考える - 桜井市

※こ こ で は、 建 築 物 で あ
る「公共施設」と道路、
橋 り ょ う、 ト ン ネ ル、
公園、上下水道など「イ
ンフラ施設」を合わせ
て、「公共施設等」と呼
びます。
将来の世代のため 市の施設について、考える
桜井市公共施設等総合管理計画を策定しました
昭和 ~ 年代の高度経済成
長期以降、人口増加と市民の新
設に限ったことではなく、これ
いきます。しかも、これは1施
に必要なお金がどんどん増えて
51,232
30
80
15 ~ 64 歳人口比率
70
48,177
46,651
45,167 60
50
40
人口比率(%)
49,732
30,000
30
20,000
65 歳以上人口比率
20
10,000
10
0 ~ 14 歳人口比率
出典:桜井市人口ビジョン
どうして?
年安心して使
たな需要に対応するため、桜井
まで整備してきた施設が大量に
52,589
経った今、あと
市では多くの公共施設等を整備
老朽化していきます。
54,123
うことができるでしょうか。ま
し て き ま し た。 半 世 紀 近 く が
人口の将来展望
なぜ、市の施設のことを考え
たった今、それらは、老朽化が
将来の世代にとって必要な施
設はどうあるべきなのか、将来
50
た、古くなってくると維持管理
進み、耐震性が低いものや設備
の施設のあり方を考えていかな
40
る必要があるの?
などが古くなっているものも少
す。
55,681
ければならない時期に来ていま
年以上経過
57,247
なくありません。市の公共施設
の約半数は建築後
人口(人)
㎡。人口や産業構造が類
40,000
し、多くの公共施設やインフラ
50,000
30
減少していく市の人口
60,146 58,675
施設の老朽化が進んでいるのが
現状です。
60,000
30
桜井市の人口は、少子高齢化
などにより減少が見込まれてい
ます。雇用や子育て支援などの
4・
似する市の平均とは同水準です
グラフ①
公 共 施 設 を 新 築 し た 当 時 は、
年経っても、まだまだ使うこ
とができました。ずっと使える
対策を取り、人口減少を緩やか
年 に は、
ような感覚を持っている人がい
年後の平成
67
にしていきたいと考えています
が、 約
40
ても不思議ではありません。で
30
年
市民一人あたりの公共施設の
04
も、その公共施設が建築後
人 口 が 4 6、6 5 1 人 に な る こ
とが予測されています(グラフ
0.7
㎡、
Sakurai City Public Relations
が、 県 内 他 市 の 中 で は 約
3
延床面積の比較
※小学校施設内の学童保育所を除く
64
歳までの
39
9
11
7
15
歳から
公営住宅(市営住宅、改良住宅など)
公園(公園トイレおよび倉庫)
供給処理施設(グリーンパーク(ごみ焼却炉棟など))
上水道(外山浄水場管理本館、初瀬浄水場管理棟など)
① 参 照 )。
20
全国市町村の平均と比較すると
行政系施設(市役所庁舎、消防機具庫等、防災用備蓄倉庫、
水防倉庫)
生産年齢人口も減少傾向が続
11
0.4
㎡多くなっています。
保健・福祉系施設(保健福祉センター「陽だまり」、保健会館、福
祉センター、高齢者総合福祉センター、老人憩の家など)
約
4
16
※
13
今年3月時点で、桜井市には
市役所のほか、小・中学校や図
産業系施設(商業者育成支援センター、地場産業物産展示場など)
学校教育系施設(小学校、中学校、学校給食センター)
子育て支援施設(幼稚園、保育所、学童保育所)
人口減少が進むと、一人あた
りの公共施設の延床面積が増加
6
します。これは、市民一人が負
スポーツレクリエーション系施設(芝運動公園総合体育館、市民
体育館、初瀬観光センターなど)
担しなければならない費用が増
4
えていくことを意味します。
社会教育系施設(市立図書館、埋蔵文化財センター、纒向学研究
センターなど)
年以降、市民の3人
25
き、平成
施設数
書館など195の公共施設があ
出典:公有財産台帳・固定資産台帳
施設区分
市民文化系施設(市民会館、中央公民館および教育委員会棟、ま
ほろばセンター、ふれあいセンターなど)
65 47
歳以上の高齢者とい
表①
25
に1人が
子育て支援施設
4.7%
ります(グラフ②、表①参照)。
保健・福祉系施設
4.4%
う時代に。予測では、これから
行政系施設
3.7%
あたりの公共施設の延床面積は
学校教育系施設
38.5%
将来を担う子どもたちの人口が
延床面積
251,382㎡
総務省の公共施設状況調(平
成 年度)によると、市民一人
公営住宅
18.2%
その他
3.8%
大きく増えることは、少ないと
公園
0.1%
供給処理施設
10.7%
社会教育系施設
2.8%
スポーツレクリ
エーション系施設
市民文化系施設
3.2%
7.1%
産業系施設
1.1%
言えそうです。
上水道
1.7%
グラフ②
H27年
H37年
H47年
H57年
H67年
広報わかざくら 平成28年8月号
2
特集 将来の世代のため
市の施設について、考える
公共施設等をとりまく
現状と課題
日本全国では、老朽化した公
共施設等が原因となる事故が起
こっています。また、今年4月
の熊本地震では、耐震性が低い
建物の倒壊が多く見られ、橋の
崩落も見られました。
市の施設は、市民のみなさん
が安全・安心して使用できるこ
と が 最 優 先 さ れ る べ き で す が、
きちんと維持保全や耐震化がで
きていない施設が多くあるのが
実状です。
大量の公共施設等の老朽化
