川 崎 Gタ ー ボ - 川崎重工業株式会社

マグネット
パワーです!
磁気軸受
Kawasakiの技!
最高3万回転/分
低振動・
低騒音で
高速回転!
②磁気軸受制御装置
高速電動機
1 分間に最高で 3 万回転する高速電
動機。磁気軸受と一体の構造になっ
ている。回転速度はインバータ制御
により可変で、吸込状態などに合わせ
て効率の良い回転速度を生み出す。
空気で電動機を冷やすので、冷却水
を管理する手間がいらなくなった。
④コンバータ
③インバータ
⑤入出力
フィルタ
制御信号
磁気軸受は、ロータを磁気軸受(電磁石)の磁力
により浮上させる方式。ロータと電磁石のすき
間はわずか数百㎛。磁気軸受制御装置は、
X・Y・
Zの各座標軸に対して位置センサによって現在
の位置を常に把握し、磁気軸受に対する電流値
を 制 御 す ることで ロ ー タ を 基 準 位 置 に 保 つ 。
ロータの制御幅は5∼ 10 ㎛に納められている。
川崎 MAG ターボは、①ブロワ本体の他、②磁気軸受制御装置、③イン
バータ
(高速電動機の回転速度を制御するために供給する電源の周波
数と電圧を変化させる)、④コンバータ(インバータに供給する電源を
交流から直流に変換する)、⑤入出力フィルタ(インバータで発生する
高周波を抑制する)、などで構成されている。各種の部位は小型で設置
面積は小さく、またブロワ本体と制御機器類を別置きにもできるなど、
設置条件に柔軟に対応できるのも大きな特徴だ。
吸込
空気の流れを
スムーズにする
理想的な形状を
開発しました!
(補助電源)
AC入力
川崎重工業株式会社
機械ビジネスセンター空力機械部
ブロワ設計課基幹職
青田雄弘(右)
ブロワ設計課主事
木下雄二(左)
技術革新で、
数 々の魅 力 を 満 載
下水処理場で汚水に含まれる
有機物を分解するための生物反
応 槽 に 空 気 を 送 る﹁ 曝 気 用 送 風
機︵ ブ ロ ワ ︶﹂。下 水 処 理 の 中 核 設
備 の 一 つ だ 。タ ー ボ 型 や 容 積 型
な ど の タ イ プ が あ る が 、い ず れ
の タ イ プ も 成 熟 し た 機 械 で あ り、
基本構造に大きな変化はなかっ
ターボ﹂だ 。
M
A
G
た 。そ こ に 技 術 革 新 を も た ら し た
年に初号機が岐阜市の
2
0
0
6
のが﹁川崎
下水処理場に納入されて以来、
全国
台 に 達 し 、単 段 ブ ロ ワ
ターボを見た
各地の下水処理場への導入は間 も
なく
1
1 3
0
つ︶
で圧倒的なシェアを
持つ。﹁初めて
M
A
G
︵羽 根 車
と き の お 客 さ ま の 第 一 印 象 が 、図
抜けてよい﹂︵青田基幹職︶
。
高い評価を得ている理由が、
コ ン パ ク ト で 省 エ ネ ル ギ ー 、メ
ンテナンスフリーに近い保守管
理 の 容 易 さ な ど だ 。磁 気 軸 受 方
式の電動機に羽根車を取り付け
てインバータで高速駆動させ
る 。従 来 機 と 異 な り 機 械 的 接 触
がないために潤滑油や冷却水な
ど の 補 助 設 備 が 不 要 で 、全 体 の
制御システムも含めてコンパク
ト な パ ッ ケ ー ジ 化 を 実 現 。ま た 、
すべての部位を自社開発するこ
とでトータルシステムとしての
最適化が図られている。
ある下水処理場の試算による
%削減さ
12
と 、年 間 の 電 力 消 費 量 が 、従 来 の
同風量機に比べて約
れ た 。ま た ブ ロ ワ と 制 御 機 器 を
