リスクマネジメント体制 日本ガイシでは、CSR委員会を中心としたリスクマネジメントの推進体制を構築しています。リスクの種類ごとに責任者と 対応する体制を定め、リスクの未然防止活動とリスク対応力の向上に努めています。 リスクマネジメント体制 リスク対応 平時 危機発生時 CSR委員会と各委員会でフォロー 法令・倫理または 事件・事故に関する対応 CSR委員会が担当。緊急を要するものはあらかじめ決められた5人 と関係役員で初動対応。 品質に関する事故 全社品質委員会が担当。 災害に関する事項 中央防災本部とBCP対策本部が担当。 CSAアンケートに基づくリスクの抽出と未然防止 日本ガイシと国内グループ会社では、リスクマネジメント体制の強化の一環として、日常の事業運営で起こりうるさまざま なリスクの把握と未然防止を目的に、リスク発生の可能性とその影響度について回答者の認識を問う「CSA(Control Self Assessment)アンケート」を実施しています。 日本ガイシを対象とするアンケートと国内グループ会社を対象とするアンケートを隔年で実施しています。2015年12月に CSAアンケートを実施し、その結果をもとに各リスク対応部門と各本部で2016年度のリスク対応策を策定しました。CSA アンケートはリスクの未然防止や的確な対応を図るための啓発の役割も果たしており、今後も継続して実施していきます。 - 74 - CSAアンケートの実施状況 CSAアンケートに基づくリスク対応策 全社共通リスク ※人事部、法務部、知的財産部、グローバルコンプライアンス室、総務部、資材部、情報システム部、経 営企画室、環境経営統括部、品質統括部、施設統括部、安全衛生統括部 主なリスク 対策 コンプライアンス 競争法・贈収賄コンプライアンス体制の強化(含海外グループ会社) 情報 撮影・録画機器の持ち込み制限、秘密保持誓約書 雇用・労働 組織診断実施、労働時間管理、長時間残業の多い職場・個人の指導 事件・事故・災害 総合防災訓練、BCP訓練、地区別防災計画 環境・製品安全 パトロール・訓練の実施、品質委員会・品質会議でのフォロー 海外グループ会社のリーガルリスクマネジメント 日本ガイシグループでは、事業拡大に伴ってグローバル化・多様化するリスクを最小にとどめるため、海外での事業展開に おけるリーガルリスクマネジメント状況の把握強化に取り組んでいます。 海外グループ会社に対しては、半年に一度、訴訟そのほかの法務案件や弁護士の利用状況を、また年に一度、ヘルプライン の利用状況、輸出管理の状況、法令関連情報の入手状況など、リーガルリスクへの対応状況の報告を求めています。報告の 中から主要な内容についてはコンプライアンス専門分科会とCSR委員会で報告し、情報を共有しています。 また、海外拠点からの相談に対しては適宜、弁護士と法務部が対応しリスクを回避しています。 - 75 - BCP(事業継続計画)への取り組み BCPへの取り組み 日本ガイシでは、BCP(事業継続計画)を全社的に推進し、大規模災害の発生時に事業継続や早期復旧を指揮する組織と して、社長を責任者とするBCP対策本部を設置しています。複数拠点化や複数購買化、建物・設備の減災、従業員の安全確 保などの各種対策に取り組んでいます。 2015年度の取り組み ・一般の方が来場され利用される施設に食料・寝具等の備蓄品を配備した。(顧客の帰宅困難対策のため) ・2014年度に引き続き、大規模地震発生から5∼6時間後を想定した訓練を実施、これに加えて、発災から3日目の想 定のもと復旧方針を決定するまでの訓練を実施した。復旧方針の決定判断に必要な情報を精査、現在想定している対 応の問題点を抽出した。 今後予定している取り組み 訓練シナリオの高度化、対象者や範囲の拡大などにより、初動と事業継続における対応力の向上に努めます。より実践的な 訓練を通じて、BCPの実効性を高めていきます。 担当者へのQ&A Q. ここ数年、訓練にどのような工夫を行い、どのような効果が出ている か? A. 実際に動いてみると机上で想定した以上の具体的な発見があり、それ が改善につながっています。年を追うごとに細かい点の改善ができる ようになっています。 Q. 実践的な訓練により明らかになった問題点は?それを今後どう改善し たいか? A. 刻一刻と変わる情報をどのように分かりやすく伝えるのか、発災から 復旧方針決定までの時系列での動きにより近い状態を設定した訓練を 行うことで検証を重ねていきます。 - 76 - 経営企画室 野嶋美奈子 知的財産マネジメント 日本ガイシグループは、知的財産教育などによって知的財産の創造活動を奨励し、適切な権利の保護・活用に努めていま す。また、自他の権利を尊重することを基本方針として、事業部門、研究開発部門と知的財産部門が緊密に協働し、戦略的 な特許網の構築を目指して取り組んでいます。なお2016年3月末時点で、日本ガイシは国内特許を2,907件、外国特許を 4,042件保有しています。 管理者向けの啓発プログラムの実施 日本ガイシでは、事業部門や研究開発部門での知的財産戦略を磨くために、管理層向けの啓発プログラムを実施するととも に、そこで抽出された課題を自社の知的財産戦略に活かしています。 2015年度は、11月26日に「知財を考える」シリーズ講演会の第7回を実施しました。「YKK株式会社の知的財産活動のご 紹介」と題し、講師としてYKK株式会社の法務・知的財産部 知的財産グループアドバイザーの永安孝志氏をお招きしまし た。YKKグループのグローバルな知財活動や、YKKグループのビジネスモデルと特許の関係、中国での知的財産への取り組 みなどについてお話しいただき、約100人が聴講しました。 知的財産教育の推進 若手技術者のための研修 主に開発部門の若手技術者を対象に、知的財産情報をグラフや図にして「見える化」する手法を学ぶ「特許マップ活用説明 会」を継続実施しているほか、全社向けに特許の基礎を学ぶe-ラーニングも導入しています。 2015年度は「特許マップ活用説明会」を1回実施し、計2人が受講しました。また、e-ラーニングは計136人が受講してい ます。また、対話形式の少人数セミナーを研究開発部門や事業部門の若手技術者を中心に5回実施しました。計62人が受講 し、特許の基礎知識や先行技術調査、特許明細書の読み方などについて意見を交換しました。 従業員の発明を奨励する職務発明報奨制度 日本ガイシでは、特許法に基づく法的観点および従業員の発明を奨励するため、出願報奨、登録報奨、実績報奨から構成さ れる「職務発明報奨制度」を設け、正当な対価を従業員に支払っています。実績報奨では、日本ガイシの黒字製品で使用さ れている特許などを対象に、その製品の利益の一部を発明者に分配しています。 制度の制定以来、自動車排ガス浄化用セラミックスや半導体製造装置用セラミックスなどの製品に関し、製品利益の一部を 発明者に分配しました。 国内グループ会社でも本社と同等の職務発明制度を設け、日本ガイシグループ全体での発明奨励活動を行っています。 さらに各国法制や労働慣行を踏まえ、知的財産活動奨励と個人の権利保護のために海外グループ会社でも職務発明報奨制度 を順次整備し、グローバルな知的財産活動を推進しております。 海外での知的財産リスクへの対応 グローバルな生産活動を行う自動車排ガス浄化用セラミックス事業をサポートするため、海外の工場での発明を適切に管理 する手法を構築しました。海外でも、日本と同レベルの知的財産マネジメントを推進していきます。 - 77 -
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