practice Note on Sequencing PFM Reforms」
http://www.pefa.org/sites/pefa.org/files/v8-Good_Practice_Note_on_Sequencing_PFM_Ref
orms_%28Jack_Diamond__January_2013%29_0.pdf
③ World Bank, Budgeting and budgetary institutions / edited by Anwar Shah.
http://siteresources.worldbank.org/PSGLP/Resources/BudgetingandBudgetaryInstitution
s.pdf
8
④ FASID「公共財政管理と日本の開発援助」
http://www.fasid.or.jp/_files/publication/DP_9_J.pdf
⑤ JICA 調査研究「途上国における財政管理と援助 -新たな援助の潮流と途上国の改革
-」
http://jica-ri.jica.go.jp/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/200
3_04.html
⑥
JICA「テーマ別評価:開発効果の持続性確保のための途上国政府による公共財政管理
に向けての考察」
http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/tech_ga/after/theme.html
⑦ JICA「PFM ハンドブック:技術協力のパイロット事業におけるファイナンシャル・プランニン
グ」
http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/3b8a2d403517ae4549256f2d002e1dcc/0a25
357ddb84c8ab49257c4d0006e4fc?OpenDocument
8.修了証の授与
全日程を修了された受講者へ、研修修了証をお渡しします。
9.資料代
資料代として 2,000 円を徴収させていただきます。支払い手続きにつきましては、選考結
果発表後に受講者へご連絡します。
10.留意事項
(1)研修期間中の盗難、紛失、事故等については、JICA は一切責任を負いません。予めご
了承ください。
(2)研修実施に影響を及ぼすため、合格後の辞退はできるだけご遠慮下さい。
(3)円滑な研修運営に支障を来すおそれがあり、受講者本人や他の受講者の不利益にな
ると JICA が判断した場合は、その後の研修参加をお断りする場合があります。
(4)研修修了一定期間の後、研修後の国際協力事業へのかかわり等に関するフォローアッ
プ調査をアンケート形式で実施しますので、回答にご協力願います。
(5)受講のため必要な経費は自己負担となります。また、宿泊先の紹介および斡旋は致し
かねますので予めご了承願います。
以上
9
様式 1 推薦書
様式 2 自己申告書
―ご提出頂く応募書類の取り扱いについて―
提出書類は、選考の結果にかかわらず返却しませんので、あらかじめご了承願います。
【個人情報の利用目的】
当機構が収集した応募者の個人情報は、以下の目的で利用させていただきます。当機構
は、ご本人の同意を得ないで、この利用目的の達成に必要な範囲を超えて応募者の個人情
報を利用いたしません。
1.当機構が能力強化研修の受講者の選考を行うため
2.当機構の研修実施にかかわる、各種情報(セミナー・イベントやホームページの案内等)の
提供や連絡等を行うため
3.応募者についての統計、データ分析を行うため
4.研修の修了後、研修修了者へ能力強化研修の成果の活用状況について照会し、この結果
を統計データとしてまとめ、将来的な研修カリキュラム改善に活かすため
【個人情報の取扱いについて】
当機構は収集した個人情報を当機構の責任のもとで適切に管理し、研修の受講に至らなか
った場合は、当機構の責任のもとで適切に廃棄致します。この場合、書類の返却は致してお
りませんのでご了承ください。
【応募に関する問い合わせ先】
独立行政法人国際協力機構 国際協力人材部人材養成課(研修管理室)
〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町 10-5 JICA 市ヶ谷ビル
TEL: 03-3269-3471
E-mail: [email protected]
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