別置きできるなど設置を柔軟に
アレンジできる。
ブロワに要求される風量は、
季 節 や 天 気 、曜 日 、さ ら に 時 間 帯
に よ っ て 異 な る 。そ の た め 処 理
場 で は 、予 備 機 も 含 め て 複 数 台
のブロワが設置されて必要風量
に応じて運転台数の変更や風量
調 整 が 行 わ れ る 。だ か ら こ そ 小
ターボへ
M
A
G
型 コ ン パ ク ト で 省 エ ネ 、メ ン テ
ナンスが容易な
の注目と信頼が高まる。
その存在を広く知られる設備
と同時に高速回転する電動機が発電機に変わって発電し
(回 生電 力 )、ロータが安 全に落下できる回転速 度に低 下
するまで、磁気軸受制御に必要な電力を供給する。このた
め無停電電源装置が不要になった。
で は な い が 、ブ ロ ワ は 安 心 で 安
運転中に停電すると磁気軸受制御システムが働かなくな
り、浮 上して いるロ ータが 高 速 回 転したまま軸 受 部に接
触して損傷するリスクがある。しかし、MAG ターボは停電
全 、快 適 な 生 活 を 支 え る 地 球 環 境
停電発生時でも心配無用
風量は
30∼300㎥/分
吐出
解 説
インレットベーンは、回転リ
ングにより角度が連動して
変化し、吸込気流に旋回を
与えることによって風量を
効率良く制御する。ステンレ
ンス製で耐食性に優れ、長
期使用に耐えられるように
なっている。
生物反応槽へ
に優しい機械として回り続けて
磁気軸受
制御装置
高速電動機ロータの軸端に取り付けら
れているのが斜流型の羽根車。高速回
転しながら吸込口から入った空気を圧
縮して吐出口へと送る。初代の斜流型
羽根車は半世紀近く前に川崎重工が
自社開発したものだが、その形状や空
気流路の設計は、常に最先端の技術で
進化し続けている。
いる。
50Hz
60Hz
インバータ
軸受制御信号
DC700V
浮上用電力
コンバータ
インレットベーン
斜流型羽根車
回生電力
DC母線
®
潤滑油を使わないので、
オイル漏れなどがなく、
環境にやさしく、
経済的・長期的な
メンテナンスフリーが
可能になりました!
Kawasakiの技!
電源
喪失
ターボ
レイアウト・アレンジも豊富
設置場所を選ばないコンパクト設計
ミクロン単位の制御で磁気浮上
もしもの時でも
頼りになる
Kawasaki魂
M
A
G
すべてが
自社開発!
1 0
﹁ 下 水 曝 気 用 ﹂磁 気 浮 上 式
高 速 電 動 機 直 結 単 段 タ ー ボ ブロワ
ロータ
テクノ
ボッ
クス
磁気軸受に支持され、その軸端
に羽根車を直接取り付けている
のがロータ
(回転子)
。合金鋼製
で、適切な熱処理後に高精度に
仕上げられ、長期の使用に十分
に耐えられるようになっている。
川崎
数百㎛
位置
センサー
(電磁石)
。高速
MAGターボの中核技術である磁気軸受
電動機のロータを電磁石の磁力
(ロータを各方位の磁石
が引き寄せようとする力)
を利用して浮上させており、2
つのラジアル磁気軸受と1つのスラスト磁気軸受で構成
されている。磁気浮上式なので機械的なロスが極めて少
なく、
電力消費量が低減する。また潤滑油と、
その冷却水
がいらないので関連の設備、保守点検が不要になり、ユ
ニット全体のメンテナンス負荷が大幅に低減されている。
磁気軸受制御装置
磁気軸受
(電磁石)
①ブロワ本体
ロータ
※「 MAGターボ」
は、川崎重工業株式会社の登録商標です。
11
Kawasaki News 183
Kawasaki News 183
10