は、全国で進行しています。こ
れは、高度経済成長期以降、公
共施設等の整備が一斉に進んだ
ことによります。大量の公共施
設等の更新に対して、どのよう
に向き合うべきでしょうか。
年間
市の公共施設等の今後
の更新などの費用を総務省が公
表するソフトを使って試算しま
年 間 で 1、
した。市が保有する公共施設を
全て更新するには
年間で
050億円以上、インフラ施設
を全て更新するには
850億円以上必要であるとの
市の財政見通しなどから見る
結果となりました。
いま現在、進めている
数 億 円 ほ ど。 財 政
と、 公 共 施 設 等 に 充 て ら れ る 金
額は毎年度
状 況 を 考 え な が ら、 こ れ ま で で
きていなかった維持保全や耐震
た。その他、今月から、桜井西
幼稚園の耐震補強工事を進めて
今 月、 粟 殿 に 保 健 福 祉 セ ン
ター「陽だまり」がオープンし
営に民間の資金とノウハウを活
設計、建設、維持管理および運
いきます。
ました。これまで、市内に点在
用し、公共サービスの提供を民
公共施設等総合管理計画を
策定しました
で
年間
・2%縮減
床 面 積 )を
り、施設保有量(延
長寿命化対策を図
数値目標 ◆
◆ 公共施設の
を進めます。
これらのことから、次の数値
目標を掲げ、具体的な取り組み
全していこうと考えています。
なる公共施設はきちんと維持保
を終えた施設を見極め、必要と
これからも保有する施設と役割
することは不可能です。そこで、
人口減少や財政状況を見据え
ると、すべての公共施設を保有
などを定めました。
活用」、「質の見直し」の三原則
る「総量縮減・最適化」、「有効
を目標として、公共施設に関す
設等による行政サービスの提供
きる適切かつ持続可能な公共施
これらの課題に取り組むた
め、市では今年3月に計画を策
定。市民が安全・安心に利用で
化 に 取 り 組 み、 必 要 と さ れ る 施
設は更新していかなければなり
ま せ ん。 こ れ ら を 総 合 的 に 考 え
る必要性が高まってきています。
れからも次の世代に、より良い
たインフラ施設の長寿命化(耐
います。また、道路や橋といっ
市では、これからの公共施設
の再配置について検討を進めて
す。
対 象 と し て、「 公 共 施 設 の あ
6月から7月にかけて、
歳 以 上 の 市 民 2、0 0 0 人 を
で見ることができます。
ナ ー ま た は、 市 ホ ー ム ペ ー ジ
桜井市公共施設等総合管理
計 画 は、 総 務 課 情 報 公 開 コ ー
久性を向上させ、長持ちするよ
り方及び再配置に関する市民
形でつないでいくことが必要で
う対策を行うこと)や、最適化
アンケート」を実施しました。
16
公共施設の整備
していた保健会館や福祉セン
間に委ねること。
についても取り組んでいきま
ると思いますが、借金をしてでも優先すべき
※PFI事業とは、公共施設等の
ター、未就学児のためのつどい
の広場が1か所に集まり、利便
これからの施設のことを、
す。これからの未来のために必
する人も多くなるのでは。
(30 代女性)
ご 協 力 い た だ き、 あ り が と
うございました。みなさんか
市外や県外に出ることなく地元の施設を優先
要な公共施設等のあり方を考え
欲しい。地元で余暇を楽しむことができれば、
らいただいたご意見は、今後
近くに語学教室や軽スポーツのできる施設が
します。
て災害対応できるのか不安です。
(50 代男性)
性がより高くなります。
40
H52 年
H47 年
H42 年
H37 年
H32 年
0
市役所庁舎は建ってからかなり年数が経過し
ていきますので、市民のみなさ
てると思います。
(10 代女性)
の大切な資料として活用いた
ているので、老朽化が心配です。予算面もあ
32
200
たら、施設も大切に使おうという気持ちが持
4
広報わかざくら 平成28年8月号
Sakurai City Public Relations
5
H67 年
H57 年
H62 年
では。今後大地震が起きたとき、中心となっ
600
ポーツや文化教室を楽しみたい。
(50 代女性)
一緒に考えてください
す。介護施設だけでなく、身近な場所で軽ス
10
市民が自分たちで管理や負担するようになっ
30
な施設や、健康維持に役立つ施設が欲しいで
んのご理解とご協力を、お願い
思い切ってカットするのも大事。
(30 代男性)
800
元気な高齢者が生きがいを持って集えるよう
その後、保健会館は解体。跡
地に、 ※PFI事業により学校
活動しやすい環境を整えて!(20 代男性)
400
駄な経費が使われているところは縮小するか
1000
が子どもを産みやすく、または子どもたちが
給食センターを建設する予定で
い。高齢者向けの施設も大事だけど、若い人
します。
を受けている施設は必要ないと思います。無
累計費用
(億円)
公共施設の更新に係る経費
更新費用
(億円)
若い世代が利用できる施設を増やしてほし
公共施設は、先人たちが築い
てきた貴重な施設であり、市民
図書館やスポーツ施設など、もっと子どもや
す。現在の給食センターは、耐
しい。
(30 代女性)
のみなさんが利用する大切な財
設について、本当に必要かどうかを考えてほ
震性が低く老朽化が著しいた
をなくすとかはやめてほしい。それぞれの施
20
利用人数の少ない施設、特定の人のみが利益
40
40
40
20
40
使う頻度が少ないからといって、安易に施設
産です。その大切な財産を、こ
まちで聞かれた声
め、建て替えの必要がありまし
公共施設っているの?いらないの?